CSI:クラナガン   作:アイバユウ

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新暦76年4月1日午後01:20

 

午後01:20 ベルカ州中央地方ベルカ市 ベルカ市警察本部庁舎 対策センター

 

ステラは現在の状況把握を進めていた。

ある程度おさまりを見せつつあり、天然痘のワクチン接種も順調よく進んでいる

市民は多少の混乱は一時的に生じたが、今のところは落ち着いている。

新規発症者は確認されていないので、安定することはクラナガン市に帰還することができることを示している

 

「今のところは順調のようね」

 

「ステラ・ドミンゴ捜査官の支援があってこそのことだ」

 

市警察本部長をしているフランクリン・チャールストンはステラに感謝の言葉を伝えると私の手柄じゃないわと返事をした

 

「お互いの連係プレーがうまくいったから被害を最小限にすることができたのよ」

 

連携がうまくいっていなかったらとんでもないことになっていたはずよとステラは続けた

確かにその通りである。今回は運が良かったのだ

もし情報が変な方向に向かってしまうと大パニックになるところである

今回は状況がこちらの誘導通りに流れてくれたおかげでうまくことが進んだ

 

「だが初めに天然痘のワクチンと抗治療薬の手配をしてくれたのはそっちだ。ベルカ市警察のトップとして感謝する」

 

「これが仕事よ。でも妙な話ね。天然痘はめったに出てくることはない。疾病対策センターの調査に期待ね」

 

ミッドチルダを含む次元世界連合全加盟国では天然痘は根絶されたと言われている

今は研究用にワクチン開発のために各次元世界国の疾病対策センター(CDC)などのような

研究機関以外では天然痘などの培養は認められていない

港湾パトロールも万が一の生物テロに対応するためのワクチン開発のために天然痘のウィルス個体を持っているが

持ち出すことは基本的には不可能である。厳しい持ち物検査があるためである

 

「詳しいことはCDCに聞くしかないわね」

 

発症原因などについてなど詳細に調べる必要がある

原因がわからなければ、さらなる拡大につながる可能性があるからだ

 

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南区中央部 中央パトロール南分署庁舎 6階刑事課オフィススペース

 

アルシオーネは保険金の引き渡し止めるための令状請求をしていた

すでに検事局から判事に差し止め令状の発行要請をしている

発行されたらすぐに保険会社に連絡して差し止めだ

お金が下りたらすべての計画が台無しになってしまう

 

「間に合うと良いけど」

 

「保険金の受取人がわかったぞ。驚きの名前があった」

 

男性刑事は保険金の受取人に関する報告書をアルシオーネに手渡した

そこにはマフィアの幹部の名前が記載されていた。

 

「グレモリーから借金していたとは呆れる話ね」

 

グレモリーは南区を中心に活動しているマフィアである。

構成員は1万人にもなる。クラナガン市内にはマフィア組織は5つ存在している

それぞれの区内に1つずつ存在している。かつては縄張り争いで激しく闘争していたが今は落ち着いている

しかし時空管理局の大規模縮小で大きな痛手を負ったことは法執行機関の関係者の中では有名である

管理局員に違法な高金利で融資をしていたケースが数多くあったからだ

時空管理局員は高給取りだったことから、確実に返済してもらえるという暗黙の了解があった

今はそんなものは存在しないが。だからこそ時空管理局員はカジノとかで失ったお金を取り戻すために高利貸しから借り入れをしていた

民間の金融機関から借り入れをすると内部調査を担当しているセクションにばれてしまう

そうなるといろいろと面倒なことになることから黒いところから借りることが多かったと言われている

今はそれが仇となり、多くの犯罪組織や高利貸しが回収のために必死になっている

 

「酷い話ね。本当に」

 

さらにアルシオーネの携帯情報端末にあるデータが送られてきた

それは大量リストラされた退役時空管理局員の財務情報だ。

時空管理局犯罪捜査局と情報を共有しているためアクセスすることができた

高額な借り入れをしている人物の中には数十億ミッドも借り入れをしている

表の借金は自己破産でどうにかなっても犯罪組織関係の借金はどうにもならない

失踪しているケースが複数確認された。すでに死亡しているケースもあった。

追い詰められてとんでもないことになっている人物がいることもまた事実のようだ

 

