午後00:15 中央パトロール本部庁舎 8階捜査部首席捜査官執務室
『セントラルベルカバンクに対してミーミルバンクは10兆ミッドの資本注入を行うことを発表』
「思い切ったことをしたわね。州内の金融の安定化を最優先にすることは間違いない」
シエルはニュース専門報道番組を見ていた。セントラルベルカバンクには大量の不良債権がある
まずは資本注入をすることで金融機関として安定化を図ることにしたのだ
新規株式を発行して発行された株式をミーミルバンクが購入。
そういう形でセントラルベルカバンクに資本注入を行うのだ
少しでも経営を安定化させるためにはやむを得ない措置である
その他に不良債権の中で回収できる債権は徹底的に回収していかなければならない
回収不能な債権は少しでも小規模であることが何よりも望ましい
「金融業界も大変ね」
『ピーピーピー』
シエルの携帯電話に着信が入ってきた。発信者はラジェットからだった
「ラジェット。状況報告を」
『今、キートで海上を無人で放置されているプレジャーボートに向かっている。サウスクラナガン港にな』
「ほかに何か情報があるの?」
『この事件はかなり時空管理局と関係がある事案だ。時空管理局犯罪捜査局との共同捜査になる可能性が高い』
その言葉にシエルは嫌な展開になることをすぐに想定した
他の法執行機関との連携プレーは簡単に事が進むことは珍しい
表向きは連携していると言っても機密情報などの関係で開示できる情報は限定されてくる
「ところでセントラルベルカバンクに知り合い入るかしら?」
『旧友がいる。セントラルベルカバンクで資料管理室に追い詰められている奴だが』
資料管理室の責任者というのは簡単に言えば左遷された人間である
厳しい審査で融資判断をしていたことから銀行内では浮いた存在になっていた
そのため、セントラルベルカバンクの融資部から資料管理室に異動になった
「名前は教えてもらえる?」
『コレビ・ドーイント。今も資料管理室の責任者をしているがどうするつもりだ?』
「セントラルベルカバンクの内情についても確認をしておきたいの」
セントラルベルカバンクから融資を受けた人間は聖王教会の関係者だけではない
時空管理局の関係者も融資を受けていた。
クラナガン市にも支店があるので多額の融資資金が市内に流れていた
市内だけの不良債権は最低でも数十兆ミッドにもなると言われている
それらの回収もかなり困難になっている。不良債権となっている融資ケースがかなり多い
返済不能になった債務者は破産申請をしている。
破産者が保有しているあらゆる資産は破産申請を行った裁判所が差し押さえている
『俺のほうから話を付けておく。シエル首席に報告するようにとな』
「ありがとう。感謝するわ」
確かに面識のないシエルから依頼するのではなく、親交があるラジェットから連絡したほうが都合がいい
相手も知らない人間からの連絡だといろいろと不安に感じるかもしれないからだ
今は情報が欲しいところであることには変わりない
ラジェットとの通話を終えるとシエルはどんな情報が入るか楽しみにしていた
「どんな情報が入ってくるか楽しみね」
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中央区中央部 セントラル分署ラボ棟 3階レイアウトルーム
カリーとシグナムはバンクオブクラナガンのルイス支店から持ち帰った証拠の分析を、
セントラル分署ラボの分析員が出した分析報告書を見ながらいろいろと考えていた
「いろいろと大変なんだな」
「これが私たちのお仕事。証拠を基に捜査を行う。セムテックスの分析結果が出れば大きく動くわよ」
まだセムテックスの分析結果は来ていない。探知材などの不純物の値で何かわかるはずだ
その結果が出ないことには大きく動きようがないことは間違いない
「カリー・ドーラン捜査官。セムテックスの分析結果が出ました」
質量化学ラボの分析官が結果を持ってきた。それによると探知材は入っていなかった。
つまり密造品であるということだが、ある成分が含まれていた
「分析したところ、微量の魔石が含まれていました」
魔石にも産出地よって魔力波長や魔石の成分が異なっている。
それらはすべてデータベース化されているので産地が分かる
「この魔石はイーストフローレンス魔石鉱脈から出ている物と一致しました」
つまりイーストフローレンス魔石鉱脈から産出された魔石があった場所で製造された可能性が高いということだ
現在ミッドチルダ連邦国内はもちろんだが、多くの次元世界国内の魔石燃料加工工場は一部が閉鎖されている
最大の理由は火力発電所などの電力源が増加したことが大きな要因である
JS事件前に比べると消費される魔石燃料の量が減少している
