午後00:05 南区北部区域ビューロー地区3番街2丁目1番地 ビューローストリートバー
中央パトロール本部から近くにあり、多くの職員の行きつけのバーでもある
もちろん民間人もよく利用するためこの界隈で最も安全なバーとしても有名である
常にパトロール捜査官がいるようなものなのだから当然である
レストランとしても営業している
「待たせたわね」
シエルはそこで待ち合わせの相手と話を始めた
とある犯罪組織に潜入捜査をしている男性と情報交換をするためである
「一杯やっていた。そっちは飲むか?」
「ソーダ水だけもらえる?」
勤務中なのでお酒を飲むわけにはいかない。
それで情報って何と話を始めた。男性は1枚のメモリディスクを渡してきた
「そこにすべてが入っている。あとは任せた」
彼はそう言うとバーを出ていった。
シエルは携帯情報端末を使ってメモリディスクの中身を確認した
できることなら何か大きな情報なら助かるのだが
念のためコンピュータウィルス診断にかけたが問題ない
「何が保存されているのかしら」
ディスクには沖合でコンテナ船から大量の麻薬の密輸に関する情報が記録されていた
さらに銃火器の密輸についても記録されていた。2つで合わせると末端価格で数十億ミッド単位の金額だ
港湾パトロールが飛びつきそうなネタである。管轄権は船の位置によって変わってくる
こちらの管轄海域ならすぐに動くことができるが、圏外なら港湾パトロールに話を通す必要がある
シエルは推定位置情報を確認するとぎりぎりで中央パトロールの管轄海域である
これならこちらが動いても言い訳ができる
「何とかなりそうね」
彼女はそう言うと携帯電話を取り出して港湾パトロールに連絡。
すぐにこちらと連携して動くように手配をかけた
ただ密輸を阻止するのではなく、密輸に関係するすべてを押さえることで大きな抑止力となるためだ
それを実行するには関連するあらゆる部署の連係プレーが必要になる
中央パトロール単独でできることではない。それでも素早く準備をしなければならない。
密輸が起きる時間までそれほど時間がないから
「うまくいけばいいけど」
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ベルカ州中央地方ベルカ市 郊外 港湾パトロールベルカ基地 基地管制センター
そこでは多くの管制官が忙しく聖王教会の強制査察について情報収集をしていた
ステラの相棒でありユニゾンデバイスのマイアはそこで主であるステラと通信を行っていた
すでにステラは聖王教会本部から離れている。現在は基地に向かっている真っ最中だ
「状況はどうですか?」
『良い情報は手に入ったわ。これから忙しくなりそうね』
良い情報というのは聖王教会にとっては大問題になる情報である
だがこちらにとっては大きな組織犯罪を立件できる可能性がある情報ということになる
「聖王教会にとっては大きなダメージになりそうな情報ですか」
『当然でしょ。こっちも命がけで仕事をしているのだから、その代償を払ってもらわないと』
確かにステラは命がけで任務を遂行している
それに匹敵するだけの価値ある情報入手が求められる
逆を言えばあまり気持ちのいい仕事とは言えないこともそうである
「嫌な任務ですね」
『因果応報。身から出た錆よ』
聖王教会がクリーンであればこれほど問題が発生することはなかった
数多くの汚れがあるからこそ罪が発生しているのだ。代償は高くつく
「それでどうします?」
『基地に到着したら詳しく話すわ』
そう言うとステラとの通話は終了した。マイアは大きなため息をついた。
とんでもないことを仕掛けてくることが予測できていたからだ
ステラの声はまるで面白いものを見つけた子供のように嬉しそうな声だった
きっと大きなことを仕掛けてくるはず
「面倒を押し付けられそうだな。捜査部は」
レパーズ・サットン統合軍司令官の言葉にいつものことですと返答した
捜査部にはいつも面倒な仕事が舞い込んでくる。それに対応するのはかなり苦労する
それでも対応しなければならないのが運命であるのがつらいところである
「それに機動六課組の受け入れで苦しい立場だろ」
「私たちは与えられた任務を遂行するだけです。それ以上でもそれ以下でもありません」
「クールに言うが、口で言うほど楽な仕事ではないだろ。特にお前たちの場合は」
