前回、志波工房へ見学に行きました。
サプライズがありました。
約束の打ち上げ花火、とても迫力があって綺麗でした。
忘れられない花火鑑賞になりました。
今回、姫様の誕生日会に向けて準備を開始しました。
去年よりも少し余裕があると思っていたら、そんな事はありませんでした。
主に12番隊隊長の所為で…。
姫様の誕生日まで2ヶ月弱、私達は尸魂界に送ったアンケート〈もう一度食べたい料理を5つ選んで◯を付けて下さい。又、他に食べてみたい料理等、要望があればコメント欄にお書き下さい。〉の回答をやっと整理し終えた。
「う〜ん…だいぶ回答が洋食メニューに偏っているわね。やりやすくて良いけど」
「去年の洋食、かなり人気がありましたからね」
「…コメント欄にバースデーケーキをもっと食べたいって、書いてる方結構いますね」
「それと同じくらいの方がカレーライスを要望していますね…どうしますメノリさん?」
「…あ〜、それねぇ…う〜ん…」
「…今年の催し物を考えたら、ケーキは去年と同じ量で良いと思うんだが…」
「ボクもそう思います。それとは別に作るお菓子が今年はたくさんあるんですし」
「今年は助っ人無し、正真正銘私達の晴れ舞台ですしね、出来ない事は出来ないで良いと思いますよ」
「…そうね。バースデーケーキは去年と同じ量にしましょうか」
「姫様が食べたい料理とアンケートで被った料理は当然出すとして…カレーライス…どうします?」
「…う〜ん」
ロカの質問に、ふと未解決の問題を思い出した。
日本の国民食のひとつであるカレーライスは、此処虚夜宮でも人気で半月に一度 、辛さレベルを0〜5の6段階で用意して、各々が好きな辛さとトッピングを選んで食べて貰う形にしている。
それに合わせて毎回食べに来る山本元柳斎と雀部長次郎、卯ノ花烈の3人がカレーの匂いをプンプンさせて帰るものだから、その度に他の隊員達から
「「「「「ずるい!!」」」」」
とブーイングされ、しまいにはストライキする者まで現れたと相談された。
…食べ物の恨みは恐ろしいと言いますからね
…と言うか、貴方方だけで来るのを控えれば良いだけの話では?
…無理ですか、でしたら
原因のカレーが尸魂界でも作れるようになればと、レシピと作り方の動画のデータを渡した。
しかし、使った事の無いスパイスに悪戦苦闘、何とか完成させたとしても味を知っている3人の舌を満足させられず、結局此方に食べに来る。
隊員達のブーイング…と悪循環になってしまった。
結果、彼等が作れるようになるまでという約束で、カレー用の寸胴鍋を用意して貰って甘口、中辛、激辛の3種類を送る事でこの件は一応収束したのだが…。
…そろそろ作れるようになっても良くない?
今だにカレーを送っているこの状況が解せない。
カレーライスに纏わるアレコレに思わず呟いてしまった。
「…やっぱり、あちらの厨房の人達呼んでカレーの作り方教えようかなぁ…」
「「「「「…え?」」」」」
「…メノ姉様?」
「あー…でもなぁ…あっちの厨房がどんなのか解らないしなぁ…うーん…」
「…拙いな。カレーライスと言うワードで、今話し合っている事に関係の無い事まで思い出して思考が脱線しているぞ」
「「「え…」」」
「「「戻って来て下さい、料理長!!」」」
「うわぁっ!?…あ、あれ?…えぇっとぉ…何の話してたっけ?」
「ですから、姫様の誕生日会のメニューにカレーライスを入れますか?入れませんか?どちらにしますか?」
「あ、えっと…そうね、流石にカレーライスはちょっと…う〜ん…あ、そうだ。代わりにドライカレーを用意しようか。辛味調整用のスパイスを別に用意して」
「了解です」
「「「「「ほっ…」」」」」
「…ごめん、つい」
「まぁ、気持ちは解る。だが今は…な?」
「うん…気を取り直して、他のメニューを考えましょうか」
「「「「「はい!」」」」」
話し合いの結果、ほぼ洋食のビュッフェスタイルでいく事に決まった。
