色々と考えた結果、藍染達が尸魂界に戻るまでの間を書いて行こうと思います。
オリキャラ注意です。
前編と後編で収めたい気持ちはありますが、どうなるでしょう…。
ザエルアポロの奇行から解放され、少し遅くなった昼食を急いで食べて、オヤツ作りにかかった。
「何を作るのですか?」
「ん?銅鑼焼き。連日団子は流石にね」
「ドラヤキ…どんなお菓子なのか楽しみです」
「じゃあ、早速やってみようか」
「はい」
…正直言って、団子は作るのも食べるのも飽きた
…最低でも数日は作りたくない気分
…今回はシャルさんとバラガンにテスラの分含めて15人分
…頑張って間に合わせるぞ!
材料は卵に砂糖、小麦粉、重曹、蜂蜜、みりん、水。
全部計量して、小麦粉と重曹を合わせて粉ふるいでサラサラにしておく。
卵をボウルに割って、泡立て器で空気を含ませるように泡立てる。
…ハンドミキサーが無いんだもんなぁ
…最低でも3コは欲しいかな
…良し、ザエルアポロにも銅鑼焼き渡して作って貰おう
…早速、役に立ったな狂科学者
泡立てた卵がやや白くなってきたら、砂糖、蜂蜜、みりんを順に入れてはひたすら混ぜて行く。
最後に重曹と小麦粉を振るったのを混ぜて、粉っぽさがなくなったら生地を少し休ませる。
その間に、サツマイモを1cmより小さい角切りにして、修理から戻って来たレンジで加熱して粗熱を取る。
実はザエルアポロ、ちゃんと理由があって厨房に来ていた。
と言うのも、私が目覚める2日前、ちゃんと使用時の禁則事項が解りやすいように貼ってあるにも関わらず、うっかりレンジに金属スプーンを入れた状態でチンした輩がいて、見事に火災を起こし、彼は研究の合間に修理したのを運んで来たそのついでに、料理長に任命された私を見に来たらしい。
…どのみち、ザエルアポロとは顔を合わせる運命だったという事か
…余り嬉しくないな
「このサツマイモ、どうするんですか?」
「5分の2くらい取った粒あんと漉しあんに半分ずつ混ぜて、5種類のあんを作って挟もうと思って」
「挟む?」
「そ、休ませてた生地に水を混ぜて…よし、焼いていくよ」
「あ、はい」
キョトンとした顔で首を傾げるロカもカワイイ。
1番大きなホットプレートを2枚使って生地を焼いて行く。
熱して油を馴染ませて、小さめのお玉に7〜8分目の生地を直径6cmくらいの円になるようにプレートに落として、表面にプツプツと穴があいてきたところでフライ返しでひっくり返して軽く焼いてお皿に移して乾かないように濡れ布巾をかける。
「コレを焼く生地がなくなるまで繰り返すの」
「…丸くてカワイイ…頑張ります」
ある程度焼いたところであんこを挟む作業を見せる。
先に焼いた面が外に来るように確認してから大きめのスプーン1杯分のあんこを乗せて少し広げもう1枚で挟む。
出来上がったのは、もうひとつのお皿に置いてこちらにも濡れ布巾をかけておく。
「私はこうやって焼くのと挟むの同時進行で行くから、ロカは生地を焼く方に専念して貰ってイイかな?焼き終わったら挟むの一緒にやるって事で」
「お任せ下さい」
キリッとした表情のロカもカワイイし、頼もしい。
そうやって、時間ギリギリまでひたすら焼く、挟むを繰り返し、何とか銅鑼焼きが完成した。
「…間に合ったぁー!」
「お疲れ様でした」
「ロカもね…さて、ザエルアポロに連絡するか」
彼は立ち去る時ドコに持ってたのか、小型の無線機を渡して来た。
「連絡手段は多い方が良いからね」
とか言って、予備や充電器を置いて行った。
…早速、使う事になるとはね
銅鑼焼きの事を話したら、
「今直ぐ迎えを寄越すよ」
と返答が返って来た3分後、ザエルアポロを10歳くらいに若返らせたような少女が来た。
