午前11:35 中央パトロール本部庁舎 8階捜査部首席捜査官執務室
『聖王教会に対する強制査察は現在順調に行われているとのことです』
『不正に関する証拠も集めることができたとの証言も得ることが一部で確認されています』
シエルは自分の執務室で空間モニタを展開して報道を確認していた
おかしな動きがあれば何か手を打てるように用意をするためにである
「シエル。状況はかなり厳しいね」
3係主任捜査官のウルがシエルの執務室に来て室内にあるソファに座っていた
「覚悟していたことよ。問題は聖王教会の闇をなくすことができるか」
「そんなことはすぐには無理なことはわかっていると思うけど。時間がかかるよ。汚職の摘発は」
『ベルカ州議会は次元世界連合に対して聖王教会への強制捜査を徹底的に行うように要請』
今のベルカ州議会は上院は50議席。下院は100議席で構成されている
最大政党はベルカ自由党である。
ベルカ自由党は元は反聖王教会で活動していたベルカ解放同盟の関係者で構成されている
ベルカ解放同盟とは反聖王教会として、自治区制度に反対してきた武装勢力。
75年9月からベルカ州政府に移行することを受けて闘争停止。
ミッドチルダ連邦政府は武装解除を見返りに、質量兵器不法所持では逮捕しないこととなった。
武装解除後、民主政治のために平和的に政治活動を行うことを確約している。
ベルカ自由党はベルカ州議会だけでなく、ベルカ州内の郡議会・市議会などで最大政党となっている
「ベルカ州議会も問題事を抱えて対応が後手に回らないように必死ね」
『以前聖王教会傘下であったベルカローンという金融機関は不良債権を1京ミッドも抱えています』
『大部分はリスク管理の甘さの融資がほとんどで回収の見込みがないものが多い不良債権です』
『ミッドチルダ連邦準備銀行は債務者の財産の差し押さえを徹底的に行うように命令を発令しました』
「連邦準備銀行も監査を行うためにFBIと共同で捜査を行うらしいみたいだね」
借り入れをしていた債務者の中には危険な資産運用をしていた人物も存在した
そのための捜査を行うために国内では連邦捜査局が捜査を担当することになっている
「ベルカローンは旧ベルカ自治区だけでなく国内や多次元世界国でもビジネスを展開していたから大変だね」
ウルに言うとおりである。
ベルカローンは多くの次元世界連合加盟国でも同様な経済トラブルは発生している
おかげで対応が後手に回っている次元世界国政府も存在している
そのため景気が不景気に流れ始めている国もある
「ミッドチルダは逆ね。好景気になりすぎてバブル景気になりかけているから」
それだけにミッドチルダ連邦の中央銀行である連邦準備銀行は対応に必死になっている
金融政策を必死に実行しようとしているが簡単なことではない
「シエル、それは一般人の感想だよ。時空管理局や聖王教会と関係があった人物は拘束されていることが多いから」
彼らは多額の債務を抱えて経済的にはもうどうにもならない状況になっている
すでに彼らが持っていた大部分の財産は差し押さえられている。債務の返済に充てられるために
それでも債務すべてを返済できたわけではない。彼らに残された道はもはや自己破産しかない
だが破産をすれば今後の生活に大きな問題が抱えることになる
自己破産をすればその後にはかなりの経済的活動において制限があるのだ
「そうね。彼らはかなりの負債を抱えているからつらい立場よね。おまけに過去の悪事についてもおまけがついて」
「これからが本番だよ。今はまだ前哨戦に。これから時空管理局と聖王教会の闇を白日の下にさらすのだから」
『時空管理局債や聖王教会債に取引による負債を抱えている関係者はかなりの数になります』
『紙くず同然になって債券を売買していた投資家の中には自殺した投資家も存在します』
「弱肉強食の世界だから大変だね。金融市場は」
「それは当然でしょ。カジノでギャンブルをしているのと同じなのよ。タイミングを見極めなければ負ける」
ウルとシエルの言うとおりである
タイミングを見極めることができれば勝つことができる
連邦証券取引委員会も独自捜査に入っている。
今後の場合は不正な取引を見つけたら摘発されることは間違いない
