何故かメノリに成り代わりました。   作:如月雪見

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前回
グリムジョー【刃】に昇進。

テスラ厨房担当の仲間入り。
アイスクリームとメレンゲクッキー美味しいです。

【繭】メンバーに加入しました。
ついに原作十刃の上位の方々と会いました。


今回

【繭】の先輩方とのご挨拶。
ビアはお姉ちゃん子なのです。
私の前任は意外な方でした。

思わぬ邂逅と取り戻した前世までの記憶と〈家族〉達。

そして姫様との謁見。




【繭】の先輩方→奥方様との思わぬ接点→姫様との謁見

 

 

入って来たメンバーの中で1番幼い少女が嬉しそうに駆け寄って来た。

 

「アンタがメノリ=マリア?」

「あ、はい。そうですが…」

「わぁ〜、やっと会えたー!ずっと会ってみたかったんだ!あんな美味しいお菓子を作れる破面ってどんなんだろうってさ!」

「は、はぁ…えっと…あ」

「ん?」

 

ゴンッ!

 

「…ったぁー!何すんだよスターク!?イタイじゃんか!」

「いきなり距離詰めんなリリネット、後ろの奴等も困ってるだろ…悪ぃな、コイツは本能で動いてるところがあるから」

「あ、いえ大丈夫です。えっと…」

「俺はスターク、コヨーテ=スタークだ。で、コイツが」

 

ゲシッ

 

「うぉあっ!?」

「ふん!アタシはリリネット、リリネット=ジンジャーバッグって言うんだ!リリネットって呼んでよ!」

「おま、膝カックンは止めろって言ってるだろうが!」

「フンッだ!知らないよ!」

「あー…と、その、えっと?」

「2人とも、その辺にしておけ…騒がしくて済まないな。私はティア=ハリベルだ。好きに呼んでくれて構わない。お前達も自己紹介してやってくれ」

「「「はい、ハリベル様!」」」

「アタシはアエミルー=アパッチ、ハリベル様の第一従属官さ」

「はぁ!?何を寝惚けた事言ってるんだい!?第一従属官はこのアタシ、フランチェスカ=ミラ=ローズに決まってるだろ!?」

「はぁ…2人して何を大法螺吹いていますの?これだから単細胞は嫌ですわ。私まで同類に見られてしまうではないですの」

「「ンだと!?スンスンてめぇ!!」」

「私、シィアン=スンスンと申しますの。どうぞ良しなに」

「「無視すんなコラァ!!」」

「はぁ…初対面の者達の前でよくもそれだけ騒げるな」

「久し振りのメンバー加入にはしゃいでいるんだ。大目に見てやって欲しい」

「は、はぁ…」

 

…生で3人娘の遣り取りを見る事になるとは思っても見なかったなぁ

 

「…まぁ良い。俺はウルキオラ=シファー。ウルキオラと呼べ…そして、お前に伝えるべき事がある」

「え?」

 

…原作通りの鉄仮面だけど直接伝えたい事って?

…料理が口に合わないとか?

…前任の方に戻して欲しいとか?

…それは藍染に言って貰わないと

 

「おやつに出るゼリーとアイスクリームの量をもっと増やしてくれ」

「は?」

「おやつに出るゼリーとアイスクリームの量をもっと増やしてくれ」

「えっと」

「おやつに出るゼリーとアイスクリームの量をもっと増やしてくれ」

「あの、ちゃんと聞こえてますけど」

「そうか、因みに姫様は葡萄の果肉入りがお気に入りで、俺はすりおろし林檎のが好みだ」

「あ、はい」

「おいウルキオラ、何堂々とおやつの催促してやがんだテメェ。姫様の好みを教えんのはいいけどよぉ、テメェの好みまで教える必要はねぇだろうが」

「事実を述べただけだ」

「…はぁ〜、そうかよ…ったく、俺はヤミー=リヤルゴだ。で、このウロチョロしてんのがクッカプーロだ」

「アンアン!アン!」

「ご丁寧にありがとうございます。料理長を務めています、メノリ=マリアと申します。子猫がカノン、子犬がマスミです」

「ナァーオ!」

「キャン!」

「助手のロカ=パラミアです。ロカとお呼び下さい」

「同じく助手でメノ姉様の妹のルビア=アルコ=イーリスです。みんなからはビアと呼ばれています。宜しくお願いします」

「同じく助手のテスラ=リンドクルツだ、宜しく」

 

自己紹介をしたが、予想通りと言うか…彼等の視線はビアに集中している。

 

