前回、杏奈ちゃんのお誕生日会とナナゴウちゃんのお誕生日会に参加しました。
今回、姫様のお誕生日会です。
今日は、姫様の98回目のお誕生日会である。
今回のメニューは、去年と同じくまた食べたい料理Best20に加えて、この1年で新たに覚えた料理から姫様が食べたいのを用意する事にした。
が、
メニュー決めの際、今年のカレーをどうするかで話し合いをした結果、お土産として用意する事になった。
ー回想ー
「今年は専用の大鍋でパエリアとドリアを用意するし…何よりドライカレーのレシピは既に彼方にも送っているから、無しで良いかなぁ…って思うんだけど、みんなはどう思う?」
「「「う~ん…」」」
「そうだな…」
「う~ん…あ、ならお土産にするのはどうですか?」
「「「「「え?」」」」」
「料理を真空パックで1人分ずつ用意して、ご自宅で食べたい時に温めていただくとか…どうですか?」
「…それならいけるかも知れないな」
「…悪くないとは思いますけど…尸魂界にレンジって普及されていましたっけ?」
「流石にそれは解らないわ…でも、良いアイディアね。実際、加熱したら食べられますってタイプの冷凍のお土産やお取り寄せ、此処の現世にもあるみたいだし」
「「「…では」」」
「うん、お土産には冷凍カレーピラフを作って、レンジでもフライパンでも蒸籠ででも温めて食べられるようにしましょうか。辛味はスパイスを別に用意して…あぁ、そうだ。トッピングの温玉…の代わりにオムレツとパルメザンチーズにグリル野菜も一緒に添付って形にしたらどうかしら?」
「「「うわぁ~!」」」
「「「想像しただけで涎が…」」」
「じゃあお土産は冷凍カレーピラフとお野菜たっぷりのスープにタルトタタンのセットで行きましょうか」
「「「「「はい!」」」」」
…これでこのリクエスト〈辛い料理を増やして欲しい〉の対応策にもなる筈
…多分、朽木白哉だよね、この達筆
…でも、主役の姫様の味覚を考えると、どうしても避けざるを得ないからなぁ
…ビュッフェスタイルの食事、かなり気に入ったみたいなのよね姫様
…それでもし姫様の口に誤って入ったりでもしたら、大惨事待った無しだもの
…メニューに追加出来ない代わりに、お土産にすれば満足して貰えるよね
ー回想終了ー
そして当日の朝。
何のトラブルも無く順調に料理を仕上げてはドンドン会場に運んで貰う傍ら、時々リッカの様子を見ては異常が無いか確認を繰り返している。
…大丈夫そうね
今日は特に忙しいからと、ロウコとアンオウエン、シオンにリッカを任せ切りにしている。
そして会場入りの時間になれば彼等にリッカを連れて行って貰う手筈になっている。
なのに…
「…あの、何故此方にいらっしゃったのでしょうか?」
「ママァ~」
「愚図って仕方ないから連れて来たんだヨ」
「会場にお戻り下さい」
勝手に涅マユリがナナゴウちゃんを厨房に連れて来た。
これには現在進行形で大忙しのメノリも、素っ気ない返答しかしようが無い。
服を掴んで離さないナナゴウちゃんの目線に合わせて、何とか説得して会場に戻って貰った。
「…でね、リッカだけじゃなくて、ロウコとアンオウエン、シオンもナナゴウちゃんと一緒に食べるのよ?ね?」
「…ねぇね?」
「うん!」
「えぇ。リッカと一緒にご飯食べてくれる?」
「…あい」
「あ!ママ、おきゃくさまがきたみたいだよ」
「あら、本当ね。じゃあロウコ、アンオウエン、シオン、リッカとナナゴウちゃんをお願いね」
「クォッ!」
「クァッ!」
「ギャウッ!」
「そして涅様も会場へお戻り下さい」
「フン」
「じゃあママ、あとでね~」
「あちょね~」
「はい、行ってらっしゃい」
…何とかなったぁ~
「…ふぅ~」
「ご苦労様」
「うん。…さてと、料理は今運んだので最後…お土産用のと景品はどうかしら?」
「お土産用のタルトタタンは次のを焼けば終わりです!」
「すみません!景品用のが少し遅れています!」
「…間に合うかしら?」
「ちょうど此方のオーブンの洗浄、消臭終わりました!」
「ナイス!こっちで景品用のお菓子焼いていくわよ!」
「「「はい!」」」
アンオウエンが会場でやらかさないか不安だが、今すべき残りの作業に取り掛かった。
で、
案の定、朽木一家が来場した途端、杏奈ちゃんに会いに行ってしまった。