「それにしてもステラには無茶な任務を任せたようだね」
「あっちの情報を知るために必要なことよ。こちらも情報を入手しておく必要がある」
ところで私の部屋に来たのは何か用事でもあるのかしらとウルに言うと彼は1冊のファイルを手渡した
それはミッドチルダ連邦国防省の軍拡に関する報告書があった
「どこで手に入れたの?」
かなり上位の機密扱いになっていることからウルが簡単に入手できるものではない
それを入手できたということは何か必要があったということなのかもしれないとシエルは考えた
「入手元は極秘だよ。でも見る価値はあるよ。黒塗りはなしだから」
黒塗りとは機密に該当するところである。
シエルが内容を確認するとその報告書はどこも消されていない完全版ともいえる報告書であった
「まったく。どうやって手に入れたのかしら。こんなものがこちらにあるって知られたら国防省は慌てるわね」
そこには今後に建造される空母や駆逐艦や潜水艦などの軍艦の数が詳細に書かれていた
また敵対する反政府組織に関する情報も含まれていた
明らかに最高機密に該当する情報を捜査部が持っていて良いわけがない
「これはこちらで預かっておくわ。機密文書としてね」
「シエルの権限なら安心して預けられるよ。それじゃ」
ウルはそういうとシエルの執務室を退室した
まるでシエルに押し付けるために持ってきたと言えるかもしれない
「ウルも本当に人使いが荒いわね」
立っている者は親でも使えとはよく言ったものよねとつぶやきながら、
機密書類扱いにするための申請書類の作成に入った
公文書を機密文書にするには手続きが必要なのだ
機密文書については専門の審査をする部門が存在している
クラナガン捜査局では[ 情報安全保障監督委員会 ]と呼ばれている
この委員会ではクラナガン捜査局が入手したあらゆる機密文書の等級を審議している
機密文書を機密から解除するときもこの委員会で審議されて許可が出たら開示される
ただし1度でも機密文書に指定されたものが開示されるにはかなりの厳しい道のりが待っている
だからこそ審査は極めて重要なのである
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南区北部区域ビューロー地区7番街7丁目・8丁目 中央パトロール医療センター 1階ER
ラジェットははやてを伴って到着するとすぐに電話をくれたナタリース・コロントの病室に向かっていた
中央パトロール医療センターは総合病院。
現職クラナガン捜査局員・退職クラナガン捜査局員・その家族などが対象の病院。
一般患者も受け入れているが、捜査局員が優先となっている。
犯罪被害者の受け入れも担当している。精神的ケアなどを行うためである
「ナタリース。大丈夫か?」
病室に入って挨拶をすると彼女は少し安どの表情を浮かべていた
安心することは良い事である。穏やかに聞き取りなどをすることができる
「すまないな。遅くなって」
「ラジェットさんにまたご迷惑をおかけしてすみません」
「気にするな。奴を刑務所に放り込むためには証言が必要だ。守るためなら手段を択ばないから安心してくれ」
どんな方法を使ってもナタリースを守らなければ奴は刑務所に収監されることはない
無罪放免ということになってしまう。そんなことは許されない。
いくら物的証拠を集めても、性犯罪の場合は被害者の証言が最重要である
それが得られなければ有罪にするのは難しい
「護衛チームを作る。しばらくは隠れることができるセーフハウスをこちらで用意する」
セーフハウスとはクラナガン捜査局が保有している居住可能なマンションのような施設のことを示している
緊急時の避難場所だ。この近くで言うなら中央パトロールの寮である。
警備もやりやすい。重要な証人を守るためにはよく使われる
「ありがとうございます」
「それと裁判が終わるまでは仕事を在宅に切り替えてもらえるか?外の警備はさすがにな」
「私は在宅での仕事が多いので何とかなると思います」
「そうか。だが、もし無理なようならこちらから事情を話して何とかしてみる。困ったことがあればいつでも頼れ」
「本当に何から何まですみません」
