前回、プール開きをしました。
今回、リッカの6歳の誕生日を祝います。
プールの厨房で調理中の事だった。
※姫様とリリネットにビアそしてリッカも一緒に尸魂界から来た子ども達と遊んでいる。
「もう直ぐリッカのお誕生日ですね」
「そうね」
「「…という事は…」」
「またあの狂科学者が来るのですか…?」
「「「憂鬱ですね…」」」
「まぁまぁ。涅様はれっきとしたリッカの生みの親なんだから、呼ばなきゃ後が絶対に五月蝿いし、物凄く面倒臭い事になるでしょ?だから、1日だけ辛抱して遣り過ごす以外の道は無いのよ」
「「「「「りょ、料理長…」」」」」
「本音がダダ漏れだぞ」
「あらやだ、つい。まぁ、当日のシフトはその辺りを考えて組むから安心してね」
「「「「「あ、ありがとうございます」」」」」
「…それで、今年はどうするんだ?」
「確か、6歳のお誕生日は色々とやる事があるとか仰っていましたよね?」
「えぇ。リリアとリリエにアンオウエン、それからシオンとニエのところの慣わしがね」
「お誕生日会は昼食からの予定だろう?大丈夫なのか?」
「ん~…アンオウエンとシオンにニエのは午前中にやるでしょ~…ニエのがちょっと時間がかかるかなぁ…でも、リリアとリリエのはお誕生日会のメインでやるものだから…多分、大丈夫よ」
「…なら、良いが」
「…さて、そろそろ昼食の時間ね」
プールの方から子ども達の声が聞こえて来た。
「「「「「あ~、おなかへったぁ~!」」」」」
「ママ~!きょうのおひるごはんなぁに~?」
「ママァ~!ななも~!」
「「「ごっはん!ごっはん!」」」
「は~い。今日はお子様ランチ中華風で~す」
「今日はデザートの杏仁豆腐も付きますよ」
「「「「「わ~!!」」」」」
「年齢ごとに3列に並んで下さ~い!」
「「「「「は~い!!」」」」」
今日も子ども達は元気に怪我無く、始終プールと昼食を楽しんで行った。
そしてリッカのお誕生日当日。
丸口の絞り袋で周囲に慎重にクリームを丸く絞り出し、内側はカットしたイチゴを敷き詰めて、その上にゼラチンソースをかけて、一文字ずつバースデーメッセージを書いたクッキーを乗せて…。
「で~きた!どう?じょうず?」
「うん、上手上手!綺麗に出来たね~」
「えへへ~」
この日の為にと、子ども用の絞り袋を用意して、クッキングシートの上でホイップクリームのデコレーションの練習をさせた甲斐があった。
…前々から絞り袋に興味津々だったからね
「後は冷蔵庫に入れておこうね」
「うん!」
…そろそろ、彼方からも来る時間になるし
「じゃあお部屋に戻ってお着替えとアンオウエンへの贈り物を持って来よっか」
「は~い!」
今日の為にとコストレイラさんにお願いして作って貰ったアンオウエンの翼と同じ色合いの着物に着替え、アンオウエンへの贈り物を箱に入れて、待ち合わせの場所へと向かった。
「お待たせしました」
「あ、マユリさまにナナゴウ、あこんさん、ひよすさん、リンさん、おはようございます!」
「ウム、お早う」
「ママ、ねぇね、おはよ!」
「おぅ、お早うさん」
「相変わらず元気そうで何よりだ」
「お、お早うございます」
「…で?メノリ=マリア。要望通り生まれた時間に間に合うよう来訪したが…何をするのかネ?」
「先ずはアンオウエンに贈り物を渡す儀式を始めます。リッカ、手順は覚えてる?」
「うん!このはなわをアンオウエンのくびにかけて、おれいとおねがいをするんだよね?」
