CSI:クラナガン   作:アイバユウ

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新暦76年4月1日午後05:00

午後05:00 中央パトロール本部庁舎 8階捜査部首席捜査官執務室

 

シエルはある1冊の報告書を見ていた

題名は『首都圏犯罪発生率に関連する報告書』と記載されていた

首都圏とはクラナガン市と北隣のマリネット州、南隣のラクロス州、西隣のフローレンス州。

さらに今回からベルカ州も首都圏に入ることになった

各州で起きている犯罪の概要などの報告が記載されている

 

「退役時空管理局員が起こす事件がかなり多くなっているわね」

 

誰もが金に困っているのだ。借金取りに追われて犯罪を得た金で返済をしているという実例も数多く確認されている

借金と言っても普通の貸金業者ではなく高利貸しから借り入れをお行っている連中も多い

そんな高利貸しは手段を問わないで返済するように求めてくる

たとえその資金の出所が犯罪によって得た金であってもお金には変わりはない

 

「とにかく退役時空管理局員の犯罪発生率のもの代は今度の会議で大きな議題になりそうね」

 

5月に通常行われる予定の『周辺連携警察会議』で大きな議題になることは間違いない

周辺連携警察会議はクラナガン市・スタントン州・マリネット州・ラクロス州・フローレンス州の

警察機構担当者が参加して行われる会議

近隣地域警察機構との連携捜査について協議するために設立された会議。基本的にクラナガン市で開催される

この会議で互いに情報交換をすることで連携をとれるようにするために多くの警察機構などの法執行機関が参加している

さらに同じ月には『ミッドチルダ連邦警察機構会議』がある

ミッドチルダ連邦内に設置されている、FBI・州警察・郡警察・市警察の担当者が出席して行われる会議。

情報交換のための場でもあるが、捜査の連携などを図りやすくするための会議である。

麻薬・銃器・犯罪等、さまざまなこと議題に話し合いが行われている。年に1度開催される。

 

「この資料が役に立つ会議が来月あるのよね。スケジュールが過密な会議だから大変だから誰か補佐を着けないと」

 

通常であればラジェットを連れていくが今は教導官をしている

さすがに対面上よろしくない。誰かベテランで顔が広い捜査官が求められる

 

「選定作業に入りましょう」

 

シエルはそう言うと誰を連れていくかいろいろと検討を始めた

 

 

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北区西部 ノースウエストクラナガン貨物ターミナル

 

コンウェイは今もノースウエストクラナガン貨物ターミナル内をドローンで上空から熱探知モードで調査していた

すでに2件ヒットしているのだから、さらにヒットする可能性が高い

問題敷地面積が広いということだ。ノースウエストクラナガン貨物ターミナルの広さは南北2km×東西3kmにもなる

多くの貨物コンテナなどの積み下ろしや貨車の連結や切り離しが行われる一大貨物ターミナルである

ただしクラナガン市内にある貨物ターミナルの中では小規模と評価されてしまうが

それでも数多くの貨車が出入りする

 

「本当に探すのは苦労する」

 

その後も貨物ターミナル内の貨車の熱源探知を行ったが人間サイズの熱源は確認されなかった

 

「これで作業は終了だ。俺は引き上げるとするか」

 

報告書をさっさと作成して帰宅するぞというと車で中央本部に戻ることにした

 

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東区中央部 中央パトロール東分署庁舎 6階組織犯罪課オフィス

 

「それで何か自供したの?」

 

カレンは東分署に到着すると取り調べの状況を確認した

しかし結果は固く口を閉ざしているとのことだ。上手く切り抜ける策があると思っているのか

それとも両親がまた助けてくれると思っているのか

 

「私が取り調べをするわ。21歳の長男を担当するから」

 

そう言うと取調室に入室した。フェイトはマジックミラー越しに確認していた

 

「あなたがコンビニ強盗をしたことを認めるつもりはあるの?」

 

「俺がしたという証拠はあるのか?」

 

「言っておくけど、黙秘権を行使しても刑務所行きは間違いないわよ。あなたの両親が犯罪を隠蔽していた事実はすでに分かっているから」

 

その言葉を受けて長男は表情を曇らせた

やはり両親に助けてもらえると思っていたようだ。だが今回はそう言うわけにはいかない

 

「あなたたちを救ってくれる人はいないわよ。あなたの両親は今は拘置所に収監されている」

 

おまけに時空管理局を退役しているから権力も持っていないのよと伝えた

すると表情をさらに変えた。明らかに焦りの顔を見せ始めた

今回の件ももみ消すことができると思っていたのだろう

 

「過去の犯罪についても再捜査の内容によってはあなたは懲役25年になるかもしれない」

 

「そんな!」

 

「冗談でも何でもないわよ。私たちは真実を探求することが仕事だからはっきり言うけど」

 

刑務所行きはほぼ確定かもしれないし、暮らしはかなり厳しいわよと伝えた

 

「・・・・・取引できないか?」

 

「何をネタにしてくれるかによるわ。私たちが興味を引くようなビッグなネタじゃないと不可能よ」

 

