午後03:40 中央パトロール西分署庁舎 屋上へリポート
ラジェットたちはとりあえず、中央区にある議員の家に向かった
今は現場鑑識作業を行うことが重要である。だがヘリの着陸地は少し離れたところに着陸する
犯人に感づかれるのを少しでも遅らせるためである
直接議員の家のそばの建物のヘリポートに着陸してしまうとすぐにばれてしまう
それは避けなければならない
「これから短時間のヘリの旅だ。その間に情報を集めるぞ」
「「はい!」」
ラジェットの言葉にはやてとリィンは同意した
「マスコミへの報道管制は完璧なのですか?」
「リィン。クラナガン捜査局のマスコミ関係者とは友好的な関係を結んでいる。特ダネを提供する代わりに事件捜査が一定まで進むまでは報道を控えてもらえるように協定を締結している」
まぁ完璧ではないが、漏れなければ良いだけの話だとラジェットは語った
「まずは子供の安全確保が最優先だ。犯人の確保はその後にするべきだ」
ラジェットはそう言いながら議員が住んでいるマンション周辺の街灯観測システムの監視カメラ映像を調べていた
犯人が写っている映像があれば大きな突破口になるからである
「これだな。車両ナンバー[ クラナガンイーストXD-2684 ]。車種はワンボックス。所有者はどうなっているか」
するとはやてが報告した
「これはレンタカーや。東区でレンタルされた車。今貸し出した店を照合しているところ」
「はやて。呑み込みが良くなってきたな。いいぞ。誰が借りたのかまで調べることができれば捜査に大きな前進ができる」
「今データベースで照合作業に入っている」
「車には盗難車追跡装置が装備されている。でもそれを発動させるには令状がいるんじゃ」
「判事にはあとで謝罪しておく。装置を作動させろ。今どこにいる」
緊急時犯罪捜査情報開示許可法を使えば事後承諾で装置を作動することはできる
テロ・誘拐・凶悪犯行などの緊急時には無条件で情報開示を求めることができる。
ただし、明らかに緊急事態であることを事後に証明する事が必要とされている
「今、位置を測定中や」
『ピッ』
「ヒットした。今はハイウェイ12号線(外環状線)の反時計回り路線を走行中」
現在位置は東区西部にある区間である近くにはクラナガンハイウェイ4号線とのインターチェンジがある
そのまま港に向かう可能性は十分ある
「SA11から中央本部。車両ナンバー[ クラナガンイーストXD-2684 ]の即時確保と制圧を求める。誘拐された子供が乗っている可能性が高い。扱いは慎重に願う」
『こちら中央本部。内容は了解した。速やかに緊急手配に入る』
「早く誘拐された子供を見つけることができれば良いんだがな」
『中央本部からSA11。子供はGPS装置付きの携帯電話を保持しているとのこと。現在逆探知を行っている』
正確な位置がわかればすぐに報告してくれとラジェットは依頼した
もし子供が今も携帯電話を持っていればすぐに位置検索ができる
そうすればより正確な居場所を特定することが可能となってくる
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西区中央部 クラナガンハイウェイ14号線(大外環状線) 反時計回り路線
フィリーとなのはが乗ったSUV車は制限速度を守りながらハイウェイを走行していた
このSUV車には中央パトロールを示す紋章が書かれているのでスピード超過をして堂々とする車はまずいない
例外は時々存在するが基本的にはいない
「退屈ですね」
「なのは、退屈な時間が私たちにとっては何よりもありがたい事なのよ。ただし天候だけは良くないわね」
もう空は曇っているのでいつ雨が降ってもおかしくない状況である
雨が降れば交通事故発生率が跳ね上がる
「雨が降ってきたわね」
フィリーの言う通り、小ぶりから本降りにすぐに切り替わった
大粒の雨が降り始めた。すぐにワーニングライトのスイッチを入れて警戒を呼び掛けた
事故を未然に防ぐのも仕事の一環である
『中央本部から各員へ。西区で大雨注意報が発令された。トラブル発生時は素早く対応せよ』
「どういうことですか?」
なのはの疑問にフィリーはこれからトラブルが増えるということよと伝えた
『WC157から西分署。ハイウェイ14号線で落下物を確認。速度規制の調整に入ってほしい』
「こちらSA13。WC157の後方10Km地点にいる。車線規制の支援に入る」
『協力感謝する。落下物は小型の排気ダクトと思われるもの。一般車両と衝突した場合大事故につながる』
「了解。規制に入る」
フィリーはサイレンのスイッチを入れた。これによりほとんどの車両は速度を減速しはじめた