「私たちは時空管理局に在籍していた過去はありますが、今は関係ありません。無関係ですので」
ステラとマイアは時空管理局本局の戦技教導官として一時期勤務をしていた過去がある
そのためできれば顔を合わせることは避けたいと考えていたのだ
幸運なことに今のところは顔を合わしていない。
できることなら顔を合わすことなく過ごしたくないものだが
簡単に事が進むはずがない。必ず接触することがあるはず
「本当に区別するのは得意みたいだな」
「公私混同はしません。仕事中は仕事に集中します」
「相変わらずの良い子ちゃんだな。まぁそれが捜査部の良いところだが」
聖王教会に関係での問題に対応するこちらも同じだとレパーズは話した
彼は基地司令官の役職もある。ベルカ州の安全保障に重要な立場にいるのだから苦労は多い
特に聖王教会関係となるとなおさらである
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南区北部区域 クラナガンハイウェイ6号線(南線) 北行き
ダイナはサレイバーグ・ゴレイスの現住所である北区南部イーストカタラウガス地区8番街2丁目9番地に向かっていた
ここからはかなり時間がかかることはわかっているが仕方がない
クラナガン市内はかなり広域なのだから。
ヘリで行っても良かったのだが予定変更の時に進路変更が難しくなる
だからこそ車で向かっているのだ。ちなみに現住所にはすでに張り込みの刑事を配置している
自宅内にいることは確認されているが不用意な行動をするまでは待機命令を出していた
こちらの動きを気づかれたくないからだ
「家で大人しくしていてくれよ」
『中央本部から各員へ。警戒情報を発令する。中央区の警戒レベルをコード4からコード3に変更する』
コード4は危険レベルがないことを示しているが、コード3は警戒がある程度必要な時に発令される
問題が発生したのなら対応するべきなのだが、こちらは別件で忙しい
それにまだコード3だ。何かが起きたわけではない。
警戒レベルの引き上げならまだ別行動をして問題はない
ダイナはラジオでニュースを聞き始めた
『さきほど連邦準備銀行はワンワールドバンクが大量に抱えている不良債権をすべて回収するために動くと表明』
「いよいよワンワールドバンクの内情を白日の下にさらすわけか。面白い展開になりそうだ」
膨大な金額の不良債権を抱えているワンワールドバンクの破綻処理にはかなりの時間が必要になる
それに不良債権となったものを回収しなければならない。
債務者から回収できる財産を根こそぎ奪い取る必要があるのだ
かなりの荒療治になることは間違いないが避けることができないことである
『一方でワンワールドバンクが保有している様々な債権や証券などの有価証券の売却も行います』
『それらの売却益は回収不能とされる不良債権に充てるつもりです』
ワンワールドバンクを簡単に破綻処理することは難しい
債権の中でも回収できるものは徹底的に回収しなければいけないからだ
すべてが不良債権ではないが、割合から言うと回収不能の不良債権は多い
それでも徹底的に調査を行い回収することが求められる
「ワンワールドバンクは時空管理局と結びつきが強かったからな。影響はかなり大きいだろう」
『中央本部からSA20。応答せよ』
「こちらSA20。何か問題かトラブルか?」
『サレイバーグ・ゴレイスの自宅で銃声がしたとして踏み込んだところ遺体で発見された』
その連絡にダイナは最悪だなと思った。真実を知る者が消えてしまった
真相究明に必要不可欠な人物が消えてしまった。冤罪であることを解明することが難しくなる
だからとして諦めるわけにはいかないのだ。真相究明のために全力を注ぐしか道はない
必要なら時空管理局犯罪捜査局と連携することも視野に入れることも動かなければならない
ただし今回の捜査ではもう1人の証人がいる。当時の捜査担当者であるレミナード・ホリザスだ
両親が金を払って再捜査を依頼していたが実際には動きはしなかった
今は別の事件で市内の拘置所に収監されている。
捜査を進めるには彼から突くほうが良いかもしれない
しかし今はサレイバーグ・ゴレイスの死亡事案について鑑識をすることが求められる
拘置所に収監されているなら逃げることはできないし24時間監視されている
逃亡することはかなり難しい
「とにかくサレイバーグ・ゴレイスの自宅に向かうか」
