ウルフウッドアーカイブ   作:タニシ・トニオ

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07_逆転劇

” ここが『要塞都市エリドゥ』…… ”

 

 エンジニア部が線路を見つけ出し、ヴェリタスがハッキングしてくれた物流輸送用の無人列車の車窓から都市を眺める。人の気配が感じられないビル群を見ると、好きだったロボットアニメの怪獣迎撃用の都市を思い出す。この中にはそのアニメのように変形して兵器が出てくるものもきっとあるのだろうな。……できることならアリスを『不可解な軍隊(Divi:Sion)』から守るために、その共闘をするためという名目でここを訪れたかった。きっと私のことだ、リオの説明にいちいち驚いて、子供みたく目を輝かせていただろうことが容易に想像がつく。……だが、現実はそうはならなかった。それが残念でならない。

 列車が『エリドゥ』の資材搬入用の駅に到着すると、ハレから通信が入る。

 

<降りてその通路の先、そこから地上に出たらもう『エリドゥ』だよ。こちらでもモニタリングしてるけど、こっちで全部察知できるわけじゃないから警戒を怠らないで>

 

” うん、ありがとう。気を付けるね ”

 

「じゃ、予定通りワイが先に行くわ」

 

 ウルフウッドがスタンピード・パニッシャーを担いで「エリドゥ」へ突入していく。

 

” みんなも準備を。作戦を開始しよう ”

 

◇ ◇ ◇

 

 エリドゥにけたたましい戦闘音が響いていた。十字を担いだ男の周りにはおびただしい数のAMASの残骸が転がっている。

 

「こんなガラクタでワイを止められると思っとるんか? 随分と舐められたもんやな。このままやとワイが一番乗りしてまうぞ~ 」

 

 挑発するようにウルフウッドはわざとらしく声を上げた……その次の瞬間、ウルフウッドの元へ極光が奔る。ウルフウッドは間一髪でそれを躱すとともに、その大元へとパニッシャーを放った。土煙の奥でその弾丸が数発、金属質の何かに当たる音がする。

 

「……驚きました、あのタイミングで攻撃を避けるだけでなく反撃までしてくるとは。負傷されていたのではないのですか? 」

 

 極光が放たれた根元から、パワードスーツ「アビ・エシュフ」に身を包んだトキが姿を現す。

 

「やっとお出ましか。……にしても、アリスみたいなえらいもん積んどるんやな。それがワイらに勝てると思っとるリオの玩具か? あ~……」

 

「……トキです。C&C所属、コールサインゼロフォー、飛鳥馬トキ。遅れましたがご挨拶申し上げます、ニコラス・D・ウルフウッド様」

 

「なんでお前らフルネームで呼ぼうとするんや? ウルフウッドでええで」

 

「承知しました。それではウルフウッド様、お願いがございます」

 

「なんや、言うてみ? 」

 

「リオ様はあなた方の狙いを全て把握されておいでです。ウルフウッド様の陽動も、先生方の動きも全て。ですので、僭越ながら申し上げます。……これ以上の抵抗は無意味です。大人しく投降をお願いいたします」

 

「……分かっててお前、ワイの前に来たんか? 」

 

「はい。私とこの『アビ・エシュフ』であれば、ウルフウッド様単体なら例え万全の状態であっても勝てると、リオ様は計算済みです。ですのでこの陽動作戦はむしろ好都合。最適解はあなたとC&Cの先輩方でまとまって来るべきでした。とはいえ、その対策も取っていましたが……」

 

 トキの言葉に合わせるように、突如としてエリドゥが揺れる。

 

「なんや!? 」

 

「この一帯の都市構造が変更された揺れですね。恐らく今頃、先生方とC&Cの先輩方の分断が済んでいることでしょう。各個撃破は時間の問題……改めてお願いします、投降いただけませんか? 」

 

「……舐めすぎやぞ、お前ら。別にこっちの予定に何ら変わりあらへんわ。お前倒して、そのままワイがリオのとこまで行けばええだけやないか。謝ってアリス返すなら今のうちやで? 」