少女はカーテシーをしながら、挨拶をしてきた。
「はじめまして。ドラヤキを受取りに来ました。アンコガカリです」
「あ、えっと、こちらこそはじめまして。メノリ=マリアです。あんこ係ってどういう事かな?」
少女に話を聞くと、つい先程、ザエルアポロ自身のバックアップデータの一部を改造破面に埋め込んで出来た、あんこを安全にザエルアポロに届ける為だけの存在だと言う。
「…あの人らしいですね」
「………」
…やっぱり、ザエルアポロはザエルアポロだった
「早く戻らないと五月蝿いから、ドラヤキを下さい」
「ちょ、ちょっと待ってて、今からリスト書くから…あ、そうだ、書き終わるまでそこの食べててイイよ」
「?」
「メノリさん!!」
「いや、だってこのまま帰したらこの子、タダ働きだもん。働かざる者食うべからずだけど、タダ働きはもっとダメ!」
「…もぅ!」
「…もぐもぐ…!…ごくん…あの、このお皿の…本当に食べて良いのですか?」
「イイよ!えっと…紙と筆はドコだっけ?」
物凄く目が輝いている事から、好みは一緒のようだ。
オリジナルと違って、少女はリストを書き終わるまで大人しく銅鑼焼きを食べていた。
銅鑼焼きとリストを持って戻る少女に、名前がないのは私が不便だからと勝手に名付けた。
ルビア、スペイン語で雨。
愛称はビア。
アンコ係なんて絶対に呼びたくないし。
「じゃあこれからもよろしくね、ビア」
「宜しくお願いします、メノ姉様」
この後、ビアは私の助手兼カワイイ妹分として長く付き合っていく事になる。
そして、ロカとはライバル兼同志に、他の破面達にとってメノリの少々厄介な妹分として認識されていく。
オヤツの後片付けを終わらせたところにビアがレシピ本作成と、食糧庫の記録用のカメラ一式を持って来た。
ビア曰く、
「オリジナルの所にいてもやる事がないから、メノ姉様の手伝いに行くって言ったら、アッサリ了承されたから来ました」
との事。
余り表情を変えないロカがイヤそうな顔をしていた。
「メノリさんの邪魔は絶対にしないで下さいね」
「…オリジナルが何をやったか知りませんが、ボクを同一視するのは止めてくれませんか?」
…何を話してるのか解らないけど、何か火花散ってない?
「ま、まぁ取り敢えず食糧庫の調査始めようか」
「「はい」」
藍染達が尸魂界に戻るまでに、食糧庫に何があるのかしっかり確認しないと、要望書に何も書けないから隅々まで調べる必要がある。
まずは、1番使われているだろう一際大きな獣肉用の倉庫に入った。
「…うわぁ」
…予想してたけど、もう帰りたい…グロ過ぎ…
よく解らない生きてたモノ達が乱雑に積み重なっている。
ココには破面達用の肉しか置いていないらしい。
少なくとも私が使う事はないのだか、これらの調達方法は、定期的に虚夜宮の外へ誰かしらが狩りに行くから気にしなくて良いとロカが教えてくれた。
そして、目当てである藍染達用のはドアのすぐ左側の暗号入力式のスライドドアの向こうにあった。
しかし、暗号入力だけでは開かず、予め設定された破面の霊圧をドアが感知してようやく開くタイプだと言う。
…流石に厳重だね、当然だけど
ロカが暗号を教えてくれたし、ドアにも私とビアの霊圧を追加設定してくれたから、コレで私達も自由に出入り出来るようになった。
「…わぁ〜!」
…いっぱいある〜!
鶏肉や豚肉、牛肉、羊肉に鹿肉、猪肉といったジビエまで各部位ごとに防腐処理されて、キレイに並べてある。
卵も鶏卵と鶉の卵が、それぞれ適温設定されたケースに並べられて、割れないようしっかり細工がされている。
破面達用のとは雲泥の差だ。
…コレ、藍染達用と破面用の食糧庫、別々に作るべきでは?何で一緒にしちゃったの?
