CSI:クラナガン   作:アイバユウ

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新暦76年4月1日午前10:20

 

午前10:20 中央区中央部 クラナガンハイウェイ10号線(南北線) 南行き

 

カリーは自分の車で中央本部に戻ろうとしていた

ついでにスピード違反などの交通違反車両がいないかの交通捜査を行いながら

 

「最近は警戒が厳しいから暴走するような車は少ないわね」

 

中央パトロールに事件事故捜査権限が時空管理局から完全移管されてからというもの警戒態勢が厳しくなった

おかげで捜査はかなり厳しいものとなっている。

だから最近は違反車両は少ないがそれでも馬鹿な行為をする人物はそれなりには存在している

すべてが0になったわけではないのだから

 

『クラナガン証券取引所でもベルカ州で発生したとされる魔力爆弾の爆発の影響で多くの企業の株価が下落基調に』

 

『一方でクラナガン商品取引所では原油先物価格の取引価格は上昇基調にあります』

 

ベルカ州からの原油の安定供給が途絶える可能がある

ベルカ州とクラナガン市の間には直接結ぶ原油パイプラインが設置されている

もちろん天然ガスパイプラインも設置されている。

ベルカ州からの供給が止まるとクラナガン市で採掘される原油は商品取引所で買い注文が増える

それは当然のことになる。ベルカ州から供給が止まるとクラナガン原油に買い入るのは当たり前だ

 

『クラナガン原油先物価格は大きく上昇。またマリネット州とラクロス州の商品取引所での原油取引価格も大きく上昇』

 

市の北隣にあるマリネット州と南隣のラクロス州でも州内でも原油が採掘されている。

しかしクラナガン原油が上昇すると影響が出てくるのはパイプラインでクラナガン市で結ばれているからだ

いつでも緊急時にはパイプラインを使って需給バランスの調整ができる

そのためどこかの原油価格が上がると波及されるように影響が拡大。

 

「金融犯罪が起きなければいいけど。帳簿とにらめっこなんてSECの捜査官でも大変なのに」

 

捜査部にまで影響が出るようならさらに面倒になる

できることならそうならないほうが良いに決まっている

だが現実というのは無情なものでこういう時はほとんどの場合でトラブルが発生するのだ

 

『セントラル分署から各員へ。中央区南部サウスサーストン地区4番街6丁目と7丁目の間の通りで喧嘩の通報あり』

 

かなり派手に喧嘩をしているので至急対応せよとのことだ

 

「相変わらずもめごとが絶えないところね」

 

サーストン地区と近隣州には多くの金融機関の本社や支社が存在している

サーストン地区にはクラナガン証券取引所や商品取引所。

その他に外国為替取引所があり24時間1年中常に取引が行われているので休みなどは存在しない

金のにおいがプンプンするので事件発生率は他の地区と比較すると高い

警戒態勢も極めて厳重で様々なところに常にパトロールカーやパトロール捜査官が巡回している

警戒することで犯罪を防ぐことも極めて重要である。警備が厳しいことをアピールすることも重要なのだ

 

「SA31からセントラル分署。こちらも急行する。現場確保を大至急行え」

 

『こちらセントラル分署。了解した。現場地区事務所に通達を出す』

 

カリーはサイレンとワーニングライトのスイッチを入れると緊急走行に切り替えた

今は急いでサウスサーストン地区に向かう必要がある

 

「安全確保ができるように。それと救急車を2台手配して。喧嘩とはいえ何が起きるかわからないから」

 

『了解した』

 

無線交信を終えるとカリーはかなり急いで向かうことにした

その間もラジオでニュースを聞いていた

 

『先ほどミーミルバンクがセントラルベルカバンクを買収する用意があると声明を発表』

 

