Lupln the third × Lycoris Recoil 〜泥棒と彼岸花と謎の壺〜 作:VOSE
…ここはとある場所…
数多くのオペレーターがカタカタとパソコンを叩きながら目の前のモニターと格闘していた。
そのオペレーターたちを見下ろすような場所から1人、見守るように座る1人の女性…
「こちら銀行強盗未遂、ターゲット4名排除。ミッションクリア」
「こちら爆破未遂、ターゲット1名排除。現物は爆破前に回収。解除に成功。ミッションクリア」
「双方了解。よくやったと伝えてくれ」
彼女はオペレーターからの連絡に冷静に答えた。
彼女の名は楠木…『DA』と呼ばれる治安維持組織であり、公的機密組織のトップである。
「…今日も何事もなく終わりそうだな」
「はい」
楠木は後ろにいた助手に話し、助手も安堵して話したその時であった。
「楠木司令官。少しいいでしょうか?」
何かに対応していたオペレーターから呼ばれたのだ。
「どうした?」
「空港より不審な人物の情報が入った模様。確認のほどよろしくお願いします」
「見せろ」
楠木はオペレーターに謎の人物についてモニターに表示するように伝えた。
モニターに映し出されたのは、空港の国際線到着における保安検査所の映像だった。
保安検査を受ける人々の中で、2人の男の画像がアップで映し出された。
2人ともかなりおかしな顔をしているが、パスポートの顔と一致している。
「空港の保安官はこの2人は特に問題なしと判断し通したのですが、この2人、データベース上を探しても見つからなかった模様です」
「『ラジアータ』の分析ではどうなっている?」
「『ラジアータ』での分析結果は『要注意』とのことです」
「要注意か…セカンドを2人ほどその2人につかせろ。決して悟られることのないように」
「了解しました。すぐに派遣するように指示します」
オペレーターは楠木の指令を受けて要注意人物の尾行を誰かに伝えた。
「…司令官、何か引っかかりましたか?」
「あぁ…」
楠木はスッと踵を返し、とある部屋へと向かった。
その部屋は資料室…
楠木は何の躊躇いもなくとある資料を手に取って読んだ。
「…可能性があるのは彼しかいないか…」
「司令官、何を見ていらっしゃるのですか?」
「これだ」
楠木は助手に見ていた資料を渡した。
そこに載っているのはサル顔の男…
「…彼は…いや、まさか…」
「あぁ…そのまさかだ」
助手も見たことがあるその顔の持ち主は『ルパン三世』…
世界を股にかける、知らない人はいない天下の大泥棒…
そしてルパン三世の代名詞といえる特技の一つに『変装』がある…
「先ほどの男2人のうち1人はルパン三世…もう1人は相方の次元大介だろう」
楠木は予想を立てて助手に話した。
そして、1つの大きな決断を決めた。
「…千束とたきなを準備させておけ。2人が日本に来たということは何かしらアクションを起こすぞ」
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…東京都墨田区…
旧電波塔が顔を覗かせる住宅街の一角に佇むモダンな喫茶店…『喫茶リコリコ』…
今日もまたその店で一騒ぎが…
「ぐぁぁぁ…原稿終わらないぃぃ…」
「ほらほら、伊藤さん!私も手伝うから頑張って!」
漫画家である伊藤という人が、喫茶店の小上がりの席でうなだれ、それを赤い和服姿の金髪でショートの女の子があやしていた。
「うぅ…千束ちゃん…私もうダメかも…」
「そんなことないですよ!伊藤さんの漫画いつも楽しみにしてるんですから!ほら、もう少し!」
金髪の女の子…錦木千束が、明らかに年上である伊藤を応援している姿に、カウンターにいる青い和服姿で黒髪のロングの女の子は思わずため息を吐いていた。
「…ミカさん、あれ、何してるんですか…」
黒髪の女の子は隣にいる、紫の和服姿の黒人の男…ミカに不思議そうに尋ねた。
「あぁ…また作業場じゃ集中出来ないからとうちでやってるみたいだぞ、たきな」
「そうですか?なんかあまり集中できてなさそうですけど…」
黒髪の女の子…井ノ上たきなは不思議そうな様子で千束と伊藤の様子を見ていた。
「まぁ、いずれかはいいアイデアが出てくるはずさ。その間はうちにいつでもいてくれても構わないしな」
ミカはふぅと息を吐きながらそう言ったその時だ。
「ミカ〜?電話よ〜」
厨房の中から茶髪のロングヘアに赤い縁のメガネをかけた緑色の和服の女性がミカに向かって声をかけた。
「ミズキ、どこからだ?」
ミカは茶髪の女性…中原ミズキにどこからの電話か聞く。
「
ミズキは意味ありげに答えた。
ミカはそれを聞いて電話を代わった。
「もしもし?」
「お疲れ様、ミカ」
「楠木か…どうした?」
珍しい人からの電話に少し引き締まったミカは、すぐに要件を言うように促した。
「単刀直入に言おう…千束とたきなを動員できるようにお願いしたい」
「千束とたきなをか?珍しいな」
「少し厄介な人間が日本に来ててな…」
「厄介な人間?」
「…ルパン三世」
「ほう?」
楠木から思いがけない人間の名前が出てきたことにより、ミカは興味深そうに耳を傾けた。
「今は確定情報ではないが、疑わしき人物が日本に入ってきている様子である」
「DAとしては見逃したということか?」
「すぐに爆弾を持っていたり、包丁を持って無差別に殺そうとしているわけではない。確証が得られないというだけだ」
「『ラジアータ』からは?」
「『要注意』だ」
「なるほどな…」
ミカは少し目を瞑った後…
「わかった。もし何かあったらすぐに動かせるようにする」
と答えた。
「感謝する」
楠木は一言言って電話を切った。
「…司令官からですか?」
いつのまにかいたたきなが、ミカに尋ねる。
「あぁ。直々にな」
「なんて言ってましたか?」
「特に何もないが、もしかしたら
「なるほど…わかりました」
たきなはミカの言葉を聞いてすぐにカウンターの方へと歩いていった。
「ルパン三世か…手強いな…」
ミカは小さく呟くと、たきなの後に続いてカウンターへと出た。
「ほら!伊藤さん頑張って!」
「うぅ…はいぃ…」
そんな話を全く知らない千束は、打ちひしがれている伊藤の応援を精一杯していたのであった…
いかがでしたでしょうか?
今後は定期で少しずつ出して行きますのでよろしくお願いします
では次回、お会いしましょう