そうなれば自然と魔石を魔石燃料棒にする加工工場も統廃合されるのは必然である
フローレンス州の東部にあるイーストフローレンス魔石鉱脈。
さらに州の東部地方にはミーミルグループ企業のイーストフローレンス魔石燃料処理施設がある
その工場の近くなら可能性は十分に高い。となるとこの事案は市を超えるためFBIも関係してくる
「ほかに何か出たのかしら?」
「今の分析結果ではそれだけです。まだ分析を行っている真っ最中です。より詳細な結果が出れば報告します」
「期待しているわ」
そう言うと分析官はレイアウトルームを退室した
「フローレンス州に出張になるかもしれないわね」
「そこまでするのか?」
「シグナム。私たちにとって捜査に手を抜くことは許されないのよ」
「なら行くのか?」
「やめておくわ。今はね。FBIか港湾犯罪捜査部に任せるつもりでいるわ」
イーストフローレンス市には港湾パトロール本部港湾犯罪捜査部の支局が設置されている
カリーは貸しのある友人は多い。連絡を入れて捜査を依頼することにした
こちらから出向くには時間がかかりすぎる。それに魔石燃料加工工場が悪用されているとなると大問題だ
魔力爆弾の製造にも利用されるかもしれないからである
それはそれで好ましいとは言えないことは明らかである
まずは爆弾製造を行った場所の捜査が必要である
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ベルカ州中央地方ベルカ市中央区 セントラルベルカ医療センター 伝染病治療隔離室
マイアは連絡を受けて隔離室に収容されているフラニース・ドンゴットに会いに来ていた
会うと言っても隔離室なので直に会うことはできない
窓越しに会うことになっている
「どんな感じですか?」
「かなり進行が進んでいる。天然痘であることは間違いないですが、抗ウィルス薬を早く投与しないと」
天然痘に完全な治療法はまだ確立されていない
ワクチン接種か抗ウィルス薬を使用して対処療法で対応するしかない
天然痘が確実になればかなり影響は広がってしまう。天然痘は空気感染をするからだ
医療チームもかなり厳しい対応をしなければならない
「抗ウィルス薬はすぐに手に入らないのですか?」
「天然痘は根絶されているとされていたので薬は疾病対策センターか港湾パトロールの研究機関しか」
「私から港湾パトロールに話を付けます。大至急天然痘に対応できる抗ウィルス薬を搬送するように」
「助かります」
マイアはすぐに港湾パトロールの友人に連絡
天然痘の抗ウィルス薬を大至急移送してもらえるように手配をかけた
同時にワクチンも手配をかけた。大流行を阻止するには必要なことである
港湾パトロールはすぐにそれを了承した。
大至急イーストフローレンス基地からヘリで抗ウィルス薬とワクチンを輸送すると
『ワクチンはどの程度必要ですか?』
「最低でも100人分以上を確保してほしいの。天然痘患者が出たことは間違いないので」
『近隣住民や接触者もワクチン接種が必要ということだな』
「その通りです。医療スタッフは各種ワクチン接種を受けているので問題はないとは思いますが」
患者の近隣住民には摂取させることが求められるとマイアは伝えた
ベルカ市政府にも協力を打診しなければならない。
ワクチン接種には市政府の内局である公衆衛生局の協力が必要になる
「とにかくワクチンと抗ウィルス薬の輸送をお願いします」
マイアはそう言うと通話を終えた。残る課題は他にも感染者がいないかどうかだ
できるだけ早く見つけ出さないと治療が遅れてしまう。
そうなれば大流行してパンデミックになるかもしれない
パンデミックになればすべては終わりになってしまう。マスコミに漏洩するのもできれば遅いほうが良い
今、この情報が流出したら大騒動になることは間違いない
そんな事態になれば収拾がつかなくなる
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ベルカ州中央地方ベルカ市郊外 港湾パトロールベルカ基地 基地管制センター
ステラはレパーズ・サットンと協議をしていた
今後の聖王教会に対する対応方法などについてだ。
軍事関係でベルカ州内の指揮権を持っている彼との話し合いは重要である
「こちらは引き続き偵察作業を行う。そっちはどうするつもりだ?」
「マイアが市内で天然痘の患者の対応に当たっているわ。バックアップをするから」
何か情報があれば私に連絡してもらえるかしらと聞くとレパーズは問題ないと回答した
「こちらでも情報を集めておく。天然痘ウイルスの保有者がわかれば報告を上げてくれるか」
「もちろんよ。お互い連携することでスムーズに事を進めましょう」
