CSI:クラナガン   作:アイバユウ

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新暦76年4月1日午後01:35

 

午後01:35 中央パトロール本部庁舎 8階捜査部1係オフィススペース

 

ジャネットは自分のデスクで報告書作成と今後の捜査方針を検討していた

純度100%の麻薬を使って過剰摂取とは何を考えているのか

自殺する動機が何かあるか知りたかった。そこで死亡した人物の身元について調べることにした

まだ身元がわかっていない。

中央本部検死ラボで検死をしているリエ検死官に連絡して身元が分かったか確認することにした

 

「リエ検死官。身元は分かりましたか?」

 

『指紋でヒットしたわ。名前はギャレット・ボイスコーン。32歳。麻薬の密売で2度逮捕されていた』

 

ジャネットは犯歴者のデータベースに名前を入力して詳細情報を確認した

麻薬関係の犯罪の常連である。ミッドチルダだけでなく他次元世界国でも犯罪を犯した経歴があった

 

「麻薬と縁が切れない関係の犯罪が大量にあるわね」

 

時空管理局が権力を握っていたJS事件までは逮捕されてもすぐに釈放されていた

時空管理局に金を握らせて軽犯罪で済ませていたのだろう。つまり隠ぺい工作をしていたということである

 

「本当にひどい話」

 

問題は今後の捜査方針である。自殺か他殺かどうかの判定次第だ

自殺ならこのまま麻薬捜査課に引き継ぐ。殺人ならジャネットが指揮して捜査を実行する

今度は質量化学ラボに連絡して血中の麻薬濃度を確認した

 

「血中の麻薬濃度はどれくらい?」

 

『もともとの純度が高かったからな。打ったら死ぬことはわかっていたはずだ』

 

「ほかに第三者が関与した可能性は?」

 

『それなんだが。手首と足首にひも状のもので絞められた痕跡が確認できた』

 

「それってつまり」

 

つまり注射をするために第三者が絡んでいることを示すことになる

おまけに血中からかなり高い濃度の睡眠成分も出ている。これで殺しとして捜査をするのに十分な証拠がある

 

「わかったわ。この件は殺しとして捜査をするわ」

 

まずはお金関係を調べてみることにした。令状を請求して金融情報を開示させる

まずは検事局に連絡した

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北区南部 クラナガンハイウェイ2号線(北線)南行き 

 

ダイナはサレイバーグ・ゴレイスの自宅から中央本部に戻ろうと緊急走行でSUVを走らせていた

今のところ問題なのは事件の関係者が次々と死亡していることだ

何としてもすべての関係者が死ぬ前に証言と証拠を集めなければならない

 

「それにしても関係者が次々と死んでいく事件の担当は苦労する」

 

これ以上関係者から証言が得ることができなくなるとかなり面倒になることは間違いない

 

『中央本部から各員へ。北区南部のハイウェイ2号線の南行きで交通事故が発生。事故関係車両は現在3台』

 

付近にいる関係者は急行せよとのことだった

事故現場はここから数Kmしか離れていない。すぐに急行することにした

 

「こちらSA20。事故現場付近にいるので対応する」

 

『こちら中央本部。かなり激しい事故現場になっている。現場対応は慎重に行え。必要であれば全止めを許可する』

 

全止め。一時的な通行止め措置のことを意味している

それほど激しい現場となると被害が大きなものであるのだろう

 

「クラナガン消防局から派遣は?」

 

『すでに5台の消防車両が向かっている。到着は10分以内。魔導師も派遣中とのこと』

 

時空管理局から大量リストラされた魔導師の中で現場で消防レスキューや救急対応だった魔導師の多くは、

新たに各政府機関に設置された消防局などに職を移している

 

「魔導師の派遣人数は?」

 

『消防局の情報によると5人で対応するとのこと』

 

ダイナは了解したというと無線連絡を終えた。現場に到着するとかなりひどい状況になっていた

事故車両の1台が原形がとどめていない状況になっていた

 

「SA30から中央本部。事故現場はかなり危険である。道路交通情報で全止めの情報を流してくれ」

 

『了解。直ちに交通情報を発信する。ただし通行規制はできるだけ短時間で済ませるように対応を』

 

「こちらSA30。何とか対応してみる」

 

そこにクラナガン消防局に所属している消防車や魔導師が到着した

彼らは直ちに消火作業や人命救助作業に入った

ダイナは事故現場の現場写真の撮影や証拠品の回収作業を始めた。

いつまでも通行規制ができるわけではないのだから早期解決が求められることはわかっている

速やかな行動が求められる

3台の事故車両の先頭部分の車を確認すると落下物に衝突した痕跡があった

落下物をよける暇がなく急ブレーキを踏んでそれで玉突き事故になったのだろう

落下物は排気ダクトの部品である。今回の場合はこれを落下させた車両を逮捕しなければならない

落下物事故の場合、その落下物を生じさせた車の運転手に過失が生じることになっている

 

「交通捜査課に連絡する必要があるな」

 

