午後02:05 中央パトロール本部庁舎 8階捜査部首席捜査官執務室
「ラジェット。無事に戻ってきてくれてうれしいわ」
ヘリで港湾本部基地から無事に中央本部にラジェットとはやて達は帰還していた
「まぁな。いろいろと面倒なことになったがとりあえず事件は解決した。あとは港湾犯罪捜査部に任せてきた」
「その件は問題ないわ。連絡を受けているからね。ところで悪いんだけど、あることについて調査を依頼したいの」
引き受けてもらえるかしらとシエルはラジェットに話を振った
「かまわないが。危険なにおいを感じるのは気のせいか」
「心配しないで。あくまでも情報収集を行うだけの話だから。上の動きを知っておきたいの」
私が動くと土足で踏み荒らすようなものだからとシエル首席捜査官は言った
彼女が直接調査に乗り出せばことが大掛かりになってしまう可能性を懸念していた
一方ラジェットならうまく立ち回れると考えたのだ
捜査部のナンバー2としての実力を持っている彼ならいろいろと関係者にコネもある
情報収集をさせる人物としては適任である
「それにしても面倒な仕事を押し付けられたな。長官に」
「何を考えているのかわからないからなおさら不安なのよ」
だから確認作業が必要になるのよと言うとラジェットに確認作業を依頼して退室させた
はやてとツヴァイも一緒に首席捜査官執務室を退室した
「それじゃ面倒だが俺は作業に入る。はやてとツヴァイは勉強でもしておいてくれ」
こればかりは他人に任せるわけにはいかない仕事だからなというとラジェットは自分のデスクで情報収集作業に入った
デスクの情報端末を使ってさまざまなデータベースにアクセスして情報を集めていった
「本当に何かがあるのか探るのは怖いんだがな」
ラジェットはそんなことを愚痴りながらも情報端末を操作して収集作業を続けていた
面倒なことこの上ないことは間違いない。アクセスすると言ってもいろいろと手続きをしなければならない
それにデータベースによっては内密にアクセスしなければならないので苦労もしていた
「ラジェットさん。大変そうですね」
ツヴァイはどうしてそんなに大変そうなのか理解していなかった
だが真実を話すわけにはいかない。機密が絡んでいるからだ
「ツヴァイ。こんなことはいつもの日常的な作業だから問題ない。俺はデスクワークが多いからな」
「ラジェットさんは管理職なんですか?」
ラジェットは捜査部のナンバー2の立ち位置にいることから管理職と思われがちだが実際は現場捜査も行っている
捜査部の中では最も多忙なスケジュールを持っている管理職とも言われている
シエル首席捜査官の代理で各種会議に参加をすることもある
「俺は捜査部一係主任補佐官だからな。管理職としても仕事をしないといけない」
だから多忙で休みもあまりとれない苦労人だと彼は話した
----------------------------
中央パトロール本部庁舎 8階捜査部1係オフィススペース
ジャネットはギャレット・ボイスコーンの情報収集を継続して行っていた
何か犯人につながる情報がないか慎重に情報を分析していた
「これだけ多いと絞り込むだけでも大変ね」
あまりにも恨みを持っている人物が多すぎることは捜査を難しくする要因になっていた
「何か材料があれば助かるんだけど」
このままの状態が続くとコールドケースにするしかない
いつまでも解決しない事件を抱え続けるわけにはいかない
新しい情報が入り次第捜査を再度スタートするという方向に進めるしか道はないかもしれない
できればそういう選択はしたくないことはジャネットは思っている
一度かかわった以上は絶対に解決に話を進めていきたいと考えているのだから
捜査官なら誰もが同じである。自らが担当した事件は必ず解決したいと思っている
だがと気にして時間を必要とする事件も存在することもまた事実である
「時間が必要な事件にはしたくないわね」
ジャネットはコールドケースにすることを望んでいなかった
できることなら自らの手で事件解決をしたいと考えていた
本当に解決できるのならの話だが。無理に捜査を進めて誤認逮捕などをすれば他者の人生を壊してしまう
証拠を基に慎重な捜査が求められる。それが今のクラナガン捜査局の捜査方針である
「でもこればかりは仕方がないか」
彼女はある決断をしようかと考えていた
コールドケースにして一時捜査停止にする方針にと
関連情報の収集は終わっている。問題は犯罪組織が事件の証拠を消していることだ
今頃証人になりそうな人材も抹殺に動いているだろう。
組織犯罪課には関係者の身柄拘束を依頼しているが大きな収穫があったとの連絡はない
つまりどん詰まりということだ
「行き詰っているみたいね」
「ミカ主任」
2係主任捜査官であるミカが話しかけてきた
ジャネットは苦労しているところですと伝えた
「少しリフレッシュしてきたらどうかしら。休憩は重要よ」
「わかっていますがこの事案はそうはいかないので」
