それゆけ!マスターボンプ!   作:ハンニバル

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ごめんなさい忠勝。
今の私にはこうするしか貴方を自由にする方法が無いの。
この十年間で秘密裏に睡眠ポッドにシステムを構築できた。

接続先はミス·サンブリンガーの遺産…
アーチ教授には感謝しないと。

目覚めた時にびっくりするかもしれないけれど、わたしの子供達を助けてあげてね。


目覚め

 

十一年後 ヘーリオス研究所 マルセルグループ研究区画

 

 

 

 “H.D.Dシステムが起動しました、エーテル回線LEVEL.S回線に接続”

 

 “ヘーリオス研究所、マルセルグループ区画。個体名マスターボンプに本多忠勝とのリンクを確立”

 

 “マスターボンプのエーテル侵食は軽微、対侵食防護壁開放”

 

 “ダークノットを通じて現在稼働中の全ボンプに通知、マスターボンプ起動”

 

 “おはようございます、本多忠勝”

 

 

 

 

 

 

 

 「はっ?!」

 

白い腕の最後の一体を倒そうとして不意を突かれ麻酔弾を打たれた忠勝は急な目覚めに動揺した。

辺りを見回すと白い部屋に何かが収められていただろうポッド。

そして自身の目線が低いことに気がつくと、両手を眼前に持ってくる。

 

 「ボンプの腕?」

 

どうやって物を掴み、トリガーを引いているのか不思議になる短い手、思わず後ずさればキュムキュムとする短い足。

背中に当たったポッドのカバーに写る体を見ればそこにいるのはまさしくボンプであった。

 

 「なんてこった、前にアキラとリンと見た映画のシーンそのままじゃないか」

 

兄妹と一緒に見た映画の内容を思い出しながら忠勝は改めて自身の身体を見た、H.A.N.Dの制服を模した羽織を着て背中のホルダーにはボンプサイズまでに縮小した槍があった。

 

 「このボンプはヘーリオス研究所のマルセル区画に保管されてた奴か?カローレがふざけてタダカツボンプとか言って改造していた…」

 

マルセルの研究員に二人ははかなり怒られたが、改造後のスペックを見てそのまま保管されていたボンプ。論理コアは搭載されておらずH.D.Dシステムの強化コアが搭載されていた。

 

 「完全に俺の意識がコイツに入っているのか、意識を失ってから一体何があったんだ」

 

何か手掛かりか無いかとポッドを調べてみると機能を停止したボンプが一匹倒れていた、H.A.N.Dのボディーアーマーにはリッグスと記された名札があった。

そして力尽きた手には黒いメモリーカードが一枚握られていた。

 

 「リッグス…お前どうしてここに、こんなにボロボロになって」

 

対ホロウ零課の車両とロジ担当であったリッグスはトラックを運転して逃げている筈だった、メモリーカードを拾い額のリーダーに差し込むと忠勝は記録されていた情報により全てを理解した。

 

十年と言う長い時間を睡眠ポッドで拘束されていた忠勝を意識だけでも救うためにカローレがした事、最後の仕上げにリッグスが単身で危険なホロウに入りここまで来た事。

普通ならばボンプ一匹で来れる筈が無いホロウの深淵まで来たのだ、ただでは済まず機能を停止してしまっている。

 

 「ありがとうリッグス、どうにかして治してやらないとな」

 

ボロボロであるがバッテリー切れで機能停止しているだけの様で、充電すれば動き出すだろうがポッドの電源は落ちていた。

部屋もポッド以外はなくホロウの中で生きている設備は無いに等しいだろう。

どうしたものかと悩む忠勝、メモリーカードにはカローレが用意したキャロットが残っていたがリッグスを抱えながら移動するには厳しい道程であった。

 

 「ンナンナ!」

 

突如として響くボンプの鳴き声、ハッと入り口を見ると黒いボディに一回り大きいサイズのボンプが10匹ほど入ってきた。

 

 「野良ボンプだと?どうしてここに」

 

 「ンナ!ンナナナ!」(起きた!マスターボンプ!)

 「ンナン、ナンナナ!」(ダークノットからの通知の通り!)

 

ンナンナと喜びを表しながら野良ボンプ達は忠勝達に群がり、リッグスと共に担ぎ上げた。

 

 「何をするんだ!?」

 

 「ンナナナ!」(安全な場所までご案内します!)

 「ンナンナ!ナナ!」(充電も出来ます!行きましょう!)

 

野良ボンプ達はそのまま部屋を飛び出すと、エーテリアス達が集まる前に彼らの安全地帯に走っていくのであった。

 

 





RandomPLAYにて

 「お兄ちゃん!大変だよぉ!リッグスが居なくなっちゃった!」

 「何だって!?」

 「昔の制服も無くなってて、隼号も乗ってってるみたい…」

 「リッグス…いきなりどうしたんだ…」
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