「両親は押収した麻薬の密売をしていた。俺もしていた。売り上げのほとんどはHRに流していた」

 

その証言にカレンは驚いた。子供が親を売るとは

ましてや時空管理局時代に両親が子供を使って密売をさせていたとは驚きのネタだ

 

「証拠はあるの?」

 

「拘束時に押収された携帯情報端末にすべてのデータが記録されている。万が一の保険のためにな」

 

カレンはそれが正しければあなたの司法取引を掛け合ってあげるわというと取調室を出た

 

「とんでもないネタが出てきたわね」

 

「はい」

 

フェイトはどこかショックを受けている表情だった

時空管理局の悪事が発覚したのだから当然と言えば当然である

 

「フェイト。こんなことで気を落としていたらだめよ。捜査には全力で取り組まないといけないのだから」

 

「わかっていますが。どうしても」

 

フェイトは自分が少し前まで所属していた組織の腐敗状況を知ってかなりショックを受けていた

 

「とにかく、彼の携帯情報端末を調べましょう。内容が楽しみになってきたわ」

 

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西区中央部 中央パトロール西分署ラボ棟 3階銃器刃物ラボ

 

フィリーによって公開されたエレオノール・シュバルスの民間への公開情報を受けて多くの情報が入ってきていた

どこで見かけたかなどの情報が様々だ。包囲網がかなり狭まっていることは間違いない

 

「逃げることはほぼ無理ね。懸賞金でもかけてやったらもっと情報が集まるんだけど」

 

そこまではやりすぎよねとフィリーは話した。

重大犯罪の場合、犯人を逮捕した民間人や逮捕に貢献した情報提供者に懸賞金を提供する制度がある

しかしそれにはよほどの重大事件でなければならないと規定されている

今回はそれには該当しないであろうことはわかっている

だから公開指名手配に限定しているのだ。

 

『中央本部からSA13へ。エレオノール・シュバルスの拘束に成功。偽造IDで長距離バスのチケットを買うところで』

 

「場所は?」

 

『西区中央部のウエストセントラルバスセンターです。これから西分署に連行する』

 

「了解。自殺阻止のために警戒しておいて」

 

もちろんですというと無線交信は終了した

 

「見つかったんですか?」

 

なのはの質問にそのようねと言った

 

「公開手配はかなり効果があるんですね」

 

「市内いるすべての人が、いつ通報するかわからないから犯人にとっては身動きがとりにくい」

 

証拠さえあれば公開捜査に踏み切ることは簡単よと言うと、

フィリーは1年前の宝石店強盗事件の資料をダウンロードしてプリントアウト

それをもって西分署庁舎に向かうことにした

 

「なのは。一緒に来て」

 

「はい!」

 

フィリーは後は頼むわというと銃器刃物ラボをなのはと一緒に出ていった

 

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南区西部サウスオキーチョビ地区5番街8丁目7番地 倉庫

 

ステラとマイアは現場鑑識の真っ最中だった

魔石燃料濃縮装置などの出所を調べればさらにブラックマーケットを暴けるかもしれないからだ

濃縮装置は簡単に手に入らない。あらゆる法執行機関がそう言ったものの流通を監督しているからだ

それだけに少しでもおかしなことがあれば取引を中止にすることができる

今回はそれすらもなかった。ブラックマーケットで濃縮装置が売買されていたら大変である

大至急回収しなければならない。それだけは間違いない

 

「魔力粒子の純度が40%まで濃縮するなんてなかなかね」

 

ステラは腕はかなりいいみたいと言った。

魔石燃料は核燃料と異なり放射線などの環境汚染になるものを出さないクリーンなエネルギー源である

今はAMF装置の流通でそうでもなくなっているが。

それに魔力精製炉発電所で利用された後の使用済み魔石燃料も、核燃料と異なり放射能汚染などの心配はない

使用済み魔石燃料は完全に反応した部分はただの石になる。

ただ一部はまだ反応していないところがあるため再処理工場で未反応魔石燃料を抜き出して再度燃料に加工

そして再び魔力精製炉発電所で利用される。2回目の利用でほぼすべての魔力粒子は失われる。

あとは完全に魔力粒子がなくなったただの石を埋め立て地に埋設するだけである

ちなみに一般的な魔力精製炉発電所で使用される魔石燃料の魔力粒子の濃縮率は20%以下である

兵器級にするには50%以上の濃縮が必要になる。40%の濃縮ということはかなり危険ということだ

これはしっかりと危険物処理チームによって魔石燃料加工工場に移して低濃縮にさせる必要がある

 

「腕はいいですね。私たちの突入がなかったらどうなっていたことか」

 

「間違いなくクラナガン市が消えていたかもしれないわね。踏み込んで大正解。報告書は面倒だけど」

 

「マイア。FBIが来るまでに現場鑑識を終わらせましょう。この事件は連邦法に該当するから彼らの管轄よ」

 

了解ですというとマイアはできるだけ急いで現場写真の撮影や指紋採取などを行っていた

 

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