ミーミルバンクは金融業界の中で最も多くの預金を預かっている金融機関である

セントラルベルカバンクは以前は聖王教会傘下の企業だったがJS事件後は破綻した

今は破産に向けて動いていたが、旧ベルカ自治区、現在のベルカ州内の中で比較的規模の大きい金融機関だった。

不良債権が3000兆ミッドも抱えていることから破産処理に向かっていたのだが流れがここで大きく変わった

ミーミルバンクは数ミッドでセントラルベルカバンクのほぼすべての株式を購入。

ベルカ州政府と共同歩調を合わせる形で再生に向かう道を歩むことになった

当面の間は子会社という扱いになるが厳しい監査が待っている

債権の徹底的な回収のために動くことも間違いなく行われる

債務者にとっては最もつらい道になる。厳しい取り立てが待っているのだから

ミーミルバンクもかなりリスクのある道を選んだがそれにはある秘密があった

ミーミルバンクがあるミーミルグループ企業は証券取引所には上場していない非上場企業である

グループ企業の株主は4人で構成。そのため株主を集めて株主総会を開催する必要がない。素早い対応ができる

上場企業では時間がかかることでもミーミルグループ企業では素早く対応が可能に。

ちなみに去年の純利益はグループ全体で3200京ミッドにもなる

軍事技術のノウハウを独占しているため、しばらくの間はさらに売り上げは大幅に伸びるとされている

クラナガン捜査局では捜査長官のユウ・ミズノと中央本部統合管理官のエリ・ミズノがそれそれ15%の株を保有。

2人は株主配当で120京ミッドも受け取っている。ちなみにそれらの情報は一般に公開されている

ミーミルグループは上場企業と同じように企業売り上げなどの情報開示を行っているのだ

すべては透明性を保つためである。ワンワールドグループ企業のように腐敗しない風通しの良い企業を目指している

 

「セントラルベルカバンクの不良債権処理はかなり苦労するでしょうね。SECもかなり苦労するだろうけど」

 

『セントラル分署から各員へサーストン地区と近隣地区の警戒態勢は厳戒で維持せよ』

 

『問題が起こりそうな人物が確認されたらすぐに職質で状況確認をせよ』

 

この後にも何かトラブルが起きることを警戒しているのかもしれない

それを防ぐためにも安全確保は極めて重要になってくる

 

『ミーミルバンクはセントラルベルカバンクに対して資本注入を行い、現経営陣の刷新を実行すると』

 

『資本注入額は総額1000兆ミッドとも言われています』

 

かなりの資金投入だがミーミルバンクにとってはそれほど大きな金額ではない

それに徹底した債権回収を行うことで少しでも不良債権の削減につなげようとしている

ミーミルバンクに第三者割当増資を行うことで新株発行を行う。その新株はすべてミーミルバンクが買い入れる

ミーミルバンクはすでにセントラルベルカバンクの既存の発行済み株式のほぼすべてを入手している

再建することができればミーミルバンクにとってはベルカ州内に営業拠点ができる。

そうなれば州内でもっとも大きな金融機関として大きな成長につながる可能性が高い

今はある程度の痛みを伴った改革が求められる時である。

セントラルベルカバンクから融資を受けていた企業や個人はかなり苦労することは間違いない

債務者が保有しているあらゆる資産を差し押さえを行い返済のために売却する

少しでも被害を最小限にするにはそれしか道がないのだ

 

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南区北部ハーディー地区 ハーディーバンク本店

 

フィリーは銀行内で立てこもっている犯人となんとか交渉しようと思っているが想定以上に難しい

犯人側の守備は鉄壁であることから交渉して何とかしたいが現実はかなりきついのだ

犯人の2人は今も銀行内で立てこもっている。彼らが何をしたいと思っているのか

それがわかれば交渉できるのだが、できない今の状況であれば極めて苦しいことは間違いない

 

「銀行に立てこもって何を考えているの?」

 

慎重な状況判断が求められる。少しのミスで犯人が何を仕掛けてくるか想像もつかない

最悪のシナリオを想定して動くことが求められている

 

「強行突入をしたら犯人は恐ろしいことするわね」

 

犯人は爆薬を持っているのだ。自爆することは簡単に想像できる

そうなれば人質の命はない。何とかして妥協点を見つけ出すしかないが銀行のガラスは防弾仕様だ

正面からは難しい。ふぃりーは何か打つ手はないか携帯情報端末を使って銀行の設計図を見ていた

打つ手がないと思ったときにあるものが目についた。

 

「これは?」

 

