Lupln the third × Lycoris Recoil 〜泥棒と彼岸花と謎の壺〜 作:VOSE
…日本のとある場所…
山々に囲まれた場所に佇む山小屋…
どこから入れるのかわからないような山小屋に1人の男がドアを蹴破って入ってきた。
「ふぅ…ようやく落ち着けるぜ…」
ルパン三世である。
まるで蜘蛛の巣のように包囲網を張ったリコリスの追跡から免れたルパンは、ルパン一味以外知らないようなアジトにようやく着いたのである。
時刻は既に午前0時を回ろうとしていた頃だ。
「ったく…不二子から金をたっぷりもらわねぇと気が済まねぇや…」
ルパンはグチグチと文句を言っていると…
「あら?誰からお金をもらわないとって?」
後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
不二子である。
「あぁら、不二子ちゃん!いやぁ、今のはちょっと口が滑ったというか…」
「まぁいいわ。ちゃんと持ってきてくれたのよね?」
「もぉちろん!」
先ほどの陰湿な感じとは打って変わって、かなり上機嫌になるルパンは早速不二子に盗んできた『石蒜壺』を見せる。
「これがあの…」
不二子はその壺を目の当たりにして、目をキラキラと輝かせていた。
「あぁ、これが不二子ちゃんのお望みの『石蒜壺』よ。いやぁ、盗ってくるのに苦労したんだぜぇ?だから、俺の望みも叶えて…グフフ…」
ルパンは早速不二子に襲い掛かろうと手をいやらしく動かしながら近づいた。
「ダメよ。『不老不死の薬』のありかを見つけなきゃ。そのためにわざわざ
「専門の人?」
不二子の言葉に、ルパンが引っ掛かりを感じたその時だ。
「そこまでだ」
ふと、後ろから男の声が聞こえた。
ルパンがゆっくりと振り向くと、軍服姿の男が拳銃を向けて立っていた。
そしてルパンはゆっくりと手を上げる。
「おいおい…ここは日本だぜ?拳銃なんてそんな物騒な物を持ってたらすぐにDAに捕まっちまうぞ?」
「拳銃を使って盗みを働いたお前が言っても説得力はない。それに、俺は合法的に銃を持ってるだけだ」
「合法ね…てことは、アンタは
「御名答。君ならぜひ首尾よく取ってきてくれると信じてたよ」
「…なるほどね、不二子ちゃん」
ルパンはチラリと不二子の方を見た。
「あら、勘違いしないで欲しいわね。私は『不老不死の薬』のありかが欲しいだけ。それと合わせてお金も欲しかったから、手を組んだだけよ」
「おうおう、やはり不二子ちゃんは欲深いだとのこと」
不二子は壺を手に取り、男の元へ歩いた。
「ガレス。お目当てのものよ」
「うむ、よくやった」
ガレスと呼ばれた男は、不二子から『石蒜壺』を受け取る。
「ガレスねぇ…ちぃと、聞いていいか?」
ルパンは手を上げたまま、ガレスに質問した。
「なんだ?」
「そいつぁ、江戸幕府の時に徳川に献上された
ルパンがわざと挑発するように言うと、ガレスはふんと半笑いした。
「言葉をもう少し慎めよ?ルパン三世。俺はとても気が短いんだ」
「生憎、俺もそこまで気が長い方じゃねぇんだ。そろそろここから離れてくれねえと、DAがここを感知して襲ってくるぜ?」
「そんなの問題ないことは、お前が知ってるだろ?」
「俺には問題だらけなんだがな…ま、さっきの質問をしたところで、アメリカ軍がペラペラと喋るなんて思ってねぇし、ここらでずらかないとな」
ルパンはそう言うと、隠し持っていた煙玉を指の間から見せた。
「っ!?離れろ!」
ガレスは不二子を庇うようにアジトから出た。
その直後にルパンは煙玉を地面に叩きつけて煙を起こして脱走した。
「けほっ…けほっ…大丈夫?ガレス」
ルパンがいなくなった後のアジトに、不二子とガレスだけが残された。
不二子はガレスの心配をして駆け寄る。
「あぁ、問題ない。とりあえず一つ目の目的は達成された。一旦帰るぞ」
「そうね…それより」
不二子は気になることがあるみたいで、ふとガレスに尋ねた。
「さっきルパンが言ってたけれど…その『石蒜壺』って、徳川家に献上された壺よね?」
「建前上はな」
「建前?それじゃ本当は?」
「これはとあるロシアの科学者がとある秘密の情報を隠すために作り出した壺だ。ロシア政府はその科学者が作り出した情報が不都合だったのかすぐ消し去ろうと企んだらしいが、ロシアの科学者は大層な親日家で、その壺を日本に持っていき展示するように頼み込んだようだ」
「あら、わざわざ人目に晒すようなことをしたの?」
「それが逆に好都合というわけだな。博物館で展示されれば、我々アメリカ政府を下手に手を出すことができないし、この国はDAという治安組織によって守られているから下手な盗みも出来ない」
「だから私を使ってルパンに盗ませたってこと?」
「そうするしかなかったからね。ただあながち『不老不死の薬』も間違いではない。その科学者は遺伝子分野でも活躍したらしいからね」
「そうなの…それじゃ、その『不老不死の薬』に期待するしかないわね」
不二子とガレスは壺にまつわる噂を笑いながら話し、その場を離れた。
そして静かになったアジト…の床から、ゴトッと音が聞こえる。
そして、床が不意に開き、中からルパンが現れる。
「ふぅ…ようやく出られたぜ…」
先ほどの煙で床下に急いで流れてたルパンは、先ほどの不二子とガレスの会話を聞いていた。
「『不老不死の薬』…ね」
ルパンは耳をほじくりながら、目の前にあった椅子に座る。
「…さて、本当にそいつは
ルパンは1人、タバコに火をつけて吸ったのだった…