私の目が受け止める光の波は窓ガラスをすり抜けて降いでくる。その情報を受け止めた脳のゴーストタウン以下だという判断は今日も変わらない。
「今日はお勉強をしようと思います!」
そんな校舎で二人きり。今年度になってそれも変わらないものになりつつある。
「はぁ」
相変わらず何も考えていなそうな返事だ。
「ホシノちゃん分かってる?勉強ってとても大切なんだよ」
「そうですね」
小煩い母親に注意されたような反応に舌打ちをかましたくなるが、ぐっと堪える。
とはいえ、ムカつくのはムカつくので少し脅かしてやろう。
「勉強しないと大変なことになるんだよ!」
「どうなるんですか?」
何故、どうせたいしたことないだろう?みたいな顔ができるのか。勉強しない生徒とかダメに決まってるだろう。
「留年だよ!」
「え……」
さぁ~っとホシノの顔が青くなっていく。さては全く勉強してなかったな。
とはいえ、冗談のつもりはない。相応の学力がなく、最低限の努力すらしないような人は進級させない。
まあ、それを判断する頃には私は居ないんだけどね。
「留年ラインって……」
「1個でも赤点取ったらかな」
更に顔色が悪くなっていくホシノ。
「赤点のラインは?」
「ん〜〜、40点にしようか」
私がルールだ。そのことに気付くように言ってあげるとホシノは驚いたように顔をあげた。これくらい言わなくても気付いてほしかったが。
「ユメ先輩が決めてるんじゃないですか!変えてくださいよ!」
そして、私の肩を掴みグラグラと揺らす。ホシノにとってはじゃれてるだけのつもりかもしれないが脳がシェイクされて気持ち悪い。あとウザい。
「ちょっと落ち着いてよホシノちゃん」
それが人にモノを頼む態度か?
「あ、すみません。でも、今は勉強なんてしてる場合じゃないんですよ!」
やっと私の肩を揺するのをやめたホシノは、改めて私に文句を突きつけた。
「してる場合でしょ……」
高校生が何を言い出すのか。素で呆れてしまう。
「……」
「アビドスを言い訳にしないでよ。生徒が学ぶこともできないようなら、それはもう学園じゃない」
ホントはもっと甘やかしたほうが良いと思うが、それはホシノのタメにならない。
……いや、なんでホシノのタメになる必要があるんだ?ホシノが『小鳥遊ホシノ』になってくれるなら、それ以外を望むつもりはないはずなのに。
「……」
「えっと……厳しい言い方でごめんね。取り敢えずお勉強頑張ろうよ、私も頑張って教えるからさ!」
気まずい空気を無理矢理少し明るくする。ホシノも私の声に無理があることには分かっているのだろうが、何も言わなかった。
なんか、投稿のタイミングの感覚が死んでます。来週からは土曜日に投稿しますね。
人は休日が仕事になると嘆き、平日が休みになると歓喜する。発想を転換させよう。仕事がある日が平日で、仕事がない日が休日だと定義するのだ。
これで世界から休日出勤という概念は消え去った