 

「勝てるとお思いで……? 」

 

「それはワイのセリフや。ワイに勝てると思っとるんか? 」

 

「……交渉は決裂ですね。残念ですが予定通りあなたをここで排除します」

 

◇ ◇ ◇

 

 地震かと思ったら突如として地面から隔壁が生え、C&Cの皆とはぐれてしまった。しかもヴェリタスとの通信までもが途切れてしまう。そんな私達の前にリオがホログラムで姿を現した。

 

<予想してはいたけれど……本当にここまで来たのね、先生>

 

” リオ、君を止めに来たよ ”

 

<……なぜ理解してくれないのかしら、先生。これはトロッコ問題と同じよ。大多数を生かすために一人を犠牲にするか、一人を生かすために大多数を犠牲にするか、その選択を迫る問題。そして、誰かが引かなければいけないレバーを私が引こうとしているだけ。それだけよ>

 

” 違うよリオ。それは言葉でしかない。まだトロッコは走っていないし、なにより二人の生徒の未来が今ここで潰えようとしている。私にはその方が重いよ ”

 

<……その一人は、私のつもりかしら? アリスは……『アレ』は兵器よ>

 

 リオが視線を右下に下げる。

 

” そんな辛そうな目をしてたら説得力無いよ。リオ、なんでもかんでもあっさり見限っちゃ駄目だ。……この『エリドゥ』を見た時、本当にすごいと思ったんだ。お金の出所は褒められないけどさ、本当に、そう思った。……きっと、リオやみんなで力を合わせれば、誰も犠牲にしない方法を見つけ出せると思うんだ。だからリオ、一緒に戻ろう? ”

 

 先生の言葉を聞いて、リオは動揺を隠すかのように目を閉じる。そして迷いを振り払い、ホログラム越しに先生を見つめなおす。

 

<……先生、私はもうレバーを引いているの。私がミレニアムに戻るのは全てを終えた後よ。貴方たちへの謝罪はその時にするわ>

 

 リオが決別を告げると同時に、先生達の前にある建物のハッチが開いていく。そして奥から巨大な兵器が姿を現した。

 

<――アバンギャルド君、発進>

 

 アバンギャルド君……それはトキをジョーカーとした場合のスペードのエース。『アビ・エシュフ』には劣るものの、通常の陸戦兵器としての性能を突き詰めたリオのもう一枚の切り札。

 下半身がキャタピラで上半身が四つの腕を持つ人型で成り立っており、その手の三つに武器を持ち、残りの一つは黄金率を表した盾を持つ、ブリキのおもちゃのような顔をしたトンチキ兵器だ。

 

 その独特なフォルムが迫ってくるのを前にして、皆が我慢できずに言葉を零す。

 

「か、可愛くない……」

 

「ミ、ミドリ……それは黙っておいてあげようよ……」

 

「いや、しかし……あのシリアスな流れでこんなものを出すのかい? 会長はロマンがわかってないな」

 

「正直言って……ダサイ、かな」

 

「なんでこんな造形にしてしまったのか解説が欲しいですね」

 

 

<……見た目は関係ないわ>

 

” ……本音がちょっと見えてるよ、リオ ”

 

 アバンギャルド君の革新的で前衛的過ぎるデザインを前に、さすがの先生も擁護が出来ず苦笑いしかできなかった。

 

<……理解されないのなら、そのままで構わないわ。……アバンギャルド君、戦闘モードへ移行>

 

 なかばやけっぱち気味にリオがアバンギャルド君を起動する。アバンギャルド君がその性能を先生達に発揮した。搭載された武装が火を噴く。

 

「う、うわああぁぁぁっ! 見た目に反してすごく強い! 」

 

 ミドリが全力で逃げ回る。アバンギャルド君は三つの腕にそれぞれ超大型のアサルトライフル、バズーカ、ガトリングガンを持っており、同時にそれらを放ってくる攻撃力はまるでどこかの牧師さながらであった。何とか隙を見つけて反撃できたとしても残った手に持っている黄金率の盾で防がれてしまい、攻守ともに隙がない。