…後でザエルアポロにどうにか出来ないか相談してみよう
ロカに尸魂界から毎回どのくらいの量が運ばれて来ていたのか、ロカが用意していた頃は、毎食ごとにどの肉をどのくらいの量で使っていたのか、参考までに聞いてメモを取りながら詳細を調べて、次に魚介類の倉庫に入った。
…こっちの方がよりグロくてキモいな
魚型(人と同じ手足が付いている、某ゲームやアニメで見た事がありそうな)の虚の死骸が山積みで放置されている。
…余計な事考え出す前に、目的のモノ調査してさっさと退散しよう
「メノリさん、大丈夫ですか?」
「メノ姉様、お顔が真っ青ですよ」
「だ、大丈夫…」
2人に心配されながらも、目的の普通の魚介類の調査を済ませた。
鮭、鯖、鱈、鰤、鮪、鰯、鰈、海老に烏賊、浅利、蜆…結構、種類が豊富のようだが…。
…比較的、骨が取りやすいか食べやすいのが多い気がする
…まぁ、私も小骨が鬱陶しい魚は苦手だからありがたいけど
こちらもさっきと同じくロカに今までの使用状況を聞きながら、増やして欲しい魚介類をメモして今度は野菜の倉庫に入った。
野菜は破面達は殆ど食べないらしく、食べるとしてもそれは最上級のごく一部しかいないとの事。
私は厨房にあった冷蔵庫の中しか知らなかったけど、キャベツを始めとする大抵の葉野菜はちゃんとココにあった。
他の根菜類や果菜類を調べてたらノイトラが来て、トマトを箱ごと(食べながら)持ち去って行ったのにはちょっと驚いた。
ロカ曰く、
「割と見かける光景ですので、すぐ慣れますよ」
との事。
…蟷螂だから食べ物もそういう嗜好なのかな?
「…あ、そろそろ戻って夕食の用意しないと。2人ともー!厨房に行くよー!」
「はい、メノリさん、先程頼まれた獣肉の切れ端、全部お持ちしました。此方、計量したのと残量分のメモです」
「メノ姉様、長ネギとショウガありました。どちらも残量を確認して来ました。メモをどうぞ」
「2人ともありがとうね。さ、作りに行こうか」
「「はい」」
厨房に戻るまでの間、私の後ろで2人が何か話し合っているようだった。
…声が小さ過ぎて聞こえないけど、仲良くなったのかな?
厨房に戻って夕食の用意を始める。
「何を作るのですか?」
「…この道具は何に使うんですか?」
「今夜はつくねバーグを作ります」
「「ツクネバーグ?」」
「この道具を使って、このお肉の切れ端達を挽肉にして作ります。ココにお肉入れてこのハンドルをグルグル回すと…こっちの穴から挽肉になって出て来るから、このボウルに入れて…残りをビアにお願いするね」
「…頑張ります!」
「一度にたくさん入れたら、ハンドル回らなくなるから気を付けてね。終わったか、何かあったらすぐ教えてね」
「はい!」
「で、ビアが挽肉作ってる間に混ぜる長ネギを微塵切りにして、調味料も合わせておこう」
「ミジンギリ?」
「微塵切りって言うのはこう………こうやって細かく刻んだ状態のを言うの」
「成程…」
「ココにある2本、全部同じく刻んでおいてくれる?」
「はい」
2人が作業を進めている間に、下味用に生姜をすりおろして、酒、醤油、つなぎのデンプンを計量しておく。
「長ネギ、終わりました」
「…挽肉、もうちょっとかかります…ごめんなさい」
「謝らなくてイイよビア、いっぱいあるから時間かかるのは当たり前だから」
「…うん」
ビアが挽肉を作り終わるまでに他の料理を用意する。
本当は肉豆腐を作ろうと思って用意していたのに、誰かが落としたらしく、崩れ豆腐になってしまったので、急遽、白和えにする事にした。
レンジで豆腐を水切りして、すり鉢にいれておく。
合わせ調味料として出汁と醤油、煮きったみりんと練りゴマを混ぜておく。
具材として小松菜を塩茹でして、ひじきと人参を出汁醤油で煮含めてそれぞれ冷ましておく。
後は他の料理を作り終えたタイミングで合わせるだけ。
お味噌汁はロカにお願いして、蕪の浅漬けに柚子の絞り汁と皮を刻んだものを合わせて更に馴染ませておく。
茄子に飾り切りをして揚げ焼きにしようと油を用意したところでビアの挽肉作りが終わった。
「ぜ、全部出来ました…はぁ、はぁ…」
「ビア、お疲れ様〜!良く頑張ったね〜、ありがとう」
「はい〜…」
「ビアはこの柚子ネード飲んでちょっと休んでてね。ロカ、つくねバーグのタネ作りやるよ」
「はい」
挽肉を2つのボウルに分けて、軽く捏ねて長ネギ、下味として先程用意した生姜その他を入れて全体に混ざるようによく捏ねる。
「コレでタネは完成、手の平より小さい俵型にしてから、こうやって、空気を抜いて…真ん中を少し凹ませて、成形は完了。残りも同じようにやっておくと楽だよ」
「「はい」」
「…って、ビア?休んでなくて大丈夫?」
「メノ姉様のユズネード飲んだらつかれはどこかに行きました。だから手伝います!」
「そう?無理しないでね」
「はい!」
…ギリッ…
…今、ロカ歯軋りしなかった?