ステラはそう言うと基地管制センターを退室した
さらに基地から出るために車を借りていくとベルカ市中心部に向かっていった
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クラナガン市サウスクラナガン港 沖合10Km地点 7000t級駆逐艦(艦船形式:あきづき型護衛艦)キート
飛行甲板ではラジェットは海を眺めていた。はやてとツヴァイは少し離れたところで海を眺めていた
今は事件解決には別の艦船でけん引されているプレジャーボートを調べてみてみないとわからない
詳しいことは特にだ。調べるのはサウスクラナガン港に到着してからである
「魚釣りでもするのか?」
副長の男性がラジェットの様子を見て声をかけてきた
これで釣り竿でもあれば海釣りでもするかのように見える
「軍艦でそんなことをするわけないだろ。それで何か話したいことでもあるのか」
「見破られたか」
当たり前だろと言うとラジェットは話の話題の内容を当ててみせた
「機動六課組のことだろ。どうせ」
「まぁそんなところだ。そっちからみてどう思う?」
「まぁ使える連中であることは間違いない。これからの鍛え方次第ではあるがな」
「銃はまだ持っていないんだろ?」
「当然だろ。資格テストに合格するまでは捜査官補佐のままだ。それに銃の所持許可は簡単には下りない」
俺達でも毎日の鍛錬が必要なのだからなとラジェットは答えた
常に訓練をすることで射撃精度を維持している
「射撃訓練は魔法デバイスの試験とは全く異なるからな」
「ラジェットの評価としてはどんな感じだ?」
「はやてに関して言えば死体を見ても嘔吐をしないだけまだ優秀だなと言える。科学捜査はこれからだがな」
「俺達は面倒ごとを押し付けられたと思っている」
港湾パトロールはお荷物をクラナガン捜査局に押し付けてきた時空管理局と次元世界連合の事をよく思っていない
面倒なことを押し付けてくるのはいつもあそこの組織なのだから仕方がない
発足以来トラブルを引き起こしている。時空管理局関係だけでも何万件ものトラブルを
「収まるまでどれくらいの時間がかかると思う?」
「そうだな。俺の見立てでは1年はかかるだろう。最低でも」
「港湾パトロール安全保障局では5年という数字が出ている」
副長が言った5年とは長くてもである
それとか膨大な時間が必要になることは一部の人間は理解している
それほどまでに時空管理局の闇は深いものである
「さすがは港湾パトロールだな。情報収集に懸命に活動している」
簡単に時空管理局関係のトラブルは収まることはない
それは多くの人間がわかっている。今は不祥事が大量にあふれかえっている状況なのだから
これを収めるには時間が必要になることはわかりきっている
「問題解決には膨大な時間と労力が必要になるのはわかりきっていることだ」
ラジェットの言葉通りである。
こればかりは時間が多く必要になってしまうものである
「それにしても密輸関係が増えたのは面倒な話だな」
「昨年と比べて2倍を超えているからな」
「それだけ時空管理局の影響が大きかったか。今はクラナガン市と近隣州の安全保障は港湾パトロールだがな」
時空管理局が権限を持っていた頃はパトロールの位置を報告することが求められていた
つまり犯罪者たちに対して抜け道を用意していたからこそ、しがらみがなくなった意味は摘発量が大幅に増加。
さて話は問題なのは魔石爆弾が作られないことを祈るだけだ。
そのために魔石の採掘から魔石燃料加工工場や再処理工場の警備は厳重である
国内に存在する各種魔石燃料施設の警備は警察組織だけでなく連邦軍も担当している。
クラナガン捜査局管轄内では港湾パトロール海兵隊が担当している
市内でも連邦軍が共同で参加。常に情報を共有することで魔石の不正流出をさせないことが重要なのだ
少しでも怪しいことがあれば燃料工場の稼働は停止させられる。それだけ慎重な扱いをしている
「2日前に市内にある魔石燃料加工工場で生産された魔石燃料をスタントン州に運ぶ予定だったが延期に」
「何かあったのか?」
「その貨物船に不審な記録が見つかったから今は港湾パトロール海兵隊がすべてを調べている」
「不審な点とは」
「乗組員の中の経歴に怪しいところがあったらしい。詳細に関してはわからないが」
ついでに貨物船内の調査も行われているとのことであった。万が一に備えての対応である。
もしも魔石燃料を悪用されて魔力爆弾の製造に使われたら大問題になってくる
それを避けるための措置である。保険をかけているようなものである
「大きな問題に発展しなければいいがな」
「ラジェット。そんなことは誰もが思っていることだ」
副長である彼もラジェットと同じでトラブルなど起きてほしくない