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南区北部イーストハーディー地区7番街2丁目4番地502号室

 

ジャネットは現場鑑識チームと一緒に鑑識作業を進めていた

現場の証拠品はすでに中央本部のラボに送っている。あとはこの部屋を当面の間証拠保全のために隔離するだけだ

現場保全は1か月前後と定められている。

ただし建物の持ち主が緊急性が必要だと求めた場合は裁判所の判事の裁量によって期限の短縮が可能となっている

 

「建物の持ち主に連絡して現場保全命令を出しておきましょう」

 

ジャネットは現場にいた刑事に個々の持ち主にその命令を出すように指示をした

 

「あとは麻薬の出所ね。あれだけの物を市内で売買するのはかなり大変なことになりそうね」

 

純度がどれくらいかによるが麻薬の純度が高ければ密売で純度が下げられる前のものとなる

つまり値段もかなりの金額になるということになる。

それだけのものを部屋に無造作に放置するとは何かおかしい

何らかの裏工作でもしているのかもしれない

 

「とにかくラボの分析結果を見ないと判断はできないわね」

 

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東区東部サウスクラナガン港 沖合90Km地点 空母ワルキューレ [ 形式:ジェラルド・R・フォード級航空母艦]

 

ラジェットは取り調べの報告書の作成を終えると港湾犯罪捜査部の捜査官に報告書を渡した

 

「それじゃ、はやてとツヴァイ。港湾本部基地を経由して中央本部に帰るぞ」

 

「戦闘機で帰るのか?」

 

はやてとツヴァイはまたとんでもないハプニングに巻き込まれるのではないかと心配していた

 

「当然だろ。借りものなんだからしっかりと返却しないと今後レンタルできなくなったら困る」

 

「レンタカーじゃないんだが。戦闘機は」

 

確かに戦闘機をレンタカーと同じ扱いにするには大きな問題がある

だがここに来るまでは実際のところはレンタカー代わりに使ってきた

しっかり返却することは重要だ。そうしないと今度からレンタルできなくなる

それはそれで問題である

 

「F/A-18Fは第7訓練飛行隊からの借りものなんだ。傷一つつけることなく返却したい」

 

途中で演習に参加はできれば避けたい。

しかし何が起きるかどうかはわからないのだから備えは必要である

 

「だが爆装はするんだろ」

 

「当然だろ。保険はかけておかないと何があるかわからないからな」

 

爆装、ミサイルなどの兵器を搭載した状態にしておくということだ

こちらに来るときもミサイルを搭載していたのだから当然である

 

「とにかく後始末はいろいろと大変だろうがよろしく頼む」

 

「手柄をもらえたんだ。あとは任せろ。それにしてもガキの面倒を見るのは大変だな」

 

「これも仕事のうちだ。何度も言うが証人保護をしていると思っている」

 

機動六課組は大量リストラされた退役時空管理局員やその関係者から恨まれている

そのため証人保護として必要だと思ってしぶしぶ任務遂行にあたっている者も多い

 

「それじゃ、対Gスーツに着替えて港湾本部基地に帰るぞ」

 

リィンフォースツヴァイは小型化になっただけだが、

ラジェットとはやては対Gスーツに着替えて飛行甲板に待機しているF/A-18Fに乗り込んだ

 

「そろそろ本番だな」

 

「どういう意味ですか?」

 

「カタパルト発進の怖さを堪能するのはいつも緊張する」

 

電磁カタパルトで戦闘機が発進する時の圧力はかなりのものだ

初めてのものは気絶する者もいる。だからこそしっかりとした訓練が必要なのだ

ラジェットはしっかりと訓練を受けているので問題はない

 

「はやて。しっかりと気を持てよ」

 

エンジン出力を最大にすると飛行甲板の乗組員がカタパルト担当に合図をする。

その直後、戦闘機がカタパルトから急加速。発進した

発進するとすぐにラジェットはエンジン出力を微調整しながらも出力を高めにしながら一気に高度を取っていった

 

「港湾本部へ。こちらノスリ7。ワルキューレから発進した。港湾本部基地への誘導を求める」

 

『こちら港湾本部。了解した。港湾本部基地への誘導を行う。針路を方位300度に取り、高度5000mまで上昇せよ』

 

