前回、4番隊の台所見学に行きました。
思わぬ理由により、カレー供給続行です。
臨時の料理教室を開きました。
今回、2度目のバースデー休暇が来ました。
でも、今年は…
明日は2度目のバースデー休暇の日。
去年とは違う意味で大変な1日になるのは既に確定している。
「…気が進まないなぁ…いっそ、明日が来なければ良いのになぁ」
「…メノ姉様」
「…もしくは寝て起きたら明後日になってないかなぁ」
「何度も言っていますけど、それは無理ですよ」
「今日1日、料理とおやつ作り以外では口を開けばそればかりだな。そろそろ現実逃避から戻って来い」
「…う〜…」
「明日は俺も付き添うんだから、何時までもウダウダしてないで、明日に備えてさっさと風呂入って寝ろ。でないとロウコがお前を担ぐ気満々だし、ニエがピアノ線を生成してるし、何よりアンオウエンがキレて暴れ出すぞ」
「テスラさんの言う通りですよ。行きますよメノリさん」
「…は〜い」
そう、テスラの言う通り、ロウコが私を担げる大きさになってにじり寄って来ているし、ニエは私を担ぎ上げやすいようにとピアノ線を出して振り回してるし、アンオウエンに至っては臨戦態勢に入っている。
カノン達も不満気に尻尾を床に叩き付けているし。
ロカに背中を押され、ビアに手を引かれながら大浴場へと足を運んだ。
私がここまで明日のバースデー休暇を嫌がっているのは、やる事が無いからじゃない。
出来れば行きたくない所(しかも2箇所)に行かなければならないからだ。
先ずは、お昼前に朽木家から招待を受けている。
と言うのも、杏奈ちゃんの百日祝い(お食い初め)と歯固めの儀式を私のバースデー休暇の日に行うから是非にと、姫様の誕生日会の時に招待状を渡された。
丁重にお断りしたかったが、話を聞いたカノン達、特にアンオウエンが行く気満々で、この儀式に参加しなければならなくなった。
私とカノン達だけでは気後れすると抵抗したが、テスラが同伴なら大丈夫だろうと名乗りを挙げた所為で、逃げ道を塞がれた。
…何で私のバースデー休暇と重なっちゃったかなぁ?
杏奈ちゃんの生まれた日から数えてきっちり100日目が私の覚醒した日と重なる事を知った朽木家全員が、何が何でも来ていただくと眼で語っていた。
それだけでは無い。
もう一件の方も別の意味で行きたくない所、12番隊の研究室に来いと涅マユリから命令されているからだ。
しっかり朽木家との遣り取りを見ていた涅マユリが、ロクゴウちゃんに
「母の日は向こうに会いに行って贈り物をしたが、ママの誕生日は此方に来て貰おうカ?」
なんて言った所為で、ロクゴウちゃんがその気になり、朽木家の用事が済み次第、必ず来るようにと何度も念を押されてしまった。
この瞬間、今年のバースデー休暇の予定が決定した。
強制参加が決まった後、予定外の外出(瀞霊廷への招待)等で何気に忙しかったから忘れていられたけど、流石に当日が近付いてくれば意識せざるを得なくなってしまい、今日1日ずっと溜息ばかりだった。
…まぁ、私以上に関係の薄いテスラに付き添って貰う以上、腹を括らなきゃならないのは解ってるけど、畏れ多さと恐怖心はそう簡単にどうにか出来る訳じゃないのよね
…取り敢えず、明日をどうにか乗り切ろう
…五体満足で帰ってこれますように
当日、ロカにビア、みんなにも心配されながら朽木家へと向かった。
相変わらずの歓迎を受けながら、席に案内された。
…親戚を差し置いて、上座に座らせないで欲しい
席の向かいには、銀嶺と蒼純にルキア、そして何処かで見た事が薄っすらある気がする人が、朽木蒼純に似た女性と白哉と同年代と思しき女性と一緒に座っていた。
…誰だっけ?原作や小説にいたっけ?思い出せない
…という事はアニメのオリキャラ?