「主食はドライカレーに海鮮ピラフ、リゾットを2種類用意してご飯系は良し。パンは食パンやベーグルに好きな具材を乗せて食べるオープンサンドにして、今回初出品のパスタは、スプーンでも食べられるファルファッレにツナクリームソースとミートソースの2種類で決定と。次はスープね」
「去年のミネストローネに加えてオニオングラタンのスープとポタージュはカボチャのと、グリーンピースと豆乳の2種類を用意する」
「うん、OK。主菜の揚げ物は天麩羅の代わりにフリッターを、フライは種類を増やして、それに姫様の好物のオムレツにハンバーグ、そして藍染様直々のご要望である豆腐バーグを作ると」
「…で、副菜は今までの料理に使われていない野菜を温野菜かグリルにして、ソース類も種類を増やして…ドリンクは紅茶と珈琲、ジュース各種に牛乳、抹茶を追加…これは山本様のご要望でしたっけ」
「そうそう、抹茶オレを凄くお気に召したらしいわ」
牛乳は嫌いだけど抹茶は好きならと、嫌いなモノを好きなモノで帳消しに出来るか興味本位で飲ませてみたら、見事にハマったらしい。
今では自分で好みの割合を追求して、その日の気分で冷たいのか温かいのを作っては毎日愛飲しているとか。
…怒られるかと思いきや、抹茶のお菓子をあれだけ色々と贈っておいて、何を今更と笑い飛ばされたのよね
…寧ろ、苦手克服に協力してくれたとお礼を言われたし
「じゃあ、今回はこのメニューで行きましょうか」
「「「「「はい!頑張ります!!」」」」」
殆どが既に作った事のある料理ばかりとは言え、通常よりも約1.5倍の量を効率良く作る為の人員編成をして、本格的な練習に入った。
…去年の経験がしっかりみんなの糧になっているからか、大きな揉め事も起きなくて良かった〜
しかし、安心した時に限って厄介事は起きるもので。
姫様の誕生日まであと1ヶ月となった頃、定期メンテナンスをしに来た涅マユリが、姫様の誕生日の5日前に行われるナナゴウちゃんの誕生日会に、私を招待するから来いと言って来た。
…ロクゴウちゃんの時と言い、今回と言い、何で魔窟へと誘われなきゃならないのよ
以前、ロクゴウちゃんの誕生日会への招待を断ったら、当日突然来たかと思えば、食堂を勝手に装飾して占拠、誕生日会を始めようとして、止めに来た東仙と盛大に揉めた事を思い出した。
…ロクゴウちゃんの誕生日、お祝いに行かない代わりにバースデーケーキとプレゼントを贈ったのに、結局こっちに来て実力行使で誕生日会やったのよね
…しかも、おやつの真っ只中に来た所為で、食堂はトラウマ持ち達が揃って阿鼻叫喚の嵐、落ち着かせるのが凄く大変だったわ
…あの地獄絵図はもう見たくもない
…けど、12番隊にも行きたくない
「…どうしよう」
「…5日前ですからね。準備も大詰めに入っているでしょうし…」
「俺達までもが不在という訳にも行かないからなぁ…」
「でも、断ったらまた来ますよね?あの男」
「うぐぅ…でも12番隊なんて、私達だけでは絶対に行きたくないよぉ〜」
「ナァ〜オ…」
「「シュ〜…」」
「…クォ〜ン」
「クゥン…」
「クェッ」
「ギャウ〜…」
「キチキチキチ!」
「え?それはちょっと…拙くない?」
「キチチチッ!」
「ナァ〜ナッ、ナォ〜ン」
「キャフッ、キャンッ、キャン」
「う、う〜ん…」
「ニエ達は何て言ってるんですか、メノ姉様?」
「…あの男を一切恐れない人達にお願いして、付いて来て貰ったら?って」
「「「え?」」」
「…そんな希少な方居ましたっけ?」
「…シャルさんとコストレイラさん」
「「えぇ!?」」
「ほ、本当なのか…?」
「…シャルさん曰く、
「彼の性格や普段の行動は兎も角、自分なりの美を追求する姿は素晴らしい」
だって。
そう言って、あの人の特殊メイクにビビるどころか賞賛してたらしいわよ。
コストレイラさんに至っては、
「そのメイク姿はとてもステキだけど、貴方の素顔も知りたい」
とか言って、あの人の抵抗なんてものともせずにクレンジングして間近で素顔を拝んだらしいわよ」