「今、メノリの妹とか言わなかったか?」

「姓が違うが…グランツでは無いのか?」

「あの男と違って、傲岸不遜では無いみたいですけど…」

「でもそっくりじゃないか?」

「だよな、眼鏡無しのちっちゃいザエルアポロにしか見えねぇよ」

「容姿がどうあれ藍染様が選んだ奴だ。問題あるまい」

「でもよぉ…」

 

容姿のベースがザエルアポロだからだろう、物凄い疑いの目を向けられている。

 

…ちゃんと説明しなきゃ理解は得られないよね

 

ビアの事を詳しく話そうとしたら、当の本人が話し始めた。

 

「ボクはザエルアポロが造った人造破面です。奴の事はオリジナルと呼んでいます。オリジナルに似ているのは奴のバックアップデータの一部が使われているからです。メノ姉様が作ったあんこをオリジナルの所へ安全に、出来る限り迅速に持って行くのと、オリジナルが作成した道具等をメノ姉様の下へしっかりとお届けするのが役目です」

「あー…つまり、ザエルアポロとメノリの間で取引があって、ルビアはその運搬係ってところか?」

「はい」

「その名前は?グランツじゃないのは?」

「メノ姉様に付けていただきました。オリジナルはボクの事をオマエもしくはアンコガカリと呼んでいます」

「…マジか」

「アンコガカリって…」

「名前じゃなくて役目呼び?」

「相変わらずだな…野郎」

 

疑いの眼差しから同情の眼差しに変わった。

 

「…悪かったな。余りにもザエルアポロに似ているもんだから、つい警戒しちまった」

「仕方ありません。オリジナルの事を知っている方は、ボクの事をそういう風に見ますし…中には劣化コピーと言う方だっています」

「「「「「………」」」」」

「言いたい人は勝手に言っていれば良いのです。ボクにはメノ姉様にロカ、テスラさん、シャルさん、ヒロさんを始めとする厨房の方々やボクはボクだと解ってくれる方々もいます。どうでも良いオリジナルですが、感謝している事もありますよ。本人には絶対言いませんけど」

「へぇ…それは?」

「ボクをアンコガカリとして造った事です。おかげでメノ姉様と出会えました。アンコガカリなので、メノ姉様の傍に堂々といられます。何より、1番の感謝はボクに名前を付けなかった事です。おかげでメノ姉様から素敵な名前を付けていただけました!」

 

私に抱き着きながら満面の笑みで言い切るビアに苦笑を浮かべながら、スターク達は頷いた。

 

「そうかい…んじゃ、改めて宜しくな6人とも」

「「「「宜しくお願いします」」」」

「ナァーオ!」

「キャンキャン!」

 

その後、誰がどんな役目を負っているのか情報の共有を行った。

 

入浴や着替え、身嗜みを整えるのは当然、同性のハリベルと3人娘が。

姫様の礼儀作法と座学はウルキオラとスタークが。

体力作り及び遊び相手はリリネットとクッカプーロ、ヤミーが。

 

では、食事は誰が用意していたかと言うと、意外だが考えてみれば納得の破面が作っていた。

 

「…ルドボーン=チェルート?」

「あぁ、元々は雑用としてこの区域に採用されたんだが、アイツの帰刃は部下をいくらでも量産出来るっていう代物だ。弱点が無い訳じゃ無いが、ルドボーン自身に覚えさせた作業は、生み出した部下達もある程度再現出来るのがとても便利だからと、かなり重宝されている」

「人選が厳しい所では確かに重宝されてもおかしくありませんね」

「あぁ、大量に部下を生み出して役割分担を指示しているところを偶々見た姫様が、忍者だと騒いでな。以来、ルドボーンの奴は姫様の理想の忍者になるべく日々精進してるって訳だ」

「え…」

「料理係の後任が決定したって聞いた時のアイツはすげぇ喜んでいたぜ。これで姫様専属の忍者を目指せるってな」

「えぇ…」

「因みに料理をしている間は忍者の姿ではなく黒子の姿をしていたからな。姫様の忍者が料理をしていたらおかしいとか言って」

「………」

 

…それでイイの、ルドボーン?

