CSI:クラナガン   作:アイバユウ

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新暦76年4月1日午後01:40

 

午後01:40 中央パトロール本部庁舎 8階捜査部1係オフィススペース

 

ジャネットは過剰摂取で殺されたと思われるギャレット・ボイスコーンの金融情報を調べていた

ここ1か月でかなりの金融機関から現金の引き出しを確認できた

金額にして2000万ミッドも引き出していた。銀行口座には現在5000万ミッドも残金があった

これが麻薬関係で財を築いたならよくも今まで見つからなかったものだと言える

しかし問題が1つあった。預金の多くはワンワールドバンクに預けられていた

この5000万ミッドはワンワールドバンクが破綻する直前に動かすことができたごく一部のお金である

ワンワールドバンクには数十億ミッドも預けられていたが、

破綻してペイオフの結果、1000万ミッドまでしか預金保護されなかった

 

「金を失って切れたのかもしれないわね」

 

誰かと金銭上のトラブルを起こして殺された可能性が高い

麻薬や銃火器などのブラックマーケットでさばけるものは現金商売だからだ

小切手などで支払いをするはずがない。

つまりワンワールドバンクに預けていた金を失って大きな痛手を食らっていた可能性は極めて高い

それを探らなければならないが膨大な金融情報から情報を抽出するのはかなり苦労する

 

「とにかく今は金の流れを調べれば関係者がわかるかもしれないわね」

 

ワンワールドバンクに預けられていた数十億ミッドの預金の流れを確認するとある組織につながった

『アガレス』という組織の関係企業と資金のやり取りをしていた。

それも頻繁に。アガレスは麻薬密造密売組織の大手である

 

「連中に追われていたのなら苦労するわね」

 

アガレスから仕入れた麻薬の代金を払うことができなくて消された可能性は極めて高い

 

「連中にとっては売上金の回収は急務。今は摘発が急増して金欠だから回収することに必死になっているし」

 

次元世界連合が発足して各次元世界国政府に警察などの法執行機関がしっかりと機能していると、

時空管理局が権限が握っていた頃に比べて麻薬の摘発量は大幅に増加している

また資金の差し押さえなども行われていることから犯罪組織は資金不足の状況になっているのだ

JS事件までは時空管理局に資金を払うことで見逃してもらっていた

それができなくなってからは摘発件数は膨大な数に膨れ上がっている

摘発増加の影響で麻薬が簡単に入手することができなくなってしまい、

多くの次元世界国では麻薬を手に入れるためにあらゆる犯罪が増加している

つまり犯罪発生率が極めて増加していることを示しているのだ

これはミッドチルダ連邦国内でも同じである。

国内の多くの州で麻薬関係の犯罪発生率が大幅に増加している

さらに銃火器を使って強盗事件も増加している。

AMF弾が使用されているので魔導師はまるで魔法での対応ができない

各州の州警察は郡警察などの法執行機関は防弾ベストを着用して拳銃で対応している。

そのため、銃撃戦の発生率も大幅に高まっている

それはそれで物騒な話だ。銃火器の押収量も大幅に増加している

JS事件まで時空管理局の捜査がいかに手ぬるかったことを示している

 

「落ちるところまで落ちたから自殺に見せかけて殺したかもしれないわね」

 

 

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北区南部 クラナガンハイウェイ2号線(北線)南行き 交通事故現場

 

ダイナは証拠品の回収作業を進めていた。

同時に早期の道路交通再開に向けて動くために迅速に作業を進めていた

 

「時間がないが安全第一で救助作業支援と証拠品の回収作業を並行して継続的に行うことを忘れるな」

 

今は一刻も争う状況だ。

使える人員をフル活用して証拠採取などの鑑識と現場の早期開通を並行して行わなければならない

いつまでもハイウェイを通行止めにするわけにはいかない。都市機能の一部がマヒするかもしれないからだ

どんな方法を使ってでも短時間での早期解決が求められる

 

「それにしても落下物について調べるのはかなり苦労することになるな」

 