「そ、それは…」
「つ、強いですね…」
「と言うか、良く無事でしたね」
「あの涅マユリの苦手な相手の1人だそうよ」
「メノリが知っている破面で、涅マユリを恐れない者は多分、その2人だけだろうな…取り敢えず、事情を説明してみたらどうだ?」
「…まぁ、余り気は進まないけど…背に腹は代えられないし…話すだけ話してみるわ」
普段は衣装部屋にいるコストレイラさんに会いに行ったら、タイミングの良い事にシャルさんも居た。
「アラ、メノちゃんじゃな〜い。珍しいわね」
「どうしましたか?…はっ!まさか以前お渡しした衣装に何か不備が!?」
「ううん、服はどれも有り難く使わせて貰っているわ。今回はお願いに来たの」
「「お願い?」」
ナナゴウちゃんの誕生日会への招待が来て、12番隊の隊舎に行かなければならない事と、それに付いて来て貰いたい事を話した。
「…と、言う訳なの」
「あらまぁ…ん〜と、その日はぁ〜…丁度、閣下からお休みをいただいているわね。うん、アタシは行けるわよ」
シャルさんは何処から出したのか解らないが、スケジュール帳を手にサムズアップで快諾してくれた。
「…私の方も、毎年恒例の姫様の誕生日会当日のご衣装は全て完成している頃なので、問題無いと思いますよ」
コストレイラさんもスケジュール表を確認しながら返答してくれた。
…良かったぁ、あの魔窟に私達だけは免れた〜!
思わず2人に抱き着いた。
「2人ともありがとぉ〜!もう本当に私達だけで行かなきゃならなかったから、凄く助かる〜!」
「アラアラ…良し良し。このシャルロッテ=クールホーンにドーンと任せなさい!」
「私も、微力ながらフォロー頑張ります!」
「その言葉だけで十分心強いわ!当日、宜しくお願いします!」
この後、シャルさんとコストレイラさんを連れて行くと返事をしたら、涅マユリから猛抗議されたが、
「2人の参加を認めないなら絶対に行かない!」
と主張して譲らなかったからか、物凄い唸り声を上げたかと思いきや、渋々といった声音で了承してくれた。
…割と強気で押し通したら、何とかなるのね
そして、ナナゴウちゃんの誕生日当日。
それぞれプレゼントを用意して、更には料理と飲み物、バースデーケーキも持込みで12番隊の隊舎へと赴いた。
…12番隊で用意されている飲食物なんて、危険過ぎてどれも口に出来ないわよ
…こうやって、所持して来ても安全とは言えないし
「ママー!いらっちゃい!」
「あら、ロクゴウちゃんこんにちは。お出迎えありがとうね。お邪魔します」
「はい!えっとぉ、シャルしゃんと…だれでしゅか?」
…シャルさんは兎も角、流石にコストレイラさんは知らなかったか
「初めまして。私はコストレイラといいます。長いからコストかレイラ、好きな方で呼んで下さいね」
「う〜…レイリャしゃん?」
「はい」
「はじめまちて、ロクゴウでしゅ!なかよくちてくだしゃい!」
「喜んで」
「うふ〜!ママ、シャルしゃん、レイリャしゃんこっち!こっちでナナのたんじょびかいするの!」
「そう」
喜々として私の手を引くロクゴウちゃんの歩調に合わせながら、案内された部屋に物凄く緊張しながら入った。
中は一部奇妙な人形や絵が飾られていたが、他は至って普通の誕生日会の装飾がされていた。
…何か、某ホラゲーとかに出て来そうな絵や人形さえ見なければ、本当に普通のパーティー会場にしか見えないわ
…しかも、それを主導しているのがあの涅マユリだなんて
目の前で何度も頷きながら、装飾された部屋を満足気に一望している男を信じられない目で見やった。
「マユしゃま!ママとおきゃくしゃまきたよ!」
「む?…もうそんな時間かネ゙。出迎えご苦労、六號」
「はい!」
「…で、早速だがメノリ=マリアの席は此処だヨ。早く座り給えヨ」
彼が指差したのは、背凭れ付きの回転式座椅子だった。
正座が苦手な私専用に用意したらしい。