「うん、そうよ。では、アンオウエンの『箱庭』へ入りましょうか」
「「「「はこにわ?」」」」
扉の向こうには色とりどりの花が咲き乱れた空間があった。
その中の大理石に似た素材の台の上にアンオウエンが鎮座している。
「じゃあリッカ、箱から贈り物を出してアンオウエンに渡して今までの事へのお礼とこれからのお願いをして来てね」
「うん!」
箱の中から取り出した花輪を両手で持ち、唯一花が咲いていない一直線の道を歩いてアンオウエンの所へと辿り着いた。
「アンオウエンのおにわでつくったはなわだよ!くびにかけたいからおじきしてくれる?」
「クァッ!」
スッ…ファサッ
「クァ?」
「うん、かわいい!」
「クァッ!」
「えっとね、アンオウエン」
「クァ?」
「いままでまもってくれてありがとう。12さいまでのあと6ねんも、よろしくね」
「クァ~ア!」
アンオウエンがリッカに頬擦りをした事で、儀式は無事終了した。
「…12歳はまだ子どもだろう?何かあるのか?」
「アンオウエンの【世界】では13歳で成人ですからね。それまでの1年、つまり大人になる為の準備期間を見守っていて下さいって祈る儀式があるんですよ」
「「「「へぇ(ホォ…)」」」」
「さて、次はシオンね」
「ギャウッ!」
アンオウエンの『箱庭』を出て、リッカの植物園に入った。
「じゃあシオン、リッカに渡してあげて」
「ギャウッ!」
ポンッ!…コロンッ…
「「「「「…黒い球根?」」」」」
「この球根は黒い花を咲かせます。どんな花が咲くかはリッカ次第です。12年後が今から楽しみですよ」
「12年後?」
「シオンの【世界】では18歳で成人ですから。その花でお菓子を作ってお祝いをするんです」
「「「「「へぇ(フム)…」」」」」
陽当たりの良い開けた場所に穴を掘って球根を埋めた。
「あとはおみず~」
「ギャウゥゥ~!」
コップ1杯分の水をかけて儀式は終了。
「ママ、できたよ!」
「うん、ちゃんと植えられたわね~。後は間違って踏まないように、この柵で囲っておこうね」
「うん!」
柵には、植えた年月日と球根、そして開花する予定日の事がしっかり記載してある。
…これで午前中に予定していた儀式は無事終了ね
…後は、と
「…さて、お誕生日会までまだ時間がありますので、ニエの【故郷】で定番の〈お誕生日に家族で作るお菓子〉を作りましょうか」
「キチキチキ~!」
「「「「「…お菓子?」」」」」
「はい、その名も〈クルーク・ル・トート〉です」
「「「「「…ん(え)?」」」」」
「〈クルーク・ル・トート〉です。作り方はバームクーヘンというお菓子に似ていますが、此方の青い木〈クルーク〉に生っている木の実〈ロリー〉を磨り潰して生地に混ぜて焼くんです。とても甘くて美味しいですよ」
試食用にと幾つか摘んで目の前で食べながらお渡ししたら、みんな恐る恐る口に入れた。
「「「「…!」」」」
「「あまぁ~い!」」
「…ホゥ」
「「「…本当だ…甘い!」」」
「…凄く甘いですけど…大丈夫ですか?テスラさん」
(ヒソヒソ)
「あぁ、砂糖菓子は駄目だが、果物は食べられるからな。ただ、これに砂糖や加工を…となると…な」
(ボソボソ)
「では、〈クルーク・ロリー〉の味を確認したところで、皆で〈クルーク・ル・トート〉を作りましょうか」
「「は(あ)~い!」」
涅マユリに対するトラウマ持ちを全員退避させた厨房に移動した。
…流石の涅マユリも、リッカのお誕生日会を台無しにするような真似はしないわよね?
