何故かメノリに成り代わりました。   作:如月雪見

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前回
藍染と東仙が、市丸の代理である日番谷を連れて戻って来ました。

食糧庫は予想以上の補充でパンパンです。

独断専行で涅マユリが来たけど、強制送還されました。
翌日の夕方、他の死神達と共にまた来ました。

依頼通りの作業をしました。
涅マユリは何を調べているのでしょう?




今回
尸魂界で起きた騒動の内容を死神達が語ります。

分析を終えた涅マユリが戻って来ました。
ついでにザエルアポロも登場。

メノリに成り代わり中の<私>の能力が判明しました。
欠けていた記憶の一部と大切な宝物も。


オリキャラ増加、過去改変有ります。

<私>の能力について+αの説明がメインです。

ご注意下さい。



尸魂界で起きた騒動→<私>の能力と宝物

 

 

 

涅マユリが先程のカメラ映像の解析を始めて、私達が席に着いたのを見計らって、雀部長次郎が口火を切った。

 

「…改めて、突然の来訪を受け入れてくれた事、誠に感謝致します」

「此方こそ、御足労頂きまして…東仙様と日番谷様から話は少し伺っています…私の思い付きで用意したお土産が原因で、尸魂界で騒動が起きた…と」

「…その件については、彼等に直接話して貰った方が良いと判断し、連れて参った次第で…順番に聞いて頂いても宜しいか?」

「はい」

 

*以下、皆様からの惚気や自慢話等の脱線により、かなりの長話をされたので、誠に失礼ながら今回の騒動の概要のみを纏めさせて頂きました。

 

話は朽木白哉から始まった。

彼の妻でルキアの姉である緋真は元々身体が弱く、滋養に良い食事を取り、現状維持をどうにか保って来たが、半年程前から体調を崩し、寝込むようになった。

容態は日に日に悪化し、半月前には自力で起きる事もままならなくなっていた。

しかし、東仙から例の土産を彼女にと渡され、比較的食べやすい寒天寄せを食べさせたところ、翌朝には自力で起き上がり、久方振りに食欲もあるからと、手付かずのカステラも食べさせた夕方には、今迄通りの食事もある程度食べられるようになり、翌日には1日中起きていても体調を崩す事なく過ごし、今では部屋の前にある庭を歩ける迄に回復した。

 

次に話したのは志波海燕。

此方も妻、都が去年待望の息子を生んだ後、肥立ちが悪くて家事は愚か、子育ても満足に出来ずに、ずっと床についたままでいたが、土産を食べた翌日から今迄の体調不良が嘘のようにみるみる回復し、今ではずっと出来なかった家事、育児に勤しんでいる。

 

それだけでは無いと興奮しながら話すのは朽木ルキア。

自分が所属する十三番隊の隊長は生まれつき身体が弱く、肺の病を患っている。

先月、少し無理をした所為で喀血して倒れ、以来ずっと寝込んでいたが、同じくお土産を食べた翌日から今日まで余程の無理をしない限り、咳をする頻度も倒れる回数もぐっと減って、隊士達を驚かせた。

それに例え体調を崩しても、ひと晩休めば翌日には起きて事務仕事をこなせるくらいには回復すると言う。

ちなみに、朽木白哉と志波海燕の話の間、口を挟まない代わりに頻りに首を縦に振っていた

 

射場鉄左衛門も涙混じりで語る。

病を患っている母親が流行病にまで罹り、それが悪化して合併症となってしまい、日常生活を送るのにも近所の人達の援助が必要となってしまった事を気に病んでいた。

ちょうど帰省の日と土産を貰った日が上手く重なり、母親と共に食べた。

やはり翌日、寝込む原因となった合併症が大分緩和され、そのままぶり返す事無く、3日程前に完治を告げられた。

しかも、元々患っている病も完治には至らないものの、小康状態を保てる程度にまで回復したと言う。

因みに、共に食べた彼も帰省前に稽古で無茶をして痛めた肩と二の腕が、翌日には最初からそんな怪我など無かったかのように痛みも何も無くなっていたと言う。

 