…忠誠心を讃えるべきか、彼の行く先を案ずるべきかちょっと考えてしまったよ

 

他にも気になる事を聞いた。

 

「お出ししている料理、足りていますか?明らかに人数よりも少ないと思うのですが…」

「問題無い」

「メノリの料理のおかげで、奥方様の本来の力が完全復活してな。今の量で十分間に合ってる」

「奥方様の?」

「この後謁見すると思うが、奥方様は生前完視術者でな。紙と筆さえあれば大抵の願いを叶えられるらしいぜ」

「…そうなのですか」

 

…どんな方なんだろう

…怖い人じゃないとイイな

 

私達が話している間に、カノンとマスミはクッカプーロと意気投合したらしく、何かあった時の為にと彼の【影】に分身体を入れた。

 

…コレで緊急時にコチラに応援を送る事が出来るよね

…他のメンバーにやったら、邪魔になる可能性があるけど、最低でもクッカプーロは守られる。ちょうどいいわ

 

他にも、彼等の好みや苦手な食べ物についても聞かせて貰った。

 

…予想通り女性陣は甘党で、何気にウルキオラが姫様と味覚が1番近いお子様舌

…スタークはどれも食べられるが、特にエビと鶏肉、豚肉が好き

…ヤミーは薄味よりもしっかりした濃い味付けが好き

…クッカプーロはヤミーが用意している専用のエサでOK、ただしオヤツはみんなと一緒と

…奥方様は獅子唐とナンバンにトラウマがあって、どんな調理をしても食べられないと

…それと同時に辛いモノも苦手と

…よし、出す前に解って良かったぁ

…特に奥方様については全然情報入って来なかったし

 

仕事を終えて来たルドボーンとも無事自己紹介と、前任者視点の、より詳細な情報も得られた。

欲しかった情報も得られたし、ビアへの偏見も払拭出来たし、何より推しのウルキオラとリリネット、そしてクッカプーロに会えたのが大きい。

顔は見ての通り仮面でヒンヤリだけど、それ以外はフワフワの毛皮でマスミ達とは違う感触に癒された。

とても有意義な時間だったと思う。

 

 

 

 

 

 

無事【繭】メンバーに加入して先輩方と情報共有をした後、姫様と奥方様との謁見は昼食後だからと厨房に戻り、昼食とオヤツ(ウルキオラリクエストのゼリー増量版)を一緒に作って、いつも通り給仕係に渡して、私達も昼食をとる事にした。

 

「はぁ…」

「メノ姉様、余り思い詰めないで下さい」

「そうですよ、あれこれ考え過ぎてしまうのはメノリさんの悪い癖ですよ」

「一応、先輩方から姫様との接し方は教わったんだから大丈夫だろう。余り謙っても良くないだろうし、姫様はそう言った気配に敏感らしいから、取り敢えず藍染様方と接するように話せば問題無いと思うぞ」

「うー…頭では解ってるつもりなんだけどねぇ…」

「どうしたの?メノリ」

「あ…ネリエルさん…実はその…」

「…あら、それは大変な栄誉じゃない。何を悩んでいるの?」

「…謁見そのものが憂鬱です」

「大丈夫よ。奥方様も姫様も、とても優しくて親しみやすい方々だからそんな深く考えないで、ありのままの貴方達をお見せすれば良いのよ」

「…その口振り…お会いした事、あるんですか?」

「えぇ、【刃】のメンバーは全員謁見しているわよ」

「「「「え!?」」」」

 

…会わせちゃマズそうなの結構いない!?大丈夫!?

 

「奥方様は寛大な御方だから大抵の事では動じないし、姫様に至っては、お友達やお兄さんお姉さんが増えたと喜ぶでしょうね。メンバー入りしたグリムジョーの時でも

「空色のお兄ちゃん、よろしくね」

って。

グリムジョー、呆気に取られてたわ。ふふっ」

「「「「………」」」」

 

…流石はあの藍染の娘ってところかしら?

…全部を真に受ける気は無いけど、そんなに肩肘張らなくても大丈夫っぽい?

 

「だから貴方達なら何の問題も無いどころか、凄く気に入られると思うわ」

「…だと良いんですけとね」

 

…あーもう、なるようになれ。だわ

 

 

 

 

奥方様たっての希望で、昼食後すぐに指定された場所に私達は向かった。

 

…何でみたらし団子を用意して欲しいんだろう?

 

所望された以上、作らない訳にも行かず急いで用意して持って来た。

藍染達と共に、小動物のような小柄な女性がどこか申し訳なさそうに指定の場所にやって来た。

 

「はじめまして、藍染惣右介の妻のサチと申します。急なお願いをしてしまってごめんなさい。どうしても確かめたい事がありまして…」

「いえ、ご所望とあればご用意するのが私達の仕事ですので…美味しく召し上がっていただければこれ以上ない喜びです。どうぞ」

「ありがとう、いただきます…もぐもぐ…ごくん…やっぱり、間違い無いわ…ねぇ、メノリさん…喫茶〈墨華(すみか)〉って、聞いた事ないかしら?」

「え?…何でその名前を?」

「やっぱり!私の行き付けの喫茶店で良く食べたみたらし団子そっくりなんだもの!」

「…え?」

 

…〈私〉が最初にいた【世界】で祖父母が経営していた喫茶店の名前を知っている?