銀行の備品室にあるものを見つけた。その下にはクラナガンメトロの今は使われていない地下施設がある

クラナガンメトロとは市内で地下鉄専門の鉄道会社

全部で41路線を運営している。営業範囲はクラナガン市内全域である

そのクラナガンメトロの以前の変電設備が設置されていた地下施設が存在していた

今は別の場所に変電設備が作られたのでそこは使用されていない

そこからなら銀行内に入ることができそうなのだ。可能性だが何もしないよりは良い選択である

 

「私が行ってくるわ。状況観察だけでも」

 

フィリーはそういうとすぐにクラナガンメトロに連絡して近くの地下鉄駅から職員と一緒に向かうことにした

武装としてアサルトライフルであるH&KG36を所持していった。

クラナガンメトロの職員と一緒に行ったのは入り口のことをよく知っていると考えたからだ

地下鉄の設備についてはその会社の社員のほうがよく知っている

専門家の知恵を借りて確実に攻めていく。安全第一に進めるにはそれしか方法がない

 

「ここね?」

 

フィリーはホルスターから銃を抜くとすぐに発砲できる体制を整えた

ドアを開けた瞬間に犯人と鉢合わせということもある。安全対策は行う必要がある

鉄道会社の職員がIDカードでドアロックを解除するとフィリーが先行してはいるが室内は無人だった

そしてライトで天井を照らすとマンホールのふたがあった

携帯情報端末で銀行の図面と照らし合わすとこの上が地下鉄からの緊急時の避難出口として以前使われていた

しかし銀行の本店が建った時に封鎖されたが破壊はされていなかったようだ

まさに幸運であった。マンホールを音を出さないように慎重に持ち上げて避けると銀行の建物内に入った

 

「まさにラッキーね」

 

フィリーは携帯電話でSWATを同じようにこちらに回すように手配した

彼らはすぐにやってきた。フィリーと同じルートを使って。これからがいよいよ作戦開始である

これからは時間との戦いである。一気に終わらせる必要があるのだ

 

「私がおとりになるわ。SWATはその間に安全確保を」

 

フィリーの提案に危険すぎるという者がいたが命を懸けてでもこの事件を解決するしかないと返答した

確かに正攻法ではいかない。裏技か強引に事を進めるしかない

 

「私が2人を同時に仕留めるから、SWATは倒れたところですぐに爆弾のスイッチの回収と人質の避難を」

 

「危険な賭けになるぞ」

 

「元からそのつもりよ。リスクを少しはあるけどそれを背負っていくしかないわ。それじゃ作戦開始よ」

 

フィリーたちは犯人に気が付かれないように慎重に行動しながら配置についた

犯人がこちらに気が付いたらすべては終わり。その前にけりをつけなければいけない

それぞれが役割の場所に配置につくとフィリーはあることをした。それは火災報知機の作動を知らせる音を鳴らした

これが合図であり一気に突入した。

 

「中央パトロールよ!」

 

フィリーは的確にH&KG36で犯人の足を撃った。

もちろん防弾チョッキを着用しているはずと予測して無防備である足を狙ったのだ

痛みで行動が一時的に止まる。そういったわずかな瞬間に爆弾の起爆スイッチを取り上げたり安全確保を行った

一瞬の間ですべてけりをつかせた

 

「SA13から中央本部。現場確保。応援のパトロール捜査官と救急隊を入れて」

 

『こちら中央本部。了解した』

 

「けりが付いたけど。後始末が面倒ね」

 

念のためAMF装置が組み込まれている手錠を2人にすると足の応急措置を行った

死なれては意味がない。事件の背後に何が隠れているのかを聞き出す必要がある

真相がわからないまま死なれてしまうと今後の市内の治安にかかわってくる

法執行機関として活動しているこちらには何よりも情報が必要になる

情報がなれば対策を練ることができない

犯罪という裏社会の情報というのは簡単に入手することは難しい

それを考えると生け捕りにして証言させることが望ましい

 

「あとは尋問だけどその前に病院に搬送して治療を。監視は24時間交代で配置して」

 

「了解」

 

そこに通用口にある爆弾の処理作業が開始されたと連絡が入ってきた

正面玄関には細工はされていないので人質や確保された犯人たちはそこから出した

あとは現場鑑識だ。

 

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サウスクラナガン港の沖合15km

 

