4月某日、勝己は登校がてらとある事件現場に来ていた。
「酷い状況だな…」
その建物は元々はブティックだったが今は無惨にも火事の跡のようになっていた。
「君は、爆豪君。なぜここに?」
プロヒーローであるエアジェットが話しかけてきた。
「登校の途中だよ。通学路の途中にあるから野次馬がてら見に来たって所だな」
「成る程。しかし、君の師匠もそうだが、こういうことはプロのヒーローや警察に任せてもらいたいものだよ」
勝己は出久とコンビを組んで様々な事件を解決していることや、彼の師匠が優秀な探偵兼
エアジェットも勝己たちの協力をするヒーローの1人である。
「警察よりも、俺の相棒の方が優秀だけどな」
「確かにそれは言えてるから否定しがたいな…。それで、君の相棒の意見は?」
「ああ、人為的な可能性。つまり【個性】を使って起こされた可能性が高いだと」
「根拠は?」
「最近起きてる火災事件。どれも同じ系列店で起きている。偶然で片付けるにしては共通点が多いからな…」
「なる程な。しかしそろそろ登校しないと中学生としてはまずいんじゃないか?」
「それもそうだな。そろそろ登校するか…」
「それならタクシーを使うと良い。君の中学校宛に一筆書いておくよ」
エアジェットは遅刻の理由を書いた手紙とタクシーを手配してくれた。
「助かる」
そしてタクシー代まで手渡してくれた。
「何か解ったらまた連絡を入れるよ」
「ああ」
「それと、敬語を使うようにしなよ」
「……。肝に銘じておくよ…」
自覚があるのか、勝己はばつが悪そうな顔をしていた。
「えー。お前らも三年ということで!!、本格的に将来を考えていく時期だ!!。今から進路希望のプリントを配るが、皆!!!!。だいたいヒーロー科志望だよね」
担任教師の言葉にクラスメート達が【個性】を発動しながら返事をする。
アピールしていないのは勝己とその右後ろの席で夢の世界に行っている出久くらいだ。
(というか。周りがこんなに騒がしくしてるのに、よく寝れるなコイツは…)
相棒の睡眠に少し呆れつつも苦笑する勝己であった。
「ん、爆豪は雄英高校志望か?」
プリントを回収した担任の言葉にクラスメート達がざわめきだす。
「国立の!?。今年の偏差値79だぞ!!?」
「トップを目指すなら当然だろ?」
「流石クラス2位の言うことは違うな!!」
「それと、1位の緑谷はどうするんだろうな?」
「プリントは無記入だからな…」
担任は呆れて溜め息を吐いていた。
「まあ、進路希望が無いのも仕方ないのか?。世界各国のあらゆる専門大学。それらを飛び級入学及びに卒業してしまってるからな…」
出久はそれらを卒業する頭脳を持ちながらも義務教育という理由で小学校卒業はもちろん、中学校にも律儀に通っていた。
もっとも授業態度が模範的とは言えないが。
そして昼過ぎ。
新学期だったという事もあり、今日は昼までで多くの生徒が教室を後にして行く。
「おい、デク。帰るぞ」
勝己は出久に話しかける。
「あなたのために歌うことが、こんなに辛いことだなんて。zzz」
「いい加減に起きろ!!」
朝から寝続けていた出久を起こす勝己。
「かっちゃん、夜中をすぎたら子供たちに甘いものを与えないって約束したじゃないか!」
「お前はどんな夢見てたんだ!?」
これにはクラスメートも笑い出す。
「爆豪って普段はクールでハードボイルドって感じだけど」
「ああ、緑谷が関わったりすると感情的になるよな」
「それな。あれじゃハードボイルドじゃなくてハーフボイルドだよな」
そんなやり取りを聞きながら2人は仲良く下校する。
下校途中に勝己は訪ねる。
「今朝、送った画像から何か分かったか?」
「うん。これはかなりの高温でやられた感じだね。商品が燃やされるだけじゃなくて、硝子なんかも溶けてるからね」
「なる程な。それで師匠から連絡は?」
「僕たちに一任するって。それととある組織と戦うからちょっと留守を頼むってさ」
「相変わらずあっちこっちで人助けしてんだな…」
「そうだね。それとかっちゃん、半歩下がって」
勝己が半歩下がるとそこからヘドロのような