射場さんが落ち着いたのを見計らって、綱彌代昌時さんが語り出した。

今から85年程前、(勿論、<私>の記憶に無い話だが)尸魂界全域に虚が大量発生する事件が起きた。

彼は当時まだ1歳くらいで記憶に無いが、虚は貴族街にも襲来し、特に綱彌代本家に集中した。

当然、死神である祖父母と父親は虚退治に奔走、最後の虚の死に際の一撃が祖母を襲い、祖父が庇って事無きを得た。

しかし、その時負傷した右手の強張りが日に日に酷くなり、山田花太郎の兄、清之介が診た結果、虚自身の死と引き換えの強力な呪い、夜毎に少しずつ身体が石化していくモノだという事が判明した。

診断を下した山田清之介にも、この呪いの解除は不可能で、以来、本人の霊圧でどうにか進行を遅らせていたが、呪いの範囲は拡がり続け、ほぼ寝た切りになってしまった。

東仙が見舞いと共に持って来た土産を口にしたその夜、呪いに悩まされる事無く眠れた上に、翌朝には冷たく動かなくなって久しい身体が熱を帯び、左手と両足の指先が僅かに動くようになっていた。

その後も呪いの範囲は狭まり続け、現在の呪いの範囲は右の上半身のみを維持していると言う。

 

最後に山田花太郎が兄清之介の代理と4番隊の代表として、今回の騒動で劇的な回復をした人達全員分だと思われる六法全書並の厚さはある診断書を開示した。

寒天寄せだけを食べた人、カステラだけの人、両方を食べた人…どの人も、お土産を食べる前と後の差が凄い。

まるで別人のように健康体を取り戻しているか、症状が緩和されている。

 

…それにしても

 

「皆様、良くなられて良かったですね。ほぼ同じ時期にと言うのは驚きましたけど」

「「「「…え?」」」」

「「「は?」」」

「何をすっとぼけた事を抜かしているのかネ゙、この破面は」

「え?」

「仕方ないだろう、涅マユリ。彼女は覚醒してまだひと月も経っていない…その上、破面化する以前の記憶がかなり曖昧どころか、殆どが欠けたままらしくてね…それに此方にも色々と都合があったからねぇ…全てを踏まえると本人に知らせるのは時期尚早だったのさ」

「うげっ、出たわ!」

「い、いつの間に…」

「…何の用ですか?オリジナル」

「相変わらずだねぇ、君達。彼女の能力については此方でも分析していたんだ。来るのは当然だろう?」

「「「「えぇ…」」」」

「その反応は心外だね。藍染様直々の御命令だよ?受けない訳が無いだろう?」

「…その御命令を盾に、他にも何かしていませんか?正直に答えて下さい、オリジナル」

「彼女との契約と科学者生命に誓って何もしていないさ。お前にも契約書の控えが行った筈だから知っているだろう?契約内容の変更も破棄も全ての権限は彼女にのみあるんだ。しかも僕には一切拒否権が無い。不興を買う訳にはいかないだろう?」

「確かに…」

「それもそうね…」

「…なら良いです」

「さてと、メノリの能力についての此方から提示出来るデータを全て持って来た。情報共有と行こうじゃないか」

「フン!遅刻者が仕切るんじゃないヨ!」

「仕方ないだろう?何せ半月振りのアンコ達をしっっっかり堪能しつつ、保管するのに時間が掛かったのだから」

「キィーサァーマァァァー…!」

 

…相変わらずのあんこ愛だね

…原作じゃザエルアポロのが始終不利だった筈なのに

…逆にザエルアポロがおちょくってない?

 

「まぁ、冗談はさておき…その映像を見せる前に知らせておいた方が良い情報がある」

「フン!」

「…?」

「君達はネリエルの唾液に、治癒能力が少なからずあるのは知っているかい?」

「え、そうなんですか?メノ姉様、ロカ、シャルさん」

「え?えっと…」

「存じ上げていますが?」

「勿論、知ってるわよ。それが何?」

「メノリの【影】にもその能力が備わっているんだよ。ネリエルよりもずっと強力な…ね」

「「「「えぇ!?」」」」

「やっぱり気付いていなかったみたいだね。無理も無い、今迄君達の中で誰も怪我をしていないし、本人にも使った自覚は無いのだから…さて、其処の…確か山田花太郎…と言ったかな?左足を出したまえ」