その言葉を聞いてミカはすぐに何かを察したようだった
「犯罪組織が絡んでいるのね」
さすがはミカ主任だ1から10まで説明しなくても状況を理解してくれていた
「はい。証人や証拠が次々と消されていく可能性が極めて高いので休んでいる暇はありません」
このまま捜査が進んだところで単独で解決するとは思えない
応援が必要になるかもしれないと考えていた
「なら手伝うわ。私は少し暇しているから」
「良いんですか?」
係が違いますけどとジャネットは言った
ジャネットは捜査部1係に所属している。ミカは2係の主任捜査官だ
係を超えているので多少の問題があるのではないかと懸念していたのだ
「少しくらいなら良いわよ。お互い持ちつ持たれつの関係で捜査をしているんだし」
では援護をお願いしますとジャネットは了承した
----------------------------
中央パトロール本部駐車棟 8階駐車スペース
「とにかく無事に戻ってきたな」
ダイナはようやく中央本部に戻ってこれたことにほっとしていた
これからは過去の事件の再捜査を本格的に行う。
ホライトン・ディスはすでに刑務所から中央本部に移送されていた
「事情聴取をしっかりと行う必要があるから大変だな」
相手の協力も必要になる。真実を証言してくれないとこの事案の捜査はかなり難しい
だが相手も何かで脅迫されている可能性はあった。
当時の裁判で必要な反論をあまりしていないとなると証言したら何かすると脅迫されていた可能性はある
まずは捜査協力を求めるところから始めなければならない
こちらは真相追及のために動いているというアピールが必要である
駐車棟から中央本部庁舎に移動するとすでに取調室にホライトン・ディスが入れられていた
ダイナは携帯情報端末を持って取調室に入室した
「ホライトン・ディスさんですね?再捜査を担当しているダイナ・コースターです」
まずは挨拶から入るが相手は簡単に信用してくれるはずがないようでだんまりを決め込んでいる
当然だ。法執行機関に見捨てられ続けてきたのだから
「どうせ再捜査なんてする気はないんだろ。金が欲しいだけだろ。悪いが金はないんだ」
疑いがなくなることはないのだろう。今まで司法に裏切られてきたのだから
再捜査をするからといっていつも金を要求されていたなおさらである
「金は必要ありません。我々が求めているのは真実です。今回はその真実を探しているんです」
「それを簡単に信じろと?ふざけるな。金が欲しいだけだろ」
どこまでも信用できないようだ。だがこちらの立場を説明して理解してもらうしかない
今すぐに信用してくれという方が無理な話であることはダイナもわかっている
「我々は金を求めることはありません。真実の追求。それが使命であり任務なのです」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・本当に真実だけを求めているのか?」
「もちろん。我々は不正なことはしません。どんなに暗い真実でも暴くのが任務です」
ダイナは真剣な表情で信用を勝ち得ようとしていた
今は信用してもらうことを最優先にしなければならない。
そうでなければ関係者からの再度の事情聴取などできるはずがない
「俺は近くを歩いていただけだ。なのに時空管理局の捜査官は俺がバーを襲ったと強硬に主張して」
「すでにバーの監視カメラ映像を再度分析させた。襲った人物の体格があなたのものとは一致しなかったことは確認済み」
すでに半分無実であることを証明しているようなものですとダイナは彼に伝えた
こちらの手の内を明かすことでさらに信じてもらおうというのだ
本来であれば真実を明かすのは後の方が好ましい
今は信用を勝ち取ることが最優先だ。多少の情報先出しは当然である
「俺はあの日、バーのそばを歩いていただけで逮捕された。それを立証できるのか?」
「当時の監視カメラの映像で確認できる。店のそばを歩いていたんだな」
そうだと証言した。これで犯行時間に別の場所にいることが確認されれば拘束を解除することができる
一時的な仮釈放にすることは可能である。そうすればさらに信頼してくれるだろう
まずは事実を確認するためにすぐに検索をかけることにした
犯行時間に別の場所にいることが立証されたら無罪になったも同然なのだから
----------------------------
南区南部サウスフラグラー地区9番街2丁目と3丁目の間の通り
フィリーは銃撃戦が終わったものの、後始末はかなり大変であると感じていた
幸運な事に民間人とこちらの仲間に負傷者は出なかった
だが現場鑑識はかなり苦労することになる。
銃撃戦現場付近には大量の銃弾が壁などに撃ち込まれている
それらをすべて回収して銃弾の弾道調査をしなければならない
膨大な数の弾を回収するだけでも、数多くの現場鑑識チームの人員が必要になる
単独捜査では難しすぎることは明らかだ
