偽書 超ロボット生命体トランスフォーマーSAGA   作:ポルポル君

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金色の眠りから……

「まだあの虫ケラは捕まらんのか。」

メガはトロンしかめっ面をして駐車場のsuvの一台に座り、その体重で半壊させながら顔をしかめる。

小型ロボットの群れは何か変わった事があればその中の一体が代表してメガトロンを含めた上司に報告を行うようにプログラムが成されていた。

彼らの文明の至宝であり、ディセプティコンのある計画の要となるマトリクスを持った人間を『始末した』もしくは『捕えた』事の重要度は高く、上官への報告は避けられない筈の物である。

それがないという事は、小型ロボット達は思うような成果を上げられていない事を意味していたのだ。

「もうよい、余がこの手でひっ捕えてやるわ。」

痺れを切らしたメガトロンが立ち上がり眼前の壁を突破しようとした時、黒いロボットはその優れた五感でメガトロンに迫る何かを察知した。

「前方から『オートボット』が急接近中、避けてください!」

「なんだと……」

それを避けようとメガトロンは身を逸らすが時すでに遅し。

メガトロンを突き飛ばし壁の破片と小型ロボット達の残骸を撒き散らしながら、それは何世紀もの時を越えてついに地上に姿を現した。

「貴様は…まさか」

「破壊しておけば良かった……。」

その赤い姿に、すぐさま上半身を起こしたメガトロンは驚愕し、赤いロボットは『どうせ目覚める事はない』とタカをくくっていた自分に後悔した。

「久しぶりだなメガトロン、何年ぶりか?」

声を発した赤い物体は変化を始めた。

赤く四角い車体の側面から突き出した物体は力強い腕へと変化し、青の後部は二本に分かれると脚として赤い身体を起こす。

上部からは口元をマスクで覆った銀の頭部が現れ、マスクの上の青い目が宿敵たるメガトロンを見据えた。

「『オプティマス・プライム』……」

メガトロンはその存在を視覚すると、その威厳に満ちた声を張り上げて命じた。

「ディセプティコン!奴を食い止めろ!」

 

オプティマスは腰に備えた手斧二本を取り、右を赤いロボットに、左をメガトロンに投げつける。

一方はショックウェーブの左肩を捉え、一方はメガトロンのモーニングにスターより跳ね返されある方向へと飛んでゆく。

そして赤いロボットがオプティマスに向けて撃った筈の弾丸は、左の手斧と共にオレンジと緑の起動を描きメガトロンによって手枷をはめられたスタースクリームへと飛んでゆく。

「まずいッ」

スタースクリームは辛くもこれらの着弾を免れた。

 

突如、オプティマスの右手を目に見えぬ程のスピードで鋭い何かが付きぬけ、直径約80cmの風穴を開けた。

音速の刃が飛び出した方向から、例の得物を持った黒いロボットが飛びかかる。

オプティマスは胸部に浅い傷を受けながらも予期せぬ攻撃による被害を抑え、武器を取り付けた腕をへし折り、黒いロボットのスクリーン状の顔面にオレンジに輝く拳を叩き込み、粉々に打ち砕いた。

そのまま仰向けに倒れた黒いロボットは二三回の痙攣の後に身体から全ての力が抜け、以後動かなかった。

 

「爆ぜろプライム!」

なんとか斧を引き抜いた赤いロボットは戦車の姿へと変化し、その主砲でオプティマスを狙う。

「爆ぜるのは貴様だ。」

オプティマスは背中から青と銀の銃を取り出し、すかさず赤いロボットの主砲目掛けて発射し、その中に潜り込ませる。

その直後、主砲は金属で構成されているとは思えぬ程醜く膨れ上がり、赤く硬い花火を散らす。

戦車はロボットの姿へと戻りふらつきながらも立ち上がろうとするが、その足元の手斧を拾い上げたオプティマスによってその首を薙ぎ払われる。

彼の首はそれにめり込むオレンジの軌道と共に赤い胴体から剥がされてゆき、胴体が倒れた直後に重々しい音を立てながら地面にめり込む。

未だその単眼を点滅させる頭部にオプティマスは寝かしつけるように踏みつぶした。

 