正直、涅マユリを厨房に入れたくは無いが、〈家族で作るお菓子〉である以上、外す訳にはいかなかった。
先ずは、摘み立ての〈クルーク・ロリー〉を流水でしっかりと洗って水気を切る。
次に、〈クルーク・ロリー〉を2つに分けて半分をミキサーでしっかりと滑らかなピューレに、残り半分は二重にしたビニール袋に入れてすりこぎや麺棒で叩いておく。
「これで〈クルーク・ロリー〉の下準備が出来ました。では生地を作りましょう」
「「うん(あい)!」」
材料は砂糖と蜂蜜を使わない以外はバームクーヘンとほぼ同じで、解きほぐした卵と牛乳を混ぜてから〈クルーク・ロリー〉をしっかりと混ぜて、ホットケーキミックスをダマが出来ないように混ぜて、最後にサラダ油をサッと馴染ませて生地の完成。
「おさとうもはちみつもメロップもつかわないの?」
「そうよ。この〈クルーク・ロリー〉がお砂糖や蜂蜜、メロップの代わりなのよ」
「ふ~ん…?」
「あ~…」
「あ!ナナゴウちゃんてばもぅ~」
「その〈クルーク・ロリー〉はジャムにする分だから食べちゃ駄目ですよ」
「や~!」
「あらら。仕方ないわね…それ1個だけよ?」
「あ~い。あむっ…ん~!」
「やれやれ…では、焼いていきましょうか」
後はバームクーヘン用の焼き型に薄く油を塗り、その上に生地を塗り付けながら焼いていく。
「…最後のひと巻きが焼き上がりましたね。はい、完成です!」
「「「「「おぉ~…!」」」」」
「では、出来立てをいただいてみましょうか。ニエ」
「キチッ!!」
シュパァァァァァン
ニエの糸でひと口大に切り分けて両端の部分を試食した。
「「「「「いただきます(((!)))」」」」」
パクッ…
「「「美味っ!」」」
「バームクーヘンに似ているって聞いていたけど…」
「予想以上に生地が凄いフワッとしてて…」
「木の実のおかげか、しっとりとしてて」
「…悪く無いネ」
「…純粋な果物の甘さのみだから、これなら俺も食べられるな」
「良かったですね、テスラさん」
「キチ~ッ!」
「ママ、すごくおいしいよ!」
「おいちっ!もっとちょだい!」
「口に合って良かったわ。でもこれ以上はダ~メッ」
「ぶ~!」
「…で、この〈クルーク・ル・トート〉とやらはどうするのかネ?」
「お誕生日をお祝いしてくれた方に、お返しとしてお配りするんです。昼食のデザートとしてお出しする予定ですよ」
「ホゥ…」
「「「へぇ…」」」
「「「成程…」」」
「さてと、そろそろ時間になりますね。会場に向かいましょうか」
そして、いよいよリッカのお誕生日会が始まった。
「「「「「リッカちゃん、6さいのおたんじょうびおめでとう!!」」」」」
「ありがとう!」
因みに今回のメニューは、それぞれの保護者から寄せられた定番の悩み事〈野菜を食べないのをどうにかしたい〉と相談され、和洋中の手巻き寿司を予定していたが、海苔の代わりにレタスもしくは加熱したキャベツでお好みの具材を巻いて食べる手巻き寿司ならぬ手巻きサラダにした。
「…今回の献立は手巻き寿司…か?」
「…みたいだけど…肝心の海苔は何処に…?」
「う~ん…見た限り、刻んだのしかないぞ…?」
「…何か、大量のでかい葉っぱがあるけど…?」
「「「んん…?」」」
「…もしかして、この葉っぱ…これは…れたすだったかしら…これを海苔に見立てて、ご飯と具を巻いて食べるのかしら?」
「はい、流石は都様。大正解です。今回の献立は手巻きサラダにしてみました」
「「「「「手巻き…さらだ??」」」」」
予想通り、困惑するお客様は一定数いらっしゃるので、百聞は一見に如かず、実際にリッカの分をお手本として巻く事にした。
「先ずはご飯を敷いて…リッカは何が食べたい?」
「え~っとぉ…サンマに~チーズに~トマト!」
「サンマにチーズ、トマトね…こうやって具を乗せたら、ご飯と具が溢れないようにクルッと包んで…はい、どうぞ」
