午後02:00 中央パトロール本部庁舎 8階捜査部オペレーションルーム
『ミーミルバンクは時空管理局債や聖王教会債の空売りで多額の収益を得ていることを発表しました』
『またワンワールドグループが発行していた証券化商品でも空売りを仕掛けて極めて高額な収益を出したとのことです』
「良いわね。お金がいっぱいあるところわ。こっちは安月給で頑張っているのに」
シエルは愚痴を言いながらマスコミの報道をチェックしていた
今のところ機動六課組に関する報道は少ない。というよりも既に別の話題に移っていた
それはそれで良いことであるが。面倒なことは早期に解決しておきたいと思うのは当たり前の考え方である
「それは捜査長官に言っているのか?」
「腹が立つこと極まりないわね。高みの見物をしながらミーミルグループ企業の主要株主だから。配当金だってがっぽりもらっているのよ」
ミーミル企業の持ち株会社は4人の人物で構成されている。
その中には捜査長官であるユウ・ミズノ。
さらに中央本部のトップである統合管理官であるエリ・ミズノの2人が含まれている
「家族だから多少は恩恵はあるんじゃないのか?」
ギブリはそう言うが長官に期待するだけ無駄よとシエルは返答した
「長官は公私はしっかり分けているからお金を出してくれるわけがないわ。まぁ少しは出るときはあるけど」
長官はケチということかとギブリが言うとそうとも言えない時があるから面倒なのよねとシエルは言った
クラナガン捜査局には様々な基金が存在する。それらの元手は捜査長官の寄付金が始まりだ
「捜査部にはあまり出してくれなかったけど。自分達の部署のお金は自分で用意しろと言いたいことらしいわ」
「身内だから優遇はしないというわけか」
「それが長官の考えよ。いつも嫌な人」
「そんな人でも家族だろ。本当は心配してくれているんじゃないのか?」
「それはどうかしら?組織を守るほうが好きだから。長官は」
必要であれば罪人なら家族だって裁きにかけてくるわと言うとシエルはオペレーションルームを退室していった
ギブリは怖い家族関係だなと思ったが口には出さなかった
シエルは自分の執務室に戻ると大きなため息をついた
「それにしてもここにきてワンワールドグループ企業関係の話題で盛り上がってくれて助かるわ」
マスコミの話題がそちらン向いている間に処理しておけば後始末は楽である
あとは既成事実にするだけだ。少し強引ではあるが一番手っ取り早い
「とにかく長官が何を考えているのか読まないと」
あの報告書をどう利用するつもりなのか。
ただの報告のために作らせたにしては捜査部に話を持ってくるにはおかしさが半端ない
シエルは良からぬことを企んでいるとにらんでいた
「まさかCIAに長官のことを調べてもらうわけにはいかないし。部下に迷惑をかけるわけにはいかない」
私単独でどこまで探れるかわからないけどやってみるしかないわねと言うと、
シエルが持っている様々なコネを利用して情報収集に当たった
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中央パトロール本部庁舎 8階捜査部1係オフィススペース
ジャネットはギャレット・ボイスコーンが犯罪組織などから借り入れをしていた金額について報告書を作成していた
こちらで把握した限りで数億ミッドにもなる可能性が極めて高い
だが正確な数字はまだわからない。できるだけ早く知りたいところだがこればかりは仕方がない
時間が必要になるものなのだから
「とんでもない奴ね。犯罪組織から金を借りてまでギャンブルにのめりこむなんて」
それも金額が半端ではない。
おそらく掛け金は普通のカジノとは数字が違うことは間違いない
違法カジノとなると掛け金の金額が変わってくるのだから。勝てばいいが負けたら大損になることは間違いない
犯罪組織は多くの人間に高利貸しをしている。その貸した金を返済できなければこうなるぞと言うアピールとして
どんな人物でもこうなるんだという見世物にするには最適な人物である
犯罪者の大物でもこうなるんだというアピールになるからだ
「嫌な社会ね。まぁ裏社会はそういうものだけど」
裏社会は生か死かの2つしかない。弱肉強食の世界だ
表社会よりも厳しい社会であることは間違いない
「何があるのかわからないから怖いんだけど」
とにかく今はギャレット・ボイスコーンを殺した人物を探さなければならない
簡単ではないことは十分理解している。
さまざまなところからお金を借りていたとなると誰が殺したのか特定するのは難しい
「こういう案件が一番困るのよね。容疑者が多すぎることが」
容疑者の数が多すぎることが最も捜査に苦労させられることは間違いない
絞り込んでいる間に逃げられる可能性が極めて高いからである
「今は情報を集めるしかないわね」