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セントラルクラナガン港 沖合15Km地点 7000t級駆逐艦(艦船形式:あきづき型護衛艦)キート 艦内
ラジェットたちは今も遺体保管室でいくつかある分析装置を使って血液などの分析をしていた
アルコール以外に何か検出されないかどうか詳細な分析をかけていた
「何か手掛かりになりそうなものが出れば良いんだが」
諜報活動をしていることがばれたから殺されたのかもしれない
そうなると今後の情報収集活動に大きな影響が出ることは間違いない
CIAにとっては大きなダメージになる。何か危険な情報をつかんだからこそ殺された可能性もある
その情報を確かめる方法があればいいのだが、詳しいことはこの艦内ではできない
ラボで検死解剖をしてみない限りは真相究明は難しい
「早く応援のCIA職員に来てもらわないとな。どんな任務に就いていたのか聞かないと何もわからない」
「時空管理局に潜入している人物って多いのですか?」
「ツヴァイ。それは俺たちの口から答えることはできない。諜報活動は秘密厳守だからな」
特にお前たちはまだ知って良いことではないとラジェットは詳しいことは話せないとツヴァイに答えた
「はやてとツヴァイは少し廊下で待っててくれ」
内緒話がしたいからなというとラジェットは遺体保管室から2人を退室させた
ドアを閉めると早速話を始めた
「連中には機密事項の内容は知られないように艦内の乗組員に通知してくれ」
ただし大げさに騒がない程度にとラジェットは副長に要請した
その手配はもうかけていると副長は回答した。ラジェットは手回しが良いなというと
「この艦内でも数多くの機密情報があるからな。当然の措置だろ」
「そうだな。それじゃ捜査を再開するか」
2人の話し合いを終えるとラジェットは外で待たせていたはやて達を室内に入れて捜査を再開した
その時ラジェットの携帯電話に着信が入ってきた。発信者はCIA関係者である
『ピーピーピー』
「ラジェットだ」
『CTUのワークライ・ドースだ。もう少しでそちらに到着する』
「そちらの到着を待っているところだ。できるだけ早く来てくれよ」
『こちらも情報を集めてきた。お互い情報交換でハッピーにいこう』
ラジェットはそう願うと返答すると通話を切った
ようやく必要な人材が集まってきたなとラジェットは思っていた
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南区北部 中央パトロール本部庁舎 10階捜査長官執務室
「長官。聖王教会本部への強制査察は無事に終了を迎えるとのことです」
安全保障問題補佐官のイーサ・フィヨルの報告に順調なことは良い事だねと彼は返事をした
問題はどの程度の悪いところが出てくるかである。今度こそ聖王教会の組織改革になればいいのだが
簡単にいかないことはわかっているが進めるしかない
次元世界連合は聖王教会が正しい国際組織になることを望んでいる
簡単に進むことは難しいのは加盟国は理解している。
組織の透明化を進めなければ真の意味で正しい国際組織にならない
「ところでラジェット・ハングリー捜査官が担当している事案にCIAが絡んでいることですが大丈夫ですか?」
彼ははやて達に機密情報が漏れることを懸念しているのだ
組織のトップの人間なら当然の懸念事項であることはよく理解している
「彼は捜査部のナンバー2とも言える立場の人間だよ。やり方はわかっているから」
問題なく対応できるはずだよと捜査長官は話した。
ラジェットの信頼がかなり厚いことを示している
彼は様々な人脈などのコネを持っている。必要ならどんなことをしてでも情報を仕入れる
そうすることでさまざまな事件捜査を円滑に進めることができる
情報網を幅広く持つことは極めて重要である
「何かあればこちらに連絡をしてくるよ。彼は優秀だからね」
「では当面は観察処分ということで」
それでよろしくと長官は話すと次の議題に入った
「問題はワンワールドグループ企業の破産処理だね」
「はい。グループ企業のすべての不良債権を合計すると数千京ミッドになります。処理は簡単にはいきません」
「市内にはどのような影響が?」
「すでに預金保護ができなくなってしまって失った人物がかなりの数になります」
連邦法では1000万ミッドまでしか預金は保護されない
