午後03:10 中央パトロール本部庁舎 8階捜査部1係オフィススペース
ラジェットも港湾パトロール海兵隊の制服に着替えていた
警護のために必要なので腰のホルスターだけでなく、足首にも小型リボルバーを1丁ずつ装備していた
捜査長官の護衛任務のためには必要なものであり、守るためには防弾ベストの着用もしておく必要がある
護衛任務では自らが盾になって警護対象者を守ることが求められる
「いつものことだが、過激な任務だな。護衛任務というのは」
「なんか窮屈な気がするんやけど」
はやての発言に制服は窮屈なものだとラジェットは発言した
確かに制服は堅苦しいものだ。できることなら長時間着用していたくない
できるだけ短時間の着用にしておきたい
「俺は軍服だからな。これから靴を磨かないといけない」
ラジェットの言葉にリィンは靴ですかと不思議そうな表情をしながら質問してきた
「式典用の軍服姿の時は靴も磨くことが求められるからな。黒の光沢が出るように磨いておくことが求められる」
靴も軍服と同じ扱いをしないといけない
久し振りの護衛任務だから気を引き締めて全うしないといけないとと考える
パーティー会場には多くの政財界の大物が参加している
恥をかかすわけにはいかないのだから気を引き締めなければならない
「はやて、リィン。そろそろ捜査長官執務室に向かうぞ」
「もう行くんか?」
「パーティー会場の準備もあるからな。気を引き締めて任務遂行をするぞ」
そう言うと3人は捜査部オフィスを出て、エレベーターに乗ると10階の捜査長官執務室に向かった
すぐに10階に到着するとちょうど捜査長官がエレベーターホールでエレベーターの到着を待っていた
「長官。本日の護衛任務を担当します」
「ラジェット。久し振りの軍服姿だね」
普段は中央パトロールの制服を着用している
港湾パトロール海兵隊の制服を着用しているのは珍しい事でもある
「最近は正式なパーティーにも参加していなかったので久しぶりですが」
ラジェットの軍服には数多くの略綬がついていた
数多くの戦闘に参加して評価された証である略綬である
正式なパーティーならメダルの方を着用するべきなのだが、
今回は護衛任務がメインのため略綬を選択した
「それにしても今回のパーティーはいろいろと利害関係が絡んだものになるから発言は慎重に頼むよ」
「もちろんです」
ではいきましょうかとラジェットは言うとエレベーターで1階に降りるとリムジンに乗って西区中央部に向かった
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南区南部 クラナガンハイウェイ6号線(南線) 南行
フィリーとなのはたちが乗ったSUV車はまもなくエレスコ・フォーゲル君の自宅の近くにあるハイウェイの出口に接近していた
「もう少しで自宅に到着するから」
「はい」
エレスコ君は明らかに落ち込んでいる。両親を失ったのだから当然と言える
おまけにこれからは親族は頼ることはできない。すでに内々に話をしたが引き取りを拒否された
どの親族も自分の生活を守る事で精一杯という理由である。別にそれが悪いとは言わない
誰もが申し訳ないと謝罪をしたのだから。それだけにティアイエル保護孤児院で生活することになる
あそこなら同じように犯罪によって家族を失った者同士で傷を癒しあうことができるかもしれない
常駐で心理カウンセリングを担当している者もいる
不測の事態に備えて警備も万全である。その時ある問題が発生した
「ついてないわね。ガソリンが残り少ないわ」
「ガソリンスタンドによりますか?」
「そうね。帰りに寄るのも良いけど。すっと帰りたいから先に補給しましょう」
フィリーはそう言うとハイウェイの出口からすぐ近くのガソリンスタンドに向かった
ミッドチルダ連邦国内には大型の大気汚染物質除去装置から超小型のタイプまで汚染除去装置が存在する
この技術により惑星温暖化や大気汚染の心配はない。フィルターは定期的な交換が必要になるが
古くなったフィルターは洗浄されて再利用される
そのため、惑星温暖化物質や大気汚染物質はほとんど排出されることはない
クリーンな空気が保たれている。
「そこによって行きましょう」
ハイウェイから降りてすぐ近くにあるガソリンスタンドに立ち寄った
