俺が念で作ったタピオカについて現在、ビスケから長いお叱りを受けていた。
安易な考えで「発」を作るなとあれ程言われたのに何故作ったかって?そんなのロマンに決まってる。男はロマン、女はロウーマンって言いますからね。……言わないですよー。
俺の「発」は水の中にタピオカを作ったがこれは具現化系の能力の方に近い、しかし念で具現化した物体に味や食感をプラスさせるのは変化系の能力だと考える。文字通り味や食感を変えてるからね。
そう考えると俺が作ったものは案外いいんじゃないか?そもそも今回俺が作ったタピオカは「発」で作ったタピオカなのか?
むしろ無意識(全然無意識じゃない)にできてしまった「発」と考えると俺も念能力の被害者と言えるのでビスケに怒られている理由が分からない。
俺の素晴らしき言い訳にビスケはぐうの音も出ないだろうとたかを括っていたらビスケは右拳にオーラを溜め始めたので人生でトップスピードの土下座を行った。
「確かに言ってる事は間違ってないわよ。能力的には具現化系と変化系の合わせ技で系統的に噛みあってるだわさ。」
ため息を吐かれながらなんとか納得はしてもらえた。ジョセフが考えそうな念能力だわねと笑いながら言われ事なきを得た。
「まぁ念は戦闘のみを想定して能力開発するのは余程の事じゃなきゃしないからジョセフの場合はそう言った念能力の方が良いのかもね。」
(しかし、具現化系は変化系と系統が近いからこの子が作ってしまった「発」は納得いくけど、タピオカと言う概念すら分からない食べ物を完璧に具現化してみせた。具現化系の念能力者でも、具現化する物によっては何ヶ月、何年と修行が必要なところこの子は1日で作ってみせた。どんな生き方してたらこんな能力ができるんだわさ。)
「もういいわお説教はこれで終わり、それよりもう一回さっきのジュース飲ませて、あれ美味しかったから。」
お願いされたので水に念を込めてタピオカミルクティーを作りビスケに渡した。
「たぁーやっぱり美味しいだわさー、ジョセフが作ったタピオカ?っていう奴がモチモチしてて食感もいいわね…?」
(オーラが回復した気がする、気のせいかしら?でもこんな違和感今まで感じたことない…いや確実に少し回復してる!他人のオーラを回復させる、いや分け与えた、の方が正しいわね、ジョセフのオーラがアタシのオーラと混ざり合って結合している。でもそんな事普通はできない。どんな「発」を作ればこんな芸当が出来るの?念能力として色々複雑過ぎるわね。)
ビスケから俺が作った念について色々と聞かれたが余りよく分からなかった。制約と誓約と言う念能力を作る際の縛りをつける事で能力を向上させるものがあるらしい、その説明を受け自分がタピオカを作った時に考えていた事を思い出しビスケに話した。
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ジョセフの「発」は具現化した食料(タピオカ)に味、食感を付与させただけのものである。この念能力にオーラを回復させる能力は無い。
しかし制約と誓約により食料を体内に取り込んだ相手にオーラを分け与える能力が追加された。
ジョセフが「発」を作った際、思考していた事は「タピオカはカロリーが高いから1人1日3回まで」「それ以上食べると太る」この2点。
相手の事を思い心をこめて作る、それにより必要以上のオーラが食料に入った事から具現化に必要なオーラ以外は食料を食べた相手にジョセフのオーラが追加されることになった。
この条件によりオーラを分け与える能力ができた。
制約と誓約はルールを課すこと、誓約心に対する誓い(覚悟)が必要であるがジョセフの性格や軽薄な思考から制約と誓約が結ばれてしまった。
しかしオーラを分け与えたところで相手のオーラに結合し結果的に回復することとなっている結果に付いては念能力と言う事では説明がつかない。念能力でもなく、念能力に課した制約と誓約でもない、一言で言えばジョセフの才能である。
他者の念との結合、相手の念(オーラ)を見ることによって自分の念(オーラ)が交わる様に変化してしまう。ジョセフの才能や体質、性格などが奇跡的に繋がり他者のオーラを回復させるに至ったのである。
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「話は聞いたけど、制約と誓約が結ばれてたとしても、やっぱりオーラが回復した理由が分からないわ。でもその「発」は凄い能力だわさ…重宝しなさい。」
ビスケから俺の念能力(タピオカ)は相手のオーラを回復させる事ができると言う事を教えて貰った。
まぁ将来ジュース屋さんを開く俺からしたら相手が元気になるドリンクがあるのはメリットしかないからな。このまま新たなジュースを作りつつ、修行に励み強くなるんや!