偽書 超ロボット生命体トランスフォーマーSAGA   作:ポルポル君

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敵陣

漆黒の空の下に真っ白な荒野が広がるとある場所……何者も知らぬ未知の大地に、太陽の光を反射し、その存在を示す黒い要塞があった。 各所に施された窓のようなパーツや、黒く金属的な機体は、それが決して自然界の産物ではない事をうかがわせる。 この要塞の持ち主である者達が、この中にいた。

 

「ディセプティコンの長を再びこのメガトロンとする事に賛成する者は。」

「賛成!」「YES!」「ヘイ!」

赤い窓で張り巡らされたこの広い集会場、その中心でメガトロンが声を張り上げた後、地球のビークルの因子を持った者から、未だに異文明のビークルの因子を持った者など数多くのディセプティコンで構成された民衆。

その中から発せられた大きく力強い歓声が、彼を再び玉座に迎え入れる事を示した。

「反対!」

その歓声の直後、青年の物を思わせる声が一つ上がる。

「どうゆう事だ貴様ら、一万五千年前の戴冠式で、サウンドウェーブやショックウェーブ奴以外の者……少なくとも今よりもっと多くの者はこの私に忠誠を誓うと、宣言したでわないかッ!」

群衆の中から声を上げたスタースクリームには怒りや戸惑いがあった。

メガトロン不在の間、スタースクリームは今日までディセプティコンの筆頭としてこの群衆を率いてきた。

だが、一万五千年の積み重ねがメガトロンのたった一言で崩れ落ちようとしている危機感や、群衆の裏切りともとれる宣言への怒りから、彼は躍り出るのだった。

群衆からまた一人、ふざけた調子の声でスタースクリームに反論が成された。

「僕チンそんな事いってないもん。」

スタースクリームが怒りの眼差しを向けた先には、白い戦闘機型のディセプティコン『ラムジェット』がいた。

ラムジェットもまた一万五千年前のスタースクリームの戴冠式に出席、そして今回メガトロンに言ったようにスタースクリームに忠誠を誓った者の一人だった事を、スタースクリームは彼の挙手する姿で確認していたのだ。

「おい、あれでも奴は我々の直属の上司だぞ、そんな事を言ったら何をされるか……。」

「そうだ!やめるのだ!」

今回の集会ではメガトロンをリーダーとしたダージとスラストは同僚のラムジェットを諌めるが、それでもラムジェットは止まらない。

「貴様!あの時堂々と賛成しておきながら!」

「言ってないもん。」

「いいや言った。」

「言ってないも~ん。」

ラムジェットとの低次元な口論の中、またも群衆から横槍が入れられた。

「あの時はあなたが多数派だったからとりあえず従っただけデース。」

カーキ色と紫のツートンカラーのボディを持った彼の名は『ブリッツウイング』。

スタースクリームは彼をNo2に任命していたために、自分のお陰で甘い汁を吸えていた筈の彼の裏切りが信じられなかった。

ブリッツウイングの顔が回転し赤と黒の狂気的な顔へと変貌すると、その顔だけでなく態度までもが先程とは百八十度変化した。

「だから、あれは嘘なの、にゃははははは。」

「この法螺吹きが!あれは嘘だったっというのか!」

スタースクリームの怒号を、ブリッツウイングは気にも止めずに笑い飛ばした。」

 

そんな時、メガトロンはまたも叫んだ。

「では、このスタースクリームをリーダーとする事に賛成する者は!」

まるで嘲るような笑みを浮かべるメガトロンをスタースクリームは睨む。

今の宣言の直後、賛成を意味する声やスタースクリームに対する歓声は上がる事はなく、群衆の不明瞭なざわめきしかスタースクリームの聴覚回路は捉えられなかった。

スタースクリームは自分に忠誠を誓っていた者がいないという事実を、受け入れまいとして、焦りを募らせる。

「おい!なんとかいえ!」

それでも歓声は上がらない、ただあの不明瞭なざわめきの中に嘲笑と思われる笑い声が含まれただけだった。

「ディセプティコンよ、リーダーはこのメガトロンで決まりだな?」

不穏な静寂は一転してメガトロンの歓声へと変わり、メガトロンは勝ち誇っているかのような笑みを浮かべる。

「……くううううっ……。」

スタースクリームは拳を握りしめ歯を食いしばりながら、肩を震わせているのだった。

「メガトロン……この怨み……晴らさでおくべきかッ。」

 