全員が席に着いたところで先ずは銀嶺と挨拶を交わした。
「藍染殿の娘御の誕生日会以来か、皆元気そうで何より。ロカ殿とビア殿が来られなかったのは残念だが」
「皆様もお変わり無いようで…本日はお招きいただき、誠にありがとうございます。えっと…」
「あぁ、これが初顔合わせだったな。紹介しよう、此方は朽木響河。儂の娘婿にあたる者だ」
「お初にお目にかかる。私は朽木響河と申す者。甥っ子達が大変世話になったようで。感謝致しております」
「その隣が娘の藤乃」
「はじめまして。お会い出来て大変光栄にございます。藤乃と申します。蒼純は弟でして、大変お世話になっております」
「そして孫の紫」
「はじめまして。ずっとお会いしとうございました。紫と申します。どうぞ良しなに」
…名前を聞いて思い出した
…アニメは見たり見なかったりしたから、かなり曖昧だけど敵としていた気がする
…確か白哉に倒されたんじゃなかったっけ?
…まぁ良いや
「初めまして。メノリ=マリアです。そして、私の家族を紹介します。先ずはリリアとリリエです」
「「シュ〜ッ!」」
「向かって右からカノン、マスミ、ロウコです」
「ナァ〜オ」
「キャンッ」
「クォッ!」
「そして左のアンオウエン、シオン、そして…ちょっと大きくなってくれない?今だけで良いから、見にくいと思うから。ね?…ありがとう。此方がニエです」
「クァッ!」
「ギャウッ!」
「キチキチッ」
「そして最後になりますが」
「彼女の同僚で、今回は付き添いのテスラ=リンドクルツです。宜しくお願い致します」
「本日は甥っ子の願いを聞いていただいて、本当にありがとうございます」
「いえ、御子様のとても大事な儀式に参列出来て、アンオウエン達も喜んでおりますので」
「クァッ!」
「失礼します。お待たせ致しました。御当主様方がお出でになられました」
…あとは野となれ山となれ
…って言えれば良いんだけどなぁ
流石は五大貴族、とても豪華なお食い初めと歯固めの儀式は、その豊富な食事量故に時間がかかった以外は何ひとつ問題なく終わった。
が、その後が大変だった。
百日祝いの習慣があった【世界】出身の子達のお祝い品についての説明を、こんな大勢の中でしなきゃならなかったのだから。
…仕方ない、仕方ないのよこれは
…この子達からのお祝いをやらなきゃ、絶対後が大変な事になるのは間違い無いし
…頑張れ私!今にも緊張で倒れそうだけど!
「先ずはシオンからのお祝いです。此方は黒麦の入った袋です。黒はシオンの生まれ故郷では神の宿る色とされていて、生まれて100日を超えた赤子の両手に触れさせます」
キョトンとしている杏奈ちゃんの両手に袋をそっと乗せた。
杏奈ちゃんは手にした袋をギュッと握りしめた。
「しっかり握りしめましたね。これで神の恵みを生涯得続ける事が出来ましょう」
そっと、杏奈ちゃんから袋を取り、緋真さんに渡した。
「杏奈様の離乳食が始まりましたら、この黒麦を柔らかく煮て食べさせて差し上げて下さい。それまではこの袋に入れたまま保管していて下さい」
「ありがとうございます」
「続いて此方、リリアとリリエからです。この子達の故郷では生まれてちょうど100日目に此方〈白湯茶〉を飲ませる習慣があります。これを飲ませると、幼少時に罹りやすい病の症状を軽減させる効果があるとされています。えっと…御当主様、お願い致します」
「…兄では駄目なのか?」
「これは父親の役目とされておりましたので」
「う…緋真」
「杏奈、御父様が珍しい飲み物を下さるそうですよ。良かったですね~」
「あ〜、う〜?」
「…くっ」
決死の覚悟といった表情で、杏奈ちゃんに恐る恐る〈白湯茶〉を少しずつあげる白哉は(本人は至って真剣なのだが)、とても微笑ましかった。
…頑張れ、パパ1年生