…危惧していた通りね
「…アンオウエンめぇ…」
「落ち着いて下さい、メノリさん」
「あ、ほらリッカが…」
「え…」
朽木一家にちゃんと挨拶をしてから、アンオウエンに席に戻るよう説得している姿が見えた。
流石のアンオウエンも、リッカに叱られるとは思っていなかったらしいが、それでも名残惜し気に杏奈ちゃんに頬擦りしてから席に戻った。
「…リッカ」
思わぬところで彼女の成長が見られた。
この後、姫様の合図で始まった食事会で、山本元柳斎が何処にもカレーが無いと嘆き、藍染に迫って喚き散らして困らせ、雀部に京楽、浮竹そして卯の花の4人がかりで宥めるというトラブルが起きた。
「「「「「…え、えぇ~…」」」」」
「そこまで?そこまで取り乱さなくても良くない?」
「こ、此処まで嘆かれるとは思ってもみなかったな」
「山本様のカレー愛、甘く見てましたね」
「ま、まぁ、お土産に用意しているから、どうにでもなるでしょ。うん」
…トラブル回避の為に、来年以降はカレー料理を必ず用意しよう
「…これで最後…っと」
「「「では、所定の位置にお運びします」」」
「お願いします。ふぅ~」
「「「「「お疲れ様でした!」」」」」
「みんなもね。さて、ササッと食べて会場に向かいましょうか」
「「「「「はい!」」」」」
会場に到着して1番に2人に会いに行った。
「「ママァ~!」」
「お待たせ、リッカ、ナナゴウちゃん」
「わたしもナナゴウもいっぱいたべたよ!ね?」
「あい!」
「でもね、マユリさままたネギよけてたの!」
「あらら」
「…余計な事は言わなくてイイ」
「クァッ!」
「…はいはい、行くわよ。全くもう」
アンオウエンに急かされるままに、朽木家が揃っている席へと向かった。
「お久し振りです、皆様」
「うむ」
「こんにちは、メノリさん」
「だぅあ~!めにょい~!」
「こんにちは、杏奈様」
「きゃ~!」
「実は先日、ついに杏奈が歩いたのだ」
「まぁ、おめでとうございます」
「うむ」
そっと床に下ろされた杏奈ちゃんはキョトンとした表情をしながら、周囲を見回してその場で立ち上がり、しっかりとヨチヨチ歩きをして、少し後退した緋真さんに抱き付いた。
「まんまぁ」
「どうだ」
相変わらず、余り変化の無い表情だが、その口調からかなり得意気になっているのが窺えた。
「凄いです、杏奈様。そう言えば、掴まり立ちは見せていただきましたけど、伝い歩きはどうでしたか?掴まり立ちからひと息に歩き出す子も居ますけど」
「…あの日から半月程経った頃だろうか…伝い歩きをしてな…そう言えば、びでおかめらという便利な道具を購入してな、杏奈の成長記録なる物を日々更新している」
「あら…」
「無論、伝い歩きの様子もしっかりと記録してある。兄の都合が付けばだが、見に来ても構わぬ」
「え…」
「クァッ!クァクァッ!」
…ただの話題提供のつもりだったんだけどなぁ
迂闊な発言をした自分自身に頭を抱えたくなった。
そして、杏奈ちゃんを構う私に機嫌を損ねたナナゴウちゃんを宥める為にと、取り敢えずその場から離れた。
ナナゴウちゃんの機嫌が中々直らず、予想以上に時間がかかってしまい、今回来てくれた子ども達とはみんなで場所替えを数回しての集合写真を撮る事でどうにか納得して貰い、今回のお土産とゲームについての説明をした。
「今回のお土産は、コンクリンを使用したタルトタタンと言うお菓子と挽肉をたっぷり使ったカレーピラフ、そしてお野菜たっぷりのスープです。是非ご賞味を」
今年も試食用のを食べて貰った。
「「「「「おぉ~(わぁ~)!」」」」」
「「「「「うっま!」」」」」
「「「これもうそのまま今夜の飯にするぜ!」」」
「何じゃ、土産に用意しておったならそう言えば良かろうに」
「まぁまぁ、良かったじゃないの山じい」
「ふん」
カレー愛に溢れた山本元柳斎は勿論、独身が多い死神達には結構好評のようだ。
「では、今回の催し物について説明しますね。今回の催し物は〈探してビンゴ〉です」
「「「「「探して…びんご?」」」」」
「びんごってなに?」
「ビンゴとは、本来は数字が書かれた5×5の計25マスの、中央は何も書かれていない此方のカードを使い、ランダム…えっと、無作為に読み上げられる数字をマークして、縦・横・斜めのいずれか1列を早く揃える遊びです」