シエナは沖合15km地点で確保された小型クルーザーの場所に来ていた

これから臨時検査を行うことになっている。問題はなぜ逃げていたかについてだ

麻薬でも運んでいるのかと思いきや意外なものがあった。それはクロマグロが保冷区画に入っていた

クラナガン市法ではクジラやサメやクロマグロだけでなく魚類の漁獲は、

養殖以外で天然物の場合は漁獲可能数が決められている

この船はそもそもその法定数を明らかにオーバーしていた

つまり違反である。ミッドチルダ連邦国では様々な魚の完全養殖を行っている

養殖での魚に関しては漁獲制限はないが、天然物には厳しい漁獲制限が存在している

そのため養殖業をしている漁師はかなり多い

 

「天然クロマグロの違法漁獲ね。販売ルートを吐かせるしかないわね」

 

誰が購入していたかを調べるかは極めて重要である

天然で違法性があると知っていたなら重罪行為に値する

だからこそ販売ルートを調べて確認する必要がある。時間はかかるがこれも仕事である

すべてを調べるしか道は残されていない

 

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西区中央部 ノースイーストミーミル地区 ミーミル大学医学部 警備室

 

レックスはそこで医学部内の監視カメラの映像を分析していた

何か奇妙なものが記録されていないか。少しでも異変があればそれを追及しなければいけない

 

「何か映っていれば良いが」

 

彼はあまり期待はしていない。

変装の名人なら簡単に身元が分かるような行動はしないはず

それでも確認作業をすることは求められるのだから仕方がない

膨大な情報を携帯情報端末を使って自動分析させた。何か大きな異変があればすぐにわかる

 

『ピッ』

 

その時、ある人物がヒットした。退役時空管理局員のホレイス・カーズレス。41歳

今は医学部で清掃作業員として勤務している。

退役前の最終階級は1等陸佐。かなりの上にいたが様々な不祥事が明らかになって4年前に不名誉除隊になった

不名誉除隊なので退役後の年金や退職金ももらうことはできなかった

記録によると再就職はかなり困難を極めていたようだ。

除隊後は生活保護で生活。1年後、何とかアルバイトを見つけて生活保護から外れた

そのアルバイトがこの医学部の清掃担当である。

ちなみに時空管理局に所属していた頃の給与と比較すると大幅に下落している

 

「酷い話だな。だがこいつが犯人なら筋弛緩剤で自殺をする可能性があるな」

 

そうなる前に見つけ出す必要がある。

レックスは中央本部に連絡して街灯観測システムの監視カメラ機能を使って顔認証システムで追跡を依頼

今は行方を捜すことが最優先である。重要容疑者なのだから当然である

こいつは時空管理局犯罪捜査局も追跡している。

過去の汚職関係について再捜査をするためにである

時空管理局犯罪捜査局はさらに不祥事があるのではないかと疑っている

そのために次元世界連合全加盟国で指名手配がかけられるはずだった

しかし、まだ証拠不足であるとして、指名手配は見送られていたのだ

 

「こいつはもう自分がかなり危険であると判断したことは間違いないな」

 

不名誉除隊をしたとしても不祥事に関係がある。

あるいは関与していたなら捜査を受け、罪の重さをしっかりと理解させる必要がある

 

「時空管理局犯罪捜査局に連絡しておくしかないな。黙っているとまずいからな」

 

こちらとの連携にかかわることになるならしっかりと情報共有を行うのは当たり前のことである

もし何もしなかったら今後の関係に影響が出てくる。それはそれで危険である

お互いしっかりと連携が取れるということを示す必要がある

話は戻るがこいつが絡んでいるなら自殺のために使うかもしれない

その前に身柄を確保する必要がある。死なれたら真実を墓場に持っていかれる

時空管理局の闇を知っているなら真実を吐かせる必要がある

今はその真っ最中なのだから

 

「2つの案件になるかそれとも1つの案件か判断はできないが両方とも並行して捜査するしかないな」

 

今は文句を言っている暇など存在しない。何が何でもやらないといけないのだ

無理な事であっても可能なことにしなければいけない

 

『中央本部から各員へ。ウエストクラナガン貨物ターミナルで大量のアサルトライフルを積み込んだコンテナを確保』

 

