Lupln the third × Lycoris Recoil 〜泥棒と彼岸花と謎の壺〜   作:VOSE

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Episode1〜作戦会議〜

…都内にある小さなアパート…

そこはかつて、2枚のガラス乾板をめぐる壮絶な死闘を繰り広げた際に使用したアパートである。

今回もそこでルパンは作戦を練ることにしたのだ。

 

「…んー…」

 

いつものように今回の盗みの計画を考えているルパンを、次元はビールを飲みながら見ていた。

 

「やけに悩んでるじゃねぇか。いつも入ってるところだろ?」

「そりゃそうだけどよ…今考えてるのはそこじゃないの」

 

ルパンはそう言いながら、窓からチラリと顔を覗かせた。

ルパンの目線の先には2人の女の子が監視をしていた。

向こうからは気づかれていない様子であった。

 

「あの子ら…さっき国立博物館にいた…」

「あぁ…しかも着ている制服に見覚えがあってだな…」

 

ルパンはすぐに中に入り、とある資料を次元に渡した。

 

「その資料に載っている制服、見覚えねぇか?」

 

ルパンにそう言われて次元は資料に描かれてる制服のイラストを見た。

そこに描かれている服と、ルパンたちを監視している2人の女の子が着ている服が同じだった。

 

「あぁ、確かに言われたらそうだな」

「だろ?せっかくだからその資料見てみろ。確実な情報筋から手に入れたから信憑性は保証するぜ」

 

ルパンに唆されて次元は資料を目に通した。

 

「…『Direct Attack』…通称『DA』。この機関は国をあらゆる脅威から守るために設立された治安維持組織でありながら、国より公にされていない公的機密機関でもある。現在『DA』における主戦力は『リコリス』と呼ばれる若い女性をメインとした実働部隊員で、公にはされてはいけない為、世間一般で警戒度が低い制服姿の戦闘服を着用している…か」

「裏の世界では有名になってる組織だぜ」

 

ある程度読んだ次元は、なんとなく察しが付いた様子だった。

 

「てことは…もうすでにバレているか」

「いんや、まだバレちゃいないようだ」

 

次元は自分達に尾行していることに勘づかれていると思ったが、ルパンはそれを即座に否定する。

 

「このリコリスってのは『マーダーライセンス』を持っていてな、犯罪を事前に防ぐための殺人を許可してる。でも俺らのところに来てねえってことは、勘づいてはいるがバレちゃいねえってわけだ」

「なるほどな…」

「まぁ、それも時間の問題ってわけだが…」

 

ルパンは改めて今回の石蒜壺強奪計画に目を通した。

 

「今回のお目当てがあるのはホールの中央…吹き抜けはないし、窓もない。入り口は1ヶ所だけだから、お宝手に入れたらすぐにその場から去らないとな」

「懸念点はとっつぁんと…」

「リコリス…俺的にぁどっちもきついが…今回ばかりはリコリスが厄介になりそうだ」

「そうか?たかが少女じゃねぇか」

「それがそうとも行かねえ人物がいるわけよ…」

 

ルパンは先ほどのリコリスに関する資料をパラパラとめくり、とある記事を次元に見せた。

 

「この事件、お前も見ただろ?」

「あぁ…日本で『最後の大事件』ってやつか」

 

次元も知っているその事件は『電波塔事件』。

テロリストによって旧電波塔が爆破、占拠され、警察の助力により完全崩壊を免れた上にテロリストも壊滅したという、良くも悪くも強いインパクトを与えた大きな事件だ。

 

「あんな綺麗なものを壊すなんて正気の沙汰とは思えなかったが…それがリコリスとどう繋がるんだ?」

「実はそれ、リコリスの中でもとある1人の少女がやってのけたって話なのよ。この、『テロリストを壊滅させた』ってところがな」

「リコリスが?」

「そ。しかも7歳の子がな」

「7歳!?」

 

ルパンの言葉に次元は思わず声を上げてしまった。

 

「嘘だと思うなら次の資料見てみな」

 

ルパンに促された次元は次の紙をめくる。

そこには金髪の女の子の写真と情報が載せられていた。

 

「よくこんなものを仕入れてこられたな」

「言っただろ?確かな情報筋だって」

「何なに?『錦木千束』…『リコリスの中でも上位ランクのファーストリコリスであり、ファーストの中でもさらに飛び抜けた能力を持つリコリス。『電波塔事件』において当時7歳でありながら事件の解決に大いに貢献した』…これは本当なのか?」

「確からしいぜ」

 

読んでも依然信じようとしない次元に、ルパンは優しく答える。

 

「ふぅん…てことは、お前の予想ではこの子が借り出されると?」

「もう1人、ファーストの下のセカンドクラスで『井ノ上たきな』っつう子が、その錦木千束とペアを組んでいるが…まぁ、厄介となるのはやはり…」

「この錦木千束ってことか…」

 

次元は釈然としない様子ながらも、一旦納得したように椅子に座った。

 

「錦木千束ねぇ…それと、井ノ上たきな…か」

 

次元は次のページに書かれてあったたきなの情報も目を通した。

 

「…気になるのか?」

 

ルパンはすかさず次元に問う。

 

「…なんか気に入らねえんだ。この『DA』ってのはよ。まだ純粋無垢な女どもに裏の世界に引きずりこみやがって」

「まぁ、その錦木千束って子が活躍したおかげでリコリスの立場が上がったという話もあるらしいからな…ちなみにその子ら、『孤児』らしいぞ。DAが孤児を引き取ってリコリスに育て上げてるだとさ」

「ならなおさら気に入らねえな」

 

次元は資料を叩きつけるようにテーブルに置いたのだった…




いかがでしたでしょうか?
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では次回、お会いしましょう
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