「Mサイズの隠れ蓑2つ。どっちにすr」
全てを言い切る前に鍛え上げられた勝己の一撃で四散させられる
そしてそこに駆けつけたのは。
「HAHAHA、久しぶりだね。爆豪少年に緑谷少年」
「お久しぶりです、オールマイト」
「3年ぶりくらいか?」
「フム、それくらいだね。【音速】の足を持つ銀行強盗を爆豪少年が銀行で残された手がかりを元に緑谷少年の【個性】の【地球の本棚】でアジトを見つけ出した後、私と君たちの師匠で恩人の荘吉さんの活躍で捕まえる事ができた事件だったな!」
「それでオールマイトはなぜここに?」
「このヘドロ
「今日は新学期で昼までだったんだよ。これから例の火災現場の検証に行くところだよ」
「それは失礼した。その事件か。私もこの
「それは構わないが、俺達が先に解決しても良いだろ?」
「相変わらずだね。万が一他のヒーローが戦えそうに無い時は頼むよ」
そう言うとオールマイトは去って行った。
「どう思うかね、緑谷君」
勝己たちの知り合いである神谷刑事、通称ジンさんの許可の元、調査を行っていた。
「これは炎と言うよりはもっと高温の、マグマで焼かれたような感じですね」
そこに勝己がカードの様なものを持ってやって来た。
そこには「OD-09K-097T」と書かれていた。
「デク、これで何か分かりそうか?」
「やってみるよ。検索を始めよう。1つ目のキーワードは『服屋』。2つ目は『マグマ』。最後に『OD-09K-097T』。ヒットしたよかっちゃん」
「さすがだぜ、デク」
「最後のカードが大きな手がかりとなった。これは犯人の社員証だよ。そしてこれらから導き出される次に犯人が現れると思われる場所は…」
出久が地図で指差した場所にパトカーで向かう勝己達。
そこに居た男に神谷刑事が話しかける。
「岩野溶太だな。お前に逮捕案件がでてる。署まで行って」
「…せえよ。うるせえよ。俺のセンスがダサいなんて言う奴は、気に食わねえんだよ!!」
「うお、暴走状態か?。勝己、頼む」
「ああ、任せておいてくれ」
そう言うと勝己はダブルドライバーをベルトに装着する。
「お前の力は確かに恐ろしい。だが、その力を使って何を成し遂げようとしている?。人々を焼き尽くすのか、それとも自分自身を燃やし尽くすのか?。お前の心の中にあるのは、ただの怒りと破壊だけか?。それなら、俺が止めてやる。マグマのように熱く、だが冷静に。お前の暴走を終わらせるのは、俺の仕事だ」
勝己がダブルドライバーに紫色のガイアメモリを左側に差し込む。
「半分力貸せよ。相棒」
「うん」
パトカーに乗っていた出久の腰にもいつの間にか現れていたダブルドライバーに出久は緑色のガイアメモリを右側に入れると勝己のダブルドライバーに転送される。
勝己が「変身」と叫び、ダブルドライバーを展開すると音声が流れる。
「サイクロン、ジョーカー」
その音声と共に風が逆風し始め、勝己の体は赤い目をした身体の左右で半分ずつで緑と紫の色に別れた戦士の姿に変わっていた。
「『さあ!、お前の罪を数えろ!』」
少し前。
この現場に来ていた白い中折れ帽と白いスーツ姿の男が立っていた。
マグマを操る【個性】を持つ
そんなヒーロー発ちの声が。
「私二車線以上じゃなきゃムリ~~!」
「熱や炎は我の苦手とするところ…!。今回は他に譲ってやろう!」
「そりゃサンキュー。でも消化で手一杯だよ!。消防車まだ?」
「マグマの熱気と熱さのせいで触れられない」
「ダメだ!。これ解決出来んのは今、この場にいねえぞ!!」
「誰か有利な【
「それまで被害をおさえよう。何!、すぐに誰か来るさ!」
そんな中、1台のパトカーが突っ込んでいく。
「なんだ!?」
そこから出てきたのは勝己だった。
「無駄死にだ。自殺願望かよ!!」
そんな中彼は、荘吉は口を開く。
「自殺願望?。違うな。彼は勇敢にも
「おじさん、誰?」
巨大な女性ヒーローのMt.レディは口を開き、そう答えるが。
「荘吉のおやっさん」
彼のことを知るヒーロー達は口を開く。
「町が壊れかけているのに、相性が悪いからって手をこまねいている場合か?。
そして勝己は「変身」と叫び変身していた。