排気ダクトの部品が道路上に落下していたことはすでに確保されている

ダクトに付着している指紋から身元が割れるかもしれない

話がそう単純に進めばいいのだが簡単に事を進むことはないだろうということはわかっている

 

「排気ダクトに付着している指紋を調べれば関係者がわかるかもしれないが。時間はかなりかかりそうだな」

 

排気ダクトには数多くの指紋が付着しているはずだ。

絞り込むにはかなりの労力が必要になる

 

「今は急いで現場鑑識を進めるしかない」

 

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中央パトロール本部庁舎 8階捜査部1係オフィススペース

 

エルガとヴィータは市内に拠点を持っている犯罪組織に関係する企業の財務状況を見ていた

多くの犯罪組織はフロント企業を持っている。

ちなみに犯罪組織対策法でそれらの企業の公的情報を裁判所の令状なしで確認することが認められている

犯罪組織はテロ組織と認定されているからだ

 

「かなり資金繰りに苦しいみたいだな」

 

多くの犯罪組織はワンワールドバンクとべったりとした関係を持っていた

それだけに多くの預金を預けていた。代わりに不正な資金のマネーロンダリングも行っていた

今はそれらをしてくれる金融機関はないし、仮にそれらを行ったら金融機関は営業停止処分になる

そんなリスクを背負ってまで協力する金融機関は存在しない

 

「素直に情報提供してくれたことには意外だったな」

 

ヴィータは素直に情報提供してくれたことに意外な反応を示していた

だがエルガは違った

 

「金融機関も不正に関与していることが発覚したら営業停止処分だ。こちらに協力はしてくれる」

 

金融機関も自分たちにまで影響が出ることは避けたい

それにこちらにはしっかりとした法的根拠がある。ことわれば怪しまれるだけである

素直に協力したほうが傷は浅く済む

 

「それにしても市内の犯罪組織は大変だな。預金の多くをワンワールドバンクに預けていたから」

 

時空管理局と密接な関係があったワンワールドバンクに預金をすることでいろいろと密輸の際には協力を得ていた

それに犯罪行為で得た資金を預けることができたのはワンワールドバンクぐらいだったということでもある

 

「そこを利用されて今は資金不足になっている。致命的な打撃を受けて苦労していることは間違いない」

 

今はそれが大きな痛手だ。おまけにペイオフの影響を受けて多くの資金を失った

だからこそ苦労しているのだ。しかも今は金融機関にお金を預金が難しいことも問題を大きくしている

犯罪組織の預金に関しては裁判所の令状で差し押さえをすることができる

そのため金融機関に預けることはリスクでしかない。現金を抱え続けることもリスクになり大問題である

麻薬や銃火器の密売で得た資金をどうすればいいか、対応に苦慮している

 

「この手の調査で苦労するのは数字と睨めっこし続けることだ。面倒だが1つずつ調べるしかない」

 

エルガの捜査方針にヴィータは了解したと回答した

 

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南区南部ボルシア地区3番街1丁目9番地 フォーゲル家の自宅

 

家の中で倒れていた女性はフィリーが蘇生措置を行った結果、何とか一命はとりとめた

すでに救急車で病院に搬送されていた。女性の名前はナタリーナ・フォーゲル。逮捕した男の夫人である

フィリーとなのはは現場鑑識作業を早速行っていた。

なのはは現場写真の撮影を担当して、フィリーは証拠採取していた

家の中はかなり暴れていたのか物が散乱していた。

 

「ジャンキーで普段から暴行を受けていたのかもしれないわね」

 

搬送される直前にナタリーナの体の写真を撮影しておいた

体には複数のあざがあった。それもかなりの数である

DV被害を受けていたのだろう。普段から。それが夫が麻薬摂取による影響なのかどうかはわからないが

もしそうだとしても麻薬使用に暴行被害。殺人未遂で立件することもできる

仮釈放なしの終身刑の判決対象になるかもしれない

もしくは最悪の場合、死刑判決が待っているかも

 

「麻薬常習者でジャンキーなら麻薬が切れたときにDV行為をしていたのかもしれないわね」

 