トラブルが発生すれば当然対応するために大きな動きをしなければならない
それを避けるためには様々な労力が必要になってくる
「今は平穏な日常になることを願うしかないな」
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南区北部 クラナガンハイウェイ6号線(南線) 北行き
サイノスとティアナは先ほど拘束した麻薬の売人を後部座席に乗せて中央本部に向かっていた
今は一刻も早く中央本部に向かうことが求められている
できるだけ早くこいつを麻薬捜査課に引き渡してパトロールに戻りたいからだ
サイノスにはまだ追いかけている人間が存在する。1人で複数の事件を抱えているのだから当然である
彼は最新のマスコミによる報道情報を確認するためにニュース専門のラジオ放送を聞き始めた
『ミーミルパワー社はマリネット魔力精製炉発電所の魔力精製炉の運用を一時的に停止する方針を決定』
マリネット魔力精製炉発電所はマリネット州にある発電所である
魔力精製炉が10基設置されている。最大発電出力は6000万kwになっている
『現在は10基運用していますが、半分の5機を運用停止にして総合点検を行うと』
半分を止めるということは最大出力が3000万kwに減少する
『同時に魔石燃料棒の交換作業も行うということです。点検期間は1か月間とのことです』
ミーミルパワー社は1か月間の発電停止中で失われる発電出力に関しては他の発電所から供給されるとして
問題はないとしていますと報道されていた。しかし3000万kwの発電出力を補うのは簡単なことではない
今は火力発電所やダムや堰を作って水力発電所の建設が急ピッチに進んでいる
それらから供給されることになっているのだろう
「停電なんて起きなければいいけど」
ティアナは停電なんて簡単に起きないのではないかと言ってきたが実際はわからないと言える
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東区西部サウスフェアファックス地区1番街2丁目7番地302号室 グエンスト・バーリの住居 玄関前
アルシオーネは爆弾に付着していた血痕の持ち主の住居に来ていた
東分署のSWATとともに強行突入する。令状は出ている。突入をしても問題はないが
ドアを開けた瞬間に爆弾が爆発するかもしれない
そこでアルシオーネが単独でドアの前に立っていた
彼女はドアをノックした。しかし室内から何も音はしない
再度ノックをするが何も反応はない。そこで慎重にドアノブに触れてドアを開けてみた
ワイヤーなどのトラップがないか慎重に確認しながらドアを開けるが何もしかけはなかった
ホルスターから銃を抜くとSWATと共に一気に強行突入した
「中央パトロールよ!」
アルシオーネたちは室内に入るとリビングで死体が発見された
こめかみに穴が開いていた。銃で撃たれたようだ。証拠隠滅したのだろう。
情報が漏れないように。証人になるものはすべて消していくつもりのようだ
「オールクリアです!」
SWAT隊員たちがすべての部屋をチェックしたが、死体以外は誰もいなかった
「あとは任せて。こっちで対応するわ」
アルシオーネは東分署に連絡して検死官の派遣を要請した
死因は頭部に銃弾を撃ち込まれたことであることはわかっているが、念のためさらなる検死が必要である
「死人に口なしね。証拠をすべて消すってことはプロのようね」
彼女は1度車に行き、捜査キッドを手にして部屋に戻ると室内の鑑識作業を始めた
室内には荒らされた痕跡はない。グエンスト・バーリの着衣は乱れていない
犯人とはもめているような行動をしていなかったということである
安心した空気な時に突然銃殺されたことになったという線が高い
「この家で爆弾を作っていたわけではないわね」
自宅内には爆弾を製造するための部品などは1つもなかった
どこか別に工房を持っている可能性は極めて高い。そこを探し出すしかない
だがそれも早く見つけないと時間との戦いで真犯人に証拠が消されてしまうかもしれない
今のところ犯人のほうが一歩先を歩まれている。こちらは出遅れになっている
「かなり苦労する案件になりそうね。これは」
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中央パトロール本部庁舎 8階捜査部1係オフィススペース
フィリーはマフィアのボスであるユン・ブラウンから渡されたデクス・マークレの情報の確認作業をしていた
犯罪者からの情報提供なので信頼できるかどうかはわからないが
できるだけ早く詳細な情報収集を行うことで確実なのかどうかを調べる
すでに時空管理局を不名誉除隊をしたことはわかっている。問題は現在の居場所に関するものだ。