その他にもワンワールドグループ企業が発行していた債権などは紙くず同然になり多くの投資家が資産を失った
おかげで自殺者がすでにかなりの人数になっている。連邦政府は救済することはないと発表している
ミッドチルダ連邦政府だけでなく、次元世界連合加盟国の多くが救済をしないと発表している
あまりにも多額だからだ。救済するには金額が大きすぎる
だからと言って自殺者が増加するのは好ましいことではない。自己破産申請もかなりの数だ
自己破産を行うと借金はなくなるが、クレジットカードが数年間使えないや再度の借金ができないなど制約が出る
だがそれをしなければならないところまで追いつめられている人物は極めて多いことを示している
それどころか高利貸しから金を借りていた人物は生命保険で返済するために死んだ人物がかなりになる
高利貸しにとっては融資したお金を回収することができなければ意味がない
回収するためには手段を択ばない高利貸しは多い
「連邦捜査機関と連携して命を代償して借りていたお金を返済している事例がないか確認して」
「わかりました」
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セントラルクラナガン港 沖合15Km地点 7000t級駆逐艦(艦船形式:あきづき型護衛艦)キート
ラジェットがCIAのテロ対策ユニットから派遣されてきたワークライ・ドースと話をしていた
はやて達は廊下で待たせている。機密情報をさらすリスクを避けるためである。
ワークライ・ドースはCIAからヘリでやってきたのだ
「それで何の捜査を担当していた?」
「地上本部で物資納入業者から袖の下を受け取っていた人物に関する調査だ」
「金額にしてどれくらいだ?」
「軽く見て100億ミッドになる。これが関連する資料だ」
ワークライ・ドースはラジェットに資料を渡してきた
そこには汚職の数々の資料があった。ぎりぎりのところまで情報をCIAに提供していた
「酷いな。時空管理局に納入する業者からこれだけ金を受け取っていたら恨みを持つ人間は多いだろう」
「最後に提供された情報によれば貯えを失って一緒に逃亡するから協力してくれと」
それは証人保護を受けさせるためにかとラジェットが聞くと奴にその価値はないと答えた
この報告書だけで十分立件できる。証人として保護する理由はない。訴追することができるのだから。
証拠が握られているのだから消すしかないと考えられてしまったのかもしれない
「捜査対象の名前は?」
「ドベレス・ハウニンクス一等陸佐。かなり危険なところから金を借りていた形跡もある」
「犯罪組織関係というわけか。そこから消された可能性もあるわけだ。CIAが餌として食いつくわけだ」
CIAにしてみれば大物ともいえる。釣り上げようとかなりの努力をしていたのだろう
貯めこんでいるお金はすべて差し押さえることができるのだから
連邦法では差し押さえた資産については差し押さえ業務を行った行政機関の予算に編入することが認められている
だからこそ犯罪組織の摘発には誰もが力を注いでいる。犯罪組織はかなりの資金を持っているからだ
「それでそっちの狙いはどうするつもりだ?」
「俺たちCIAは犯罪組織の摘発だ。同時に資産も頂戴する」
「欲が深いな」
「いつも金欠なんだ。諜報活動をするには金が必要になる」
「なら犯罪組織のことは任せる。俺は殺された人物がだれにやられたかを突き止めるだけだ」
ラジェットとワークライ・ドースの協議は合意した。これで管轄権でもめることはないだろう
あとは何が何でも犯人を逮捕するだけである。ラジェットははやてとリィンを入れた
「問題は誰が関係しているかだな。ここは陸地から沖合15Km地点だ。遺体の状況からみてある程度の腐敗はある」
だが完全に腐敗しきっているわけではないとして、海上で遺体ボートを使て運んで捨てた可能性が高い
そこでレーダー情報を確認することにした。
レーダーサイトや艦船レーダーだけでなく。早期警戒管制機から上空からの監視態勢によるレーダー情報を確認した
結果は1隻のプレジャーボートに当たりがついた
「こいつだな。所有者は退役時空管理局員のフレイス・ハントーズ。51歳。大量リストラされた1人だ」
「この人やったら知ってる」
はやての言葉にラジェットはどういう人物なのか確認した
彼女の話によるとかなり悪いことをしているとして有名であったと