用意した〈白湯茶〉を飲ませ終えた白哉は、命懸けの任務をやり遂げたような表情をしていた。
…お疲れ様でした
「では、最後になります。〈アンオウエンの試練〉です」
「…試練?とは一体…」
「これはお断りいただいても全く構いません」
「クァッ!?」
「大変お見苦しいものをお見せしますが、何卒ご容赦下さい。…あのねぇ、こんな危険な事させられる訳無いでしょう!?何かあったらどうやって責任取るつもりよ!?」
「クァクァクァー!!」
「やってみなきゃ解らない!?やらなくても解るわ!杏奈様を貴方の背に乗せて外壁の上を飛ぶなんて!」
「「「「「なっ!?」」」」」
「一体、どんな試練なのだ?」
「…本来の試練について説明しますね。先ずは赤子が生まれ次第、各地にある神殿から、アンオウエンを象った絵を描いた大きな布をいただきに参ります。生まれてちょうど100日目にその絵の背中部分に赤子を寝かせて家の周りを歩き回るのです。アンオウエンの姿が空からも見えるよう、四隅の角を両親や身近な大人達が持って。赤子が泣かずに一周出来れば試練を乗り越えられた証として、その布を玄関先に掲げるのですが…この子と来たら、自分が直接乗せて飛んで来るって言い出したんですよ!」
「「「「「えぇっ!?」」」」」
「この肌寒い中、この御屋敷を囲む外壁に沿って飛ぶなんて、杏奈様の御身体にかかる負担が如何程か、考えなくとも解る事です!なので試練は行わない方が「その試練、メノリ殿やテスラ殿が御一緒してはならないのでしょうか?」え?」
ルキアの呟きは驚く程良く聞こえた。
部屋に居た全員が、「それだ!」と言う表情になった。
「アンオウエン殿の巫女であるメノリ殿が同伴ならば何も問題無いでしょう」
「それに、テスラ殿ならば、第三者の公平な目線での審判もしていただけるのでは?」
「ならば安心だ」
「「え、ちょ」」
「大体、杏奈が外壁を一周する迄の間、泣いたか否かの判断をする者が居なければ、試練を乗り越えられたかどうかも解らぬであろう?」
「うぐぅ…」
「…俺も同乗させて貰うから、余り気負うな。な?」
「…うん」
杏奈ちゃんの試練に、テスラを巻き込んで同伴する事になった。
「…アンオウエン、帰ったら3日間おやつ抜きね」
「クァッ!?」
「あ〜、だ〜、う、う〜」
「良いお天気ですね~、杏奈様」
「あぶぅ、あ〜う〜」
「わかめ大使さんもご一緒出来て良かったですね~」
「あー!」
…今のところ、ご機嫌だけど
…いつ愚図り出すか解らないから気は抜けない
しっかり厚着をさせて、落ちないようにそっと支えながら杏奈ちゃんの試練に同行する事になってもう1時間が経過した。
…今、どの辺りを飛んでいるのか、後どのくらいで到着するのかが全然解らない
「…それにしても、アンオウエンはこんなに大きくなれるのか…」
「え?もっと大きくなれるよ。最大で虚夜宮を覆えるくらいって、本人が前に言ってた」
「…え?嘘だろう?」
「クァッ!」
「全盛期なら、虚圏そのものを覆うのも余裕だったんじゃないかな?」
「…それは流石に誇張表現だと思うが?」
「…まぁ、虚圏の端から端までを知らないから盛りすぎかもだけど…杏奈様?」
「…ふぁ…むにゅ…すぅ…すぅ…」
「…ね、眠った?」
「…みたい…ね」
「…これは…試練としてはどうなんだ?」
「…泣いたら失敗で、それ以外は成功なのよね…あ、やっと正門に戻って来たみたい」
到着する少し前に眠った杏奈ちゃんを、そっと抱き上げて起こさないように注意しながら下りた。
「ただいま戻りました」
「「「「「お帰りなさいませ」」」」」
「…で、杏奈は眠っているようだが…試練はどうなったのだ?」
「途中までたくさんお喋りをして、後少しのところでお休みになられましたが、一度も愚図る事なく辿り着きましたので、試練は成功、合格かと存じます」