「わ~い!あ~ん…もぐもぐ…おいし~っ!」
「こんな感じで、皆様も色々な組み合わせを楽しんで下さいね」
「「「成程…」」」
「「「どれにしようか…」」」
「「「うわぁ…迷う~」」」
「はい、とうさま!すめしにとうさまのすきなマーボードウフをまいてみたよ!」
「そうかい…もぐもぐ…うん、とても美味しいよ、みい」
「えへへ~。かあさまは?」
「焼き玉葱に鶏そぼろを巻いてみたわ」
「…それ、おいしい?」
「えぇ、とっても」
「じゃ、ひと口ちょうだい!」
※ビアとロカのバースデー休暇の時、一緒に昼食と銅鑼焼き作りをした際、リッカのお誕生日はいつなのかという話になり、「いっしょにおいわいしたい!」と姫様が言い出したので、今年から姫様もお誕生日会に参加する事になった。
「え~っとぉ…キャベツにご飯と白身魚、すりごまもかけて…はい、シン出来たわよ」
「ありがちょ、もきゅもきゅ…うまっ!」
「とぅたま、ちゅな!ちゅなちゃべたい!」
「リンはほんまツナ好きやなぁ…はいよ」
「わ~い!」
「こちら、杏奈様用のジャガイモのガレットです。磨り潰したキャベツが入っていますので。どうぞ」
「まぁ…わざわざありがとうございます」
「すまぬな…杏奈、玉葱の赤茄子煮を乗せた物だぞ…ほら、あ~ん」
「あ~…んぐんぐ…ん~まっ」
「そうか…」
「颯隼は何にするの?」
「う~んと…ぶたにくと~とりにく~あ、えびも!」
「おいこら、ちゃんと野菜も食え」
「うぇ~」
「まぁまぁ…でも颯隼、この鶏肉にね、この青菜と胡麻だれを一緒に食べるともっと美味しいわよ~」
「…ほんと?」
「えぇ!」
「じゃあ、たべる~!」
「はいお祖父ちゃん。茹で海老とにんじんしりしり?を一緒に包んでみたよ」
「ん、どれどれ…もぐもぐ…うん、あっさりとした海老に人参と卵の甘味が合わさって…美味しいよ」
「良かった!」
「じぃじ、ぼくのもたべて!」
「誠は何を選んだのかな?」
「うんとね、え~っとぉ…とりにくにね、たるたるそぉすかけたの!」
「それは美味しそうだ。どれ…もぐ…ぉっと…もぐ…ごくっ…ソ、ソースをいっぱいかけたんだな」
「うん!ぼく、たるたるそぉすだいすき!」
「そうか」
「おいしい?」
「あぁ、とても美味しいよ」
「えへへ~」
それぞれが和気藹々と食事をしている中、一触即発一歩手前のテーブルもあった。
「春水!儂のかれぇそぉすを返せ!」
「山じぃのじゃないでしょ!この卓みんなの物でしょうが!」
「まぁまぁ、2人とも落ち着いて」
「すみません、山本様専用のソースをお出しし忘れていたみたいで…」
「おぉ…儂専用のかれぇそぉすとな…!」
「あ~…ごめんねぇ。山じぃが毎回大人気ない我が儘言う所為で」
「いいえ」
「ふん!」
タッチの差で享楽に取られたと喚く山本元柳斎を宥める為に、1人分用のソースを用意させた。
…今後も、山本元柳斎用のカレーソースは絶対用意しよう
「ママ?」
「ん?あら、もう食べたの?ナナゴウちゃん」
「うん!」
「じゃあ、今度は何にしようか?」
「う~…しゃば!」
「鯖ね」
「あにょはっぱも!」
「あの葉っぱ…大葉ね」
「ちーじゅも!」
「チーズね…これで良い?」
「あい!あ~…ん!もぐもぐ…おいちっ」
…キャベツは兎も角、レタスは特有の苦味があるからどうかなって思ったけど
…大丈夫みたいね
場の雰囲気もあってか、野菜が嫌いな子ども達はどんどんキャベツやレタスを食べていた。
昼食後、お昼寝をする子もいるからと、別々の部屋で休憩時間を設けた。
…今の内に、この後のゲームの用意をしなきゃね
休憩後、おやつの時間までの間、ペットボトルを使ったボウリングを楽しんで貰った。
「「「「「ぼうりんぐ?」」」」」
「…って、何だっけ?」
「たしか、現世の遊び…だよね?」