…と言う事はこの人も?

 

――――――――カチャ、カチャカチャカチャ…ピンッ

 

条件が揃ったからだろうか、前世の記憶がどんどん溢れて来る。

 

…〈私〉、何回転生してるのよ

…うわ、一気に思い出したから頭の整理が追い付かない

…カノン、悪いけど今必要な情報だけに纏めてくれない?

…ナァーオ!ナァ〜ナ!ナッ!!

…ありがとう。えっと、何だっけ?

…あ〜、そうそう、そうだった

…って事はもしかして

 

「…〈左知恵〉さん?愛護団体からの帰りに、良くお祖母ちゃんのみたらし団子を食べに来ていた」

「…そう!生まれ変わっても食べられるなんて、思ってもみなかったわ!」

「〈私〉も同郷の、しかもお店の常連さんと再会するなんて思いもしませんでした」

「ふむ…どうやら2人は旧知の仲のようだね…詳しく話してくれるかな?」

 

思わぬ邂逅に沸き立つ私達に、様子を伺っていた藍染が咳払いと共に事情説明を求めて来た。

他の面子も同様の表情で私達を見ている。

 

「「あ…」」

 

…って言われても、どう説明しよう?

 

「ナァーオ」

「クゥ〜ン」

「え?…藍染様、奥方様、カノンの分身体からの連絡ですが、姫様がお2人が居ない事に気付いて、大暴れしているそうですよ」

「えっ!?」

「要、日番谷君、此処は任せた。みいを宥めて来る!」

「はっ」

「あぁ」

 

…2人して決死の覚悟みたいな表情してたけど、大袈裟じゃないみたい

 

カノンの分身体が送って来た映像を見たが、物凄い事になってる。

茶髪のセミロング(ゆるふわ天パ)のビアよりも年下の女の子が、霊圧を暴走させて当たり散らしている。

どうやらウルキオラが、藍染達の行き先を正直に答えてしまったらしい。

除け者扱いされたと喚いている。

 

「「「…う、うわぁ」」」

「ウルキオラさんに説教してる場合じゃないでしょ、ハリベルさん」

「アパッチさん達、気絶してません?壁に寄り掛かったまま動かないですけど…」

「あ、ヤミーさんが吹き飛ばされました」

「あ、あの巨体を吹き飛ばすなんて…流石は藍染様の御息女」

「スターク様が、リリネット様とクッカプーロさんを庇いながら辛うじて踏ん張ってますけど…暴走して荒れ狂った霊圧から身を守るので精一杯みたいですね」

「あ、藍染様と奥方様が到着しました」

「あれだけ興奮した状態の子どもって、中々聞く耳を持たないから…長引きそうですね」

「…あの様子だと、相当掛かるだろうな」

「…なら、今のうちに私の残りの〈家族〉を呼んでも良いでしょうか?」

「…保管庫に居る者達か?」

「大丈夫なのか?」

「記憶を取り戻したのは察知してる筈です。寧ろ、呼ばない方が拙い事になります」

「メノ姉様、オリジナルから緊急連絡です。保管庫の卵が覚醒の影響で、出火に地響き、鎌鼬、放電、怪音波まで発生していると。これ以上被害が拡大する前に渡したいから何処に居るか教えろと。だいぶ慌ててますね」

「…場所を移すぞ。日番谷副隊長、暫く此処を任せる」

「あぁ」

 

移動先を東仙が伝えながら、急いで向かった。

合流地点には、すでにザエルアポロが全身に軽度ではあるものの、火傷と切り傷による流血に加えて服は煤けてボロボロ、今にもキレそうな表情で到着していた。

 

「君と再会出来るのが余程嬉しいようだね。おかげで保管庫の一部建て直しが決まったよ」

「ご、ごめんなさい…あ、あんこは?」

「別の場所に保管しているから無事さ…でもそろそろ心許無くなって来ているね」

「近日中に用意するわ。アイスクリームを追加で」

「了解だ。さて、また暴れ出す前に出してあげたまえ」

「えぇ…お待たせ、里林亞(リリア)、里林亜(リリエ)、柆来(ロウコ)、杏黃炎(アンオウエン)、啻闇(シオン)、爾英(ニエ)」

 

ザエルアポロに座って貰って治癒を行いつつ、被害状況とお詫びの品について話をつけた。

そして、みんなの名前を万感の思いを込めて呼んだ。

 

パリンッ、バリバリッ、パンッ、パリパリッ、バンッ!