交通事故を専門に捜査している交通捜査課との連携が必要になる

ダイナは中央本部に確認の無線を入れると北分署の交通捜査課の刑事が現場に向かっているとのことだ

 

「とりあえず俺は現場証拠採取と記録が必要だな」

 

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中央パトロール本部南館 地下2階射撃訓練室

 

エルガはヴィータに射撃訓練を受けさせるために来ていた

SIG SAUER P239型の銃を装備させるつもりでいるので、

それを借りるとまずは銃に慣れさせることが必要であった

 

「本当に撃つのか?」

 

「銃を所持できなければ正式なクラナガン捜査局員になることはできないんだぞ」

 

エルガはとりあえずマガジンの銃弾を込めて、

マガジンを銃に装填すると的に向けて発砲するように指示した

ヴィータはまず1発を発砲した。初弾は的を大きく外した。

その後、装てんされている8発全弾を発砲したが的にはほとんど当たらなかった

 

「へたくそだな」

 

エルガは自分が装備しているベレッタM92FSを腰のホルスターから抜くと的に向けて発砲した

結果は見事に全弾、的の中心部分に的中していた

 

「すごいな」

 

ヴィータの感想にエルガはこれくらいできないとプロの捜査官とは言えないぞと評価した

確かに銃の扱いに完璧さを求められるのがクラナガン捜査局員の仕事である

誤射は許されない。危険性がある場合は発砲を控えるのだから

リスク管理をしっかりとできない者は銃保有資格を取る事はできない

 

「まぁゆっくりと慣れていけばいい。銃の扱い方も。科学捜査についてもな」

 

その時エルガの携帯電話に着信が入ってきた。発信者はシエルからである

 

「シエル首席。何か緊急の案件ですか?」

 

『悪いんだけど、私のオフィスに来てもらえる?緊急の案件を任せたいの』

 

「機密事項に該当するとなると相棒の問題が」

 

ヴィータはまだ機密情報取り扱い資格を持っていない

なのでエルガは簡単に機密情報を閲覧させるわけにはいかないのだから、

そのあたりに問題ないかを考えていたのだ

 

『問題ないわ。今の捜査部に担当できる人間があなたしかいないから』

 

つまり人手不足ということである。エルガは了解というと通話を切った。

 

「ヴィータ。仕事の時間だ。きっととんでもないトラブルな案件になること間違いないぞ」

 

エルガは借りていたSIG SAUER P239を返却すると、自分のマガジンに球を装填してホルスターに収めた

さらに予備の銃弾も受け取ると捜査部のオフィスに戻っていった

 

「それにしても本当に忙しいんだな。捜査部は」

 

ヴィータの発言にこんなものは忙しいものとは言えないと忠告した

 

「これでも今日はのんびりしている時間だ。忙しい時はもっと過激だからな」

 

2人は中央本部庁舎8階捜査部に戻るとエルガはヴィータと一緒に首席捜査官執務室に入った

室内ではまるでトラブルを抱えていることを示すかのような表情をしているシエルがデスクチェアに座っていた

 

「緊急の案件って言うぐらいだからとんでもないトラブルだろうな」

 

「この資料を見て質問をしてみて」

 

シエルから資料を渡されたエルガは内容をすばやく確認すると表情を曇らせた

 

「冗談だろ?」

 

「上は本気のようよ。何を考えているのかはわからないけど」

 

資料にはあるトラブルが事実なのかどうかを確認してほしいことを示す内容が記載されていた

その内容とは市内の犯罪組織。特にギャングの組織抗争が小規模ではあるが起きていることから、

拡大する前に押さえこむ材料を集めてほしいとの要請だ

面倒な調査になることは間違いない。

 

「とりあえず犯罪組織対策法を使って金融情報を中心に探りを入れてみる」

 

「ヴィータとうまく分担作業で担当して。上層部は早期報告を求めているみたいだから」

 

了解したというとエルガとヴィータは首席捜査官執務室を退室。

1係の自らのデスクに戻るとエルガは金融情報の獲得を行い、ヴィータにはそれらの情報の整理を担当させた

 

「ヴィータ。集中して作業を行え。ミスをすれば血が流れることになるからな」

 

「わかった」

 

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南区南部ボルシア地区3番街1丁目9番地 フォーゲル家の自宅前

 

「令状があるから行きましょう」

 

フィリーはそう言うとなのはと一緒にSUVから降車。自宅玄関に向かって歩き出した。

フィリーはあまり乗り気ではないがこれも仕事なのだから仕方がないと割り切っていた

子供が親を告発する。そんなことをするなんて珍しいケースではあるが、

親に立ち直りをしてほしいと思っているからできることだ

 

「なのは。私のそばから離れないでね。何が起きるかわからないから」

 

令状執行をする時は何が起きるかわからない。

ましてや相手は麻薬常用者だ。何をしてくるか想像もつかないことである

 

「はい」

 

フィリーはなのはの返事を聞くとドアをノックした

 

「中央パトロールです。少しお話があるのですが」

 