「そうか…では部屋に戻ろう。このままでは皆冷える」
テスラも首肯して同意を示した。
白哉達は明らかにホッとした表情で礼を述べて中に戻った。
「…無事、終わって良かったな」
「…うん。でも、さっきのおやつ抜きは変更しないから」
「クァ〜ァ〜!」
…今回はかりは結果良ければには出来ないからね
私達からのお祝いを全て渡し終えた事を告げて席に戻った。
「…ふぅ〜」
「お疲れ様」
「…うん」
テスラの労いを聞きながら、無事百日祝いが終了した。
…もうひとつ行く所があるんだよね
…本当に行きたくない場所だけど
朽木家総出で見送られながら、瀞霊廷の12番隊の研究室へと向かった。
「やっと来たかネ。待ちくたびれたヨ」
「「…お邪魔します」」
…あ〜、来ちゃったよ
…本当に五体満足でさっさと帰りたい
「ママ!テシュラさんもいらっしゃいましぇ!」
「あらロクゴウちゃん、お出迎えありがとう」
「お邪魔するよ」
「えへへ〜、ママのぷれじぇんとね、こっち、こっちにあるの!ナナもまっちぇるよ!」
「オイ、勝手に連れて行くんじゃ無いヨ」
「まぁまぁ、ずっと待ってたんですから」
「フン!」
「まんま、まぁまっま」
「こんにちは、ナナゴウちゃん」
「あっこ、あっこぉ」
「はいはい、抱っこね」
「あ〜!」
部屋には、ロクゴウちゃんが描いたのだろうクレヨンの絵が数枚、豪華な額縁に入った状態でイーゼルに固定されていた。
私単体のもあれば、多分、お泊りに来た時の厨房風景を描いたと思われるものもある。
…この1番大きいのは、ナナゴウちゃんの誕生日会の時のを描いたのかな?
4歳児特有のとは少々趣きの違うタッチの絵がこれだけ並んでいると、ちょっとした個展を見ている気分になる。
「ロクゴウちゃんはお絵かきが本当に好きね」
「うん!」
「お前の為にと描いたんだから、当然、全て受け取るのだろうネ?」
「…せめて、持ち運びしやすいように包んでいただけますか?」
「手間のかかる…オイ!そこのカートに乗せろ!傷ひとつ付けるんじゃないヨ!途中で崩れたりしたら、コレの被検体にするからネ!」
…相変わらずだなぁ
…ロクゴウちゃんからのプレゼントはちゃんと貰ったけど、この後どうすれば良いんだろう?
…帰って良いのかな?
「…さて、時間も迫って来ている事だし、さっさと私からのプレゼントを渡そう。付いて来たマエ」
「え…」
…何処で何をされるの?
恐る恐る付いて行った先は台所だった。
台所には、解凍済みの秋刀魚と卵、野菜がドンッと置いてあった。
「えっと…これは一体?」
「バースデー休暇は厨房出禁なのだろう?今戻ったところで夕餉まで暇だろう?此処で思う存分料理をしていくが良い。私からのプレゼントだ。泣いて喜び給えヨ」
「「………」」
…ロクゴウちゃんからのプレゼントにかこつけて、夕飯作りやれって事じゃない
「…流石に突然過ぎて困るんで…」
…もういなくなってる
「あの、何を作るか決まっているのでしょうか?」
気を取り直して今夜の当番と思われる方々に聞いた。
「あ、えっと、秋刀魚のソテー?というものに赤茄子とキノコを使ったタレが食べたいと六號から要望がありまして…卵はほうれん草入りの玉子焼きにしろと隊長から…後は任せるとの事です」
…多分、トマトとキノコのソースね
…確かにロクゴウちゃん、秋刀魚と同じくらいキノコを良く食べてたわ
「皆さんは秋刀魚を三枚おろしにして骨をしっかり取り除いて下さい。私達はトマトじゃなかった赤茄子のソー…タレの用意をしますので…あの、ナナゴウちゃんのご飯は?」
「…メノリさんに任せる…だそうです」
「…そうですか」
「本当にすみません!」
「いえ…秋刀魚、お願いしますね」
「「「はい!」」」
「テスラはご飯とお味噌汁をお願い」
「解った」
…彼のだけ全メニューに長ネギたっぷり混ぜ込んでやろうかしら?