「え?」

「怪我をしているだろう?」

「え、あ」

「早く」

 

もたつきながらも言われた通り、袴を捲れば弁慶に見事なアザと切り傷が出来ていた。

 

「うわぁ…」

「見事なブス色ね…」

「血も滲んでますよ」

「山田十二席、それはどうした?」

「え、あ、兄の代理がその、きゅ、急に決まって、し、しかも来る予定だった席官の方々が皆来れなくなって、い、色々と慌ててたらうっかりぶつけちゃって…帰ってから治そうと思ってたので…」

「メノリ、彼の怪我に【影】が当たるように手を翳してみてくれないかい」

「え?えぇ」

 

言われた通り彼の膝に【影】を翳すと、あっと言う間にアザと傷が消えた。

 

「え!?」

「ウソォ!?」

「す、凄い…」

「わ、私にこんな力が…何で…?」

「それは僕にも解らないさ。ただ君の【影】には自分以外の誰かの有りと汎ゆる異常を打ち消し、癒し、元気にする能力が宿っている。それは覆しようの無い事実だよ」

「…オリジナル、今、【自分以外の】と言いましたよね?メノ姉様は自分を癒す事は出来ないのですか?」

「治せない可能性が非常に高いと言うのが、今迄の調査から出した結論だよ。実際に相応の怪我をしてみない事には何とも言えないね」

「えぇ…」

「そんな…」

「まだ話は終わっていないよ。君はその癒しの能力では満足出来なかったようだ。【影】のかからない部位には効果が発揮出来ない。どうにか【影】の外にも等しく能力を…と。そこで目を付けたのが食事さ。どの種族も食事は欠かせないモノだからね。調理する際、どうあっても【影】が食材にかかる。洗ったり、掴んだり、混ぜたりとね。破面化する際、強く願った結果が今に繋がっている筈さ。まぁ、肝心の君の記憶が正常じゃないから全て推測の域を出ないけどね」

「…【影】がかかった状態で作った料理やお菓子、飲み物は全て回復薬に変わる…?」

「君の【影】のかかった食事は回復の効果を持つ、が的確な表現じゃないかな?」

「…つまり?」

「【影】そのものは外傷から、食事を通して内部からその対象を癒し、元気にする事が出来る…と言う能力を彼女は所持していると言う事さ。それに…」

「まだあるの!?」

「癒しの能力範囲が拡がっても尚、君は満足しなかった。そもそも何故怪我をする?必要以上に傷付く原因は?それは癒してあげた者が弱いから。折角、癒してあげたのに弱い所為でまた傷付いては意味が無い…ならば、癒すだけでなく、今よりも強くすれば良い…そんな結論に至った君が新たに手に入れた能力も食事に含まれているのさ」

「…つまり、メノ姉様の作る食べ物全てに回復と、身体強化のような効果がある…と言う事ですか?」

「その認識で大体合っていると思うよ。しかも、食べて完全に吸収、消化、排泄をしてもその効果が切れる事は無い」

「…それは、メノリさんの食事を食べれば食べる程、健康は維持され、ほぼ無限の力を得る事が出来る…と?」

「嘘ぉ!?それが本当なら、規格外も良いところじゃない!?」

 

…どれだけ説明されてもピンと来ないなぁ

…メノリに成り代わった<私>にこんな能力がある事自体驚きなんだけど

…でも、おかしくない?今の説明だと

 

「…寒天寄せについてはまだ解るわ。寒天液の味を調節したのは私だから…でも、カステラは有り得ない。完全に二手に分かれて作ったもの。私の【影】がかからなかったのが半分はあるわ。カステラだけを食べた人だって、この診断書にはいるし…偶々その人達のところに私のが渡ったとは考えにくいもの。何か別の理由でそちらの方々は回復した可能性だって「その可能性は無いさ」…え?」

「君の願いを叶える為に動いていた存在がいるのさ」

「…は?何それ?何を言っているの?」

「…流石の僕も余りにも健気に思えて来てね…先に此方の映像を見て貰おうか」

「映像?」

「良く見給えメノリ=マリア、自身がどんな状態で厨房に立っているのかを」

「え?…は?…何コレ!?」

「ヤダァ〜、何てウルトラ(略)キュートな子達なのぉ〜!?」

「カ、カワイイです!すごくすごくカワイイです!!」

「メ、メノリさんの【影】から子猫と子犬が…!」

 