「では、ルールの説明をしますね」
2回鞠(玉)を転がして、10本のペットボトルを倒す遊びである事。
1回目で倒したペットボトルは脇に除けてから2回目を転がす事。
1回で全てのペットボトルを倒した場合を〈ストライク〉と言って、もう倒すペットボトルが無いので次の人に順番を譲る事。
倒したペットボトルの本数が得点となる事。
1チーム5人で2周したら終了、得点の合計点数が高いチームが優勝する事。
「以上が基本的なルールなのですが…一部変更をさせていただきますね」
〈ストライク〉が出ても、もう1回鞠を転がして良い事。
2回連続で〈ストライク〉を出した子には糸引き飴を贈呈する事。
「「「「「いとつきあめだぁ~!!」」」」」
「「「「わぁ~!!」」」」
「では、始めましょう!」
「「「「「は~い!」」」」」
チームはくじ引きで決めた。
…絶対、仲の良い子同士で固まっちゃうからね
「えいっ!」
コロコロコロコロ…コツンッ…バタバタバタッ
「「「お~!」」」
「あ~、おしい~!」
「う~…えやっ!」
コロコロコロコロ…スカッ…コロコロコロコロ…
「「「あ~」」」
「う~…」
「どんまいどんまい!もういっかいあるからさ!ね?みいちゃん」
「…うん!」
「つぎ、ビアねぇちゃんだよ」
「う~ん…う~…良し、此処からならきっと…えぃっ!」
コロコロコロコロ…ゴンッ!バタバタバタバタッ!
「「「「え、すごぉ~い!」」」」
「…計算通りです」
「「ビアちゃんなら、れんぞくすとらいくできるかも!!」」
「…それはどうでしょうか?」
コロコロコロコロ…ゴンッ…バタタタッ
「「「「あ~!あとにほん!」」」」
「…う~ん、ちょっと左にずれちゃいましたね」
「でもでも、いまのでいっぱいてんとれたよね!?」
「「うんうん!」」
「わたしたちもがんばろ~!」
「「「お~!」」」
「つぎはリッカちゃんだね」
「うん!え~いっ!」
コロコロコロコロ…コツンッ…バタタッ
「あ~…3本かぁ」
「む~…」
「でもさ、のこったのはひだりだから、そっちあてればぜんぶたおせるんじゃない?」
「ひだり…ひだり…えぃっ!」
コロコロコロコロ…ゴッ…バタタタッ!
「「「お~!」」」
「やったじゃん!」
「うんっ!つぎはしゅうくんだよ!」
「「「がんばっ!」」」
「よ~し!」
普段、余り話をしない子とのチーム戦は、最初こそぎこちなかったけれど、終わる頃には和気藹々とまではいかなくとも、ある程度打ち解け合う事が出来ていた。
そして、尸魂界の子ども達と交流する機会が増えた事で、姫様にとって良い刺激になっているとサチさんが嬉しそうに話してくれたが…。
…サチさんの言ってた通りね
…これだけ大勢の同年代の子との交流は殆ど無かったから、最初は人見知りを発動してリリネットとビアの後ろに隠れていたけど
…だいぶ打ち解けられたみたいね
「では、結果発表です」
「「「「「お~(わ~)!!」」」」」
「先ず、連続ストライクですが…残念ながら誰も居ませんでした」
「「「「「ぶ~ぶ~!!」」」」」
「…なので、ストライクが出来た子に贈呈する事にしました!」
「「「「「きゃ~(やった~)!!」」」」」
…連続ストライクは大人でもちょっと難しいものね
…鼓舞する為とはいえ、流石に厳しかったかな
どの糸を引こうか真剣に悩む子ども達を微笑ましく見ながらそう思った。
ボウリングの後は、みんなが1番楽しみにしているバースデーケーキを振る舞った。
「「「「「わぁ~!!!」」」」」
「「「「「かわいい~!!」」」」」
「「「「「おいしそぉ~!!」」」」」
「飲み物はみんな持ったかなぁ~?」
「「「「「「は~い!!!」」」」」」
「では、改めまして…リッカ、6歳のお誕生日おめでとう!乾杯!!」
「「「「「「かんぱぁ~い!!!」」」」」」
カチッ!カチカチンッ!