…何か悔しそう?何で?
3人で成形を済ませ、一気に焼きたいからと、勝手に焼き肉用に決めたホットプレートで焼いて行く。
お手本を見せて、残りはロカに任せてビアにはポン酢醤油と照り焼きのタレ、おろし醤油の3種類のレシピを渡してそれぞれ作って貰い、私は途中だった茄子の揚げ焼きと味噌ダレに取りかかった。
…2人とも凄く優秀で助かる〜
…私1人じゃもっと時間かかってたよ〜
つくねバーグが焼き終わったところで、最後に焼いたの+その前に焼いたのをプレートに戻して、照り焼きのタレを絡めて少し加熱して完成。
白和えもすり鉢で磨り潰した豆腐に味付けして、具材も混ぜて出来上がり。
分担してそれぞれよそったところで給仕係の破面達が来たので、後を任せて私達も夕食を食べる事にした。
「…?メノ姉様、ツクネバーグのお皿、1人分多くないですか?このお皿だけ1個多いですし、それにポン酢しょうゆがありませんが?」
「あぁ、イイのコレは。他に渡す人がいるから…多分、そろそろだと思うんだけど」
「?」
「メノリさんたら、もう…」
食堂に移動してテーブルに夕食を置いたところで、目当ての人がいつものメンバーを連れて来た。
「ちょっと行ってくるね」
「え…待って下さい、メノ姉様!!そいつ等は危険です!」
「え、ちょっ、ビア!?大丈夫だから落ち着いて」
「ダメです!ボクのデータにアイツは凶暴な獣だとあります!とても不本意ですが、メノ姉様を守るのはアンコ係の次にすべき事なのです!」
「いや、だから大丈夫だってば、私が彼に用事かあるんだから、ね?」
「でも!」
「…おい、喧嘩なら他所でやれや」
「ロカ、ビアをお願い!ごめん、グリムジョー足止めさせちゃって」
「別に良いけどよ…何だ用事ってのは?」
「お昼の時、ザエルアポロの奇行を止めてくれてありがとう。あの時、どうしたらイイのか解らなくて困ってたから、凄く助かったの。で、コレ、つくねバーグって言う挽肉を使った肉料理で、お礼のつもりで作ったんだけど…」
「ふーん…ま、くれんなら貰っといてやる…で、俺を睨んでるあのガキは何だ?」
「あ、あの子は…」
ビアについて説明したら、何とも言えない、敢えて言うなら同情的な?表情をされた。
「…厄介な奴に気に入られたな…ま、頑張れ」
そう言ってグリムジョーはシャウロン達がいるテーブルへと向かった。
用事を済ませた私もテーブルに戻り、ビアのグリムジョーに対する偏見を払拭すべく、目覚めてからの経緯を説明して、何とか納得させるのに成功した。
その後、食べ終わって食堂から立ち去ろうとしたグリムジョーに、ビアは謝罪をしに行った。
…自分の非を素直に認められるなんて偉いよ、ビア。
オリキャラ
ルビア=アルコ=イーリス
スペイン語で雨と虹を繋げただけ。
愛称はビア。
ザエルアポロがあんこの為だけに作り出した改造破面。
仮面の名残りは首のチョーカー。
外見年齢は10歳の少女(身長135cm)。両利き。
髪、瞳、肌の色はザエルアポロそのものでボクっ娘。
姫カットで腰まであるストレートのロングヘアー。
シンプルな白いワンピース1枚にペタンコ靴だったが、メノリの着せ替え人形化した後、エプロンドレスにホワイトブリム、靴はストラップシューズに落ち着いた。
メノリを姉として慕う。
ロカとはライバル兼同志の関係。
メノリが苦手な相手や、害を与える可能性がある相手には警戒心剥き出しで睨み付けるし、対応も雑になる。
オリジナルであるザエルアポロとは、あんこ菓子を渡しに行き、メノリの欲しいモノを運ぶ、運搬係以外で接する事は殆ど無い。
初対面で醜態を晒した件を聞いて心底軽蔑している。
メノリと仲が良い、或いは助けてくれるテスラやシャルロッテ、ネリエルにグリムジョーその他には最低限の礼儀と敬意を持って接している。
…こんなところかな?
次回は、食糧庫の調査の続きにリスト作り、後は…?