「覚悟しろメガトロン、貴様の野望もここまでだ。」

背中から一本、オレンジに輝く長く大きな斧を取り出し、決闘を始めんとしていたオプティマスを前に、メガトロンはただ立っているだけだった。

「取引をしようオプティマス。」

メガトロンの笑みは、まるで取引が成功する事を確信しているかのように余裕に満ちた笑みを浮かべていた。

 

「いいや、渡さん。」

枷の残骸の残った右手を差し出すメガトロンを、オプティマスは当然のように拒否する。

メガトロンは最早拒否される事など想定済みであったのか、その不敵な笑みを崩す事はなかった。

「勿論タダでくれなどとは言わん、貴様にはそれ相応の対価を支払おうではないか。」

「どうゆう意味だ。」

余裕のあるメガトロンの言葉にオプティマスは嫌な予感を感じ、顔をしかめた。

メガトロンが何かに合図を送るように指を鳴らすと、彼らの十メートル先にはあの緑色の渦『スペースブリッジ』が発生した。

その中から現れるのはスタースクリームとは別のタイプの戦闘機型の青のロボット『ダージ』とあの蠍に似たロボット『ボーンクラッシャー』。

そして、その中には一際小さなボロボロの黄色いロボットの姿があった。

「司令官……!」

黄色いロボットは目覚めたオプティマスの姿に驚く。

「口を慎まんか。」

ダージによって蹴り飛ばされた黄色いロボットは、その手を後ろ手に縛られ立ち上がる事が出来なかった。

黄色いロボットの頭にダージは右手の銃を突き付けるが、何故かそれをいつまでたっても発砲する事はない。

オプティマスはこの黄色いロボットに見覚えがあった。

「バ……『バンブルビー』……。」

捕虜として虐げられる仲間の姿に言葉を失うオプティマスに、メガトロンは容赦なく

「余は貴様にこのオートボットを返してやる、その代わりに…マトリクスをッ!」

その横側からは、バンブルビーが残された力でオプティマスの方を向く。

その傷つき衰弱した姿はオプティマスの心を強く痛め、衝動的に目を背けそうになった。

「駄目です……あたし……みたいな……一兵卒なんかの……」

「黙っていろ!」

ダージに踏みつけられ、その願いさえも遮られてしまう。

メガトロンは、勝利を確信し不敵に笑っていた。

マトリクスがディセプティコンの手に堕ちれば、彼らのある計画によってこの星や太陽系…ひいては宇宙全体が危機にさらされる事をオプティマスは誰よりも理解していた。

だが、このまま渡さない事を選べば、目の前のバンブルビーに命はない。

 

数十秒の沈黙の後、オプティマスは胸部に手を掛け装甲を展開すると、その内部のマトリクスを差し出す。

「分かった……受け取るがいい。」

「話が分かるなオプティマス。」

メガトロンはマトリクスを取り、

「さあ、そいつを返してやれ。」

「了解。」

ダージはバンブルビーを蹴り飛ばし、即行でオプティマスの足元へと運ぶ。

バンブルビーの無事を確信したオプティマスは、彼女がこうもあっさりと開放された事を疑いつつも、マスクを開き安堵からこれまで以上に和らいだ表情を見せる。

「大義であったぞスタースクリーム、貴様の功績がなければこの交渉は出来なかった、その功績に免じて今回の件は大目に見てやろう。」

「……。」

スタースクリームは、自分の持っていた捕虜の情報の開示を称賛された上に、枷を外されて自由の身になったにも関わらず、何か不満な様子だった。

 

それまでよりも大きなスペースブリッジが出現すると、メガトロンを始めとしたディセプティコン達はその中へと消えていった。




オリキャラと既存キャラ(?)を挿げ替えたもう一つの理由は、この第七話でオプティマスが彼ら二名の命を奪わなかったのが不自然に思えた事と、オリキャラなら既存キャラと違って情けをかけようとはそれほど思わないので心おきなく引導を渡せるからです。
オオゥ…オリキャラァ…(申し訳程度の追悼)

オプティマスとメガトロンは今でこそエイリアンビークルですが両者ともこれからアースモードを得る予定です。
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