そんな時、メガトロンがスタースクリーム派から離れたディセプティコンに下した集合命令で真っ先に帰ってきた忠臣『サウンドウェーブ』が駆け寄ってきた。

「メガトロン様。」

「どうした?『サウンドウェーブ』」

情報収集においてその有能さを発揮するサウンドウェーブの報告に期待し、メガトロンは自身の二分の一程の身長のサウンドウェーブを見下ろす。

サウンドウェーブもまた有能な指揮官として仰ぐ主君に貢献するため、メガトロンを見上げて視線を合わせると、報告を開始した。

「オートボットノ『雑兵』ニ取リ付ケラレタ盗聴器カラ、奴ラガマトリクス奪還ノ為ニコノ『トリプティコン』ニ潜入スル事が分カッタ。」

電子音と共にサウンドウェーブの隠れた口から発せられる情報は、お祭りムードだったディセプティコン達を一転して戦闘態勢へと帰るのである。

メガトロンは引き続きサウンドウェーブから話を聞いた。

「奴らはどう出るのだ?」

「オプティマスガジェットパックデ地球カラコノ基地ニ突撃シテ注意ヲ引キ、ソノ隙ヲツイテ『メトロプレックス』カラホットロディマスノ部隊ガココニ潜入スルツモリダ。」

オプティマスが提案したというこの作戦を聞いたメガトロンは、その返答に困ってしまったのか暫く黙りこくってしまった。

オプティマスはマトリクス強奪の為に小隊を分裂させたスタースクリームのような作戦を立てたのかもしれなかったが、十人に満たないチームと数百人規模の軍団とでは訳が違い、二手に分断した所で片方がよほど強くない限り片方の仕事の効率は落ちなために片方の対応だけに精一杯になるような事態は起こらない。

三秒ほどしてメガトロンはサウンドウェーブに問いかける。

「……本気で言っているのか?」

「確カニオプティマスガ提案シタ。」

「部下は止めなかったのか?」

「困ッテイタ。」

メガトロンは困惑してしまうのであった。

「でかしたぞサウンドウェーブ、しかし、盗聴器を取り付けたバリケードとかいう奴にも感謝しなくてはならんな。」

 

そんな愚策の決行が信じられないメガトロンだったが、一応オートボットが攻めてくる事が分かった以上、迎撃の準備をしなくてはならなかった。

メガトロンがオプティマスの対策に、一人の男を指名した。

「『スカイワープ』、『サンダークラッカー』行って来い。」

その者の名は『スカイワープ』と『サンダークラッカー』、両方ともスタースクリームと瓜二つの姿を持ったディセプティコンの航空兵である。

細部や黒いカラーリングを除いてはスタースクリームと酷似した姿を持っているが、メガトロンに対し厚い忠誠心を持っていた。

一方青い姿を持つサンダークラッカーは気弱な性格をしており、メガトロンへの忠誠心こそ持たぬが、その性格故にメガトロンに対しては陰口を叩く程度の反抗しかしていない。

「オ、オプティマスとですか……。」

弱々しくしゃがれた声で、サンダークラッカーは恐怖を見せる。

「行って来い。」

強者との会合に怯えるサンダークラッカーが命令に背こうとした事から、メガトロンはただ威圧した。

「りょ、了解……。」

怯えてしまったサンダークラッカーは、渋々跪き、命令に従う事を誓う。

「了解しましたわメガトロン様。」

メガトロンの命令に対し、彼は若々しくも甲高い声での返事と跪く姿勢でその命令に了解する意思を示した。

「お前はよく働いてくれるな、そこの奴と違って。」

「お褒めにいただき光栄にございますわ。」

「……。」

メガトロンの言葉に、スカイワープは喜ぶ仕草を見せ、サンダークラッカーしわがれた老人のようなしわがれたディディールを持った顔を顰め、俯いた。




この作品ではスカワはオカマにしておきます。
スカワは色やマイ伝の玩具でマスク顔だった事、そして初代の忠臣という設定がビ―ストセカンドのスタスク(通称カマスク)を彷彿とさせた事にあります。
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