 しかも、戦闘のプロフェッショナルであるC&Cやウルフウッドなら対処はできるだろうが、ここにいるのは戦闘どころか普段はインドア派の面々ばかり。

 加えてAMASも続々と追加戦力として集まってきており、まさしく絶体絶命という状況に先生達は陥っていた。

 

◇ ◇ ◇

 

「……これでチェックメイトよ」

 

 先生達をモニタリングしているリオが呟く。

 C&Cは未だ先生達と合流できず、ウルフウッドもトキと戦闘中。先生達がここから逆転する可能性は、極めて低い。

 ——そのはずだった。

 

 管制室に警報が鳴り響く。何事かとリオが確認すると、ヒマリを捕えている独房から煙が上がっていた。

 

「これは……!? 」

 

<リオ、いかにもなやられ役のセリフを吐いているところ申し訳ありませんが、本番はこれからですよ>

 

「ヒマリ!? あなたどうやって!? 」

 

 リオの問いに答えることなくヒマリが通信を切る。

 

「ヒマリだけでは無理なはず……外部からの襲撃? でもあり得ないわ。事前に脅威になり得る勢力は全てマーク済み。それなのに一体誰が……それに、これからとは、一体……」

 

◇ ◇ ◇

 

「ふふ、まさかエイミ……あなたが私を助けに来てくださるとは。……これはリオへの裏切りになると思いますが、大丈夫なんですか? 」

 

「うーん……さあ? 」

 

 気の抜けた返事をする人物。ヒマリを助けに来ていたのはリオが立ち上げた特異現象捜査部のエイミだった。

 特異現象捜査部は元々リオが科学的に証明しがたい現象を調査するために立ち上げた組織であり、ヒマリはリオの依頼でアリスとは別件のある調査のためヴェリタスより出向してこの部の部長を務めていた。

 そして最初からこの部活に所属していたのが和泉元エイミであり、彼女はリオが選定していた人物だった。そのためリオのマークから完全に外れていたのだ。

 

「さあ?って……なぜ私を助けてくれたのですか? 」

 

「『私がリオに会いに行った後、二十四時間経っても戻ってこなかったら冷蔵庫にあるプリンを食べてもいい』って部長が言ってたでしょ? でも、どうせなら一緒に食べたいなって思っただけ」

 

「……ふふっ、そうでしたか」

 

 リオとヒマリ、二人の天才が想像もできなかったエイミの回答にヒマリは笑みを浮かべる。

 

「部長、笑うのはいいけど状況は悪いままだよ。このままじゃ負け戦、私達がこのまま加勢しても互角になるかどうか……」

 

 エイミから現実を突きつけられるが、それでもヒマリは笑顔を崩さない。

 

「あら、それなら大丈夫ですよ。エイミがこうやって私を助けに来てくださったように、私にはリオと違って頼れる後輩がたーくさんいるので」

 

「……? 」

 

◇ ◇ ◇

 

 相変わらずアバンギャルド君から必死で逃げ回る先生達。その最中、ミドリが足をもつれさせて転んでしまう。アバンギャルド君がその隙を逃すはずもなく、武器の銃口をミドリに向ける。

 

” ミドリ!! ”

 

 間に合わない、ミドリ含む皆がそう思った瞬間だった。アバンギャルド君の動きが突如として鈍る。ミドリはすぐさま起き上がり、先生達が身を潜めていた建物の影へと滑り込んだ。

 

” ミドリ、大丈夫!? ”

 

「は、はい、何とか間に合いました。でも……今、アバンギャルド君の動きが……」

 

” うん、急に遅くなった ”

 

 胸を撫でおろしながらも疑問に思う先生達。そこへ通信が繋がる。

 

<みんな、大丈夫? >

 

” チヒロ!? ”

 

 先生達に通信を繋げてきたのはヴェリタスの副部長、チヒロだった。切れてしまったヴェリタスの通信網も復旧しているのか、他の部員たちも通信に割り込んでくる。

 