そう、カステラを作り始めたのとほぼ同時に、私の【影】から背中に翼を生やした真っ白な子猫と、真っ黒な子犬が出て来た。

説明がてらのお手本として、1回目のカステラを計量からオーブンに入れるまでの間、私の【影】にみんな何らかの形で接触した直後、2匹はそれぞれの【影】に分裂して入り込んだ。

ひと通り作り方を教えてから役割分担後、みんなの【影】に2匹は入ったままの状態を維持して、カステラ作りは終了した。

 

「何コレ!?どういう事!?」

 

映像に耐え切れず立ち上がり、自分の【影】を凝視した。

 

「今は君の【影】の中だけにいるよ、メノリ。君が覚醒してからずっと觀察していたけど、どうやら君が厨房に立つか危険な目に遭いそうになる度に【影】からこの子猫と子犬は出て来るみたいだね」

 

「え…?」

 

座り直すよう促され、座ってすぐに残りの映像データも早送りで見させられた。

 

1番最初の、みたらし団子を作っているところからずっと、

私の【影】からジッと見つめている2匹がいて、ロリに絡まれた時は全身を【影】から出して警戒して…無事に部屋に向かったところで【影】に戻った。

生姜焼き定食の時も同じで。

作り過ぎて途方に暮れている私を心配そうに見ていたが、他の破面達にお裾分けしている間、その相手を警戒心丸出しで見ていた。

その後も私が料理長に任命された後、小豆の選別作業をしたみんなの【影】に分裂してどんどん入って行く姿がしっかり写っている。

ロカとシャルさんにみたらし団子を教えている間は2人の【影】に。

翌日の朝食と昼食ではロカの。

あんこ作りではロカ、シャルさん、途中からテスラにも。

ロカだけじゃなく、ビアが加わってからも。

今回涅マユリが撮った再現の為の映像にも。

ノイトラに絡まれていた時は明らかに彼を威嚇して。

私が厨房に立つ、或いはイヤな事が起きる度にずっと…

 

「何?何なの?この子達は一体…」

 

――――――――――――――――――――カチャッ

 

私の中で何かが開く音がした。

―――2匹との記憶の扉の錠が解けた音が―――

 

…あぁ、そうか、そうだったんだ

…何で忘れてたんだろう

…<私>の大事な<家族>達を

 

「メノ姉様?」

「メノリさん…?」

「メノちゃん?」

 

突然、黙った私を心配する3人の声に顔を上げて答えた。

 

「…大丈夫。大事な宝物を思い出して、取り戻しただけだから…ね、<華音/カノン>、<真墨/マスミ>」

 

【影】と向かい合うように姿勢を変えて、その<名前>を呼んだ。

瞬間…

「ナァーオ!」

「キャンキャンキャン!クゥ〜ン」

 

歓喜の鳴き声と共に、物凄い勢いで飛びかかって来た。

 

「わっとと」

「メノリさん!」

「メノ姉様!」

「メノちゃん!」

 

3人に支えられたおかげでそのままソファに倒れ込まないで済んだ。

まぁ、霊体だから衝撃は無かったけども。

 

「ごめん、ごめんね。ずっと忘れてて、思い出せなくて」

「ナァーン」

「キュウ〜ン」

「メノ姉様、この子達は?」

「子猫の方がカノン、子犬がマスミって言って、私とずっと一緒にいたの、ココに来る前からずっと」

「カワイイです!」

「でしょ〜」

「んんっ!!」

「「あ」」

「す、すみません…ザエルアポロ、この子達の身体ドコ?あるでしよ?」

「あぁ、此処に」

「「「…卵?」」」

「もう大丈夫だから、ずっと…"ずっと一緒"…ね」

 

―――――パリンッ

―――――パリパリッ

 

「…ンナァ〜」

「…クファ〜」

 

2匹共に無事、霊体の姿そのままの実体を得た。

そのまま欠伸と伸びをして身繕いを始めた。

唖然としている死神達に取り戻した記憶を整理しながら、私とカノン、マスミの説明をした。

 