「六號は此処、貴様等はそっちの向かいに用意した。オイ、準備を終えた者はさっさとこの者達が持って来た荷物を解いて卓上に並べていけ。メノリ=マリア、例のケーキは何処ダ?あれは冷やしておいた方が良いのだろう?」
「それは此方の袋に」
「…フム、確かに」
いそいそとこの部屋に備え付けてある冷蔵庫に、慎重に仕舞うその姿にも普段とのギャップに頭が拒否反応を起こしそうである。
準備が全て終わったところで、主役のナナゴウちゃんが部屋に入って来た。
抱っこしていた阿近が下ろした途端、よちよち歩きで私に抱き着いて来た。
「…まんま」
周りの何とも言えない視線に疑念は確信に変わった。
…主役であるこの子の席は何処?そして私の座っている場所おかしくない?って思ってたけど
…やっぱり私の膝がそれなのね
「よいしょ…っと」
「あ〜ぅ〜?」
「さて、主役も来たところダ、先ずは腹拵えと行こうカ」
「「「「「いただきます(まちゅ)」」」」」
明らかにいつもと違う昼食風景にキョトンとしているナナゴウちゃんを私に任せて、彼は隣に座らせたロクゴウちゃんのフォローをしながら、マイペースに食事を始めた。
一部の人が申し訳なさそうに此方を見ながら箸を進めている。
…そういう顔するなら、助けて欲しいんだけど
…シャルさんとコストレイラさんは何も悪くないから、気にしないでご飯食べて良いからね
みんなの様子から、食事の時間だと理解したらしいナナゴウちゃんがご飯を催促して来た。
「あ〜…まんま、まんまぁ…」
「…は〜い、先ずはジュースで喉を潤そうね〜」
「…ンクンク…ぷはぁ、まんま、まんま」
「うんうん、じゃあ、お待ちかねの特製おじや食べようか」
「あ〜ん…ングング…ゴクッ…あ〜」
ナナゴウちゃんの控え目な催促に合わせて離乳食のおじやを食べさせては、合間に食べやすい料理を自分の口に運ぶ作業を繰り返した。
…ニヤニヤしてんじゃないわよ、そこの狂科学者
普段からこうなのか、場の雰囲気のおかげなのか解らないが、ナナゴウちゃんは用意した食事を完食してくれた。
「…フゥ…少し食べ過ぎたカ」
「そりゃそうでしょうよ」
「あれだけの秋刀魚をほぼ1人で食べたんだから」
「フン…さて、腹ごなしついでに各々に出した課題を見せて貰おうカ」
「…課題?」
「…七號への誕生日プレゼントの事だ」
首を傾げる私にテーブルの後片付けをしながらコソッと阿近が教えてくれた。
…成程、課題ね
…彼らしい言い回しだわ
「先ずは無理矢理参加して来たそこの破面2体から見せて貰おうカ?」
「無理矢理だなんて、失礼しちゃうわ!」
「まぁまぁ、私達のは共同制作なんだけど良いかしら?」
「さっさと出したまえ」
2人からのプレゼントは、可愛い花柄のワンピースに合わせた靴下と靴、帽子、もう少し大きくなれば背負えるリュックサック(子ども用ハーネス付)のお出掛けセットだった。
「あら、凄く可愛い!」
「あ〜!うっうっ!」
「いいなぁ〜、ロクもほしい!」
「サイズが解ればすぐに作れますけど…」
「…フン、破面にしては悪くないネ゙。使ってやらなくも無いヨ」
…素直にありがとうとは言えないか
その後の隊員達のプレゼントに対しては、身内だからか結構容赦無い駄目出しをしていた。
…まぁ、仕方ないか
…ナナゴウちゃんの反応、余り良くないし
…あ、ナナゴウちゃんだけじゃなくて、ロクゴウちゃんまで飽きて寝ちゃいそう
側にいた確かリンと呼ばれていた少年に声をかけた。
「すいません、此処の折り紙を貰っても良いですか?」
「え?えぇ、構いませんけど…」
「ありがとうございます。ねぇロクゴウちゃん、ナナゴウちゃん、この紙がね、お花になっちゃうんだけど…見てみたくない?」
「「…う?」」
黄色の折り紙を1枚ヒラヒラと見せてから向きを変えて数回折り、指で所々を破いたり、千切ったりした。
目の前でビリビリと音を立てる紙に2人とも興味を持ったのかじっと見ている。
「これを開いたら…はい、お花になりました〜」
「わぁ〜!」
「ふぁ〜!」