そこで給油を行う。ちなみに捜査車両の給与は専用のクレジットカードで精算するので個人負担することはない
「いろいろと大変なんですね」
「今はガソリン価格は以前に比べて大幅に値上がりしたからね」
JS事件までは1リットル90円台だったが今は120円台になっている
原油先物市場で取引が活発になった結果、先物価格が大きく上昇したためである
ミッドチルダ連邦だけでなく、次元世界連合全加盟国で原油先物価格はJS事件前と比較すると大きく上昇している
「燃料を満タンにしておきましょう」
市内のガソリンスタンドの店員が給油するフルサービスの店舗と自ら給油するセルフスタンドの2種類がある
基本的にはセルフスタンドの方が多い。
セルフスタンドの方が店員が少なくて、人件費があまりかからないのでガソリン価格が少し安い
フィリーはセルフスタンドを利用して給油をするとカードで支払いをして目的地に向かった
ガソリンスタンドから目的地の自宅は近くだったのですぐに到着した
「それじゃ、一緒に部屋に行きましょう。証拠保全のためにこれを履いてもらえるかしら」
靴カバーを渡すとフィリーとエレスコ君は一緒に2階の自室に向かった
パジャマや着替え一式と勉強道具を手にすると車に戻っていった
「早いですね」
なのはのセリフにこの子が持っていくものが少なかっただけよと答えた
あとはティアイエル保護孤児院に向かうだけである
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中央パトロール本部ラボ棟 2階マルチメディアラボ
シエナは街灯観測システムの監視カメラ機能を使って顔認証システムにかけていた
今のところはヒットはしていない。できれば早急なヒットが求められるところだが相手も犯罪のプロだ
簡単に見つかるはずがないことは百も承知である
「早く見つかることを祈るだけね。市内にいればの話だけど」
市内に設置されている街灯観測システムの数は膨大である
またそれらで観測された情報データも膨大であることから、
検索にはかなりの時間がかかることは言うまでもない
それでもチャレンジするのはわずかな可能性に賭けるだけである
「ヒットすれば連絡するが?」
「ここでゆっくり休憩させてもらうわ。疲れているし」
それは本気で言っているのかとラグナは聞いてきたがシエナは当然でしょと返答した
確かに疲れていることは事実だ。麻薬の大手卸元だ。簡単に見つかるはずがない
「少し仮眠をとるからヒットしたら起こして」
「寝袋がある。使いたかったら使え」
ラグナの言葉を受けてそれを借りて仮眠を取り始めた
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南区北部区域ノースイーストハーディー地区1番街2丁目と3丁目の間の通り
エルガとヴィータはそこで張り込んでいた
狙いは麻薬の密売人である。最近派手にこのあたりで密売をしていると噂になっていた
麻薬取締局が捜査をしていたが簡単に尻尾を出さない
「こんなところで日中に麻薬の密売なんてするのか?」
今は真昼間だ。
こんな時間に麻薬の取引をするような連中がいるとは思えないとヴィータは考えていた
「世の中意外なところで取引することは珍しい話ではない。大胆に取引する連中もいるんだ」
「例えばどんなところでだ?」
「そうだな。タバコを売るようにみせながら一緒に麻薬を売る売人もいる」
ヴィータは少し驚きの表情を浮かべていた。
そんな手軽な感じで密売をしていることそのものに
「タバコ?」
「一見すると怪しまれないからな」
タバコ以外にもジュースやコーヒーの販売などに見せかけて密売していることは珍しいことではない
とにかく最近は麻薬の密売のためには手段を選んでいられない連中が多いということだ
「ヴィータ、休みたいなら休んでおいたほうが良い。今日は24時間勤務だからな」
エルガはゆっくりと休憩しながら監視を強化することにした
携帯情報端末を使って周辺の街灯観測システムの監視カメラ映像から、
麻薬密売の前歴がある人物がいないか検索をかけ始めた
「のんびりとしているんだな」
「俺は24時間勤務は慣れているからな。当然だろ」
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