犯罪被害者を守るのも仕事のうちなのだから当然だとラジェットは伝えるとある人物に連絡した
事務部犯罪被害者救済担当課である。名前の通りで犯罪被害者のケアを担当している
ここがメインになって動くことになる。捜査部も連携して対応するので連絡協議が必要である
ラジェットたちは1度病室を退室すると携帯情報端末で通信を始めた
「クオーレ。大至急、女性の犯罪被害者救済担当官を中央パトロール医療センターのERに頼む」
クオーレ・アプローズ主任犯罪被害者救済官に連絡するとすでに部下を向かわせているとのことだった
連携はうまくいっているようである
『もう到着するはずだ。寮の部屋を用意している。そこで証人保護で問題はないか?』
「その手順で頼む。犯人は以前逃走中だ。慎重に情報管理を頼む」
『わかっている』
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クラナガン市南西部 クラナガン自然保護区 中央区域 自然保護区分署ラボ棟 3階銃器刃物ラボ
そこではエルガが分析を依頼した銃弾を分析官が調べていた
線条痕の照合の結果、過去にある事件で使用されたものと一致したがそこがおかしいのだ
その銃はすでに処分されたことになっていた。事件は10年前の南区サウスハーディー地区で起きた事件だ
事件の担当は時空管理局。事件の内容はシンプルである
ある金融機関を襲撃したときに使用された時の銃弾だ。
ハーディーバンクの本店窓口を襲撃したのだ。なかなか度胸があるがその事件の犯人は逮捕されている
証拠の銃は当時の事件担当をした時空管理局が保管していた。しかし裁判を終えた後に処分された
今は中央パトロールの証拠保管庁舎に銃弾だけが保管されている。
その銃弾がまた出てきた。時空管理局が処分をしっかりしてこなかったことを証明している
最悪の展開を意味している
「これはまずいな」
分析官はすぐにエルガに連絡した
『間違いないんだな?』
「時空管理局が証拠を紛失させたということになる。時空管理局犯罪捜査局が動く案件になるがどうする?」
『そのままありのままの事実を通達しろ。あちらとの共同戦線を張ることになったほうが良い』
「良いのか?捜査権限でもめることになるかもしれないぞ」
『かまわない。こちらには貸しのある捜査官は山ほどいるから問題ない』
つまり、捜査権限を持っていかれることはないということである。それなら問題はないことになる。
ただし問題があるとするなら、それは時空管理局の不祥事がまた新たに発生したことだ
これ以上時空管理局の看板に泥を塗りたくないのだが、証拠が出た以上は仕方がない
もう引き返すわけにはいかないのだから。前に向かって進むしかない
「了解した。すぐに時空管理局犯罪捜査局に報告をする。捜査担当者の名前と一緒にな」
『そうしてくれ』
エルガとの通信を終えた分析官はすぐに時空管理局犯罪捜査局に連絡をした
問題はこれからの手続きである。エルガの話をするとあちらは少し面倒な案件であることを察したようだった
本当にそう思っているかどうかはわからないが
それでも問題なのは時空管理局が押収した証拠が処分されずに裏社会で流通していたこと
これはかなりの大きな問題になることは間違いない
『とにかくこちらから自然保護区分署に捜査官を派遣する』
「こちらの担当捜査官はエルガであることを忘れないように」
『もちろんだ』
そうして時空管理局犯罪捜査局との通信は終了した
残りはこの銃弾を発砲した銃器がどこに行ったかを探さなければならない
分析官は念のためと思って今度は範囲を広めて様々なデータベースと照会をかけてみた
他の事件でも使われていないかどうかを確認するためである
できることならないことを祈りたい。これ以上問題を拡大させてほしくないからだ
『ピッ』
結果はヒットした。1年前に西隣のフローレンス州で強盗事件で使われた銃弾と一致した
盗まれたのは金のインゴットである。重さにして1Kgの重さの金塊である
市場価格はかなりの価値になるであろう。フローレンス州の東部にある小さな町で発生したものだ
そのため1度目の照合作業ではヒットしなかった。これではFBIが乗り出してくる案件になる。
