Lupln the third × Lycoris Recoil 〜泥棒と彼岸花と謎の壺〜 作:VOSE
…ルパン達が下見をしてから数日経った頃…
それは警察に突如として届いた。
『◯月◯日◯時◯分、国立博物館に展示されている石蒜壺をいただきにあがります。ルパン三世』
長らく大事件が起きなかった日本にとって、これは一大ニュースになる…と、思われたが、警察はこれを秘匿、そして捜査しないように命令した。
これに対して反発する男が1人いた。
「これはどういうことですか!総監!」
トレードマークである茶色のソフト帽に茶色のコート…ルパン三世の宿敵、銭形警部である。
「この国にルパンが来ているとわかり、ICPOより直々にこの私が!来たのですぞ!そのルパンからの挑戦状を我々が見逃すとはどういうことですか!」
生涯ルパン三世を追いかけてきた銭形警部は、警察の体たらくに呆れ返って怒っていたのである。
しかし、総監は…
「これは上からの命令だ。わかってほしい」
と一点張りだった。
「ぐぬぬ…どうしてですか!」
「我々は捜査に関われないと申したであろう!この件は…国が主体となって動いている…諦めろ…」
そう言う総監は、拳を強く握っていた。
それを見た銭形警部は、これ以上は無駄であると悟り…
「…わかりました」
潔く下がった。
銭形警部は踵を返して総監室から出た。
「ぐぬぬ…こうなったら、単独で動くまでのこと!」
銭形はそう言うと、スタスタとどこかへ歩いていったのであった…
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…一方のDA…
こちらは警察とは違い、ルパンからの予告状を受けて色々と手筈を整えていた。
そして話は『喫茶リコリコ』にまで届く…
「えぇ〜、仕事〜?」
「あぁ。楠木から直々にな」
ミカから仕事があると聞いた千束はかなり嫌そうな顔を見せた。
「何か不満そうだな、千束」
「だって、ハワイから帰ってきてまたしばらくみんなと一緒にのんびりと過ごそうとしてたのに…実際、私たちがいなくても回ってたじゃん…」
「文句言わないでください、千束。司令官からの命令ですよ」
子供のように駄々をこねる千束に、たきなは冷静に突っ込む。
「それで、どんな内容ですか?」
「宝物を守るための警備だ」
「警備?泥棒が入るからですか?」
「そういうことだ。場所は国立博物館で時間は夜だ」
ミカから詳細を教えられると、千束は先ほどのマンネリから打って変わってかなり上機嫌になった。
「夜の博物館で警備!?なんかナイトミュージアムみたいで楽しそう!」
「千束…遊びじゃないんですよ…」
「でもでも、何もなかったら静かに博物館見学できるよね!?すっごい楽しみ!」
「はぁ…千束が乗り気なのでやりますけど…」
たきなは何か思うところがありそうに言葉をつぐんだ。
「どうした?たきな」
「少し気になったのが…どうして私たちが必要なのかなって…」
後ろではしゃいでいる千束を置いて、たきなは率直に疑問をミカにぶつけた。
「どうしてそう思った?」
「普通泥棒だけでリコリスの力は必要要らないですし、もし必要であったとしても、ただの泥棒だけで千束が駆り出されるほどではないと思うからです」
たきなの分析に、ミカはただ頷いた。
「やはりそう思うか…正直に話そう。今回の泥棒はただの泥棒ではない。『ルパン三世』という世界を股にかける大泥棒だ」
「ルパン三世!?」
ミカの話に、今度は千束が食いついた。
一方のたきなは…
「ルパン三世…?」
と、まさかのルパンのことを知らないようだった。
「え!?たきな、ルパン三世知らない!?」
「はい…存知上げません…」
「うっそぉ!?あのルパン三世だよ!?世界中からお宝を盗みまくってる大怪盗だよ!?」
「すみません…私には全く…」
「えぇ…本当に知らないんだ…」
たきなが知らないことに、千束は思わず引いてしまった。
「まぁ、後でたきなには話をしておくとして、今回はそのルパン三世から、今国立博物館に展示されている『石蒜壺』を守ってほしいということだ。そして、今回千束を呼び出した理由っていうのが、ルパン三世の相棒である『次元大介』という男も今回の盗みに加わるらしい」
「次元大介?」
「なんでも、凄腕のガンマンだそうだ。噂はDA内部でも知れ渡っていて、おそらく相対できるのは千束だけだろうと、楠木は判断したらしい」
「ほぉほぉ…なるほどね」
ミカの言葉に、千束は少し納得したように頷いた。
「準備はすぐに取り掛かって欲しいだそうだ。俺はたきなにルパン三世について教えるから、後で来てくれ」
「はーい!」
「わかりました」
こうしてリコリコメンバーは来る防衛戦に備えて、各自準備を進めていった…
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…そして、予告状に書かれていた日の当日…
千束とたきなは戦闘服に着替え、耳にはインカムを付けて博物館の中を歩いていた。
「ひゅ〜、今回の作戦、結構な人集めたねぇ…」
千束が言うように、今回の対ルパン三世防衛作戦で、かなりのリコリス達が集められていた。
制服の色がベージュのサードをはじめとして、中間ランクでたきなもそのうちの1人であるセカンドリコリス、そして千束を始めとしたファーストリコリスも駆り出されていた。
中には…
「よぉ、千束。お前も呼ばれてたのか」
「お、フキじゃん」
ファーストリコリスの1人で、千束の犬猿の仲でありながら良き理解者でもある春川フキや…
「お久しぶりです、乙女さん」
「お久しぶりッス、井ノ上先輩」
フキの相棒のセカンドリコリス、乙女サクラも来ていた。
「しかし、こんなに人数必要なんですかね…たかが2人の盗人に対して」
「そのくらいその2人が強いってことだ」
たきなの疑問に、フキは理解しろと言わんばかりに答える。
「でも、相手がそこまでの相手ではなかったら…」
「それはそれで何事もないでいいじゃねぇか…私らの役目はあくまで防衛だ。ネズミの一匹も入らせやしないからな」
「さすが先輩ッス!」
「お前も少しは緊張感持て」
気合いを入れたフキの言葉にサクラはヨイショしたが、フキは冷静に突っ込んだ。
「とりあえず気をつけろよ。私とサクラはこっちへ向かうから」
「わかった!」
フキとサクラは巡回しに歩き出し…
「私たちも行こっか、たきな」
「はい」
千束とたきなも同じように巡回しに歩き始めたのだった…
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