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東区東部ノースクラナガン貨物ターミナル パトロール事務所

 

ウルは中央本部に帰還する準備を始めていた

すでに容疑者のうち、エレス・カルガルートはウエストクラナガン空港で捕まっている

身柄は中央本部に移送されることになっているが、問題はマナサリ・グースルの身柄である

今も詳細な居場所はわかっていない。

貨物列車の貨車に乗っているはずであるというあいまいな事実だけしかわかっていない

そこが大問題なのである。ウエストクラナガン貨物ターミナルでは最重要警戒態勢がとられている

入線する貨物列車の確認作業に時間がかかって本来の発車時刻を遅延している

鉄道会社からはクレームが来ているが犯罪者を逃がさないようにするために協力要請を出している

会社としても犯罪に協力したというレッテルは張られたくない

だからこそ鉄道会社はできるだけ協力をしてくれている

 

「何としても見つけないとね」

 

すでに逃亡手段はかなり絞り込んでいる。逃げる場所も同じくである

簡単に市外に逃げる手はないはずだ。今の段階ではだが

だが友人関係を利用されて逃亡を手助けする連中は存在する

時空管理局時代の友人を利用されたらかなり面倒になってくる

それに逃がし屋という仕事をしている人もいる

もちろん逃がし屋に支払う料金はかなり高額になるが確実に市外に逃走させてくれる

そんな金があれば良いのだが退役時空管理局員の多くは資産を失ったのだから、

逃がし屋に依頼するほどの金があれば貨物列車で逃げることはないだろう

 

「どこにいるのか早急に突き止めないと。ウエストクラナガン貨物ターミナルの事務所に期待するしかないね」

 

 

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中央パトロール本部庁舎 8階捜査部首席捜査官執務室

 

エルガはシエルと話し合いをしていた

 

「アズレエル・バーシンの血中から高濃度の睡眠薬の成分が出たことは自殺をするためか。それとも殺人のためか」

 

エルガの報告にシエルは今のところはFBIと時空管理局犯罪捜査局に捜査県は預けているのよねと問いかけた

彼は確かにその通りだが、いつでも介入することはできると回答した

 

「あなたも面倒な取り決めをしてきたわね」

 

シエルは時空管理局犯罪捜査局との取り決めについてそのように評価した

 

「だがこれが組織間抗争を抑える上では最適な判断だと俺は考えている」

 

「確かにその意見には賛成するわ。でも問題なのは下手をすると責任を押し付けられることよ」

 

「うまく立ち回ってダンスを踊りきって見せる」

 

口で言うのは簡単ではあるが、実際はかなり難しいことを理解しなければならない

組織間の情報の流れを調整するのはかなり苦労するものなのだから当然である

 

「今は時空管理局犯罪捜査局に任せる。アズレエル・バーシンは時空管理局関係者なのだからな」

 

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中央パトロール本部庁舎 2階事務部首席事務官執務室

 

事務部のトップであるリーザ・コンパーノはある報告書を見て頭痛を感じていた

時空管理局機動六課に関する報告書である。

彼女たちに対する評価報告書だがかなり問題であることを示されていた

 

「次元世界連合が彼らの活動状況の報告をすることを求めてくるなんて」

 

面倒な仕事が増えるわねとリーザは漏らしていた

こんなことになるなら引き受けることを何としても断っていたのにと感じていた

いや考えていた。さらに問題なのはサウスクラナガン魔力精製炉発電所が機能停止の状況にあることだ

今っも復旧作業に全力を注いでいる。まだAMF装置の発生源を割り出せていない

早急に割り出しておくことが求められているのに苦労している

サウスクラナガン魔力精製炉発電所の早期復旧で発電再開がなければ面倒なことになってくることは間違いない

 

「それにしてもどこのテロ組織があんなことをしたのかわかれば良いけど」

 

発電所を攻撃するのは立派なテロ行為である

都市のライフラインに大きな影響を与えるのだから当然である

今後のことを考えると早急な割り出しが必要になることはわかっている

それを調べるのは中央パトロールとFBIである。犯人によっては時空管理局犯罪捜査局も絡むかもしれないが

今のところはそちらに管轄権はない。

 

「縄張り争いでもめることを捜査部はしないと思うけど、念のため対応マニュアルに従って行動するしかないわね」

 

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