州を超えた事件となるとFBIの担当事案ということになる。
もちろんこちらにも管轄権があるし無理やり持っていくことはないだろう
ここは連係プレーで捜査をするほうが無難である
「ますます嫌な事件になってきたな」
時空管理局犯罪捜査局だけでなくFBIまで絡んでくる
捜査方針を検討する会議ではもめる可能性があるが、それよりもこの事実をエルガに伝えなければならない
エルガにすぐにこの事実を伝えると意外なことに笑っていた。むしろ好都合だと言わんばかりに
『あとの調整はこちらでしておく』
そういうとエルガとの通信は終了した
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東区中央部イーストセントラル地区 イーストセントラル駅 駅パトロール事務所
アルシオーネは爆弾処理の連絡を今か今かと待っていた
他にもないか捜索中であるが今のところは確認されていない
この現場では1つだけであるなら良いのだが。あとの課題は他の場所に設置している可能性が極めて高いということだ
こちらの行動が読まれるようなことは避けておきたい
もし読まれてしまったら対応が後手に回るからである
「それにしても犯人は本気で何かを攻撃するつもりね。爆弾を現実にあるのだから」
アルシオーネはこのパトロール事務所の責任者である事務所長のパトロール捜査官と話をしていた
「そうですね。問題は何を狙っているのか?」
「爆弾犯のタイプはいくつかに分かれてくるけど大部分はお金が目的のはず」
恨みによる犯行か、政治的要求などに分かれている
政治的要求となると時空管理局か聖王教会関係が疑われる
その可能性が最も高いことは言うまでもない
時空管理局や聖王教会の権限を取り戻そうとするために動いているかもしれない
そうなると容疑者候補はかなりの人数になってくる
絞り込むのは困難を極めることは間違いないだろう
それでも捜査をするしかない。それが捜査部捜査官の任務なのだ
あきらめることは許されない。特に人命を失うことが疑われるようなケースは見逃せない
「今回はお金と権限の返還ということも考えられるけど、憶測の域でしかないわね。今のところは」
『聖王教会への査察では現在も継続的に行われています』
「聖王教会の財務状況がどうなっているかを調べてみないといけないわね」
市内に存在している聖王教会が保有する資産について確認しておかないといかない
次元世界連合が承認したら聖王教会は市内の不動産物件を次々と売却するつもりでいるのだ
少しでも財務関係の記録をよくしておきたいという本音がある
すでに残された資産で高値で売れるものは不動産関係の資産だけである
特に各次元世界国の都市部にある不動産物件は高値で売れる
それらで何とか現金確保のために動くしかないのだ
「聖王教会は現金収入を求めているからあらゆる手段をとっているわね」
次元世界連合の聖王教会調査委員会に早急な不動産物件の売却許可を得るために様々な情報を公開して、
速やかに現金を得ることができるための方策をとれるように動いているのだ
次元世界連合の承認がなければ売却をすることは認められない
今は査察の真っ最中なのだ。勝手に資金を確保されて暴走されたら困る
そのため委員会も慎重に審議を行っている。
聖王教会はできるだけ速やかに売却ができるように必死なのだ
『SA33へ。発見された爆弾の解体作業が完了しました』
「了解。爆弾の爆発想定規模はどれくらいのものか予測できますか?」
『4番出口付近を破壊するほどの代物です。爆弾にはくぎなどあったので人を殺傷するつもりは間違いありません』
爆薬が引火した際にくぎなどが飛び散るように仕込まれているとなるとかなりひどい被害が出ることになる
敵はかなり本気で攻撃するつもりであることは間違いない
これと同じ爆弾がまだ複数あるとなると極めて危険性になることははっきりしている
いくつ犯人は爆弾を製造して設置して爆発させるつもりなのか
「敵は本気でこちらとやりあうつもりがあるってことはよく理解したわ。何が狙いなのか調べるのも重要ね」
こちらと全面戦争を仕掛ける度胸があるのだ。よほどの覚悟がなければできないことである
