午後04:30 東区東部ノースハリーファックス地区9番街2丁目と6丁目の間の通り
カレンとフェイトはそこに張り込んでいた。
4人がこの近辺でよく摘発されていることがわかっていた
つまりこのあたりを縄張りとしている可能性が極めて高いとも言える
あくまでも可能性という話ではあるが、それでも張り込んでみる価値はある。
あと周辺の街灯観測システムの監視カメラ機能で顔認証照合にかけてみる
「本当にここに張り込むんですか?」
「フェイト。私たちは地味な捜査もしなければならないのよ。まぁ、交代で休憩しましょう」
カレンは先にフェイトに休憩に入るように指示した
疲れていたのだろうか、フェイトはすぐに仮眠に入った
「すぐに眠れるなんてつかれているのかしら」
フェイトがすぐに睡眠についたのを見てカレンはそうつぶやいた
まぁすぐ眠れることは良いことだ。捜査官はいつどこでも眠れることが求められる
「利口な奴ならもうここにはいないと思うけど、今回の犯人は常習者だからまだいるはず」
携帯情報端末を使って街灯観測システムの監視カメラ映像をチェックしていた
何か捜査の突破口のヒントになるようなものがあれば良いのだが
「今のところは目立った変化はなし。私も少しリラックスして休もうかしら」
顔認証で自動照合をかけてヒットすれば音が鳴るようにセットした
あとは機械任せだ。カレンも休憩に入った
『中央本部から各員へ。西区を中心に大雨になっています。雨雲は東に向かって流れているので現場鑑識の際はシールド魔法装置の準備をするように』
シールド魔法装置とは半径500mの範囲をシールド魔法によってカバーする装置である
これはすべてのパトカーに装備されている。
この装置の欠点は魔導師が犯人の場合、魔法粒子が証拠として採用されないということである
シールド魔法装置によって魔法粒子が上書きされてしまうからだ
「便利な装置に見えて時として厄介な装置なのよね」
カレンは空間モニタを表示して雨雲レーダー情報を確認した
結果は雨雲は間違いなく西区中心部から東に向かって流れつつある
今のところこちらは晴天だが、夕方には曇ってくるかもしれない
雨が降れば捜査に大きな影響を与えることは間違いない
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西区南部ハーニー地区1番街2丁目6番地603号室 エレオノール・シュバルスの自宅
フィリーとなのはが到着したころには現場鑑識はもう終了していた
なのはは西分署の女性刑事と一緒に聞き込みに行かせている。聞き込みの体験のようなものだ
何事も経験してみなければ慣れることではない。特に聞き込みは重要だ
相手の心理を読まなければならないからだ
嘘の証言をしていないかどうかを見抜く力が求められる
「相棒はどうしたんだ?フィリー」
西分署路上犯罪課のフラッド・スイクレード刑事が質問してきた
フィリーは聞き込みの練習に西分署の刑事と一緒に行かせているわと回答した
「それにしても聞き込みの練習に生かせるとはお前も意外と厳しい教導官だな」
「当然でしょ。私たちは嘘を見抜くことが求められるのよ。私たちが大切にするのは物証と人の嘘を見抜く頭脳よ」
「それもそうだな。それで収穫はどんな感じ?」
あらためてここで発見された証拠について確認することにした
聞き逃しがあってはならないので確認作業をするのは当然である
「大量のコカインについてはすでに現場鑑識チームが押収してラボに移送している」
「ほかには?」
「銃火器だ。拳銃からアサルトライフルまで。100丁はあったぞ。密売していたのかもしれないな」
フィリーは100丁も銃火器を持っていたことに驚いた
大量にとは聞いていたが100丁とはかなりの量だ。個人で持つには多すぎる
密売をしていたのだろうということは容易に想像できる
「麻薬と銃火器の密売か。逮捕されたら仮釈放なしの終身刑か死刑は間違いないわね。逃げるのも必死になるはず」
お金関係は何も出てこなかったということは、逃亡資金はある程度持っていることが予測できる
どれくらい持っているかは予測することは難しいが、この家にあった麻薬と銃火器の量からしてかなりの金銭を持っているはず
「もう市外に逃げているかもしれないわね」
フラッドもその意見に同意した
「俺が犯人ならさっさと逃げるほうを選択する。市内にいるのは自殺行為だからな」
すでに捜査指令と指名手配はかけている。
駅やバスターミナルには警戒レベルを引き上げてもらっている
「あとは近隣住民の聞き込みね。どんな証言が聞けるか楽しみ」
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中央区中央部 セントラル分署ラボ棟 3階質量化学ラボ
「シエナ。聞いているぞ。大量の尿サンプルを持ち込んでくれたんだろ?」
フェイス・ラーレント分析官はシエナが大量の尿サンプルを持って現れると嫌味を言うかのように発言した
「そうよ。作業に時間がかかるから手伝うわ。たまには自分の持っている技術を生かさないといけないし」
シエナも分析の手伝いくらいはできる
少しでも早く作業を進めるには手伝いがあったほうが効率がいい
「手伝いがあることは良いことだ。期待しているぞ」
シエナはフェイスの分析作業を手伝うことにした。
手伝いがあったとしても分析作業をする量がかなり多いので時間はかかることは間違いない
「それにしても小中学生が麻薬の密売をしているなんて呆れる話だな」
「それは同意見よ。そして勉強に集中したいからと言って使うなんて、今の子供はかなり危険な世代になっているわね」
シエナの言う通りである。今の小中学生が簡単に麻薬の密売と使用をしている。
聞いているだけでひどい話である。できることならそんなものが学校の寮内で密売される前に摘発したかった
そうすれば寮内で麻薬汚染が起きる心配することはなかった
「麻薬が小中学生に蔓延しているなんて最悪の話ね。子供達にはつらい時代になっているわね」
シエナは少し悲しそうな表情をしながらそんなことを呟いていた
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中央パトロール本部庁舎 8階捜査部1係オフィススペース
エミーナ・アリオン捜査官は1冊の報告書を読んでいた
そこにはスカリエッティの経歴などが詳細に記載されていた
「本当に裁判にかけるのは苦労するわね」
報告書を作成したのはラジェットである。捜査部内だけの資料として扱われている
もしこの情報が漏れたらさらに面倒になることになるからである
スカリエッティが誕生してから今までの記録が詳細な記録が報告書に記載されていた
もしこれが機動六課組に漏れたら大問題である。だからこそこの報告書を閲覧できるのは限られた人間である
「この報告書が漏れたら大問題になるわね」
そこにシエル首席捜査官がやってきた
彼女はエミーナにその報告書の完成度について尋ねることにした
「どう。ラジェットが作成した報告書は?」
「さすがは情報通のラジェットと言ったところですね。この報告書は機密レベルは最高レベルに扱われるものです」
「そういうことでその報告書をもらっていいかしら」
あとはシエル首席捜査官に任せることにした。
報告書をシエルに渡すとエミーナは情報端末を操作して気象情報を確認していた
西区を中心に雨が降っている。そのため降雨エリア内のクラナガンハイウェイの制限速度が引き下げられている
スリップ事故などを抑制するためである
「うまくいけば良いけど。こういう時に限って事故は多発するのよね」
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