時空管理局地上本部査察部が内部捜査をしようとしていたが上から圧力を受けて捜査はできなかった
そこまでの報告を聞くとラジェットは時空管理局犯罪捜査局の友人に確認を取る
すると現在、時空管理局犯罪捜査局の捜査対象になっていることが分かった
時空管理局関係者が絡んでいるとなるとさらに面倒なことになる
それも現在進行形で捜査が進んでいるとなるとなおさらである
「これはかなり苦労するかもしれないな」
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西区南西部 クラナガンハイウェイ7号線(南西線)北東行き
エルガとヴィータはアズレエル・バーシンが住んでいる住所に向かっていた
とりあえずコンテナ車の事後捜査は割り振った
応援が必要ならすぐに連絡するように手配をかけているので問題はない
『南分署からSA12。アズレエル・バーシンの自宅から銃声らしき音がしたとのことで突入したところ遺体で発見』
「最悪の展開だな。死人に口なしとは。こちらSA12。現場鑑識チームの派遣を要請する」
『了解した。直ちに南分署から現場鑑識チームを派遣する』
無線交信を終えるとエルガはため息をついた。証人が死んでしまった
これで真相を暴くのが難しくなる一方だ。問題は自殺をした動機が何かである
いろいろと過去のことを考えて自殺をしたのかそれとも追い詰められたと感じて自殺をしたのか
真相を暴くしか道はない
「どうして死体が増えるんだろうな」
「どういう意味だ?」
「考えてみろよ。追い詰められたならさっさと自首をすればいいのに自ら死を選ぶとは愚かな決断だと思わないか」
死んだらすべて解決すると思っているなら大間違いなのにとエルガは言った
確かにその通りである。死んでもすべて解決したことにはならない
問題はこれからである。これから捜査が進めば正しかったのかそうでなかったのかがわかってくる
真相解明が進めば進むほど遺族にはつらい道が待っているかもしれない
「自殺は愚かな決断だ。生きていれば良いこともあるのに」
エルガはそう言うと緊急走行で現場に向かった
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中央区中央部ルイス地区1番街4丁目5番地 バンクオブクラナガン ルイス支店 地下金庫室
カリーは鑑識作業をしながらシグナムには現場写真の撮影をさせていた
すでに現場鑑識チームが来ているので必要はないはずだがこれも教導の一環としてさせていた
現場写真は多いほうが都合がいい。
あとで現場を再現するときにいろいろと手掛かりになるかもしれないからだ
「セムテックスが出たわね」
爆破された場所から爆薬の一種であるセムテックスが検出された
問題は量である。どれくらいの量が使われたか。セムテックスは簡単には入手できない。
爆薬は厳しく管理することが連邦法で義務付けられている
製造する側も購入して使用する側も厳しい管理事項が定められている
もし紛失したらすぐに届出を出すことが義務付けられているのだから
今のところそれらしきことは報告されていない。つまり自前で作った可能性はある
不可能ではないのだから。薬品があれば爆薬は製造できる
セムテックスは300gもあれば航空機を爆破することができる
それだけにさまざまなテロ攻撃に使用される爆薬として有名である
セムテックスはプラスチック爆弾の1つである。
「不純物を分析して出所がどこか分かればいいけど」
市販されている爆薬には探知剤というものが入っている
それをデータベースで照合すればすぐに出所がどこか分かるようになっている
「出所がわかればそんなに早く捜査が進むのか?」
「爆薬の出所を調べれば犯人はわかってくるかもしれない可能性はあるわ」
あくまでも確率の問題ではあるが探知材がが入っていれば正規のものである証である
もし探知材が入っていなければ自ら製造した爆薬であることを示している
自ら製造したものとなると絞り込むのはかなり難しくなってしまうが、
不純物からある程度は絞り込むことができるかもしれない
今はセムテックスを分析するしかない
「とにかくセントラル分署のラボで分析作業をするしかないわね」
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