<うわぁ~ん! 副部長~!>

 

<流石です。待ってました>

 

<でも……どうやって? 通信網は会長に掌握されてるはず……>

 

 ハレの疑問にチヒロが答える。

 

<うん、掌握されてたよ。でも、こういう時のためにヒマリが『秘密兵器』を用意していてくれたみたい>

 

 それを聞いて先生の脳裏にあの騒動の原因にもなったツールが思い浮かぶ。

 

” まさか『鏡』……!? ”

 

<ご明察。『鏡』を使ってエリドゥのネットワークをハッキングしたの。ついでに会長にも退場してもらったよ>

 

 そこまで話を聞いてマキが疑問を持つ。

 

<あれ、確か『鏡』って部長に言われて差押保管所に戻してなかったっけ。副部長、いったいどうやってそこにいるの……? >

 

 その疑問に答えるかのようにチヒロの後ろから銃撃戦の音が響いた。

 

<……ああ、それなら助けてくれた人がいたの。運よく、会長のマークから外れてた部活の……>

 

<こんにちは、トレーナー>

 

” スミレ!? ”

 

 銃撃戦が一段落着いたのか、チヒロの後ろからひょっこりと顔を出したのはトレーニング部のスミレだった。

 トレーニング部とゲーム開発部は一見接点が無いように見えるが、実はアリスがミレニアム散策の冒険に出ている際によく挨拶してお話しする仲だったりする。この前、アリスが先生と冒険していた際もアリスとスミレが仲良く談笑する様子を先生は見ていた。

 

<アリスさんのことを伺って、居ても立っても居られず……僭越ながら協力させていただきました。持久戦ならお任せください! >

 

” ありがとう、スミレ。とても頼もしいよ ”

 

 先生は本当にうれしく思っていた。

 アリスのために、こんなに多くの生徒が動いてくれている。アリスが今までの冒険で紡いできた絆が、反撃のチャンスを手繰り寄せてくれたことに。

 

( ” ……アリス、やっぱり君は『魔王』なんかじゃないよ。光の剣が無くったってこんなに頼れる仲間が沢山いる、立派な勇者だ…… ”)

 

 ハッキングをかけられ動きが鈍くなっていたアバンギャルド君やAMASが再起動しようとする。

 

<やっぱり……『鏡』を使ったとはいえ、ファイアウォールが反応してる。先生、パスが切れる前に先手を打たないと……>

 

”……大丈夫、あれは私がどうにかするから。みんなにはアバンギャルド君の周りに展開しているAMASをお願いできるかな? ”

 

 ゲーム開発部とエンジニア部に指示を出すと、アバンギャルド君の前へと向かう先生。指示通り雷ちゃんにAMASの処理をさせながらも、ウタハが先生を呼び止めようとする。

 

「先生、動きが鈍っているとはいえ先生だけでは危険だよ! 」

 

” 大丈夫、あれぐらい動きが鈍ってくれてれば私の『(わざ)』も届くから。幸いあれは無人みたいだしね ”

 

 だがそんなウタハの心配をよそに、先生は何でもないようにアバンギャルド君の元へと向かっていく。そして親指の爪で手慣れたように人差し指を切り、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「先生は一体何を……」

 

「あ……もしかして部室で見た『アレ』かな……? 」

 

「『アレ』? ミドリ、君は一体なにを……? 」

 

 ウタハがミドリの方を振り向いたその後ろで、先生の銃撃音が響く。ウタハが急いで先生の方へ視線を戻すと、煙を吹き出し機能を停止したアバンギャルド君の姿が目に映る。

 

「な、なにがあったんだ……? ヒビキ、コトリ、二人は見ていたかい? 」

 

「えと……先生がアバンギャルド君の関節部を狙って撃ってたのは見えたけど、私はそれだけしか……」

 

「私は先生の弾が命中した箇所と思われるところから放電現象らしきものを確認しました。超高圧帯電弾頭でも使用されたのでしょうか……? あれ、でも実用レベルのものなんて出てましたっけ? 」

 

