「キリッとキレ味!クールに行こうぜ誰よりも」
携帯を探すこと数時間、結局見つける事が出来なかったジョセフはホテルに戻り不貞腐れていた。
携帯が無くなり、ゴン達や知り合いと連絡を取れなくなり無心になったジョセフは飲み物の開発を進めることにした。
まず初めに俺の念で作るジュースは引き算が出来ない。味が濃くなり過ぎた時、その味を薄めるには他のフレーバーを足して味を変えるという足し算しか出来ない。
たがこの方法は基本的に成功しないときの方が多い。イメージはファミレスでドリンクバーを片っ端から入れていきオリジナルドリンクを作る感じだ。王道にブレンドしていけばある程度の味には出来るが下手をすればドリンクバー全てをミックスしたような不味いドリンクが出来てしまう。
しかし成功例も勿論存在する。ソルティライチが良い例だ。あれは塩辛い水に甘味を入れる事により完成した。普通に生きていればこんな方法は思いつかない。
やはり俺は天才だと言う事をしみじみと感じながらドリンクの開発を進める。
先ほども言ったが王道にブレンドすればある程度のジュースは出来る。でも俺はそのボーダーで完成品として世に出したくない。コーラとペプシを混ぜても美味しいはずだがそんな物を作りたくてジュースを作ってくる訳では無い。
ソルティライチをイメージしてそして今まで作ってきた、コーラやドクターペッパーそう言った成功した炭酸飲料を思い出し。ある一つの考えが浮んだ。
そこからジョセフは思い浮かんだ事を成功させる為に数々のドリンクをコップに念を込めて作っていった。
少量の水を加えて念を込める。味を確かめて酸味と苦味を確認する。そして更に水を加えて炭酸を作る。ジュースを作る度に思い描いたジュースへと完成していく事にジョセフのテンションが上がった。
酸味は果物で言うところのレモン、そして苦味これはただ苦いのではなく「ほろ苦い」、酸味も含まれる中でレモンより柔らかく、キリッとした爽やかさがある、果物で言うライム。大人の味とでも言えば良いのだろうか。
この作り上げた味をベースに更に水を入れて炭酸を作り上げる。いつもより多くオーラを込めて「周」を行い水に圧力を与える事で唯の炭酸ではなく強炭酸を作り出した。そして出来た物を飲んだ…
…完成した。
この飲み物はある一つのライバルの飲み物に対抗するべく作られた。元気を意味するSpiritと妖精を意味する英名から名付けられた。レモンとライムの爽やかな味が特徴で、前世では販売されている透明な炭酸飲料の代表的なブランドだった飲み物だ。
Obey your thirst.(渇きに従え)
〜Sprite〜
レモン・ライムの爽やかな酸味とすっきりした甘さ、そして強炭酸によるキレのある後味がクセになる。また歴史を動かしてしまった。そう例えるなら黒船来航。え?違う?
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ここ数日、スプライトの開発に時間をかけてしまい日付は9月9日、4日間程ジュース作りに熱中していた俺はテレビを付けると大富豪バッテラがオークションで「グリードアイランド」と言うゲームを買い占めているニュースがやっていた。
オークションでの落札額は278億…278億!それほどのゲームどれだけ面白いのか計り知れない。参加者も募集しているとテレビで放送していたので興味本位で10日に向かうことに決めた。
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突然だが俺は今ひどく憤りを感じている。10日に会場に向かうと多くの参加者が列を成していた。この行列は予想していたことだ…許す!!
俺以外の参加者が子供の俺を見下して雰囲気的に舐めた態度を取ってくるのも…まあ許す!!
でもさっき会場の受付から聞いた説明は何度聞いても納得が行かない。
「それでは目録に付属していたカードを拝見します。そちらが入場券兼今回審査を行う参加権にもなりますので。」
そういった物があるのか、俺はカードを持っていない事を受付に言うと何故か分厚い本を持ってきて説明を始めた。
ある程度の説明を受け理解はしたが一点のみ俺が許せない事が起こった。
「でも君大丈夫?この目録は1200万ジェニーもするのよ。」
1200ですね、はいはい分かりましたよ……1200万?why?何を言われた?今この説明を受けている間も受験者が会場の中へと入って行くのが見えた。
1200ジェニーと聞き間違えて財布のチャックに手を掛けてしまった。え?こいつらも漏れなく全員1200万もお金を払っているのか?正気か?
ジョセフの名誉の為に話すがジョセフの所持金は1億を超えている。過去に天空闘技場である程度の額は稼いでいたが1200万と言う額のモノを買った事が無く、ここに来て日本人の精神「勿体無い」というマインドがジョセフの脳内を侵した。
大丈夫だまだ助かる。このままお金を持ってない感じを出して帰ろう。
「すいません、お金を持って無ィ「そいつは通して大丈夫だ。着いてこい坊主。」
受付と俺は同時に声の方に視線を向けると肌黒く太っている男が突然声を被せてきた。
その男は受付と話し合い納得がいったのか俺の方に近づいてきた。男は直ぐに何か言ってくるかと思えば俺を横切り会場の方へと歩き出した。
「何してるんだ早く来い。もうツェズゲラが説明を始めてる時間だぞ。」
男は俺に催促をして来たので訳も分からず会場へと歩き出した。
「あぁ言ってなかったな、俺はロドリオット。ツェズゲラから話は聞いてるぞ。入場券のカードは無くしちゃいけねーだろ。」
ほーん、話を聞かなくても分かったぜ、この男、俺を誰かと勘違いしているな。
「まぁ審査を受けるのは只だ。お前がこの4日でどれくらい変わったかはツェズゲラが判断する。」
その後も誰かと勘違いされたまま歩きながらセーブデータがどうとか片方の坊主はどうしたとか色々聞かれたがなぁなぁにして誤魔化し会場に着いた。
会場の端に人が列を作っており既に審査が始まっていた。
「もう審査が始まってるな、合格して中で会ったら宜しくな。俺はこのままここで待機だからよ。」
ロドリオットは最後まで俺を誰かと見間違えてここまで案内してくれた。感謝ロドリオット、ありがとうロドリオット。そしてこの間違いに気づかずにいてくれ。
そして俺は会場の列に並び列の先頭に視線を向け舞台幕に消えて行く人影にふと視線が吸い寄せられた。
うん?今何か見た事のあるようなシルエットが見えた気がしたぞ。…いやあり得ない、コレは何かの幻覚だ。そうだそんな確率あり得ない。第一彼女はゲームをやる人じゃない。あの金髪もこの会場に照らされた光に反射した茶髪とかだろう。けしてビスケではない、絶対ない!!!
後ろを向くとロドリオットがいた。今更この会場を出るのは流石に不審だ。列から離れるのも注目をされてしまうからアウトだ。最悪勝手に侵入したとし捕まる可能性もある。どうする、どうすればいい。
前門にビスケ、後門にロドリオット
どっちを選択してもクソゲーじゃねーか!
スプライト後輩「しゃあ俺たちが最前線や!」
セブンアップ先輩「あいつ最近生意気じゃない?」
チルソンサイダー留学生「7up先輩、俺がヤキ入れてやりますよ。」
ジョセフ「誰だお前!」