湯剥きトマトをざく切りに、キノコは椎茸を薄切り、えのき茸は根元を切り落として1センチ幅に切ってほぐし、ニンニクはすりおろす。
オリーブオイルは無いからサラダ油をフライパンに少し多目に敷いてすりおろしたニンニク(半分)を入れて弱火で馴染ませる。
椎茸とえのき茸を入れて中火にしてしんなりするまで炒める。
ざく切りトマトを追加、更に炒めてトマトが崩れてきたら弱火に戻して少し煮込み、塩胡椒と醤油、砂糖を少し入れて味見。
「…良し、出来た」
「ご飯と味噌汁終わったから、玉子焼きの準備取り掛かるから」
「うん、お願い。秋刀魚はどうですか?」
「はい、全て出来ました」
「では半分に切って水気を拭いてから塩胡椒、小麦粉を薄くまぶして余計な粉は軽く叩いて落として…先程のおろしニンニクの残りをサラダ油を敷いたフライパンに入れて香りを出してから秋刀魚を皮から焼いていきます。皮がパリッと焼けたら裏返して火を通して…皿に盛り付けて、後はトマトソースをかけて完成です。では残りをお願いします。ナナゴウちゃんとロクゴウちゃんのご飯の用意をしますので」
「「はい!」」
「玉子焼き、手伝います!」
「ちょうど卵液が出来たので、半分頼みます」
「はい!」
三枚おろしにした秋刀魚を一匹分だけ貰い、半分を細かく叩いて炊けたご飯と薄めたお味噌汁(具はすり潰して)に混ぜて煮る。
ご飯が十分柔らかくなったら火を止めて完成。
残しておいた湯剥きトマトの種を取って細かく刻んでからすり鉢で入念にすり潰してトマトジュースの完成。
残り半分は水気を拭いて塩胡椒無しで小麦粉を薄くまぶしてソテー。
…ソースにしっかり味付いてるから、今回は秋刀魚に下味付けないでおこう
焼き上がった秋刀魚にトマトソースをかけて完成。
「秋刀魚のソテー、焼き上がりました!」
「玉子焼き、焼き上がったのを切り分けて下さい!もう少しで出来上がります!」
手分けして手早く盛り付けていく。
此処も例外なく、料理が出来る人達が当番制で毎食用意しているだけはある。
ガランガラン…ガランガラン…
何かの機材の前でハンドベルを鳴らした。
…ドドドドドド
「「…え?」」
「「「「「飯だーーーー!!」」」」」
「よっしゃあー!」
「隊長の言った通り、メノリさんとテスラさんが作ってくれたぞーーーー!!」
「「「「「やったーーーー!!」」」」」
…凄い絶叫ね。耳が痛いわ
希望通りのご飯を作ったし、夕食は虚夜宮で食べるからと説明してお暇しようとしたが、まぁ予想通り、ロクゴウちゃんとナナゴウちゃんが一緒に食べると愚図り、結局、夕食は此処で食べる事になった。
…帰ってから食べるつもりでいたからなぁ
…夕食、用意してたら凄く申し訳ないなぁ
…せめて、デザートは食べたいなぁ
ロクゴウちゃんとナナゴウちゃんに悟られないように、笑顔で対応しながらそんな事を考えていた。
そして、漸く帰ってこれたのだが…
「…何…これ?」
時間が時間だからと、直接食堂に黒腔を繋いで帰宅したら、食堂がほぼ全壊、厨房は半壊していた。
その場に居たであろう者達がその場でロカを始めとする医療班による怪我の手当てを受けたり、瓦礫や滅茶苦茶になったテーブルやイス、食器の残骸を片付ける被害を受けなかったらしい者達が居た。
…私達が居ない間に、一体、何があったの?