クラナガン捜査局を敵に回すような組織や人物はかなり限定されてくる
こちらに攻撃を仕掛けてきたらとんでもないお返しが待っていることを多くの犯罪組織が知っているからだ
それだけに無謀な人物はどんなことをしてくる、何を仕掛けてくるかは想像することもできない
「かなり危険な展開になることは間違いない」
『中央本部から各員へ。市内で爆弾事件が発生する可能性が高い。不審物を発見したら慎重に行動せよ』
市内全域に無線連絡をするということはどこでも爆弾が設置されていてもおかしくないということを示している
それはそれで恐ろしいことである。これが現実なのだから仕方がないことではあるが
できる限り事態の収拾を図ることが求められることは確かである
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東区東部 ノースクラナガン魔力精製炉発電所 ヘリポート
ダイナが到着したこの魔力精製炉発電所、
ここは次元世界連合の加盟国で採掘できる魔石を核燃料と同じような加工方法を使って運用されている発電所。
原子力発電所と異なるのは環境汚染となる放射性廃棄物を出さないクリーンなエネルギーとされていた
しかしAMF装置の開発によって簡単に魔石同士の熱反応が抑制することができることになり
魔力精製炉発電だけに頼ることが極めて危険な電力網となることが明らかになった
今は火力や水力など様々な発電設備の建設が続いている
ノースクラナガン魔力精製炉発電所では10基の魔力精製炉があり、最大発電出力は6000万KWにもなる
クラナガン市にとっては極めて重要な電源である。そのため警備は港湾パトロール海兵隊が行っている
また中央パトロールからも人員が出されて発電所周辺の警戒に当たっている
「ようやく到着したな」
すでに両親はパトロール事務所で待機していることをヘリの移動中に無線で連絡を受けていた
ヘリポートからパトロール事務所に移動すると作業服姿の男女がいた
「お待たせして申し訳ありません。私は中央パトロール本部捜査部のダイナ・コースターです」
息子さんの事件の再捜査を担当することになりましたとありのままを話した
ホレイスト・ギーランの両親の表情は曇っていた
それは当然である。かなりのお金を奪われてきたのだから
またお金を要求されるのではないかと心配しているのだ
過去にさんざん時空管理局に振り回されてきたのだから不信感を感じるのは当たり前である
「我々はお二人に金銭の要求は一切行いません。真実を調べることに力を注ぎますのでご協力を」
「お金はいらないのですか?」
母親の言葉にダイナは当たり前ですと回答した
「我々は事件捜査で関係者に金銭を要求することはありません。ただ事件の真実を追求することが使命です」
「息子は犯罪に関与していません。アリバイだってあるのに信じてくれないのです」
「当時の捜査資料を確認しましたが、本人の主張ではアリバイとして恋人と一緒にいたと」
捜査資料によると恋人の自宅にいたとされているが、その女性も裁判では証言した
だが恋人の女性はかばっていると当時の時空管理局の裁判官は判断
証拠能力はないと判断した。アリバイなど存在しないも同然であると判定
最終的に状況証拠で有罪として刑務所に収監された。判の判断材料としてはあまりにも弱すぎる
推定無罪の原則の今の状況なら無罪判決が出て当たり前である
「当時の恋人は今はどうしているかご存じですか?」
「定期的に息子に面会に来ています。待っていると」
恋人である女性も無罪であることを信じ続けているのだ
そのために今も事件を追いかけるために新聞記者になっていると証言してくれた
名前はフィエナ・コーラッド。30歳。ミッドチルダタイムズの記者をしている
ミッドチルダタイムズは国内で1位の発行部数を持つ新聞社だ
今は時空管理局の闇の報道にかなりリードしている。
「フィエナ・コーラッドさんとも面会して当時の記録を確認します。何か進展しましたら私から連絡します」
もし何か思い出したことがあったら連絡をと言ってダイナは自分の名刺を渡して引き上げることにした
次の目的地は恋人が勤務している新聞社である