Lupln the third × Lycoris Recoil 〜泥棒と彼岸花と謎の壺〜   作:VOSE

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Episode7〜昼下がりの逃走劇〜

「…おい…ルパン…開けろ…と言ってますね」

 

物陰に隠れているリコリスは、ルパンのアジトらしき場所の前で怒鳴っている銭形警部の声を、読唇術で読んでいた。

 

「やはりあそこがルパン三世のアジトか…」

「どうする?出るまで待つ?」

「待っても出てくれるとは限らないしね…」

 

と、リコリス達は突入の機会を伺うものの、依然動き出せていなかった。

 

「どうするっすかねぇ…」

 

そのリコリスの中には乙女もいた。

今回ルパン捕獲作戦に参加しているリコリスの大半は、この間の国立博物館の件で痛い目にあってしまったリコリスであるため、メンツを潰してくれた、そして仲間である千束を一時離脱に追い込んだ復讐として、この場に集まっていたのである。

そこへ…

 

「悪い。待たせたな」

 

DA本部からフキが合流した。

 

「先輩、どうしたんすか?」

「司令官と会って話してきた。それで状況は?」

「今、銭形警部が扉の前で叫んでいます。おそらくあそこがアジトかと」

「なるほど…わかった。総員、配置につくように。いつでも襲撃できるようにし、万が一逃走を図った時はすぐに追えるように」

 

フキの合図でサードやセカンドのリコリスは各配置に散らばった。

 

「そういや、たきなはどうしたんすか?あいつなら、千束の仇とか言ってすぐに参加するのに」

 

乙女が徐にフキにたきなについて尋ねた。

 

「あいつは…リコリスを抜けた」

「はぁ!?」

 

フキの衝撃的な告白に、乙女がバレないような音量で驚きの声を上げた。

 

「あ、あの、たきなが!?」

「あぁ…司令官の前で啖呵切ってな…」

「ど、どうなってるんすか…どうして…」

「こっちが聞きてえところだが…あいつも思うところはあるんだろうよ」

 

フキはたきなの心情に同情の意を示すも…

 

「あいつは今はリコリスの者じゃない。万が一()()()と組むようなら、容赦なく射殺だ」

「…了解っす…」

 

フキの淡々とした言葉に、乙女は覚悟を決めた返事をした。

 

「それにしても…遅いっすね…」

「あぁ…そろそろルパンが現れてもいいんだが…」

 

と、2人が呟いたその時だった。

扉がダンッと勢いよく開いた。

 

「うぉっ!?」

 

そしてその中から現れたのは…煙幕玉だった。

その玉から放たれる煙は瞬く間にその場所を覆った。

 

「っ!?先輩!」

「総員、臨戦体制!」

 

フキは迷うことなく全員に指令を出した。

そして煙から現れたのは…ルパンと次元の2人だった。

 

「全員、撃て!」

 

フキの合図により、リコリス全員が銃を発砲するも、その2人にはひとつも掠らなかった。

ルパンと次元の2人はすぐに塀の影に隠れた。

リコリス達はその塀の裏側へ集まる。

なぜか薄暗い袋小路の道から現れたのは…一台の車であった。

フィアット・500…ルパンの愛車である。

リコリス達は出てきた車の中を確認すると…ルパンと次元が座っているのが確認できた。

 

「あの車を追うんだ!急げ!」

 

リコリス達は急いでDAから支給された車を利用して追いかけていった。

その様子を見ていた影が2つ…

 

「…どうやら行ってくれたみたいだぜ?」

「そうらしいな」

 

ルパンと次元である。

 

「今頃ダミーの人形を追いかけてるだろよ」

「そうだな…これでいくらか時間を稼げるといいがな」

 

ルパンが仕込んだトラップがバレないうちに、2人はその場から離れることにした。

 

「しかし、とっつぁんをあのままにしていいのか?」

 

次元は心配そうに、アジトのあった部屋を見る。

実は先ほどの煙幕で、ルパンは銭形を部屋の中に入れ、気絶させてそのまま部屋に置いていったのである。

 

「まぁ、とっつぁんなら大丈夫だろ。こんな面倒ごとに巻き込みたくはねぇからな」

 

ルパンはそう言って、箱型のリュックを背負って歩き出した。

 

「それで、これからどうすんだ…あのリコリスがうじゃうじゃいるこの日本から出られねえぞ」

 

次元もリュックを背負ってルパンの後を追いながら、この後のことについて話した。

 

「とりあえず脱出する方法を探さねえとな…」

「ノープランか」

「仕方ねぇだろ!DAのことだ。空も海も包囲網を作っているんだろうよ」

「それじゃどうしようもねぇな」

「んまぁ…手がないわけじゃない。博多に行ければそこから脱出できるからな」

「博多だと?」

「そ、あそこにはすごい設備が…」

 

と、ルパンが日本から脱出するプランを話しかけていたその時だ。

 

「ルパン、発見しました!」

 

歩く2人の後ろから声が聞こえてきた。

リコリスである。

 

「ちっ、気付くのが早えんだよ!」

「こっからずらかるぞ、次元!」

 

2人はリコリスから逃れるために走り始めた。

リコリスはそんな2人に向けて何の躊躇いもなく発砲した。

 

「おいおいマジかよ…ここは都心のど真ん中だぞ!?」

 

ルパンは躊躇いなく撃ってくるリコリスたちに驚きながら、とある場所へと向かった。

 

「ルパン!このあとどうするんだ!」

「どうもこうもねぇ!とりあえず人のいる場所へ目指すぞ!」

 

ルパンは人通りの多い場所へ行くように次元に言った。

人がいる場所ではリコリスたちも手が出せないと踏んでの判断であった。

そしてルパンは狙い通り、人がたくさんいる駅前の大通りへ出た。

 

「はぁ…はぁ…次元、ここからは二手に分かれるぞ」

「おう。わかった」

 

ルパンと次元は互いに目を合わせて、お互いに反対の方向へと歩き出した。

 

「…少しはこれで撒いてくれればいいが…」

 

頼むと願う次元の呟きは、一瞬にして散ることになった。

 

(…ついてきてやがる…やはり追ってくるか…)

 

次元は足を早めながら、人混みの中をかき分けて行った…次の瞬間だった。

急に右腕が引っ張られる感覚を覚え、路地裏に消えてしまった。

それから数秒も経たぬうちに…

 

「消えた!?」

「おい!お前は路地裏を探せ!私らはこっちへ行くぞ!」

 

リコリス達が一斉に追ってきて、次元の行方を探るべく散り散りになった。

数名のリコリスは消えた路地裏の方へと探し始めた。

 

「…あれ?ここにはいないぞ?」

 

しかし、次元の姿はなかった。

その次元はというと…

 

「…イテテ…ここは…下水道か」

 

何故か下水道に引き摺り込まれていた。

その犯人は…

 

「大丈夫?」

「ん?…な…お前は…」

「お久しぶりです、次元大介さん。昨日ぶりですね」

 

数日前国立博物館で戦ったはずのリコリス…井ノ上たきなだった。

 

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