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中央区南部 クラナガンハイウェイ10号線(南北線) 南行き
ダイナは緊急走行で急いで中央本部に戻ろうとしていたがトラブルが舞い込んできた
それは大きな銀行強盗事案である。クラナガンシティバンクの支店が襲われた
『強盗犯はM4カービンを持って銃撃戦を展開。支店内で警備をしていたパトロール捜査官は腹部に弾を食らったが一命はとりとめた』
仲間を襲った敵を何としても見つけるようにと連絡が入ってきた
『強盗犯はグレーのセダン車両で逃走中。ナンバーはクラナガンサウスHFE2569』
無線を傍受すると同時にダイナが走行している場所のすぐ近くのハイウェイの入り口から、
強引に割り込んできた車がいた。それが何と驚きの強盗犯の車だ。ダイナはすぐに無線を入れた
「SA20から中央本部。銀行強盗犯が運転している車を発見。ハイウェイ10号線南行きを走行中」
『了解。追跡は可能か』
「もちろんだ。仲間を傷つけられたらどうなるかたっぷりと思い知らせてやるさ」
仲間に攻撃を仕掛けてきたのならどうなるのかをたっぷりと思い知らせる良い機会だ
刑務所に収監された時にやめておけばよかったと思わせるくらいに思いきりきついやり方で身柄を拘束する
『強盗犯は銀行から2000万ミッドを奪って逃走している。人質は取っていないとの情報は入っている』
支店から2000万ミッドも奪うとはなかなか根性がある奴だ
警備としていたパトロール捜査官と銃撃戦をしてまで金が要るということはよほどの事情であろう
「ハイウェイ10号線に交通規制をかけてくれ。他の一般車両を巻き込みたくない」
すでに一般車両はこちらを避けようとしている。だがこの先にもかなりの一般車両がいるはずだ
いつ巻き込んで交通事故を頻発するかわからない
『すでに交通規制をかけている。犯人は何キロで逃走している?』
「時速160Kmで走行している。危険があるので一般車両をいつ巻き込むかわからない」
ダイナはアクセルを踏み込んでいた。
時速160Kmでのカーチェイスはかなり派手なことになっている
犯人は必死になって追跡から逃れようとしている。簡単に逃げられると思われるわけにはいかない
何が何でも逮捕しなければならない。仲間を襲った代償を払わせるためにも
『中央本部からSA20。応援部隊がそちらに急行中。到着は5分以内』
「了解。ありったけの応援を集めてくれ。何としても拘束したい」
『こちら中央本部。了解した。もっと応援を集める』
すると続々とダイナの車の周囲にパトロールカーが集まってきた
逃走している車の周囲を取り囲み始めた。このまま一気に取り囲んでいき急ブレーキを踏むことで逃げ場をなくす
その戦法で行くようだ。
「SA20から銀行強盗犯を追跡中の各員へ。合図とともに急ブレーキを踏め」
『『『『『『『『『了解』』』』』』』
今だとダイナが言うと全員が一斉に急ブレーキを踏んだ
強盗犯は完全にサンドイッチにされて逃げ場を失った
その後は彼らの流れるような作業によって見事に銀行強盗犯は逮捕された
「SA20から中央本部。銀行強盗犯を確保」
『了解した。あとはこちらで引き継ぐ。SA20は中央本部への帰還を最優先で行動せよ』
「引継ぎに問題はないということか?」
『その通りだ。シエル首席捜査官がすみやかな帰還を求めている』
シエルも早く帰還を求めているとのことだ。その言葉にダイナは少し妙な思いを感じた
なぜそこまでシエルが早く戻ることを望んでいるのかが理解できなかった
急ぐことはわかっている。だからといって他の事件を放置するわけにはいかないこともわかっているはず
「了解した。事後処理は任せて中央本部に帰還する」
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南区南部サウスフラグラー地区9番街2丁目と3丁目の間の通り
フィリーとなのはは銃撃戦の現場に到着した
まだ銃撃戦は展開されている
「なのは。あなたは私が無線で呼ぶまではここにいて」
フィリーはなのはにそう言うとH&KG36を持って銃撃戦に参加した
現場ではかなり激しい銃撃戦が展開されていた
「状況は?!」
「連中はかなりしつこいです!」
フィリーもアサルトライフルで発砲するが相手は10人ほどいる
全員アサルトライフルや拳銃で完全武装している。何を考えているかわからないが危険なことは変わりない
「まったく何を考えているのか聞きたいわね?!」
彼女はそう言うと現場にいたパトロール捜査官も同感ですと同意した
相手はこちらのことなど考えてくれるはずがない。犯罪者は自分のことしか考えていない
自らが得をするならその道を進んでいこうとする。違法な道であってもだ
「今はこれ以上被害が拡大する前に押さえこまないと」