「1列開けられたらびんごと伝えに行けば良いのか?」
「本来ならそうです」
「本来なら?」
「探して…と言ったが?」
「はい、今回は1~25の数字がバラバラに書いてあるカードを使います。中央の数字は諸事情により1に固定させて頂いております。因みに此方の数字は後ろの画面にある通り、1ならプレーンクッキー、2ならひとくちゼリー…と言ったふうに得られるお菓子が決まっています。1列揃えたらその揃った数字のお菓子に加えて更にお菓子が貰えます。そして、2列、3列と揃えていくと、貰えるお菓子が此方の画面通りに増えて行きます。その数字はこれから向かう会場の彼方此方に隠れています。それを探していただくのが今回の催し物です」
「ね~ね~!」
「はい、何でしょうか?やちる様」
「もし全部開けたらどうなるの?」
「オールビンゴをした場合ですか?えっと…ちょっと難しいと思いますが…」
「もしだよ、もし!」
「もし出来た方には?…そうですね、その方のお誕生日にバースデーケーキを贈りましょうか。最低でも1ヶ月前に連絡をいただくのを条件にして」
「「「「「何ぃ!?」」」」」
「へっ?あ、あの?」
「「「絶っっっ対に全開けすんぞぉぉぉぉ!!」」」
「「「「「おぉ~!!」」」」」
「…どうやら、皆様のやる気スイッチを思いっ切り押したようだな」
「…ですね。まぁ、仕方ないかも知れませんね。何せ、懇意にしている方のお子様にしかお贈りしていませんもの」
「あ…」
…何だか今日は失言が多い気がする
何にせよ、死神達と破面達の〈探してビンゴ〉が始まった。
「では、姫様方と此方の薄紅色の腕輪を渡された方は此方の扉をお通り下さい。此方では〈探してビンゴ〉に加えて〈遊んでビンゴ〉をお楽しみ頂けます」
「〈あそんでびんご〉?」
「何ですかそれは?」
「数字を探すだけじゃないの?」
「はい。先ずは此方の冊子をお配りしますね。あちらと同じく数字を探していただきますが、此方ではこの冊子にある〈公園〉、〈図書館〉、〈図工室〉、〈遊園地〉それぞれに5個ずつ、〈植物園〉には4つ、写真が貼ってありますね。その写真の被写体の何処かに数字が隠れています。それを探して、答えを聞く係の方に伝えます。正解なら見付けた数字をマーク出来ます。〈探してビンゴ〉の遊び方は解りましたか?」
「「「うん(はい)!」」」
「〈遊んでビンゴ〉は、その写真の遊具で遊んだり、〈図書館〉の写真の壁の絵の前で写真撮影をしたりと、課題が決まっています。それをこなせば数字のくじを引けます。こなした課題の分だけくじが引けますので、其方でビンゴを目指す事も出来ますよ」
「「成程…」」
「わたしたちは、すう字さがしでがんばろうね!」
「「勿論(です)!」」
「では、行ってらっしゃいませ」
「「「いってきま~す!」」」
…さてと
「私はリッカとナナゴウちゃんと遊んで来るから、後はお願いね」
「あぁ」
「「「お任せ下さい!」」」
「楽しんで来て下さいね、リッカちゃん、ナナゴウちゃん」
「うん!」
「あい」
「じゃあ行って来ます」
「「「「「行ってらっしゃい(ませ)!」」」」」
冊子を見せながら、何処に行くか2人に聞いた。
「さて、何処に行こうか?」
「ここ!ずこうしつ!ぬりえやりたい!」
「ママ、これ!」
「どれどれ…ナナゴウちゃんも〈図工室〉に行きたいのね」
「あい!」
図工室に向かった。
塗り絵コーナーには、植物に動物、日用品等、多種多様のイラストが揃っていた。
「どれ塗ろうか?」
「う~ん…あ!ロウコいる!シオンも!」
「あら、本当ね」
「きめた!ロウコからぬる!」
「クォッ?」
動物の中から可愛くデフォルメされた熊に狐、犬、猫、鳥、蜘蛛…流石に双頭の蛇は無かったけれど、何時も一緒の家族達のイラストを塗る事にしたらしい。
…白とベージュ、クリーム系統の色鉛筆とクーピーの消費、凄い事になりそうね
「ナナゴウちゃんは…粘土?」
「あい!」
「何を作るのかなぁ?」
「だりゅましゃんちょおにぎい!」
「だるまさんとおにぎりかぁ…ママも何か作ろうかなぁ…」
「あい!」
新品の小麦粘土を捏ねて使いやすくしたのをナナゴウちゃんに渡しながら、私も自分用の粘土を捏ね始めた。
…う~ん、ロウコ達を粘土で表現したら喜ぶかな?