 

「「シュー…」」

「クォー、クォー!」

「クァッ!」

「ギャッ!」

「キチキチキチ」

 

それぞれ両手の平に収まる大きさで、双頭の蛇、熊、小鳥、狐、蜘蛛がそれぞれの卵から出て来た。

 

「うんうん、みんな久し振り!ごめんね、置いてっちゃって…本当、何で記憶が無かったのかなぁ?あったら絶対忘れて行く訳無いのに」

「…僕はこれで失礼するよ。何時までもこんな姿でいたくないからね」

「ありがとう、ザエルアポロ」

「ご苦労だった、建て直しの資材は何時も通りに頼むぞ」

「承知しました、では」

 

ザエルアポロが立ち去り、藍染から何とか姫様の機嫌を直したと連絡が入った。

 

「メノリ、彼等の登録を急ぐぞ。お待たせする訳には行かない」

「はい!」

 

みんなの額に【繭】メンバーの証を刻んで貰い、待っているビア達と急いで合流した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ〜い!もふもふ〜!もふもふがいっぱいだよぉ!とーさまぁ!」

「うんうん、良かったね〜。みーちゃん」

「うん!うわぁ~、へびさんってヒンヤリしててつめたいんだね〜!あたまがふたつあるのもすごーい!」

「…本当に助かりました、メノリさん」

「いえ…」

 

姫様の暴走で負傷した3人娘とヤミーの治療をしながら、上機嫌でロウコ達に抱き着く姫様ことみーちゃんを眺めた。

 

…大体6〜7歳くらいかな?

…藍染そっくりだなぁ

…奥方様の遺伝子ドコ?ってなくらい似過ぎてて怖いよ

 

「みい、そろそろおやつの時間よ。今日はゼリーですって」

「は〜い!」

 

謁見が始まった時はまだ不貞腐れた表情でいた姫様だが、私達を目にした途端、一転して驚いた顔付きになり、自己紹介をした後はカノン達を触ってみたいと目を輝かせておねだりモードに移行した。

私が提示した注意事項を守りつつ、カノン達をモフる姫様は外見年齢相応で、コレで100年は生きているとはとても思えない。

 

…この凶暴過ぎる霊圧が原因で、心身共に成長が著しく遅いのは流石に気の毒よね

 

これでも、私達の作る食事で成長速度はかなり上がったらしいが。

自身の交流出来る破面が一気に増えた事と、クッカプーロ以外の動物を、図鑑でしか知らなかった姫様の好奇心は強く刺激されて機嫌は上昇し続け、今は満面の笑みでおやつのゼリーを頬張っている。

大人数でのおやつが余程嬉しかったのだろう、明日以降、毎日みんな一緒におやつを食べたいと言われたが、料理長とその助手の仕事について根気強く説明し、何とか週に2回、最低でも1回は一緒に食べる事で納得して貰えた。

 

…個体差はあれど、子どもの説得って大変だわ

 

 

 

その後の、カノン達を連れて厨房に戻るのをどうにかして阻止しようとする姫様の説得の方がずっと難易度が高かったが。

 

 

 

 

 

…起きたばかりのみんなと離れる訳には行きません

…私と離れ過ぎると霊圧も不安定になって危険なんです

…下手したら消えてしまう危険性もあるんです

…私の大切な家族なんです

…解って頂けて嬉しいです、ありがとうございます

…その代わりですが、カノンとマスミの分身体なら預けられます

…見ての通り、いつも影の中にいますので、呼べば出て来ますから

…ただ、影から離れると弱って消えてしまうので、必ず影を作ってあげて下さいね

…はい、次のおやつの時間、私達も楽しみにしていますよ

 

 

 

 

コレでやっと戻れると安堵していたら、先輩方に引き留められた。

 

 

…えっと、何か粗相でもしてしまいましたか?

…え?姫様に癇癪を起こさせずに説得したその手腕、素晴らしかった?

…今後も期待している?

…ご期待に添えるかは解りませんが、日々精進していきますので、ご指導の程、宜しくお願いします

 





前世の記憶のみ、粗方取り戻しました。

〈前世の記憶を取り戻す条件〉
存在を認識した時、その対象との記憶だけが戻る。
(部分的な記憶の解放)
繰り返した転生の中で知り合った者との再会。
(全面的な記憶の解放)

今まで7回もの転生を繰り返す中で、一度も同郷と会った事が無かった為、今世でも会う可能性はゼロと判断し、記憶の封印を解く鍵とした。

取り戻した〈家族〉達
前世語りで書く予定です。


同郷の転生者と出会い、心強く思うメノリ〈私〉です。

でも、今世の記憶は一向に取り戻せません。


次回、奥方様と〈私〉の前世について語ります。
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