「私の癒しの能力を拡大させる為に、マスミは【影】を移動して、能力の【共有】をしたんです。それでお土産全てに同じ効果を付与させたのだと。カノンは能力を暴走させないように安定させる【補佐】の役目を担っているので、一緒に行動していたんだと思います」

「…やはりか。そんなところだろうと予測は出来ていたヨ」

「あと、能力の発動条件についてですが…追加させていただきますと、外傷には【影】を翳せば無条件で癒しますが、食事による癒しには食べてすぐの効果は現れません。個体差がありますが、食べて1〜3時間程の経過と睡眠…ほんの少しの仮眠でも良いです。それをしないと発動しません。その証拠に、皆様が眠った翌日に変化が見られていますよね?…それと、1番重要なのは、食事を作る時の私の心理状態…強く願った事が最優先となり、食べた方々に影響を与えます。仮に負の感情のままに作れば、それを食べた方々の体調は最悪なものに変わります。なので、私も十分注意しますが、私を余り憂鬱な気分にさせないよう、皆様も宜しくお願いしますね?」

 

牽制の意味を込めて、苦笑交じりの表情で釘を刺しておく。

黙って私達の遣り取りを見ていた東仙と日番谷の表情が少し引き攣った。

 

…まぁ、料理長だし、仕事だと割り切って作るから何の問題も無いけどね

…言うべき事は言っておかなきゃ…ね?

…あ、そう言えば

 

「涅様が昨夜仰ってた計画がどうのって…?」

「今更かネ゙!?…全く、ザエルアポロと言い…本当に良い性格をしているヨ、メノリ=マリア!」

 

憤慨しつつ、昨夜言いたかったらしい事を彼は語った。

 

どうやら、原作にあった【眠計画】の6号の寿命を私のお土産が伸ばしてしまった事への落とし前を付けたいらしい。

 

…話は聞いたけど、全部私の所為みたいに言うの止めてくれない?

…お土産は市丸への応援だけでなく、礼儀としてお祖母ちゃんに教わったから用意しただけだし

…この能力の事だって、たった今説明されて思い出したんだし

…大体、誰の手に渡るかなんて私が把握出来る訳ないし

…貴方の部下が良かれと思ってやった事の責任を、押し付けられる筋合いは無い!

 

押し問答を繰り返していたら、誰かのお腹の虫が響いた。

発生源は左隣に座っているビアだった。

真っ赤になって俯いている。

 

「夕食早かったもんね。何かあったかな?今食べても支障が無いのは…あ、ヨーグルトと林檎がちょっと残ってるな…良し、林檎ジャムも混ぜて…ダイスカットした林檎のヨーグルト完成。はい、どうぞ」

「わぁ、ありがとうございます!」

「良く噛んで食べなよ?」

「はい!」

「良かったわね〜ビアちゃん」

「シャクシャク…はい!」

「あー、ロク、ロクもぉ!」

「い、何時の間に…昨日今日と何で起きるんだ、このタイミングで!?」

「うぅ〜…ロクもぉ〜!びえぇ〜!!」

 

…しまった、大人しいから油断してた

 

「えっと、ロクゴウ…ちゃん?は食べられないモノってありますか?あと何歳ですか?」

「あ?いや、特には。歳は2歳だがそれが…?」

「幼児食…今のでリンゴはともかく、ヨーグルトはもう無い…あ、バナナと豆乳で…」

 

ミキサーに手で折ったバナナと豆乳にごく少量のレモン汁を入れてスイッチオン、バナナの食感がほんの少し残るくらいでビアの容器と同じくらいのコップに注いでストローとスプーンを用意してロクゴウちゃんの前に出した。

 

「はいバナナ豆乳、どうぞ」

「う?…バナニャ!」

「うん、どうぞ」

「きゃぁー!…ングング」

「…済まない、助かった」

 

機嫌が直ったロクゴウちゃんは、注いだ分全部を食べて再び眠った。

 

「全く、この食いしん坊は…一体、誰に似たんだかネ゙」

「…秋刀魚に目が無い隊長」

「何か言ったかネ゙?」

「いえ、何も」

「…秋刀魚、お好きですか?なら…」

「ちょ…!」

「メノリさん!」

「もがっ!?」

 

