午後04:50 北区西部ノースウエストクラナガン貨物ターミナル
コンウェイは貨物列車に積載されていたコンテナを荷下ろしすると、
スペースがある場所で麻薬などを積み込んだコンテナ内を調べていた
貨物の発送伝票記録によると、ベルカ州南部地方サウスベルカ市郊外にある機械工場からの出荷になっていた
積み荷も機械部品となっていた。よくある手口だ。機械部品と言いながら銃火器を密輸することは
ついでに麻薬も密輸もすることにしたのだろう
「とにかくコンテナごと押収だ。北分署に運んでくれ」
コンテナも立派な証拠品である。それらも押収するのは当然のことである
「すでにトラックを手配しています。輸送にはパトカー3台の警備とヘリ1機で警戒します」
麻薬や銃火器を大量に積み込んでいるのだから警備は厳重にすることが求められる
コンウェイはよろしく頼むというとコンテナはトラックに積み込まれてパトカーの護送によって北分署に移送されていった
彼は引き続き怪しいコンテナがないか入線してくる貨物列車のコンテナんに不審物がないか調査をすることにした
これ以上市内に面倒を持ち込んでもらうのは避けておきたい
特に麻薬や銃火器は余計にである。ブラックマーケットで密売されたら高値で取引される
「面倒なトラブルばかりを持ち込んでくれる。ベルカ州は」
まだ法執行機関の体制が万全ではないので摘発が後手に回っている
だからこそ密造とベルカ州からの密輸が多いのだ
「できることならすべての貨物を検査したいがそれは不可能なだ。時間とコストがかかりすぎる」
いくら透過装置があっても完ぺきではない。見逃すことはある。
それに貨物ターミナルには1日に100本以上の貨物列車が出入りする
すべてチェックするのは現実的ではない。怪しいものを選別して抜き打ちでチェックするしかない
「景気が良いと貨物列車の本数は増える一方だな」
おまけに1編成の貨物列車の貨車の数は100両になることもある
コンテナは工業製品以外に人々の生活物資や生鮮食品などが含まれている
それだけに列車運行ダイヤを乱すことはできるだけ避けなければならない
「これだから貨物ターミナルでのトラブルは嫌なんだよな」
時間に追われる結果になるからとコンウェイはこぼしていた
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東区東部 クラナガンハイウェイ4号線( 東線 ) 西行き
カレンとフェイトは東分署に向かっていた。今のところは身柄は4人とも確保されている。
そのため特に急ぐ必要はない。連中だってわかっているはずである
これからどうなるかについてはわかっている
ストリートギャングとして何度も犯行をしてきた連中なのだから
「フェイト。車載端末で4人の個人情報を調べておいて」
「わかりました」
フェイトは助手席の車載情報端末を使って個人情報について確認した
4人は家族であることが分かった。マルコシア兄弟。4人兄弟で上は21歳、下は15歳。
「家族か。絆は強そうね。崩すのは簡単ではなさそうね」
兄弟となるとその絆を切り離すのはかなり難易度が高い
司法取引で兄弟を売ることはしないだろう
兄弟ほど強い絆はない。簡単にその絆を外すことはできない
「家族の関係をどうにかするのはそんなに難しいんですか?」
「あなたも家族が犯人を知っていたらかばうでしょ。黙秘権を行使してだんまりを決め込む」
家族内の犯罪というのは取り調べで証言を上手く引き出すのは極めて難しいものである
どうにかしてそれをしなければならないのが捜査の基本なのであるが難解であることは間違いない
「とにかく東分署に向かいましょ。急いで取り調べをしないと」
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西区中央部 中央パトロール西分署ラボ棟 3階銃器刃物ラボ
線条痕の照合作業は今も続けている
今のところ新米ばかりで犯歴のあるものは確認されていない
それはそれで良いことである。もしこれで犯歴のある銃が出てきたらその捜査もしなければならないからだ
担当捜査官が決まっていたとなるとその捜査官に連絡をして証拠が出たことを伝えなければならない
楽な仕事ではないのでできればすべて犯歴のない新品の銃であることを望んでいる
「それにしてもこれだけの銃をよくも隠していたな」
ウィリアム・トレーシア分析官の言葉は当たっている