その次の瞬間、窓ガラスが割れる音が聞こえた

家の横の窓から慌てて窓を突き破って出てきた男性がいた

 

「なのは!捕まえるわよ!」

 

2人は慌てて逃走する男性を追いかけていった

男はかなり慌てているのか靴も履いていない状況だった

 

「中央パトロールよ!待ちなさい!」

 

フィリーはかなりハイスピードで追跡していき押し倒すことに成功した

 

「公務執行妨害の容疑で逮捕するわ!両手を後ろに回しなさい!」

 

「うるさい!俺の邪魔をするな!」

 

男の目は完全に血走っていた。薬物中毒者の特徴を示していた

フィリーは男の顔を見て逮捕予定だったフェルリク・フォーゲルであることを確認した

腕を確認すると複数の注射痕があった

 

「またドラッグをやったの!?」

 

「離せ!俺はもっとやりたいだけだ!邪魔するな!」

 

完全に薬物中毒の状態である。錯乱してることは間違いない

何とか手錠をかけると連行することにしたがなのははこんな少しのダッシュで少し疲れた表情を浮かべていた

 

「なのは、体力トレーニングを受けないとだめね」

 

「これが日常なんですか?」

 

「私たちは足で稼ぐ必要なのよ。体力がないと務まらないわ。この仕事は」

 

そこに応援のパトカーが駆けつけてきた。

パトロール捜査官に身柄を預けると地区パトロール事務所に連行して留置するように指示した

まずは家宅捜索をすることを優先した

 

「なのはは待っていなさい。万が一に備えてね」

 

フィリーはホルスターから銃を抜くと玄関ドアをけ破って一気に強行突入していった

 

「中央パトロールよ!誰かいる?」

 

するとキッチンで女性が倒れていたのを確認した。女性は頭部から出血していた

無線ですぐに救急車を手配した

 

「SA30から中央本部、南区南部ボルシア地区3番街1丁目9番地に大至急救急車をよこして」

 

『了解。直ちに急行させる』

 

フィリーは無線連絡を終えると女性の意識の安否を確認した

女性に声をかけるが気絶しているのか意識はなかった

 

「大丈夫ですか!?」

 

息をしていない。フィリーはそれを確認するとすぐに心臓マッサージを開始した

 

「まだ死んじゃ駄目よ!生きて!お願い!」

 

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東区東部 港湾パトロール本部基地港湾パトロール本部飛行場 第23番駐機場

 

ラジェットとはやて達が乗り込んでいたF/A-18Fは無事に帰還することができた

今後は中央本部に戻るためにヘリで移動することになる。

 

「またヘリに乗るんか?」

 

はやてはうんざりしているような表情を浮かべていた

 

「そうだ。まだまだ気が抜けない旅は続くぞ」

 

ラジェットはそう言うとはやて達と一緒にヘリに乗り込み中央本部に向かった

 

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西区東部サウスウエストクルック地区9番街 クルック地区検問ゲート

 

カリーとシグナムはガレス・ファーミルがここに来ると考えて張り込んでいた

ガレス・ファーミルは今もヘリによって追跡されている。

相手は追跡されていないと思っているようでカーチェイスはしていない

通常の制限速度でハイウェイを走行している。まもなくこの場所に来る時間帯である

 

「ここで逮捕するのか?」

 

「そのために制服を着用しているのよ」

 

カリーとシグナムはパトロール捜査官の制服を着用していた

相手に気づかれないようにするためである。通常の検問をしているパトロール捜査官を装っている

 

「これでうまくいけば事件解決なんだけど」

 

カリーは問題はどれくらいの本気度があるかがわからないことだ。

爆弾を所持している可能性が高いことはわかっている。売人から購入しているのだから

問題はどこで爆発させるつもりなのか。そこが最も重要なことである。

この辺りはAMFが展開されているので魔導師の魔法行使は難しい

だからこそ様々な検査機械が重要視される。間違いは許されない

 

「いよいよ本番ね」

 

そこにガレス・ファーミルが運転している車が接近してきた。

堂々としたものだ。追跡されていることは気が付いているし、つまりばれているということだ

いつ爆弾のスイッチを起爆させるかわからない。

カリーはホルスターから銃を抜くと車の前輪に向けて発砲した。

さらに検問所にはタイヤをパンクさせるスパイクストリップが設置されていて、

ガレス・ファーミルは検問所を強引に通過しようとしたがタイヤがすべてパンク。

車を停止せざる得ない状況に追い込まれた。カリーは停止した車に素早く接近すると運転席から無理やり降車させた

 

「ガレス・ファーミル。道路交通法違反の容疑で逮捕するわ」

 

カリーは素早く手錠をかけると身体検査をした。爆弾のスイッチを探したのだ

特に携帯電話などの電波発信装置を探した。そしてリモコンのようなものを見つけるとそれをすばやく回収した

 

「爆発物処理チームをよこして。車に爆弾があるはずよ」

 

カリーはそう指示するとガレス・ファーミルをクルック地区分署に連行していくことにした

 

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