手段を選んでいられる状況ではないというと、この状況を見れば明らかである
民間人にけが人を出すわけにはいかないので、すでにこのあたりは完全に封鎖されている
今は少しでも状況鎮静化をするほうが最優先課題である
「それにしても連中は何が目的で銃撃戦に入っているの?」
「わかりません!突然こちらの事務所に向けて銃弾を撃ち込んできました!」
銃撃戦をするためにわざわざケンカを売りにきたのかもしれない
自殺行為だが何を考えているのかはわからない
「止めるには連中を行動不能にしないといけないわね」
フィリーはH&KG36で徹底的に応戦していた
それでも現場の銃撃戦は収束する見通しは立たない。
ここまでひどいのは久しぶりに見るものである
いったい連中に何の目的があって銃撃戦を始めたのか
こちらへの攻撃は何の意味があるのかを調べるためには証人を残すことが求められる
殺してはすべての事件解明にはつながらない
難しい駆け引きをしなければならないことは誰もが理解している
だからこそ少しずつ包囲網を形成していた
包囲網が完成した時には犯人たちは抵抗できない状況に追い込まれていたことを察した
それに弾切れを起こしたのか銃声は止まった
「降参する!撃たないでくれ!」
大声で犯人たちは宣言してきた
ようやくあきらめたようだ。あとはなぜこんなことを始めたのか調べるだけである
わざわざこちらに挑戦してきた連中がどんな連中なのか調べる必要がある
別件の捜査をプラスで捜査しなければならない
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中央パトロール本部ラボ棟 1階車両ラボ
カリーとシグナムは爆弾が積み込まれていた車を調べていた
「何か新しい発見があれば良いけど」
2人は車のドアや座席シートを外すなど徹底的に調べていた
その結果ある物を見つけた
「これはこれは」
シートの下に小型隠し金庫が設置されていた
「何か見つけたのか?」
「隠し金庫があったわ。何が出てくるかしら」
カリーは慎重に開封する作業を始めた。小型工作機械を使って隠し金庫の扉を開けると
そこには拳銃が入っていた
「面白いものが入っていたわね」
H&K USP型の拳銃が入っていた。それも2丁も入っていた
「銃が2丁も入っているなんて、前歴を調べるしかないわね」
銃に使用履歴があるのかどうかの確認作業をしなければならない
過去に使用された経歴があればそれらの事件のお捜査も行わなければならない
面倒な事案に当たったと感じてしまったのはカリーであった
「早速銃器刃物ラボに届けてくるわ。シグナム、一緒に来て」
シグナムを1人にするわけにはいかない。まだまだ科学捜査を知らないのだから当然である
2人はラボ棟の3階にある銃器刃物ラボに向かった
「フィアット。退屈している?」
「カリー。少しは暇しているわよ。あなたは忙しいらしいわね」
それで井戸端会議をしに来たわけじゃないでしょとフィアットが聞いてきた
「当然でしょ。この銃の指紋採取をここでさせてほしいの。その後に線条痕の照合をお願いするわ」
「了解」
カリーはすぐに銃の指紋採取作業を行って作業が終わった1丁をフィアットに渡した
彼女はすぐに水槽に向かって銃の試射を行った。
カリーは採取した指紋を銃器刃物ラボの情報端末を使って照合作業にかけた
「誰と一致するか楽しみね」
指紋を照合作業をかけるとすぐにある人物の指紋と一致した
この車を運転していたガレス・ファーミルのものと一致した
他者の指紋があるかもしれないと思ってすべての指紋を照合作業にかけたがガレス・ファーミルのものだけだった
「銃の不法所持も出てきたわね。前歴があればさらに楽しみね」
フィアットは2丁とも弾を試射すると線条痕を照合の開始をした
「データベースには膨大な線条痕の情報が登録されているから時間がかかるかもしれないけど」
フィアットはカリーにそう伝えた。
その連絡を受けて一致したら連絡してほしいというとカリーとシグナムは車両ラボに戻った
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東区中央部 クラナガンハイウェイ4号線(東線) 東行き
ヴォルツとフェイトのコンビは緊急事態の対応訓練に参加していた
ワーニングライトとサイレンを鳴らして緊急走行をしていた
「次の出口でハイウェイを降りるぞ」
ヴォルツの発言にフェイトはどういうことですかと聞いてきた
「どこに行くつもりですか?」
「東分署に立ち寄ってちょっとした情報収集をしていきたい」
緊急事態の対応訓練を何故行ったのかについての情報を仕入れに行くためである
東分署の分署地域情報センターで情報を集める予定をしていた
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