「「できた(ちゃ)!」」
「ママも出来た!」
リッカは時間ギリギリまでかけて、ロウコ達全員を塗り終えた。
ナナゴウちゃんはみんなの分もとおにぎりを只管作った。
「あら、リリアとリリエも塗ったのね」
「うん!」
蜷局を巻いていない蛇のイラストにもう一匹尻尾が重なるように足して双頭の蛇を表現したらしい。
「良く描けてるし、どれも上手に塗ったわね~」
「「シュシュ~!」」
「えへへ~。ママのロウコ達もかわいい!」
「ありがとう。でも、リリアとリリエの身体を作ったのはナナゴウちゃんなのよ。ね?」
「あい!にょろにょろ~。たのちかった!」
「料理長、そろそろお時間かと」
「…え?あ、本当だわ!写真撮影して早く戻らないとケーキ無しになっちゃう!」
「え!?や、やだ!」
「ケーキちゃべたい!」
「うん、じゃあ急いで片付けようね」
「「うん(あい)!」」
この後、リッカの塗り絵とナナゴウちゃんが作っただるまとおにぎりの粘土は、涅マユリがしっかり持ち帰ったらしい。
会場に戻ったら、姫様とやちるちゃんの機嫌が少し悪くなっていた。
「…どうしたの?」
「…時間が足りなくなったんです」
「え?」
「ザエルアポロが今回公園に用意した複合遊具が楽しすぎて、つい…ね」
「…じゃあビンゴは?」
「姫様は3列でボクとリリさんは何とか2列揃いました」
「目標に全然届かなかったのが悔しいってさ」
「らい年!らい年こそ、オールビンゴするもん!」
…これは、来年も催し物はビンゴで決定かな?
やちるちゃんも26枚見つけたものの、数字が幾つか被ってしまい、オールビンゴ達成は出来なかったらしい。
「む~…」
「仕方ねぇだろ。おーるびんご出来た奴はいなかったみてぇだしな」
周囲を見渡せば、オールビンゴ達成したと思われる者は居ないようだ。
「…えっと、達成まであと1枚だった方は?」
誰も手を挙げない。
「2枚の方は?」
ウルキオラだけが手を挙げようとしたのを、スタークが押さえ込んだのが見えた。
気付いたヤミーも一緒になって押さえている。
…ウルキオラに空気を読ませるのは難しいわよね
…でも、本人は実力で回収しただろうしなぁ
…彼には、ケーキにトマトとシーフードのサラダでも追加で渡そうかな、うん
「…3枚の方は?」
「はい!はいは~い!」
やちるちゃんが勢い良く手を挙げた。
他にも山本、砕蜂、雛森、卯の花、狛村、京楽、東仙(長男)、綱彌代(歌匡さん)、浮竹が手を挙げている。
因みに破面側はハリベル、ネリエル、バラガンが手を挙げていて、グリムジョーはディ・ロイに挙げさせられている。
…やちるちゃんは兎も角、他は絶対それぞれのリーダーのカードが達成するようにしたわよね、これ
…多分グリムジョーは、自力で集めた訳じゃないから手を挙げたくなかったんでしょうね
…凄い仏頂面だもの
…さて、どうしようかしら
「…取り敢えず、メモ帳ある?」
「…良いのか?」
「だって、やちるちゃん凄く頑張ってたみたいだし」
「…相変わらずですね」
今年のみ特別に、今手を挙げた人達全員のバースデーケーキを用意する約束をした。
「わ~い!やったやったぁ!!」
やちるちゃんが喜んでくれたので、ホッとした。
…さてと、対象者の誕生日を教えて貰って、どんなケーキが良いか、カタログを作らなきゃね
…って、あの、ルールはルールですから
…どんなに見つめられても、ルキアさんは対象外ですからね
…諦めて下さい、ご当主様
やっと投稿出来ました…。
他の連載作品に思考の大半を持って行かれてしまいました。
書きたいシーンはまだまだ先なので、何としても未完にしないよう、頑張ります。
次回は…まだ書いていない隊の隊舎へ行く話でも書こうかと。