「ロクゴウちゃんも作ってみる?」
「うん!」
眠そうだった2人も目が覚めたらしく、ロクゴウちゃんは私の真似をして、どんどん切り折り紙をおやつの時間になるまで作り続けた。
ナナゴウちゃんが千切った紙は白と黒の画用紙と糊を用意して貰って、カノン達になるように貼り付けて見せたりもした。
何気にシャルさんとコストレイラさんだけでなく、リンと阿近も避難して来たらしく、一緒になって切り折り紙を作っていた。
…ロクゴウちゃんの集中力、凄いな
…それでもって、散らばった折り紙だった残骸の回収、ありがとうリン君と阿近
「…そろそろおやつの時間ダヨ。片付けない子はおやつ抜きダ」
「はい!」
おやつと聞いてロクゴウちゃんは折り紙を片付け始めた。
同時にみんなが食べるケーキとスマッシュケーキの用意をする。
「う?」
「眠七號、お前が生まれて1年が経過した。お前なりの成長を今後も私に見せてみせろ。出来ないとは言わせないヨ、お前が私のもう1人の娘ならネ゙」
「あー!」
「…良し、さて六號の腹が五月蝿くなる前に食すとしようかネ゙」
グー、キュルルルル
タイミング良くロクゴウちゃんのお腹が鳴った。
「「「「「いただきます(まちゅ)」」」」」
用意したスマッシュケーキは、ナナゴウちゃん本人が中々手を出さず私をじっと見つめるので、試しにひと口大に千切ったのを口元に持っていくと食べた。
チラッと阿近の方を見やると、
「昼食をアンタが食べさせたからな…ケーキも食べさせてくれると判断してるな、多分。何時も六號がベッタリなのに今日は違うから、甘えて良いと思ってるのかもな」
「はぁ…」
スマッシュケーキの醍醐味が無くなってしまったが、これもこの子の個性と思い直し、欲しがるままにケーキをあげた。
ケーキを食べ終えて、漸くお開きの時間になった。
持って来た重箱達は、いつの間にか綺麗に洗った状態で戻って来た。
「今回、来て貰えて本当に助かった」
「六號の時の隊長、マジで怖かった」
「何だかんだ言って、2人を大事にしているから、蔑ろにされるのは我慢ならないが故の行動を取る人なんだ」
等々、帰り際に涅マユリなりの親心を聞かされた。
彼の親心を知ったところで、彼は勿論、12番隊に対する警戒心が薄れる事は全く無かったが。
…やっと解放された
…何事も無く帰って来れて良かったぁ〜
…え?何の役にも立てなかったって?
…そんな事、ちっとも無かったよ
…だって、2人が居てくれたから自分のペースを保てたんだもの
…私達だけだったら、どんな事になっていたか想像すらしたくない
…本当よ
…多分、来年以降も誕生日会への招待は来るでしょうね
…ロカ達には姫様の誕生日会の用意を任せる以上、一緒にとは行かないだろうし
…え、来年以降も同伴してくれるの?
…ありがとう!
今回は、マユリ様の父性と言う意外な一面に驚くメノリを書いてみたつもりです。
因みにメノリは誕生日会の間、「私は今、保育士中」と自己暗示をかけて接していました。
やっぱり、マユリ様は難しいです。
口調だけでなく、まだ幼い我が子との接し方とか。
アニメ千年血戦編で見たネムの幼少期は、ちゃんとお世話をしていたらしいので、そこから誕生日はこんな感じで祝ったのではないかと想像して漸く筆が動きました。
次回は、姫様の97歳の誕生日会をします。
去年とは違う催し物に沸き立つみんなを書けたらと。
〈メロップケーキについて〉
マユリ様がしつこく食い下がった為、根負けして作ったお祝いのケーキ
自分の子どもの1歳の誕生日に作るのが当たり前だった
ロウコと行動を共にしてからは、メロップの代用品を探し出してはずっとこの習慣を行って来た。
作るケーキは家庭によって違うが、どのケーキでも砂糖の代わりに、赤いメロップの葉を陰干しして細かく粉砕したものを使う
今回はメロップシフォンのスマッシュケーキにした
シフォン生地の材料であるサラダ油や牛乳をメロップ水に変えて作るので、かなりしっとりしたケーキになる