Lupln the third × Lycoris Recoil 〜泥棒と彼岸花と謎の壺〜   作:VOSE

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だいぶサボってしまいました
久々に投稿します


Episode20〜チンケな代物〜

…アミの報告を受けた一同は、地下の作業部屋へと移動した。

大きいディスプレイの先ではクルミも待機していた。

 

「それでアミ。そいつの正体は何だったんだ?」

「そうね…今、一周回って落ち着いちゃったけれど…とてつもないものを見てしまったわ」

 

アミが自分を落ち着かせるように言うと…

 

「ほんと、こんなものよく作ったわ…ロシアの科学者は」

 

クルミもアミに同情するように話した。

 

「それで、その壺は何だったんですか?」

 

たきなはすかさずアミとクルミに壺の秘密を聞いた。

 

「こいつはいわゆる『クローン』を作るための詳細な解説書だったの」

「クローン!?」

 

千束とたきなは先程アルベールと対峙した時と同じようなひどく驚いた表情を見せた。

一方のルパンと次元、五ェ門とアルベールは表情を一つも変えなかった。

それどころか…

 

「やっぱりな…」

 

と、ルパンが発したその一言が、4人の落ち着きを表していた。

 

「やっぱりって…?」

 

千束がルパンに尋ねると、ルパンはこれから説明するかのようにアミに質問した。

 

「アミ。その壺の製作者はわかってるか?」

「ええっと…キリーロ・マスカエフ・フィラトフ…」

 

アミが言った名前を聞いて、ほとんどがわからずにお互いの顔を見合った。

ただ1人、アルベールは違った。

 

「待て…キリーロって、あのキリーロ博士のことか!?」

 

アルベールはその名前を聞いただけで、ひどく動揺した。

 

「アルベールもやはり知ってたか」

 

ルパンは最初からまるで知ってたかのようにアルベールに声をかけた。

 

「ルパン…貴様、知ってたのか?」

「壺の出所を調べてたら出てきたのさ。前の所有者がそのキリーロって野郎で、それより前に作られたはずなのにそいつの前の所有者の情報が不明。となったら…」

「…そういうことなのか…」

 

アルベールが唇を噛んで考えた後…

 

「俺はここで手を引こう。これ以上は何の得にもならないからな」

 

この件から引くという発言をした。

 

「まぁ、そういうことだろうと思った。こいつはお前が狙うにしちゃ()()()()()()

「そうだな…こんなのを狙うより、俺は今やっていることをやらなきゃな…それじゃ、ここでお暇させてもらうよ。あ、ちゃんとアメリカ軍からは防衛させてやるから安心してくれ」

 

アルベールはそう言うと、すぐに部屋から出ていった。

アルベールが家からも出たことがわかった後、ルパンは改めて話の続きを始めようとした。

 

「さて、ここからは俺らの話になるわけだが…不二子、お前も聞いてるんだろ?せっかくだから付き合ってくれ」

 

ルパンはわざとらしく大きな声で叫ぶ。

すると部屋のスピーカーから声が聞こえてきた。

 

「あら、いつからわかってたの?」

「んなもん、とっくの前によ。まぁ、不二子ちゃんには後でキッチリ話するからさ」

「ふぅん…それじゃ、聞こうかしら」

 

ルパンは改めて、その場にいる全員に言うように話を始めた。

 

「さっきアルベールが話していたキリーロ博士ってのは、ロシアでの遺伝子学における有名な科学者だ。特にロシア政府、もっと前だとソ連時代から目をかけて育て上げた天才科学者だ」

「そんなにすごい人なの?」

「当時のソ連政府に隠し子として扱われていたが、そいつがやってた研究が世の中に出回ったらノーベル賞どころか、そいつの名前で賞が作れるほどのものとなっただろうな」

「そんなに!?」

 

ルパンの説明に千束やたきな、アミ、そして画面越しのクルミがさらに驚いた。

 

「さて、そのキリーロ博士の遺物を少し見てみようじゃないか」

 

ルパンは徐に歩き出し、パソコンの前に立った。

 

「アミ、調査結果の方出してくれねぇか?」

「え、えぇ、わかったわ」

 

アミはキーボードを叩いて調べて出てきたものをルパンに表示させた。

ルパンはそれを真剣な様子で読み始める。

そして…

 

「…くくく…クハハハ…!」

 

唐突に笑い始めた。

 

「…次元、ルパンの様子が?」

「いつものことだ。おおかた面白いものでも見たんだろ」

 

たきなの質問に、次元はなんのことはないと返す。

 

「ルパン、どうしたの?」

「いやぁ、悪い。こいつはなかなかの傑作だからな。笑っちまったぜ」

「本当にそう思えるの?私とウォールナットが見てたらもう怖くて嫌だったけど…」

「いや、傑作さ…デタラメな理論なくせして、実現可能な代物だからさ…こんなのが世の中に出回っちまったら、おそらく宗教家なんて血眼になって潰そうとするだろうなぁ」

 

ルパンはふぅと一息をついて、くるっと踵を返して部屋にいる全員を見た。

 

「さて、こいつに書かれてることをそろそろ話すとするか…まず、結論を言うと、この壺に書かれてるのは人造人間を作るための方法さ」

「人造人間…あれ?さっきアミはクローンを作るためのって…」

「確かにこいつでクローンも出来るな。ただこいつはなかなかのものでな…細かいところは省くが、この説明書のミソとなるのが、『例え本人からの遺伝子から作らなくても本人そっくりに出来る技術』が書かれてるってことだな」

「本人の遺伝子がなくても…?」

「あぁ。誰の髪の毛でもいい。遺伝子情報があるものさえあれば、そこから電気操作で情報を書き換えて別の人物を作れるっていうものさ。例えばその人の映像があれば、その動きの特徴を電気信号に変換させて情報として組み込めることもできる」

 

ルパンから説明を聞かされた千束とたきなは目が点になるほど驚いた。

 

「さらにこいつを応用すれば…『自分の手駒にできる最強のクローン兵』を容易にできる」

「自分の手駒にできる…最強の…」

「あぁ。知能をある程度低くさせてから自分に従うように教育させ、運動能力は時のスポーツ選手達から見合った能力をかき集めて覚えさせ、射撃能力などは腕のいいガンマンの映像さえ解析させて覚えさせ込めば、立派なクローン兵の完成となるわけだ」

「うわぁ…人道なんてないものに等しいね…」

「しかも、誰の髪の毛一本からでも作れて、電気信号で情報を書き換えて作ることができるから、今までのクローン技術における、いわゆる『失敗作』が出来るリスクも限りなく減らせる」

「…おい、ルパン」

 

ここまで静かに聞いていた次元が徐に声を上げた。

 

「まさかとは思うが…あのガレスって野郎の目的は…」

「そりゃ、自分の都合のいい手駒を作りたいだけだろうな。裏にどんな背景があるかわからないけどな」

 

ルパンはようやく話を終えたところで、ふと画面の方を見た。

 

「さて、ウォールナットと言ったか。この文章はコピーしたか?」

「もちろん出来てる」

 

クルミはいつも通りと言わんばかりに返事した。

そしてルパンはその言葉を聞いた後…

 

「それじゃ…そろそろ日本に帰る準備でもしますか」

 

と、手を叩いて告げたのだった…

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