「単独捜査ではかなり厳しいものになりそうね」
フィリーは無線で応援を手配するべきか判断するべきとしていた
「SA13から中央本部。こちらの現場鑑識に増援を要請する。かなり証拠になる銃弾の数が多い」
『こちら中央本部。すでにヘリで現場鑑識チームを派遣した。応援がさらに必要な場合には改めて連絡を』
つまりさらなる増援を派遣することが可能であることを示している
すぐに応援を送ってくれることはかなり助かる
「了解。支援に感謝する」
フィリーは応援が来てくれるまでは単独で現場鑑識をするしかない
なのはに協力を依頼するしかない。現場写真の撮影などの簡単な作業をしてもらう
証拠採取など、裁判に影響するようなことをさせるわけにはいかない
フィリーはSUV車に戻るとなのはに指示を出した
「なのは。あなたは現場写真を撮影して。いろいろな角度から撮影してくれると助かるわ」
なのははすぐに分かりましたと言った
フィリーはカメラを渡した。それで現場写真の撮影を依頼した
「私がするんですか?」
「当然でしょ。パートナーなんだから」
なのはと一緒に現場に入っていった。そして鑑識作業を始めた
フィリーは銃弾の回収と弾痕の位置から発射位置の特定。そこに中央本部と南分署の現場鑑識チームが到着した
「フィリー!調子はどうだ?」
南分署の現場鑑識チームのリーダーがそう声をかけてきた
「この現場よ。最悪。弾の回収を手伝って。弾痕から発射位置の特定も」
「了解した。それで相棒はどうしているんだ」
「現場写真を撮らせているわ。それくらいなら任せても良いでしょ。あなた達も撮影するから」
なのはの写真は補助証拠写真として使えるわとフィリ-は言った
そこにジャスティ・フォレスターが現場に到着した
「フィリー、応援に来たぞ」
ジャスティの声掛けに応援に感謝するわとフィリーは言った
「弾痕が100以上あるから回収作業を手伝って。現場鑑識チームの応援でも手におえないわ」
「これだけ派手な銃撃戦の原因は何だ?」
ジャスティの質問はもっともな質問である。
それについてはフィリーも知りたいところであるが今はそれどころではない
「それについても捜査をしたいけど今は現場鑑識が最優先だから」
「そうだな。現場はいつまでも放置するわけにはいかない」
現場はいつまでも保存するわけにはいかない。それに時間が経過すれば証拠も劣化する
素早い鑑識作業と証拠回収が求められる。特に銃撃戦では
「それにしても派手な銃撃戦をしたみたいだな」
「ジャスティ。この現場を見たらすぐに分かるはずよね。酷い現場よ」
「鑑識泣かせだな。これだけの銃弾と弾痕。再現シミュレーションをするのにかなり苦労するだろうな」
確かにジャスティの言う通りである。この現場を見ればだれの目から見ても明らかだ
弾痕があまりにも多すぎる。すべての弾の場所などを記録して再現シミュレーションをするのは苦労する
「だから応援を呼んだのよ。2チームの現場鑑識チームがいれば少しは早く片付くはず」
----------------------------
中央パトロール本部ラボ棟 1階車両ラボ
カリーとシグナムは今も車を調べていた。
他に何か隠し事はないかどうかなどあらゆる角度から確認していた
しかしこれ以上の発見はないことが確認された。銃が2丁出ただけ
問題はそこである。そこに銃器刃物ラボのフィアットが入ってきた
「フィアット。何か良い答えがあったのかしら」
「線条痕を照合したらある事件でヒットしたわ。1年前のコンビニ強盗事件。犯人は捕まっていないし、おまけに被害者の名前は機密扱い」
フィアットのIDでもアクセスすることができなかったということだ
それはそれで興味が引くことである。機密扱いになっている事件は何かと楽しいものである
「私のIDでアクセスするしかないわね」
カリーは自らの携帯情報端末を使ってその機密データにアクセスしてみた
自らのIDを入力した。すると簡単に機密情報にアクセスできた
「被害者の名前はロイモリード・ハンソニ。男性で25歳。現役の時空管理局員みたいね」
現在の勤務先は時空管理局本部守備隊となっている。なぜ機密扱いになっているのか
理由は簡単だった。機密事項の扱いはFBIが行ったものだからだ。
強盗事件の捜査をFBIが行っていた。裏で大きな組織が動いているらしい
「面白くなってきたわね」
すぐにFBIの友人に連絡しましょうというとカリーは携帯電話を取り出すとすぐに友人に連絡した
「カリーだけど。実は機密事項に該当する捜査資料を詳しく見たいの。あなたならなんとかできるでしょ?」
カリーが携帯電話で通話している間にシグナムとフィアットがお話をしていた
「機密事項の解除なんて簡単にできるのか?」
「捜査部捜査官はいろいろな法執行機関に友人を持っているから簡単でしょうね」
フィアットはそう言うと私は自分のラボに戻るわと言って車両ラボを出ていった
----------------------------