シャルさんとロカに口を塞がれた。

 

「何でアナタはそう口が軽いの!?」

「いい加減、学習して下さい!」

「…秋刀魚がどうしたと言うのかネ゙?」

「そちらからたくさんのサンマが来て、ダメになってしまう前に、持って帰りませんか?ってメノ姉様は言いたかったんですよ」

「ビアちゃん、ナイスフォロー…」

「ほう…たくさん?」

「はい、梅煮をこ〜んな大鍋いっぱいに作ってもまだ残っているんです!」

「ビアーーーーーー!!」

「ビアちゃーーーーーん!!」

「やれやれ…やってしまったねぇ」

「え?…あ!」

「ぷはっ…あ〜ぁ…」

 

…ロカがココまで大きな声出すの初めて見たなぁ

 

この後、試食した秋刀魚の梅煮を甚く気に入った涅マユリの【眠計画】に対する落とし所は、ロクゴウちゃんのオヤツと共に、梅煮を定期的に十二番隊の隊長室に送る事で決着した。

 

 

 

 

 

…涅マユリが秋刀魚好きだったのは知らなかったわ〜

…まさか、ザエルアポロのあんこに続いて、彼にもとは思ってもみなかったなぁ

…レシピをさしあげますから、自分で作りませんか?

…ダメですか(舌打)

…髪の毛と体液をひと通り採取する予定だったのを、髪の毛数本と口内の粘膜と切った爪だけにしてやるからって

…マジか、どんだけ気に入ったのよ?

…あ、皆様も良かったらどうぞ

…大丈夫ですよ、保存食として作ったモノですし

 

…夜分遅くまで御足労様でした。お気を付けて。

 

 

 

…やっと終わった〜。あ〜疲れた。

 

 

 

 

 





過去改変
約85年前の虚大量発生事件
原作で、藍染が暗躍した魂魄消失事件(浦原冤罪事件)に代わって起きた事件。
この事件で平子達が戦った虚の中に、死神や人間を同胞にする能力所持者が紛れていて、原作で虚化させられた面子が相次いで被害に遭った。
事件後、四十六室の会議の結果、尸魂界を追放された。
以来、現世で人間に紛れて生活している。



オリキャラ
カノン(華音)
背中に翼を生やした真っ白な子猫。
仮面の名残りは鈴付きの首輪。
記憶を失くした<私>に置いて行かれたくなくて、影に入り込んでいた。
情報収集と防御が得意。
他にも、同行する対象の能力を調節、安定させる【補佐】の役目を担う。
<私>が最初にいた【世界】で得た相棒。
この子を受け入れた事が原因で【世界】から追放された。
翼から抜けた羽は分身体として全て<私>の為に動く。

マスミ(真墨)
真っ黒な子犬。
仮面の名残りは首のスカーフっぽいモノ。
カノンと同様に片時も離れたくなくて、<私>の影にずっと隠れていた。
奇襲と攻撃、特に集団戦が得意。
他にも、入った【影】の持ち主に能力を【共有】させる事も出来る。
必要に応じて数を増やして敵を翻弄、最大で10,101体まで増える。
<私>が3番目に行った【世界】で得た能力の一部。

他の能力は未だ記憶が戻らない為、ザエルアポロの専用保管庫にて待機中。

<私>
この【世界】に来るまでにX回もの転生を繰り返した特殊な存在。
異端者として和尚に警戒されている。
ある出来事が原因でメノリ=マリアに成り代わった。
何故か、小説の一部と原作の大まかな記憶はある。
お祖母ちゃん子だったのか、不意に思い出すのは祖母との思い出である事が圧倒的に多い。
前世までの記憶を虫食い状態ではあるが取り戻し始めた。
今世の記憶は未だに皆無に等しい状態である。





作者なりに矛盾が無いように執筆したつもりですが…難しいです。
アレコレ付け足したり、消したりしていたらまた8000字オーバーしてました…。


ここ数日、体調不良の日が続いて、執筆速度が更に下がりました。
週に一度の投稿を目標にはしていますが、難しくなるかも知れません。




次回、ノイトラの処遇とグリムジョー【刃】入り。
そして、一方的に知っているけど、初対面の方々と顔合わせ…まで書けたらと思っています。
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