レックスはそのコンテナの情報を確認した

そのコンテナの輸送を依頼したのはかなり危険な犯罪組織と関係がある企業である

押収されたアサルトライフルはM4カービン。全部で100丁。

その他にメタンフェタミンやコカインなどの麻薬がコンテナに存在していた

末端価格でかなりの金額になるものだ。押収に成功したことは極めて重要である

犯罪組織に財務ダメージを与えることができるからだ

銃や麻薬などの密売は現金商売だ。購入できないということは収入減を立つことになる

犯罪組織にとってはせっかく高い金で買ったものが売れないどころか収入も0になる

最悪のトラブルになる。

組織を維持するには資金が必要になるがその資金源になる麻薬や銃火器が押収されたらダメージは大きい

犯罪組織を根絶するには資金源になるものを次々と押収して収入を絶つことが最も重要である

それでも密輸行為は日常的にあるので監視体制を強化することは極めて重要である

麻薬や銃火器の密輸。その他に人身売買などの行為は連邦法で重罪行為になっている

特に人身売買を行った者は仮釈放なしの終身刑か死刑判決になると連邦法で定められている

臓器移植のために人身売買で手に入れた被害者をドナーにする行為も国内ではかなりあるとされている

中央パトロールは昨年だけでも100件以上の人身売買行為を摘発している

銃火器の密輸はAMF装置が組み込まれた銃弾が開発されたことで密輸量が大きく増えている

今後もさらに増加することは容易に想像できる。

それらを摘発するためにクラナガン捜査局が存在している。

またクラナガン市内の治安維持のために中央パトロールが存在する

密輸は絶対に止めなければいけないのだ

 

「今のクラナガン市内はかなり危険だな。面倒なこともかなり発生している。こっちの仕事量がかなり増える」

 

本当に大きなトラブルにあっているようなものだとレックスは感じていた

今は筋弛緩剤がどこに行ったかを探すことと退役時空管理局員のホレイス・カーズレスの足取りの追跡が必要だ

 

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南区中央部 クラナガン川クラナガン堰 クラナガン堰管理室

 

エバックはクラナガン堰に別の証拠がないか調べるためにクラナガン堰のそばにあるクラナガン堰管理室に来ていた

ここでは24時間1年中、クラナガン堰が正常に稼働しているかなどを監視している

遺体発見の通報もここからである。遺体発見時のクラナガン堰に設置されている監視カメラの映像

そこに何かほかにも証拠になりそうなものがないか確認作業をしていたのだ

些細な証拠であっても見逃すわけにはいかない

被害者のグロリア・ホーキンが何かの犯罪に関与しているなら、

真実を漏らされることを避けるために暗殺されたかもしれない

その隠されているかもしれない真実を明らかにすることも重要である

 

「被害者がここで最初に確認されたのは何時だ?」

 

エバックは何時に正確にクラナガン堰まで流れ着いたかを知りたかった

だがそれを確認するのはかなりの至難の業である。確実に何時というのはかなり難しいからだ

水の中を流れてきて、このクラナガン堰で偶然にも発見されたからだ

水中を流れているとなると正確にどこから流されてきたか

それを割り出すことも事件捜査で重要なことになってくる

今はどんな小さな証拠も見逃すわけにはいかない

こればかりはどうしようもない。手がかりが少ないことは事実。

ならばありそうな場所を徹底的に調べるしかないのだから

 

「本当に苦労する作業だ」

 

発見された女性の身元はすでに分かっている

問題なのはワンワールドカンパニーに勤務していたことだ

過去に何か不正行為に絡んでいるかもしれない

不正行為に絡んでいるならどんな背後関係があるかを正確に捜査しなければいけない

時間的猶予はほとんど残されていない。すべての真相を明らかにすることが求められる

 

「いったいどこから流されてきたんだ?」

 

エバックはその後も映像をチェックするが収穫はなかった

残されたことは遺体の検死で何かわかるかどうかである

最後の頼みの綱は遺体という何も語ることができない被害者の声を聞くしかない

エバックは南分署ラボ棟の検死ラボに向かうことにした

 

「検死結果を聞いて捜査方針を立てるしかないな」

 

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捜査部捜査官が担当する事案は極めて幅広いことを示す内容が含まれています。
ずっと殺人などの暗い内容だけではありませんので
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