売人だったとしても、これだけの銃をため込んでいるのは珍しい
普通はここまで大量の銃火器を1つの部屋に保管しているのはリスクがありすぎる
どこかに分散させた方が安全なはずなのだが
「分析するこっちの苦労も知ってほしいけど」
フィリーの言葉にそれは言えているなと回答した
問題を抱えていることは間違いない。まだ分析待ちの銃はいくつもあるできるだけ早く分析しなければ
『ピッ』
「冗談でしょ」
ある銃の線条痕が事件に使われたものとヒットした
それもフィリーが過去に捜査した案件である。未解決のままコールドケースにして処理した案件である
「どうした?」
「私が過去に捜査した事件で使用された銃弾と一致するものが出てきたのよ」
その事件は1年前に起きたもので宝石強盗をした事件だった
盗まれた宝石は金額にして10億ミッドにもなる。目撃者の証言によると班にはスキーマスク姿の4人
犯行時間はわずか1分。銃を乱射して素早く現場を制圧。商品を奪って逃走した
素早い足取りから犯行にかなり慣れていることは間違いない
スキーマスク姿の人物は盗難車で逃げていった。パトカーの到着前にすでに姿を消していた
完璧な完全犯罪とも言える。
街灯観測システムの監視カメラ映像で追跡したが車を東区東部の港湾地区から海に落とした。
犯人も乗ったままである。おそらく車内にスキューバダイビングの機材を積んでいたのだろう。
その後の足取りは不明でコールドケースになっていた
その時の乱射に使われた銃が出てきた。エレオノール・シュバルスがその件に関わっていたのなら話を聞いてみたかった
唯一の証拠品が今になって出てきたということは容疑者候補のトップに出てくる
「私は交友関係を洗ってみるわ。なのは。あなたは線条痕の照合作業の補佐を。少しでも良いから新しいネタを出して」
「は、はい」
フィリーは携帯情報端末を使ってエレオノール・シュバルスの交友関係を調べてみることにした
親しい人物がいないかどうか。過去の記録などを中心に
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中央パトロール本部庁舎 8階捜査部3係オフィススペース
ステラとマイアは市内で魔石燃料を濃縮できそうな施設をリストアップしていた
今は使われていない工場などを中心にである。そこから電力消費量などを比較して分析していた
魔力粒子の濃縮には多くの電力が必要になる。
急激な電力消費量増加した施設は港湾パトロール安全保障局などでもチェックしている
国内のあらゆる法執行機関でも同じである。急激な電力消費量の増加は危険な香りがするのだ
「なかなかヒットしないわね。自家発電でも使っているのかしら」
「なら燃料消費量から調べてみます」
マイアは市内の車の給油施設から大量の燃料購入者のリストを調べてみた
そう言ったリストも存在している。
燃料の大量消費は自家発電機を大量に動かして電力消費を賄っている可能性があるため、
これらも法執行機関はチェックしている
そのリストを照合していくとある場所で多量のドラム缶で燃料購入記録を見つけた
「ありました。南区西部イーストオキーチョビ地区にある給油施設で1週間で900リットルも軽油を購入しています」
「有力な線ね。誰が購入したかわかる」
「支払いは現金です。大量購入時に提出が義務付けられている購入用途は自家発電用の燃料補給です」
燃料を車の給油と異なりドラム缶などで購入する時は燃料の移送先の住所と名前などを申告しなければならない
もちろん給油施設は記録を取るだけなので本当にそうなのか確かめるすべはない
嘘を書かれていたとしてもそれを追求することはできない。だがIDの確認はできる
「住所は南区西部サウスオキーチョビ地区5番街8丁目7番地。建物は倉庫ですね」
ステラは衛星写真を用意することにした。熱感知モードで今のその住所の状況を確認することにした
もし濃縮中なら魔力波長が観測できるはず
「衛星からデータが来ました。魔力波長は確認できませんが。熱源は確認できます」
マイアの報告を受けてステラは即決した。
他の方法で検索するのはシステムに任せてとりあえず踏み込んでみることにした
「踏み込みましょう」
「わかりました。令状を手配します」
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