「なのは。発炎筒を落としていって。私が合図をしたらね」
なのははグローブボックスに入っている10本の発炎筒を手にすると、
フィリーの合図に従って路上に落としていった
これで路上にトラブルがあると他の運転手に気づかせることができる
まずは安全確保が最優先である
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西区中央部 中央パトロール西分署庁舎 6階麻薬捜査課オフィス
シエナが待っていたレバヅリド・サッカードがようやく到着した
「ようやくあんたを刑務所にぶち込むことができるわ」
「それはどうかな?俺はいろいろと情報を持っている。取引してみせる」
「それはどうかしら?お手並み拝見と行きましょう」
そう言うと2人は取調室に入っていった
もちろん見張りとして1人の男性刑事が監視のために参加していた
メインの取り調べはシエナが行うことになっている
「それであなたは弁護士を付ける権利があるけど、どうするの?」
弁護士費用がなければクラナガン市が契約している公選弁護人を呼ぶことができるが、
相手は拒否の態度を示した。どこまでも自信があるようだ
「俺は法律に詳しいからな。弁護士なんていらない」
「そう。まぁそれが命取りにならなければ良いわね。あなたは子供に麻薬を卸していた。罪は重いわよ」
「確かに密売したことは認めてやろう。だがそいつがどうするかは好き勝手にするかは個人の問題だろ」
俺は麻薬の密売をしただけだと言った。俺が売った相手がどうするつもりかは知ったことではないと抵抗した
確かにその通りである。売人にとって商品である麻薬を売ってしまえばあとは別にどうでもいい
その人物がさらに売買したとしても関係ないと思っているが法律ではそうはなっていない
大物の卸元がさらに密売人に売った場合は罪からは逃れることはできない
法律上では密売行為が重なるだけでになる
麻薬密売罪は1件で懲役5年である。それを何件するかによって加算されていく
「あなたを一生刑務所に収監させセルだけの材料はそろっているわ。司法取引は無駄よ」
「どうかな。物語は終焉になるまでわからないぞ」
そう言うとその後は黙秘権を通した。
「あとは検事と話をするのね」
送検することを決断した。中学生に麻薬密売をした回数だけでもかなりの数になる
17歳以下の子供に麻薬を密売すると通常よりも罪が重くなる。これは意外と知られていないことだが
知っていたらぺらぺらと喋る人間は少ない。特に子供相手の事案となるとだ
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南区北部ウエストハーディー地区4番街6丁目と7丁目の間の通り 車両火災現場
エルガは車内を調べているともう1つあるものを見つけた
「これは興味深いものを見つけたぞ」
「何を見つけたんだ?」
男性刑事の声に現場写真を撮影してそれを取り出した
グロック7型の拳銃である。それもホルスター付きの
それも密売されているものと異なりシリアル番号が刻印されていた
火災の影響で線条痕はだめだろうが製造番号からどこからどういう経路で流通したかは突き止めることはできる
携帯情報端末を使って銃火器シリアル番号検索エンジンに製造番号を入力
検索を開始したところ、この銃はFBIに引き渡されたものであることが分かった
「面倒なことになりそうだ。遺体がFBIの連邦捜査官だとわかったら連中は捜査権を奪いに来るかもな」
もちろん簡単に捜査権を引き渡すような真似などするはずがない
これは市内で起きた事件であり今の段階では捜査権はこちらにあるのだから
「FBIが配備していた銃か。嫌な予感になる可能性は十分にあるな。身元の照合はFBI関係者で絞り込んでやってみるか」
法執行機関や軍人などの公務員はDNAと指紋をデータベースに登録している
連邦捜査官なら絞り込むことができる。すべてのデータベースと参照することに比べると比較的楽になりそうだ
「車両ナンバーは吹き飛んでいるな。ガソリンに引火した時の爆発で吹き飛んだ可能性が高い」
周辺を捜索させてくれと指示をエルガは出した。そこにようやく顔色が良くなったヴィータが来た
「ヴィータ。半径1Km圏内で爆発痕がある証拠品の記録を頼む。俺は死体を担当する」
「了解した」
「念のために言っておくが見逃すなよ」
わかっているというと証拠写真記録用のカメラを持ってその場から離れた
あとは検死官か検死官補佐が来るのを待つだけである
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