「「「「「おいしぃ~!!」」」」」
「イチゴいっぱいだぁ~!」
「ねぇねぇ、このうえのクッキー、チョコが入ってるよ!」
「わぁ、ほんとだぁ~!おいし~!」
「…中のこのもも色は何だろ?」
「それは磨り潰したイチゴをいっぱい混ぜたヨーグルトゼリーですよ」
「「「「ゼリー!?」」」」
「「あまずっぱくておいしい!」」
「「「うんうん!」」」
カチッ…
「「「「「…んぅ?」」」」」
「…ケーキのなかからたねがでてきたよ?」
「わたしも~」
「なにこれ~?」
「あ、当たりですね」
「「「「「あたり?」」」」」
「リリアとリリエの【故郷】の慣わしで、6歳のお誕生日をお祝いするケーキに〈厄除け〉と〈幸運〉の種を混ぜて作るんですよ」
「「「やくよけ?」」」
「「「こううん?」」」
「えぇ。種のまま持っていれば、1年間大きな病気や怪我をしにくくなって、土に植えてお花を咲かせると、その花びらの数だけ良い事が起きるっていう不思議な種なんですよ」
「「「「「へぇ~!」」」」」
「「「「「いいなぁ~!」」」」」
「種が出て来た方には水洗い用のボウルと布巾、お守り袋をお渡ししますので、手を挙げて下さい」
「「「「「は~い!!」」」」」
…リリネットにやちるちゃん、ルキアも当たったのね
…って、あれ?1人足りない
…まさか、気付かずに飲んだ!?
…あの種、それなりに大きいし硬いのに!?
「…ウルキオラ?」
「随分険しい表情だが…どうした?」
「何でケーキでそんな面になんだよ?」
「…っ…くっ…」
暫く口をモゴモゴしていたが、漸く観念したのか何かを吐き出した。
「…どうしても噛めないし、飲み込めないぞこれ」
「おま、本当に意地汚ねぇな!」
「てかどんだけ頑張ったんたよ!?凄ぇ歯型塗れだなおい!」
…最後の1人はアンタだったの
身内が予想外のしなくて良い奮闘をしたものの、バースデーケーキも大好評に終わった。
…今回もみんなに楽しんで貰えて良かった
…主役のリッカも立派に儀式を全て完遂したし
…夕食は予定通り、リッカの好きなサンドイッチと具沢山の野菜スープにして貰ってと
…さて、お客様方もお帰りになったし
…みんなから貰ったプレゼント、まだ開けてないのがあったよね?
…夕食までの間、見てみようか
リッカのお誕生日会、どうなる事かと思いましたが…
心配だった涅マユリが余計な事をせずに無事〈クルーク・ル・トート〉を作れて何よりです。
全て無事に終了して一安心です。
次回は、東仙のお孫さん達から相談を受けました。
ニエの【故郷】でお誕生日定番のお菓子
〈クルーク・ル・トート〉
〈クルーク〉という青い木に生る木の実〈ロリー〉を磨り潰して生地に混ぜて、バームクーヘンを作るように筒に生地を塗り付けながら焼いたお菓子。
〈クルーク〉は種から植えると実が生るまで3年以上、苗からでも2年はかかる。
〈トート〉はニエの【故郷】ではケーキを意味する言葉で、ホットケーキやクレープのように鉄板に広げて焼いたり、筒状の焼き型に塗り付けながら焼いたお菓子の事を指す。
手術後ハイ…とでも言うのでしょうか?
ICUから戻って来て早々、謎の勢いそのままにひとつ作品を投稿しましたが、その後が本当に大変です。
手術後の傷の痛みは当然なのですが、それに加えて両耳の違和感(閉塞感?圧迫感?)と不眠が何日にも渡って続き、メニエール病を再発しないかとヒヤヒヤしています。
元の生活に戻れるまでどのくらいかかるかは不明ですが、執筆は続けています。
いずれかの連載作品を週一投稿が、全て不定期投稿になりますが、読んでいただけたら幸いです。