どこを拠点に活動しているかがわかれば大きな手掛かりにつながるのだが
「どこを拠点にしているのか分かればいいんだけど」
今のところは何もわかっていない。
拠点がわかれば当たりをつけることができるんだけど難しい
現状ではデクス・マークレがどこにいるかはわかっていない
それにもう1件のほうの捜査も行わなければならない
銀行の貸金庫からメモリカードを盗んだ事件だ
すでに指紋から容疑者候補としてベレス・モーラスが分かっているため捜査指令は出している
手配をかけているが今のところ網に引っかかっていない。
つまりもう市内から逃げている可能性が高いということである
「問題なのはあなたたち機動六課組の殺しを依頼した人物ね」
マフィアのボスから提供されたデクス・マークレ。
いろいろと暗い過去がある人物だ。簡単につかまる様な奴ではない
こちらも捜査指令を出している。手配をかけているので見つかればすぐに連絡が来る
「あとは待つしかないわね」
『ピーピーピー』
「フィリー・アクシオムよ」
『南分署刑事課です。そちらが手配にかけていた2名を発見しました。両者ともに生きています』
ビッグニュースが入ってきた。手配にかけていた2人が見つかるとは。それもこの短時間で
何かあったのかもしれない。2人そろって身柄が確保されたということは何かあるということだ
「大手柄よ。中央本部まで移送してもらえるかしら」
『すでに手配済みです』
「ところでどうして2人が確保されたの?」
『サウスセントラル駅で長距離バスに乗り込もうとしたところを確保しました』
逃亡される寸前で身柄を確保できたということだ。
もう少し遅れていたら市外に逃げられていた
運がよかったとも言える
「それにしても2人そろって逃亡とはどういうことかしら」
『共謀したようです。両者ともに機動六課組に恨みがあることから連携が取れたようです』
「なるほどね。とりあえず身柄の移送を最優先でお願い。後始末はこっちでするわ」
『お願いします』
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中央パトロール本部庁舎 8階捜査部2係主任捜査官執務室
ミカ・ミズノは報告書の決済をしていたところ3係主任捜査官であるウルが入ってきた
「調子はどうかな?」
「私の調子なんて最悪よ。ウルは良いわよね。機動六課組は1人だけしか配置されなかったのだから」
3係ではシグナムだけしか配置されなかった。2係はフェイトとティアナの2人が配置されている
最も多いのが1係であるはやてと相棒であるリィンフォースツヴァイ。
さらにヴィータとなのはの4人が配置されている。
だからこそ1係はかなり苦労な任務を背負っていると思われている
「3係は担当事件が多いから報告書の処理に苦労するけど変わってみる?」
「冗談よ。3係の事件担当件数は捜査部の中で最も多いことを忘れていたわ」
3係は元は強盗などを担当することを専門にしていた。
今は1係と2係と同じであらゆる事件を担当しているが
それでも強盗事件の担当件数がかなり多いことは事実である
「それで私の部屋に何をしに来たの?」
「JS事件関係で時空管理局犯罪捜査局が捜査している案件に関する情報共有でもどうかなと思ってね」
「何か大きな動きでもあったの?」
「時空管理局犯罪捜査局の友人の話によるとスカリエッティが証言をするそうだよ。JS事件について全容を」
ウルの言葉にミカは驚いた。どういう風の吹き回しなんだと思っていたのだ
今までスカリエッティは証言を拒んできた。だが急に進路を変えたのだ
「何を餌にしたの?」
「司法取引だよ。スカリエッティが生み出したかれらの身柄を一般生活に戻すことを条件に証言すると」
時空管理局と聖王教会の闇について徹底的に証言をすることになるということは、
かなり困る連中が多いはず。当然護衛がつけられることになる
「今はスカリエッティが生み出した彼らは社会復帰施設で今後の身の振り方を考えているところらしい」
「なるほどね。どんな証言が飛び出してくるのかがかなり興味があるわ。その審判はいつあるのかしら?」
「予定では2日以内に審理が行われることになっているらしいけど、詳細はまだ未決定のままだよ」
審理が始まればクラナガン市内で大きな騒動になることは間違いない
時空管理局と聖王教会の闇の部分が明らかになり真相がわかればわかるほど追いつめられる人物は多い
「まだまだ騒動は収まりそうにないわね」
ミカの言葉にウルもそうだねと同意して彼は2係主任執務室を退室して自らの執務室に戻っていった
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