今年はどうやって1日過ごすか悩まずに済んだけど、気疲れだらけの1日でした。
朽木家の事を書くと、どうしても時間がかかります。
マユリ様は今回、親馬鹿方面に走らせたら、そこまで悩まずにすみました。
次回は、虚夜宮で何が起きたのかを書こうと思います。
〈この【世界】の朽木響河〉
アニメでは、優秀であるが故に、自身の実力を過信し、他者の妬み等を理解も想像も出来なかった為、罠に嵌められて囚われの身となった。脱獄後、罠に嵌めた連中の態度に怒り殺害。正真正銘の犯罪者として追われる身となり、義父銀嶺と山本元柳斎重國の手で封印された。自身の斬魄刀村正により復活したが役立たずとして村正を破壊、復讐心に従って暴れるが、甥の白哉によって倒された。
が、この【世界】では、何処ぞのお節介焼きが罠に嵌められた響河の無罪を証明したが、このままでは同じ事の繰り返しだからと、彼に足りないモノを教えてあげるのと同時に彼を嵌めようとした連中も纏めて鍛え直してあげるからと、そのまま何処かへ拉致、1年程行方不明となった。
戻って来た彼はボロボロで、発見した妻の前で倒れそのまま半月程眠りについた。
「…私に足りていないものが解った…私はまだまだだ」とだけ呟いて。
この日以降、それまでの自身の力を過信した行動をしなくなった。
距離を置いていた妻とも向き合う努力も始めた。
彼の評価が改まった頃、一人娘の紫を授かった。
義弟の蒼純が怪我で死神を引退、副官にと推薦されたがこれを拒否、幾度もの説得で漸く受け入れた。
現在も、6番隊の副官として白哉を支えている。
因みに、一緒に拉致された連中はどんな目に遭ったのか全く解らないが、ほぼ廃人となって戻って来た。
拉致したお節介曰く、「本当に口だけの連中だった」らしい。
回復の見込みもなく、本人達の意思確認も出来ぬまま死神を辞めさせた。
〈朽木藤乃〉
アニメのオリキャラとして登場した女性。
名前が解らなかったので、当作品では藤乃と名付けた。
藤色は高貴で優雅、美しい女性を例える時に良く使われるらしいのでぴったりかと。
アニメでは犯罪者の妻という不遇な立場となってしまったが、この【世界】では、行方不明から戻って来てからの変貌振りに一時は戸惑ったものの、心を寄せ合えるようになり、一人娘を授かった。
彼を拉致した者が常々言っていたらしい『朽木語』が何なのか良く解らなくて困惑している。
〈朽木紫(ゆかり)〉
朽木響河の一人娘。
顔立ちは朽木家のそれで、肌、髪、瞳等の色合いは父親似の迫力美人。
従兄弟である白哉と一緒に鍛錬していたので、死神では無いものの剣技に関してはかなりの腕前。
白哉が目の敵にしている夜一とは仲が良く、年の離れた姉として慕っている。
ルキアとも仲良くなりたいのだが、夜一の影響を少なからず受けて育った彼女を白哉が警戒していて、中々距離を縮められないのが悩みである。
因みに結婚相手の理想は「父様やお祖父様は勿論、白哉兄様よりも強い男」なので、友歌と同じくらい婚期は遠いだろう。
名前の由来は古今和歌集から。
当時のアニメは見たり見なかったりしていたので、記憶にあるキャラだけでも登場させられたらと思ってはいます。
映画は残念ながらどれも観ていません。