Lupln the third × Lycoris Recoil 〜泥棒と彼岸花と謎の壺〜 作:VOSE
「…偽物?」
たきなはガレスに言われたことがわからず、思わず次元の顔を見上げた。
「そうだ。ルパンの持っていた壺は偽物だった。それじゃ本物は誰が持っているか。答えは…すぐに出た」
ガレスは手を挙げる。
それに応じて手下が銃を次元に構える。
「…さて、なんのことか」
「とぼけるな。お前が背負っているそのケースはなんだ」
ガレスは次元の持っているカバンに目線を送った。
「さぁな」
「あのルパン三世のことだ。たとえあいつのお気に入りの峰不二子を使っても、保険をかけると思うからな」
「はぁ…やはりか…」
不二子の名前が出るや否や、次元はやはりと言わんばかりにため息を吐く。
「さてと…早く渡してもらえないかな」
ガレスは手を差し出して、壺を渡すように言う。
それに対して次元は…
「…断る」
そう言うと同時に、腰にぶら下げていたコンバットマグナムを取り出して撃ち始めた。
次元の銃弾はガレスの手下の何人かに当たる。
その銃声が戦いの合図であった。
次元とたきなはまたすぐに物陰に隠れ…
「
ガレスは手下に命令を出して発砲許可を出した。
手下はすぐに発砲し、次元もたきなを殺さんと銃弾の雨を降らせた。
「おい!お前!」
次元はたきなに大声でかけた。
「なんですか!?」
「早くここから逃げろ!あいつらの狙いは俺だけだ!こんなところで死ぬわけにはいかねえだろ!?」
次元はたきなをここから助けようと声をかけたのである。
しかし、たきなは…
「逃げません!」
たきなは戦うことを選んだ。
「なんでだ!」
「このまま引き下がるわけにはいかないですから!あなたの下で修行をしたいから!」
「そんなこと言ったって、俺以外にも銃の達人は…」
「あなただけしか考えられないからです!あの負けた日から!私は!あなたを目指したいんです!」
たきなは次元と共に行動したいと、頑なに次元の言葉を拒んだ。
そして次元は、たきなの最後に放った言葉を聞いて少し考えた後…
「…おい、お前!名前はなんだ!?」
次元はたきなに名前を尋ねた。
「井ノ上たきなです!」
「んじゃ、たきな!この場を切り抜けるぞ!」
「はい!」
次元はようやくたきなの名前を叫び、2人はお互いにガレスから逃れるために協力することにした。
しばらくして銃声が一瞬鳴り止んだので、2人は同時に顔を出して銃弾をガレスの部下に浴びせた。
何人か倒れた後、また銃弾が飛んできて2人は物陰に隠れる。
「…こいつぁなかなか大変だなぁ…」
「そうですね…そのままじゃ、2人とも倒れそうです」
次元とたきなは消耗戦になることに冷や汗をかき始めてきた。
「ったく…だから早くこの場から離れろと…」
「それでも私は決めたので」
「そうかよ」
また銃声が止んだ。
2人は再びガレスの部下を撃とうと顔を出した。
しかし、2人は攻撃をする間もなく驚きの光景を目の当たりにした。
誰かがガレスの部隊に割り込んで部下を倒していったのだ。
その影は、かなり俊敏な動きで翻弄させた後、次元とたきながいる物陰の上に来た。
その正体は…
「やっほー、たきな!」
病院で寝ていたはずの千束である。
「千束!?なんでここに!?」
「たきなが心配だから来ちゃった」
「心配じゃないですよ!千束、あなたは…」
「おっと、喧嘩するのはあとにしよっ」
千束はその次元とたきなの間に入り、銃を再び取り出した。
「ここから逃げ出すんでしょ?私も合流するから、早く切り抜けよ」
千束は相変わらずの調子で話す。
「おい待て!合流ってどういうことだ!」
「どうって、私も一緒に行くってこと」
「あのなぁ…お前もリコリスだろうが…こんなとこにいちゃ…」
「あ、私も抜けたから。DA」
「はぁ!?」
千束の衝撃発言に、次元もたきなの声が被る。
「楠木さんに啖呵切って来たんだもん。私も同類だからさ」
「千束…あなたって人は…」
「ったく…これ以上警戒を重くされたらたまったもんじゃねぇぞ…」
「大丈夫、大丈夫。私は
「はぁ…もう、勝手にしろ!」
次元は投げやりになり、ガレスの部下を倒していった。
「だから、この後もよろしくね、たきな」
「もう…」
突然の千束の合流に戸惑いを見せていたたきなだったが、次第に表情が明るくなっていった。
「こうなったら、2人で…いや、3人でこの場を切り抜けましょう」
「そうだね!」
そして千束とたきなも次元に続いて撃ち始めた。
最初は千束も加わったことできつい状況を乗り越えていた次元たちだったが、ガレスの部下の数が圧倒的に多すぎたため、またすぐに劣勢に陥った。
「ちくしょう…このままじゃ本当に埒が開かないぞ…」
「焼け石に水だったかなぁ…」
「口を動かす前に手を動かしてください」
「けっ…女の子にそんなこと言われる日が来るなんてな…」
あまりにも劣勢な状態にいよいよまずいと思った3人。
「こうなったら…たきな。それと千束と言ったか。このバッグを持ってトンネルの中に入れ」
次元は持っていたバッグをたきなに預けようと考えた。
「なんでですか」
「その方が切り抜けられると思ったからよ。何、俺も修羅場は何度も潜り抜けてる。こういう状況なんてのは慣れてる」
「それを言うなら私もです」
「もちろん、私も!」
「何を言ってるんだ…全員共倒れしたらこれを預ける奴がいなくなっちまうだろうが」
「負けませんよ、私たちは」
「そうそう。なんだって、私たちリコリス上がりだから」
次元の提案を、たきなと千束は自信満々に退ける。
「ったくよ…なら、切り抜けるとするか」
そうして次元が再び銃を構えたその時だった。
一つの影が3人の上を飛び越えた。
「キェェェェ!」
その影が気合いの声を出すと、何かを切った。
そしてカチャンと音が鳴ると、厳重な扉がガコンと音を鳴らして崩れた。
その影の正体は…
「…またつまらぬものを切ってしまった」
「五ェ門!」
ルパン一味の1人、日本で修行していたはずの石川五ェ門だった。
「なんでお前がここに…」
突然の五ェ門の登場に、次元は目を丸くしながら尋ねた。
「ルパンに頼まれてな」
「ルパン?それじゃ…」
次元がもしやと思ったその時だ。
どこからか車のエンジンの音が聞こえてきたのだ。
「なんだ?」
ガレスは突然聞こえてきたエンジン音の方を見る。
すると、車のライトが見え、それがガレスと次元たちの方へと向かってきていたのだ。
「伏せろ!」
ガレスの呼び声と共に部下たちは頭を下げる。
そして車はやがて、ガレスたちの頭上を通り過ぎ、次元たちの前に止まった。
フィアット・500…その車の中から、聞き慣れた声が聞こえてきた。
「よぉ、次元。待たせたか?」
ルパン三世である…