Lupln the third × Lycoris Recoil 〜泥棒と彼岸花と謎の壺〜   作:VOSE

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Episode8〜地下で潜む者たち〜

…自分を下水道に引き入れたのが、国立博物館で戦った敵であることを知った次元は、驚きを隠さなかった。

 

「お前…何でここにいる!」

「私はただの通りすがりの一般人。困ってたから助けただけです」

「通りすがりの一般人ね…こんな下水道に入るのも一般だってことか?」

「ノーコメントで」

「けっ、そうかよ…」

 

次元はゆっくりと立ち上がる。

 

「それで…目的は何だ」

「目的?」

「あぁ…何の目的で近づいた」

「目的…そうですね…あるとするならば…あなたについていきたいということでしょうか」

「はぁ!?」

 

いつも硬派を決めている次元でも、たきなからの告白に声を上げてしまった。

 

「お前…今何と言ったんだ…」

「ですから、あなたについていきたいと…」

「冗談だろ?リコリスのお前が、昨日戦って負かされた相手についていくなんてよ…」

「冗談ではありません。私はあなたの元で修行をしたいんです」

「修行だと?」

「はい。あの時私には冷静さを欠いていました…千束を撃たれて、気が動転して…そして貴方に銃を撃たれて、絶望したんです。この人には勝てないと…」

「…」

「それでも、あなたの腕を見て確信しました。あなたの元で修行すれば、千束やみんなを守れるって。あなたの腕と、その冷静さを会得出来れば…」

「…はぁ…」

 

たきなの話を聞いた次元は、深いため息をついた。

 

「…さっきも言ったがお前はリコリスだろ?こんなコソ泥の俺らといちゃまずいだろ」

「それは心配ありません。私、リコリスじゃないので」

「ん?リコリスじゃないだと?」

「えぇ。だから私はこうしてあなたと話に来たんです」

「リコリスを抜けたという証拠でもあるのか?」

「ないですが、私は今銃を持ってます。これを彼女たちに見られれば即射殺でしょう。そしてあなたと一緒に行動しているということでも、彼女達は容赦しないはずです」

 

たきなは次元に見せるように、自分の銃を取り出した。

 

「…はぁ…ついてくるなら勝手についてこい」

「ありがとうございます」

 

こうしてたきなは次元と共に行動をすることになった。

 

「…それで今からどこへ向かうのですか?」

 

たきなは早速次元に尋ねた。

 

「わからねえ。とりあえず遠くへ行かなきゃ行けねえんだ」

「遠くへですか?」

「あぁ…ルパンと博多で合流することになってるんだ。それまでの手段をどうにか考えないとな…」

「なるほど…それでは、新幹線で向かいますか?」

「そうしたいのも山々だが、いかんせんここは監視社会と化した日本だ。軽々と公共交通機関を使いたくない」

「それは、DAが目を光らせているからでしょうか」

「あぁ。そしてたちまちお前の仲間に捕まっちまうからな」

「…そうですね」

 

未だ信用しきれていない次元に対して、たきなはそれに同意するしかなかった。

 

「…そういや…ここは確か…」

 

ふと、次元が足を止めた。

何かを思い出したらしい。

 

「どうしたのですか?」

「…この近くに、俺の知り合いがいるんだ。凄腕の技術屋でな。そいつにちと頼もうかなと思ってる」

「何をですか?」

「それは秘密だ」

 

次元はどこにいるかわからなくなりそうな下水道の道を、まるで覚えているかのようにひたすら歩いて行く。

そしてたどり着いたのは一つの扉の前だった。

 

「お前はここで見張りをしていろ。俺だけ中に入る」

「わかりました」

 

次元はたきなにそう伝えたあと、次元だけ扉の中に入っていった。

その扉の中にはもう一つ扉があり、その周りにはカメラが4台、扉の横の壁にはマイクがあった。

 

「おい、聞こえてるか、爺さん」

 

次元がマイクに向かって話しかけると…

 

「んぁ?誰だ?」

 

どこにあるかわからないスピーカーから声が聞こえてきた。

 

「俺だよ」

「んぁ?次元かぁ?久しぶりだなぁ」

「あんたも相変わらずだ…ちと中に入りたいんだが、いいか?」

「いいぞぉ」

 

少しの会話を挟んだあと、扉からピーと音が鳴り、鍵を解除した音が聞こえた。

その扉の先には、怪しげな器具が置かれているラボがあった。

そのラボは吹き抜けの2階建て構造になっており、先ほどの声の主は2階でゴソゴソと何かをいじっていた。

 

「おい、平賀の親父。元気だったか?」

「あぁ、元気だぞぉ」

 

間延びした独特な喋りをした男…平賀は次元を見て嬉しそうにした。

 

「それでぇ、次元は今回は何用なんだぁ?」

「ちと作って欲しいもんがあってな…」

「どんなもんだぁ?」

 

次元は平賀に作ってもらいたいものの概要を伝えた。

次元から概要を聞いた平賀は、少し顔を曇らせた。

 

「そいつはルパンが考えたものかぁ?」

「その通りだが、出来るか?」

「出来ないことはないがなぁ…ただ、期待はできないぞぉ」

「そんなの、はなっから期待はしてねぇ」

「そりゃそうかぁ。んじゃ、作るとする…」

 

平賀が早速作業に取り掛かろうとしたその時だ。

突如、ラボ中に警告音が鳴り始めた。

 

「ん?なんだ?」

「んぁ?侵入者かぁ?」

 

 

平賀はすぐに外の様子を見るべくモニターを覗いた。

そのモニターに映し出されていたのは、たきなとリコリスが交戦している様子であった。

 

「…」

「よぉ、次元。こいつぁまずいぞぉ」

「だろうな…そういえばあんたも、DAに追われている身だったな」

「そうだぁ。ここがばれちまえば、俺は死ぬしかなくなるなぁ」

「はぁ…仕方ねえ」

 

次元はため息を吐きながら1階は降りた。

 

「そういやぁ次元よ」

 

外へ出て行こうとした次元を、平賀は呼び止めた。

 

「何だ」

「ここに映ってる黒の髪の子、おまえさんの新しい相方なのかぁい?」

 

平賀はモニターを次元に見せ、たきなに指をトントンと置いた。

 

「…俺が女嫌いなのは知ってるだろ?」

「それにしちゃ、随分とべっぴんな子をひきつれてるじゃないかぁ」

「勝手についてきてるだけだ」

「それなら何で助けに行くのかぁい?」

「このまま死なれちまったら、幽霊にでもなって俺を襲ってきそうだからな」

 

次元はそう呟くなり、扉を開けてその向こう側へ消えていったのだった…

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