仮面の英雄W   作:天導 優

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今回からオリジナルメモリを登場させます


第3話 2人で1人のW/憧れる者

勝己は変身したが、必ずしも有利に戦えている訳ではなかった。

「ち、熱すぎるだろ」

いくら変身したからといっても熱さだけはダイレクトに伝わってくる。

『だったらコレかな』

出久の声と共に緑色側だった部分が「アイス、ジョーカー」の音声と共に青色に変わる。

「急にメモリ変えんなよ。ま、涼しくなったから良いけどよ…」

飛び散るマグマを凍らせながら戦う勝己。

そして勝己も自分が使う左側のメモリもトリガーメモリに変え、「アイス、トリガー」の音声と共に双方共に青くなる。

そして取り出した武器、トリガーマグナムから冷気を打ち出しながら攻撃を仕掛ける。

すると戦いの中、出久が何か気づく。

『かっちゃん、2時の方向!。逃げ遅れた人がいる』

「なんだと!?」

(ヴィラン)の方も気付いたのか人質にしようとした。

「お達前はお前達の戦いに集中しろ!」

しかし逃げ遅れた紫色の髪の少年を助ける荘吉。

「助かった、おやっさん。デク、一気に決めるぜ」

『うん!』

トリガーマグナムにアイスメモリを装填すると「アイス、マキシマムドライブ」の音声が鳴り響く。

「『アイシクルブラスト』」

必殺技名を叫ぶとトリガーマグナムから発せられた吹雪を思わせる一撃が放たれると、(ヴィラン)はあっという間に凍りついていた。

「良し、生きてるな。相変わらずこの姿に変身すると必殺技の威力が凄まじいからビビるぜ」

『その為に息を合わせて必殺技名を叫ぶんじゃないか。力を上手く分散させるために』

「分かっていてもやっぱ、不安なんだよ。ガキの頃の俺の無力さを思い出しちまうからな…」

『かっちゃん…』

ドライバーを外すと変身が解除される。


その後、警察と荘吉に連行されていく今回の(ヴィラン)、岩野溶太。

「お疲れ、かっちゃん」

「ああ。ところでお前は大丈夫だったか?」

荘吉に助けられた紫色の髪の少年に話しかける爆豪。

「あ、ああ。あの人に助けられなかったら俺も死んでたかも知れないしな」

「自己紹介がまだだったな。俺は爆豪勝己だ。此方が俺の相棒の」

「緑谷出久。宜しくね」

「俺は、心躁人使。けど、ヒーローでも無いのに(ヴィラン)と戦って良かったのか?。個性の無断使用は禁止されてるはず…」

「それなら問題ねえ。俺の師匠、鳴海荘吉って人なんだが、探偵兼公式自警団(ヴィジランテ)をやっていて俺たちも使用の許可を取ってくれてる」

自警団(ヴィジランテ)…。確かヒーロー公安委員会から許可を貰えてるのは確か日本でも両手で数える程しか居なかったよな?」

「ああ、師匠や俺たちもな。まぁ、許可証を貰うのにすごい苦労したけどな…」

「スゴいな…。俺と同年代くらいなのに」

「俺たちは中三だが、心躁は?」

「ああ、俺もだ。それと、緑谷の足にしがみついてる女の子は誰なんだ?」

人使の言葉に気付き勝己が出久の方を見ると白い髪に角の生えた、包帯を巻いた女の子がいた。

「はー!?」

勝己はハードボイルドらしかぬ大声を出していた。


勝己視点

人生の出会いと別れはいつも突然だ。

俺も師匠に出会い、デクと色々な事件に遭遇してきた。

時には依頼人が被害にあったり、容疑者になったり、酷い時には犯人だったこともある。

だけどな師匠…。

たった一つの手紙で内容を漸くしすぎだ!。

 

事務所に帰ってきた俺たちが見たのは師匠の手紙だった。

手紙の内容は。

---

親愛なる弟子、勝己とその相棒の出久へ。

 

突然の知らせだが、俺は急に海外にいる友人から事件の調査依頼を頼まれたため、しばらくの間、海外に行くことになった。

お前たちには驚かせてしまうかもしれないが、これは俺にとって重要な仕事だ。

 

さて、出久と一緒にいる子についてだが、彼女は俺がヤクザから助け出した子だ。

最初はヒーロー公安に任せようと思ったが、どうやら大人を怖がっているので彼女の保護をお前たちに頼むことにする。

出久の優しさと勝己の判断力を信じている。

彼女をしっかりと守ってやってれ。

 

俺がお前たちに教えられることは、一通り教えたと思っている。後はお前たち自身の力で道を切り開いていくのだ。

高校受験も控えているだろうが、お前の実力を信じている。

全力で挑んでほしい。

 

最後に、気が向いたら帰ってくる。

学費なんかは適当に振り込んでおくから、心配しないで勉強に集中してくれ。

それでは、また会う日を楽しみにしている。

師匠、鳴海荘吉より

---

 

「突然すぎるわ!?」

俺は思わず大声を出していた。

「かっちゃん。あまり大きな声を出したらこの子が怖がるよ。名前は?」

「……。壊理……」

「そっか。宜しくね、壊理ちゃん」

デクの奴はそう言って女の子、壊理を優しく撫でて懐かれていた。

「凄いな、爆豪は。あんな凄い【個性】で自警団(ヴィジランテ)をやれてるなんてな。俺には無理そうだ…」

一緒に来ていた心操の奴がそんなことを言っていた。

「俺は【個性】を使ってねぇぞ。あれはデクの発明品だ」

「……、マジかよ?。じゃあ、その筋肉は?」

「鍛えたらこうなった」

「もうそれで充分【個性】だろ。俺の【個性】なんて(ヴィラン)向きなんて転校前の学校で散々言われてたしな…」

全くウジウジしてる奴だな。

少し渇を入れてやるか。

「力で戦うだけがヒーローじゃねぇ。困ってる奴や泣いてるガキに優しく手を差し伸べるのも、真のヒーローってもんだ。時には拳よりも、心の温もりが必要な時があるんだよ。現に俺の相棒がそうしてるだろ」

俺はデクの方を指差す。

壊理はまだ少し怯えはあるがデクに懐きつつある。

デクは俺に無い強さを持ってるし、俺はデクに無い強さを持っている。

『完璧な人間なんて一人もいねえ。互いに支え合って生きていくのが人生ってゲームさ』

それが俺の師匠の教えだ。

人は一人きりじゃ生きていけない。

料理にしたって作る人がいるから食べれる、病気になっても治してくれる医者がいる。家も建ててくれる人や木を育ててくれる人がいなけりゃ存在しない。

俺の言葉を受け止めたのか「そうか…。そうだよな…」と呟き出す心操。

「それでも、俺は雄英に通いたい。今の俺がどこまで通用するか確かめたい。だから、俺を鍛えてくれ!!」

俺はデクの方を見ると。

「良いよ、鍛えてあげる。その代わり、かっちゃんが10年かけてやった特訓を10ヶ月に圧縮して特訓するんだからその分ハードだよ」

その言葉に心操は青ざめていた。

俺は「頑張れよ」と言うしか思いつかなかった。

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