「あの〜」
署名活動なんて言っても所詮おままごと。仮に、アビドスの全員が署名して連邦生徒会に渡したとしても何もないだろう。
せめて人が多ければ問題提起くらいはできたのだろうが。
もし本格的にやるならトリニティのシスターフッドにでも慈善事業としてお誘いをかけるための署名をトリニティで集める方がまだマシな気がする。
まあ、顔見せが目的なので問題ない。住人たちに生徒会頑張ってますアピールすればいいのだ。
3年生の私の顔を知らない奴はそうそういないので、声掛けとかはホシノにやらせた。私は後ろで持ってきておいた紙を整理したりしている。
「えっと……署名を集めています」
喋り声で話すホシノ。私のこめかみは痙攣しかけているが、見た目は可愛らしいので人からは初々しいと思われるのだろう。ちらほらと優しい……優しくあろうとしている人が署名する為にやってきている。まあ、そういう理由の署名は不純だと思うが。
自分の名前を使わせる以上、賛成できる考えに署名しなければ。
「あ、ありがとうございます」
もう日も落ちているので、そんな長い時間は居られないがこれからもちょいちょいやってもいいだろう。ホシノとてなんかやってる感がある方が安定するはずだ。
なんかやってる感だけなら本気でPMCを襲わせてもいいのだが、流石にホシノには抵抗があるだろう。
今はぬるま湯に浸っていればいいのだ。
「ホシノちゃん」
「はい?」
「そろそろ帰ろっか」
一応質問の体をしているが、私は答えを聞く気はなく、撤収の準備を始めていた。
「あれでよかったんでしょうか……」
「よかったんじゃないかな」
「……」
広大な砂漠をホシノは私をおぶってぴょんぴょんと移動している。
砂漠といっても、最低限のインフラ……ではないか、最低限のインフラの名残で道らしきものはあるので、一応車くらいは走らせられるのだが、登下校の度に使ってたらエネルギー費用が嵩んでしまう。
郊外から家までも、家から学校にしても砂漠横断なんて私にはかなり時間がかかってしまうので、仕方なく毎度おぶられて移動している。
「そう言えばユメ先輩ってどうしてまだ家に居るんですか?」
「ん〜〜、ずっとかな」
言い出しっぺが何を言ってるのか、たとえ口約束でも約束は約束だ。
ホシノの口からでた言葉は随分と軽いのかな。
とうのホシノは私が冗談を言っていると思ったのか、苦笑いをしている。
「……約束ってのはそういうものだよ」
ホシノの肩に顔を埋めて小さく呟いた言葉は、足音に紛れてホシノに届いていないのか、聞こえないふりをしているのか。
後ろから表情をみることはできなかった。
もしかして昨日投稿日でした?間違えてたらすみません