Lupln the third × Lycoris Recoil 〜泥棒と彼岸花と謎の壺〜 作:VOSE
…アミが『石蒜壺』を鑑定している間、たきなはとある人の元へと向かった。
外でタバコを吸っている次元である。
「…隣いいですか?」
たきなは恐る恐る次元に聞く。
次元は返答しないものの、半歩横にズレた。
「ありがとうございます」
たきなは次元の隣に来た。
「…あなたとルパンって、本当に不思議ですよね」
たきなは徐に口を開く。
「お互い利害関係の元で成り立っていると言ってるはずなのに、お互いに信頼し合ってる。その信頼って、どこから来ているんですか?」
「…さぁな…危険な状況を幾度となく共に過ごしていればそうなっただろうな」
「そうですか…私はそうは思いませんけど」
たきなの言葉に、次元のタバコが揺れる。
「…ここまで一緒に行動してわかりました。あなた方は強い絆で繋がっているのだと…お互いのことを熟知しあって、どんなに危機的な状態に陥っても、背中を預けられるような、そんな大切な仲間なんだなって…それに比べて私は…」
「…はぁ」
次元は聞いていられないと言わんばかりに吸ったタバコを地面に落とし、踏んで火を消した。
「俺からしたら、お前らも立派な絆で繋がってるじゃねぇか」
「え?」
次元の愚痴に、たきなは素っ頓狂な声を上げた。
「あのトンネルでの事件で思い知らされたぜ。なんせ1番強いと言われているリコリスが、わざわざ親元を抜け出して、そして敵になろうとも自分の信じた仲間のために駆けつけてくるなんてよ」
「それは…千束はああいう人だから…」
「それは俺の知ってるルパンも一緒だ。お互い敵になろうとも、あいつは俺を信じてくれた。それと何が変わらねえんだ」
「…次元…」
「絆だけを強さと見るなら、俺らよりお前らの方が強いに決まってる。お前が欲しいのは『守れる力』だろ。そこを勘違いするな」
「…そうですね…私はそのためについてきたのですから…」
「だが、お前はすでにその力手に入れてるだろ」
「え、それはどういう…」
「そこは頭の運動だ」
次元はそう言うと、歩き出し始めた。
それと同時に人差し指をくいっと動かす。
たきなはそれを見て次元の後についていった。
2人が向かった先はとある広々とした地下室。
アミが作業している場所とは離れたところにあった。
部屋の中は木箱やらドラム缶やらが乱雑に置かれている。
「ここは?」
「特訓場だ。俺とルパンでたまに撃ち合ってる」
「どうしてここへ?」
「そんなもの決まってるだろ」
次元はそう言うと、腰からコンバットマグナムを取り出した。
そしてその銃口をたきなに向けた。
「…そういうことですか」
たきなも隠し持っていた銃を取り出し、次元から数歩バックステップで距離をとった。
「今ドンパチするつもりはねぇよ。あれを見ろ」
次元が指をとある方へ向けた。
たきなはその指の先を見ると、一台のマネキンが置かれていた。
「俺はあいつを狙うために近づく。お前はそんな俺を阻止しろ。やり方はどうとでも構わない」
「もし失敗したら?」
「お前の相棒が消えるだけだ。なぁ、ルパン」
次元がそう言うと、ポケットからトランシーバーを取り出した。
そのトランシーバーから…
「あぁ、バッチリだぜ」
と、ルパンの声が聞こえる。
さらにその先から…
「ねぇねぇ!これすごく美味しいんだけど!」
と、千束の声も聞こえてきた。
「っ!?」
たきなは目を見開いて次元の方を見た。
「…何ぼさっとしてる。俺は今から歩くぞ」
次元は一歩、マネキンの方へと歩き出した。
たきなはすぐに次元に向けて発砲する。
次元はその銃弾をすぐに避け、すぐに反撃する。
「くっ…」
反撃することを想定していなかったたきなだったが、たきなもまた銃弾をすんでのところでかわして木箱の裏に隠れた。
(次元は…今どこに!?)
たきなが顔を少し出して周囲を確認した。
次元は先ほどの場所から少し離れたところで隠れている。
「どうしてそこにいるんですか!?」
「ハンデだ!」
次元はそう叫ぶと、すぐさまたきなに向けて撃つ。
たきなもそれに反撃するため撃ち始める。
最初は互いに一歩も動かずに撃ち合いをし始めたが、しばらくして次元の方から銃声が聞こえなくなった。
そのかわりにどこかへ向かう足音が聞こえた。
「逃がさない!」
たきなはすぐに次元の後を追っていく。
しばらく走ったところでたきなは周囲を見る。
すると次元がマネキンの方へ歩いていくのが見えた。
「動かないで!」
たきなが叫ぶと、次元は足を止める。
そしてすぐに次元は木箱の影に隠れた。
「また隠れるんですか…!」
たきなはすぐに次元との距離を縮めようと、おそらくいると思う場所へと向かった。
そして、その場所へと着いた…が、そこには誰もいなかった。
「え!?」
たきなは混乱したが、すぐに後ろから気配を感じて振り向いた。
後ろにはすぐに次元が銃口をたきなに向けていた。
たきなも次元に向けて銃口を向ける。
次元はそれをすぐに察して咄嗟に隠れた。
たきなはすぐに体勢を構え直し、次元がいたところへ向かう。
案の定、次元はその場にはいなかったが、たきなは埃でついた足あとに気がつき、忍び足でその足跡をたどった。
しばらく歩いたところで、足跡が消えたことを確認してすぐに周囲を確認した。
(どこに行った…!?)
たきなはすぐに周囲を確認した。
そして、頭上から殺気を感じてふと、その方を見た。
次元が木箱の上で銃を向けていた。
たきなも銃口を次元に向けた。
「…やはり、何も変わってないな」
次元がふと言葉をこぼす。
「…どういうことですか」
「周りが見えてねえってことだ。ここからなら、俺は狙える」
次元はそう言うと、銃口を横に向けた。
その銃口の先にはマネキン…
「…チェックメイトだ」
次元は勝ったと言わんばかりに不敵な笑みを浮かべた。
しかし、たきなは表情を崩さなかった。
「…果たしてそうでしょうか?」
たきなはそう言うと、銃口を少し下に傾けて発砲した。
すると、次元の下にあった木箱がたちまち蜂の巣のようになり崩れた。
「おわっ!?」
次元は驚き、木箱から降りようとするも時すでに遅し。
木箱が崩れたと同時に次元も真っ逆さまに落ち、次元は尻餅をついた。
「いてて…」
次元がふと顔を上げると…目の前にたきながいた。
そして銃口を、ゼロミリで次元の眉間に置く。
「チェックメイトです」