麻薬常用者なら珍しい話ではない。あの子は母親を失うところだった

今のところは一命をとりとめているので何とかなっているが、病院の治療次第ではある

頭部に外傷を受けていた。もしかしたら何らかの障害を持つこむことになるかもしれない

それだけはどうすることもできない。いくら治療魔法を使っても障害だけはどうすることはできない

 

「これ以上つらいことを味わうことは避けたいけど、神様の審判次第ね」

 

フィリーは2階を調べていると信じられないものが存在した

 

「なのは!こっちに来て!」

 

2階の寝室にあるクローゼットには大量のアサルトライフルが存在した

AK-47からM4カービンまで多種多様。全部で50丁近く存在した

さらに銃弾もかなりの数が保管されていた。これだけの銃火器で何をするつもりだったのかかなり興味がある

なのはも2階に来てこのコレクションを見て驚いていた

 

「すごいですね」

 

「私も長いこと捜査官をしているけど、ここまで収集癖があるのは異常ね」

 

フィリーはあることを思いついた。携帯情報端末を使って家の設計図を確認した

建物を建設や改築する時にはクラナガン市政府に届けることが義務付けられている

そしてこの家には地下室があることが分かった。そこはまだ捜索していない

彼女はすぐにホルスターから銃を抜くと地下室に向かった

1階に降りると応援で駆けつけていたパトロール捜査官2人と一緒に地下室に向かって下りていった

 

「中央パトロールよ!」

 

地下室を仕切るドアをけ破るとそこには多くの植物が存在した

 

「これはすごいわね」

 

植物はすべて大麻。つまりマリファナを育てていた

地下室全面に大量の大麻の鉢植えが存在した。末端価格でかなり稼いでいたのだろう

これでメタンフェタミンの購入資金に充てていたのかもしれない

まさに違法物資屋敷と言ったところだろう

麻薬に銃火器。あの子が死ななかったのは幸運だったと言える

麻薬の密造密売はクラナガン市内では一大ビジネスだ。縄張り争いも激しい

境界線がそれぞれにある。それを超えてビジネスをしたら殺される道が待っている

危険なビジネスと言える

 

「すごい家に当たったわね」

 

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西区東部サウスウエストクルック地区9番街 クルック地区検問ゲート

 

カリーとシグナムはガレス・ファーミルが運転している車を見ていた。

すでに分署から爆発物処理班が着て車内にあった大量のC-4爆薬による爆弾の解体に当たっている

彼らの仕事が終わらない限りは何もできない

ガレス・ファーミルはすでにクルック地区分署に連行されている

次元世界連合やその関連国際機関があるクルック地区は通常でも警備は厳重だ

民間人の立ち入りは基本的に各検問所でチェックを受けて許可をもらわない限りは認められない

 

「どんな感じ?」

 

カリーは爆発物処理チームに確認する

 

「すごい量のC-4爆薬だ。もう少し時間をくれ」

 

「じっくり攻めてくれてかまわないから。爆発させしなければ問題ないし」

 

すでに容疑者は拘束している。証拠の車さえ無事に確保できればすべて問題ない

それにしても誰に爆弾を届けるつもりだったのか

 

「リストラされたからって逆恨みは良くないわよね。時空管理局の規模が縮小されたなら人員整理も当然必要なのに」

 

それを受け入れられない者はかなりの人数になっている

もともと好き勝手していた幹部連中がいたのだから当然と言えばそうかもしれないが

 

「シグナム。あなたから見たらつらい立場でしょ」

 

「それはそうだが」

 

「真実はいつもハッピーエンドに終わる話ではない」

 

そういうことはたくさんあるわ。覚悟することねとカリーはシグナムに伝えた

それとほぼ同時に爆弾処理が完了したとの報告が入った

これで爆弾の解体が完了した

 

「それじゃ車の鑑識作業を始めましょう」

 

爆弾という脅威がなくなった以上鑑識作業を進める。

本来であればラボでするべきなのだが。爆弾が積み込まれていた車だ

クルック地区の中心部に持ち込むのは危険すぎる。ここである程度調べて中央本部の車両分析ラボに持ち込む

そのほうが安全である

 

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