Lupln the third × Lycoris Recoil 〜泥棒と彼岸花と謎の壺〜   作:VOSE

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Episode16〜前略、フランスにて〜

…車で日本を脱してからおよそ1週間…

ルパン、千束たち5人は、現在フランスにいた…

 

「うぉぉ!凱旋門だぁ!」

 

千束とたきなは現在、パリで観光をしている。

 

「全く…なんで私たちは観光なんか…」

「いいじゃん!ルパンだって、準備があるからしばらく観光してても問題ないって!」

「だからと言って、完全にオフモードになったら…」

「もう、たきなったら堅苦しいんだからぁ!ほら、次はエッフェル塔に行くよ!」

「はいはい、わかりましたよ」

 

完全にパリを満喫している千束に、たきなは完全に振り回されていた。

 

「うほぉ!エッフェル塔!エッフェル塔だよ!」

「そうですね…エッフェル塔は確か、パリ万博に合わせて作られた鉄塔で、1930年までは世界一の建物として…」

「あぁ、もう!そんな堅苦しいのはいらないから!ほら、登るよ!」

「え、あ、ちょっと!」

 

千束にいきなり手を引かれて、たきなは慌てながらも観光を満喫していた。

2人はエレベーターで展望台へ登り、そしてパリの眺めを堪能してから地上へ戻った。

 

「いやぁ、綺麗だったね!」

「はい。こんな景色が見られるなんて、夢にも思ってませんでしたから」

「ルパン様々だね」

 

と、2人がご機嫌なところへ…

 

「お?俺様の名前呼んだか?」

 

後ろからルパンが現れた。

 

「ルパン!」

「いつの間に…」

「へへ、お迎えに上がったぜ、お嬢様たち」

 

ルパンの後ろには、フィアット・500がアイドリング状態で待機しており、中では次元がタバコを吸いながら待っていた。

 

「お迎え…ということは、準備ができたということでしょうか?」

「そういうことだ。さ、乗ってくれ」

 

ルパンに唆される形で2人は車に乗り込んだ。

そしてルパンは勢いよく車を走らせた。

ルパンと千束たち一行はパリ市内から抜け出し、郊外へと向かった。

 

「そういえば五ェ門さんは?」

「あいつは今護衛に行ってもらってる」

「護衛ですか?」

 

ルパンの言葉に、たきなが尋ねる

 

「あぁ。俺の仲間のな」

「仲間…他にもいるんですか?」

「まぁ、一時期だけどな。腕のいいやつがいるんだ」

「そうなんですね。どんな人なんですか?」

「お前らと同じくらいの子だ。ただ侮れないやつだぞ」

 

車はのどかな田園の中を駆けていく。

しばらくして、車はとある家の前に止まった。

家の前には五ェ門が座って待っていた。

 

「よぉ、五ェ門。アミはいるか?」

「中ですでに待っている」

「オーケー!んじゃ、入るか」

 

ルパンに引き連れられ、千束とたきなが家の中に入った。

次元はその後に続く。

ルパンたちは入り組んだ家の中を歩いて行き、地下へと入って行き、とある扉の前に着いた。

ルパンがその扉を開けると、中には無数のモニターが煌々とついており、そのモニターの下でカタカタと作業をしている人がいた。

 

「アミ。来たぜ」

 

ルパンが作業をしている人に声をかけると、その人が手を止めてルパンの方へ振り向いた。

赤い髪をした女の子だった。

年は千束とたきなと同じくくらいに見える。

 

「ルパン、お久しぶり」

 

アミと呼ばれた女の子は、ルパンを見るなり優しい微笑みを浮かべながらトコトコと駆け寄った。

 

「あぁ。元気にしてたか?」

「えぇ」

「父親とは上手くいってるか?」

「連絡取り合ってるくらいには」

「そうか、それはよかった」

 

ルパンとアミの2人で談笑し終わった後、アミはふと、ルパンの後ろにいる千束とたきなを見て少し不機嫌な顔になった。

 

「…また女を作ったの?ルパン」

「いやいやいや、こいつらは俺より次元の方だ」

「次元に?なら大丈夫そう…」

 

アミはほっと胸を撫で下ろした。

その様子を見た千束とたきなは首を傾げる。

 

「んじゃ、紹介と預かりますか…こいつはアミ・エナン。凄腕のハッカーで、ちょっと前にその腕に救われたことがある。腕は本当に保証するぜ」

「アミ・エナンです。ハッカーをバラしてもいいのなら、私は『アンダーワールド』という名前で活躍してた。今はもうやめてたけど、今回ルパンの頼みで協力させてもらうわ。よろしくね」

「私、錦木千束というの!よろしくね!アミちゃん!」

「井ノ上たきなと言います。よろしくお願いします」

 

お互い自己紹介を終えたところで、千束がふと思ったことを話し始めた。

 

「ハッカーということは…もしかしてクルミと同業者だったりして…」

「クルミ?」

「えぇ、私たちの仲間にもハッカーがいまして…ハンドルネームが『ウォールナット』なのですが…」

「ウォールナット!?嘘でしょ…」

 

たきなが仲間のクルミ…もとい凄腕ハッカーの『ウォールナット』の名前を出した瞬間、アミは凄く苦い顔をした。

 

「知り合いなのですか?」

「知り合いも何も…私、昔『ウォールナット』にコテンパンにされたことがあって…それ以来苦手にしているハッカーなのよ…」

「そうなの!?じゃあ、この話は無しで…」

「ごめんなさい…そんなことがあったのを知らないで…」

「気にしないで。これは私の中の話だから…」

 

3人のやり取りを、壁に寄りかかりながら、まるで親のように見ていた次元は…

 

「…なんか、仲良くなれそうだな…」

 

と、小さく呟いた。

 

「ん?次元どうした?」

 

次元の隣で同じように寄りかかっていたルパンが声をかける。

 

「いや、なんでもねぇ」

「なんだなんだ?情でも沸いたのか?」

「ぬかせ…外の空気吸ってくる」

 

次元は居心地悪そうに言うと、部屋から出ていった。

 

「…さて、アミ」

 

ルパンはそんな次元を見送ったあと、壁から立ち上がって3人の会話に入っていった。

 

「ちぃっとこいつをお前の力で見てもらいたいんだが」

 

ルパンはそう言うと、いつのまにか置かれていたバッグからとあるものを取り出した。

『石蒜壺』である。

 

「それは…!」

 

千束とたきながその壺を見て目を丸くした。

 

「ルパン、これは?」

「『石蒜壺』ってやつだ」

 

ルパンはこの壺にまつわる話を一通りアミに話したあと、アミはとある質問をルパンにぶつける。

 

「なるほどね…でもそれならハッカーの私の力なんて必要かしら?」

 

至極当たり前な質問に、ルパンは待っていたかのように答える。

 

「確かにこれが()()の壺ならアミの力を借りずとも謎を解明してただろうが、いかんせんこの壺は特殊な暗号をありとあらゆるところに織り交ぜて作られてるようでな…釉薬の構造、色の濃淡、果ては壺の細かな凸凹までな…んで、それをこっちで一応解析をしてみたが皆目検討のつかない暗号ばかりでな…」

「それで私にお願いしてきたってわけね」

「そういうこと」

 

ルパンの説明に、アミは合点がいった。

 

「お願いできるか?」

「やれるだけやってみるよ」

 

こうしてルパンが盗み出した『石蒜壺』は、アミに預けられ鑑定することになったのだった…

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