CSI:クラナガン   作:アイバユウ

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新暦76年4月1日午後03:25

 

午後03:25 西区中央部ノースミーミル地区 ウエストクラナガン宮殿 

 

パーティーには多くの政財界の大物が来賓していた

このパーティーの主催者であり、今の次元世界連合全加盟国の中で最も大金持ちと呼ばれている女性の到着をだれもが待っていた

 

「みなさん。本日は慈善パーティーに来てくださりありがとうございます」

 

そう声をかけてきたのはミーミルエネルギー社の最高執行責任者であるセリーナ・ヘイリガである

彼女の昨年度の収入は320京ミッドにもなる

ミーミルグループ企業の筆頭株主であり、株主配当だけでも昨年度の収入になってしまっている

 

「皆さんの寄付金で貧しい子供たちが少しでも良い方向に向かうことを私は切に願っています」

 

皆さんの寄付で多くの貧しい子供たちの生活が改善されることを我々は切に願っていますとセリーナは語った

慈善パーティーであるためそれほど豪華な料理があるわけではない

ここにはある意味では小さな政治議論をする場を提供しているに過ぎない

 

「ラジェット、しばらく警護から外れて良いよ。査察部の警護にバトンタッチするから」

 

つまりこれからは政治的駆け引きをするからできれば邪魔をしないでほしいと言いたいのだろう

 

「わかりました」

 

捜査長官はそう言うと政財界の大物たちと話をしに行った

ラジェットとはやてとリィンは壁側に下がり外周から内部を見ることにした

 

「政財界の大物が集まるパーティーは大変だろ」

 

「捜査部はこんなこともするんだな」

 

「はやて、今回は特別だ。お前たち機動六課組の見世物にするためのな」

 

周りを見てみろというと様々な人物がこちらに視線を向けてきている人々がいた

どう見ても気配を探っているように見えた

 

『西分署から各員へノースミーミル地区の警戒レベルをオレンジに引き上げる。総員警戒態勢に当たれ』

 

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西区東部 クラナガンハイウェイ8号線( 西線 )  西行き

 

フィリーたちはもう少しでティアイエル保護孤児院に到着するところまで接近していた

 

「そう言えば今日はパーティーがあったわね」

 

「パーティーですか?」

 

なのはは不思議そうな表情で質問してきた

フィリーは慈善パーティーがウエストクラナガン宮殿で行われているのよと伝えた

 

「政財界の大物が集まるパーティーなんて堅苦しいだけのものだけど捜査長官は政治的駆け引きのために参加するのが慣例だし」

 

警護担当者は苦労しているでしょうねとフィリーはラジェットが警護していることは知らないのだ

だからこそ気軽に言える。ましてや、はやて・八神が参加していることなど知る由もない

 

「そんなパーティーって楽しいんですか?」

 

「慈善事業のパーティーとはそういうものよ。私も何度か警備に参加したことがあるけど、苦労が絶えない時間だったわ」

 

なのはは大変なお仕事なんですねと回答してくれた

捜査部捜査官は何でも屋である。だからこそ様々な技術の身に着けと観察力が求められる

それができなければ現場鑑識を行うことはできない

今は少しでも早くティアイエル保護孤児院に到着することが最優先課題だ

できれば早くいきたいが制限速度を守ることは基本中の基本だ

緊急走行中のことではないので当然と言えば当然であるが

 

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西区東部 UH‐60 上空1500m 

 

シエナはヘリの速度を最大限にしてもらって追いかけている

今は検問でハイウェイの市州境界付近は混雑している

相手がこちらが仕掛けた検問に気づいていなければ良いのだが

簡単に見破られる可能性はある。ハイウェイでは追跡対象車の後方から覆面パトが接近している

気づかれずに追いつくことができれば穏便に事を進めることはできる

すべてはタイミングにかかっている。しくじったら大きな事案になるかもしれない

 

「SA24からWC9954。ターゲットは大物麻薬密売人だ。身柄確保時には慎重に対応せよ」

 

『了解。慎重に対応する。こちらはまもなく検問による渋滞ポイントに到着する』

 

あとはWC9954に乗っているパトロール捜査官は応援で駆けつけてきている刑事たちに任せるしかない

こちらからできることは少ないのだ。そしてついに良い情報が上がってきた

 

『WC9954からSA24。レバヅリド・サッカードの身柄を確保した』

 

「こちらSA24。まちがいなくレバヅリド・サッカードで間違いないのか。確認は取れているのか?」

 

『車内に大量のメタンフェタミンと思われるパケと注射器を発見。刑事が簡易検査をしたところ薬であることは確認済み』

 

「了解した。西分署に連行してくれ。こちらも急行する」

 

ようやく逮捕することができたが意外にもあっさりと捕まったことにシエナは少し違和感を感じていた

まるで逮捕されるのがわかっていたかのような逃げたに感じられたからだ

とりあえず西分署に向かうようにヘリパイロットに伝えた

 

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南区北部区域ノースイーストハーディー地区1番街2丁目と3丁目の間の通り

 

エルガとヴィータは仮釈放中の人物を監視していた

今のところは密売行為を行っていない。こちらは気づかれた様子はない

できればさっさと密売行為をして検挙したいのだが簡単にはいかない

 

「おかしいな」

 

「どうしたんだ?」

 

「かなり警戒している。こちらの監視には気が付いていないはずなんだが」

 

ハーディー地区の警戒そのものが逮捕されるよりも前に比べて厳しくなった現実を知って状況観察をしているのか

JS事件以降は市内の法執行機関による各種取り締まりは厳しくなった

特に銃器や麻薬密売はかなり厳重である。その空気を感じているだけなのか

 

「仕方がない。職質に入るか。ヴィータ。お前は車で待機していろ」

 

ここまで待って行動しないとなると職務質問で何をしているのか聞きだすしかない

不審物を持っていたら中央本部に連行するまでだ

 

「中央パトロールのエルガ・ジャーニー捜査官だ。こんなところで何をしている?」

 

「何をしていても良いだろ。ただの散歩だ」

 

「ただの散歩にしてはこのあたりをうろついているのはおかしいと思うが。身体検査を行っても良いか?」

 

「令状はあるのかよ?」

 

「クラナガン仮釈放犯罪者家宅捜索法では身体検査を行うこともできる。令状は必要ない」

 

クラナガン仮釈放犯罪者家宅捜索法は仮釈放の人間は令状なしで家宅捜索を受けなければならない事を認めた法律。

仮釈放を受けたとたんに犯罪を行うことが多いことから制定されている法律である

さらに仮釈放中の人間は足首にGPS発信装置の装着が義務付けられている

これはクラナガン仮釈放犯罪者GPS監視法で定められている

これら2つの法律のおかげで再犯率を大幅に引き下げることができているし、

再犯を起こした場合のアリバイの証明も行いやすく犯罪捜査に大きく貢献している

 

「麻薬なんて持っていないだろうな。持っていたらすぐに刑務所に逆戻りだぞ」

 

「持っていない。仮釈放になったばかりだ。ここも昔とは変わったな」

 

エルガは持ち物などを確認するが麻薬などの違法なものは所持していない

 

「良し。この辺をうろうろしていると売人と間違われるぞ。住民じゃないならなおさらだ」

 

「わかっている。とっとと出ていくさ」

 

そう言うと違う方向に向かって歩いていった

エルガは車に戻った

 

「空振りだが要注意だな。ああいう連中は常習性が高いからな」

 

今後は警戒人物のリストに入れておかないとというとヴィータとの張り込みに戻った

 

「地味な仕事だな。張り込みは」

 

「これが仕事だ。仕方がないだろ」

 

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