「……いや、出てないよコトリ。少なくとも私は知らない」

 

(放電現象がコトリの見間違いでなければ……関節部から内部に弾を届けてショートでもさせたか? いや、あれがそんな脆弱な構造をしているとは思えない。しかし、だとしたら一体どうやって……)

 

「……先生、あなたはなにを……」

 

 ウタハがその疑問を解決するために先生に話しかけようとするが、離れた場所から生じた轟音にその声はかき消されてしまう。

 

” ……今、ウルフウッドのビームが見えた。彼もまだ戦ってくれてるみたいだ。先を急ごう! ”

 

<先生、ネットワークの維持はコタマたちに引き継いだ。ここから先のナビゲートは私がするよ。C&Cとも連絡が取れたし、みんなまとめて中央タワーまで案内してあげる>

 

” C&Cのみんなも無事だったんだ、よかった。ありがとうチヒロ! それじゃあ行こうか、みんな! ”

 

「「はい! 」」

 

 先生の呼びかけに元気よく答えるミドリとユズ。

 完全に先ほどのことを聞くタイミングを失ったウタハは、動かなくなったアバンギャルド君を少しばかり眺めてからゲーム開発部とは対照的な雰囲気で答える。

 

「……すまないが、私たちはここまでのようだ。アバンギャルド君から逃げ回って相当無茶してしまってね、インドア派の私たちにはもうついていけるだけの体力がなさそうだ」

 

「えっ、まあ……確かにそうだけど……部長? 」

 

 ヒビキがウタハを見るが、ウタハは意味ありげにヒビキに微笑み返すだけだった。

 

” そ、そうなの? ……わかった、ここまでサポートありがとね! ”

 

「ウタハ先輩、AMASを倒してた雷ちゃん、とってもカッコよかったです! ここまでありがとうございました 」

 

「こ、コトリちゃんも、ヒビキちゃんも、ここまで手伝ってくれて、ありがとう……。あとは私たちで頑張ってみる」

 

” みんなで必ず、アリスを連れ戻してくるよ! ”

 

 先生達はエンジニア部に感謝を述べると、彼女たちを残して中央タワーへと駆け出して行った。

 

◇ ◇ ◇

 

「では休憩がてらアバンギャルド君の解析をしようか」

 

「……部長、本当によかったの? 私達ここに残ってて……」

 

「まあ体力の限界が近かったのも嘘ではないしね。実際ヒビキも顔色が悪いじゃないか。あのままついていったとしても、私たちはもはや足手纏いにしかならないさ。……それにやっぱり気になるだろう? 先生がなにをしたのか」

 

「う、それは確かに……気になる」

 

 少しばかりの罪悪感を感じながらも好奇心が抑えきれないエンジニア部の面々は、動かなくなったアバンギャルド君をいじくりまわし始める。

 

「あ、発見しました! 多分先生の弾です! 」

 

 コトリが焦げ付いたアバンギャルド君の関節部から弾を発見し、ウタハとヒビキが駆け寄る。そしてウタハがコトリの回収した弾頭を凝視する。

 

「……よく見る9ミリパラ弾……だね。これでアバンギャルド君を倒すなんて無理なはずだが……」

 

「ですがそれらしきものはこれしか……」

 

( ……そういえば先生はあの時『ワザ』なんて言っていたな。つまり、これは何かしらの技術ということなのだろうか……。フフ、面白い。ウルフウッドさんといい先生といい、我々が解明できない何かを持っているようだ)

 

「聞きたいことが増えたな……。先生、無事に帰って来るんだよ」

 

 ウタハは先生達が向かった中央タワーを見上げて呟いた。




先生の切り札を見せるのはもっと後だといったな。すまない、ありゃ嘘だった。
この後の章の布石としてがっつり書いてしまいました。原作先生と違って戸狩先生は「アレ」が使えます。

しかし先生を活躍させたトレードオフでC&Cが空気に……
前の話の後書きでも割り切るとは書きましたが、書き終えてみると割り切りすぎたかもしれません……
ここらへんの塩梅は本当に難しいです。
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