マッチポンプで希望を与え最後には手の平を返して愉悦したい 作:ああああああ
「何かさドラマがないよね」
転生して16年。心のどこかで感じていたことを転生仲間の少女は吐露する。
「命が軽くて世界は滅びに向かっているのに、ドラマがないよ。滅びを食い止めるために魔法使いが戦い死んでいく。秘匿された滅びは人々に伝わらず、熱は起きない。消費される魔法使いも諦観で生気がない」
「まあ、そうだな」
この世界は端的に言って袋小路だ。3000年前、この世界では上位存在たちが存在していた。
彼らはこの世界とそこにあるものを欲しがり争い超常の力を振るい続けたのだ。
結果、世界は荒廃し復元するまでに長い時間を要した。戦いの中で、上位存在たちは滅びで行ったがその力の余波 と言うべきか遺産と言うべきか彼らは生み出した兵器や余波でできた現象が今も世界を脅かしている。
それが俺たちの言う滅びであり、敵である。これに抗うことができるのが魔法使いと呼ばれる存在であり彼らは上位存在が残した特殊な装置と契約を結ぶことによって魔法を得た人間だ。
「だからさ、やろうよ。私たちでドラマを作る。脚本と出演を二人でやろう」
「何を演出するんだ?」
「希望だよ」
「希望?」
「いつか滅びるとしても、今は今だけは未来を見れるように、希望って奴を見せつけに行こう」
俺も彼女も死に対してかなり鈍い。一度死んでいる人間だからだろう。だからこそ、こんな世界でも諦観していない。
「希望、ね」
襲い来る『滅び』を撃退するだけでは希望にはなり得ない。なぜならもうそれは日常だからだ。犠牲を払い、滅びを遠ざける消耗戦。それが日常として定着してしまっている。だから必要なのはもう絶対にどうにもできないと思える滅びを撃退することなのだ。
しかし、ぶっちゃけ転生者である俺たちの転生特典を使ったとしてもそういうレベルはどうにもできない場合が多い。だから、微妙な塩梅を狙って演出する必要がある。
「どうしたもんかね」
現実は小説よりも奇なりを強制的にやろう!マッチポンプ計画!2スレ目
1:終わる世界のイッチ
てなわけで、現地人の脳を焼く出来事を募集!マッチポンプで演出するよ。転生者の知恵を貸せ!
ワイの転生特典、虚構権限でできる範囲で!
前スレ:httpdfghjkiuytghjkloiuyghjk
2:名無しの周回者
このスレまだ続いてたんか
3:名無しの周回者
久しぶりに見た。どんな世界だったか要約してよ
4:名無しの周回者
1年前に見たぞこれ。大陸が消滅した所までは追ってたな
5:名無しの周回者
一般人暴動を起こさないんか
6:終わる世界の住人2
滅びと呼ばれる、化け物や兵器、災害が散乱している世界。数百メートルの巨人とか、人口増加を検知してビームを垂れ流す空飛ぶ船、触れた人間から理性を消す黒いヒョウとか。定期的に滅亡の危機に合いその度に魔法使いが消費される。基本は滅びが起爆する前に処理します。封印が解かれるより先に怪物を討伐するとか。封印を強化するとか。
で、ワイらは魔法使いであり魔法使いを管理して滅びを退けている機関が防衛軍。年の若い魔法使いは軍の管理する学園に通っており、ワイラもそう。
滅びのレベルは50から100だとする。ワイら魔法使いは基本30から60。80レベルの滅びは大陸を消滅させる。今のペースだと20年後には魔法使いが全滅します。
7:名無しの周回者
相変わらず詰んでんな。イッチの転生特典がチートだった気がする。
8:名無しの周回者
魔法使いの条件って何だっけ
9:終わる世界のイッチ
>>5
あー、それはない。滅びは対処は可能ですって認識だから。プロバガンダで。
>>7
虚構権限は自分がイメージする幻想を現実に再現可能。空想の生物を作れたりする。1年に一回だけしか使えない。10時間で再現が消える。
10:終わる世界の住人2
>>8
赤の箱と呼ばれる遺物に触れて適正があれば魔法が貰える。基本はランダムだけど、触れた時の状況によって、その人の性格や本質が反映される、もしくは願望が反映される。
11:名無しの周回者
前スレで決まらずに1年経ったわけだし、安価したら?
12:名無しの周回者
大陸を消滅させる!?
13:名無しの周回者
安価!
14:名無しの周回者
草
15:名無しの周回者
イッチたち二人しか転生者がいないのか?
16:終わる世界のイッチ
安価するか!
>>38 希望の魅せ方。実現可能な奴で頼む
17:名無しの周回者
安価キター!
18:名無しの周回者
(゚∀゚ 三 ゚∀゚)
19:名無しの周回者
やったぜ。世界滅ぼしたろ!
20:名無しの周回者
大陸を消滅させた怪物を倒す
21:名無しの周回者
弱点付きでヤバい怪物を召喚して討伐
22:名無しの周回者
召喚しようぜ
23:名無しの周回者
隕石を砕いて地球を守る
24:名無しの周回者
僕の考えた最強の英雄を作って滅びを蹴散らして貰う。
25:名無しの周回者
一番やばい滅びをイッチたちが何とかすれば希望になるやろ
26:名無しの周回者
タイムマシーンを作る
27:名無しの周回者
不死の薬を製作しよう!
28:名無しの周回者
クトゥルフを召喚
29:名無しの周回者
お前ら!できるわけないだろ!
30:名無しの周回者
無茶振りばかりで草
31:名無しの周回者
いまいちイッチのスペックがわからんからな
32:名無しの周回者
平和の象徴を作る
33:名無しの周回者
イッチたちの世界の魔法がどのレベルか不明やから
34:名無しの周回者
説明不足や
35:名無しの周回者
死者の蘇生とか?
36:名無しの周回者
前スレ見てこいよ
37:名無しの周回者
26に一票かな
38:名無しの周回者
考えを変えてイッチを一時的に強化して怪物を倒す
39:名無しの周回者
滅ぶだろ
40:名無しの周回者
オールマ〇ト
41:名無しの周回者
最強のヒーローになるんや
42:名無しの周回者
草
43:終わる世界のイッチ
これはあり
44:終わる世界の住人2
俺の転生特典は役に立ちそうとはいえんな。裏方に回るわ
45:名無しの周回者
行けるか?
46:名無しの周回者
ちなみに転生特典は?
47:名無しの周回者
よろ
48:名無しの周回者
イッチの性能がわからん
49:終わる世界の住人2
過去改編。3秒以内しか使えないけど。
50:名無しの周回者
当たりじゃねーか
風の音が聞こえる。朽ちた建物の瓦礫の隙間を焼けた風が吹き抜けていく。悲鳴が聞こえる。助けを求める声、恨み言を吐き出す声、疑問を吐き出す声が周辺の瓦礫に反響する。
少年、桜華は転生者であり魔法使いでもある。魔法使いは『滅び』を排除する存在であり、終末の針を遅延させるために消費される兵士だ。通常、学生である桜華が最前線に立つことはあり得ない。目覚めていない『滅び』以外を学生が相手にすることはないからである。
「もう………おしまいですね」
後ろを見ると血まみれで倒れ伏す同級生の友人とその屍が散乱していた。さらに向こうには防衛軍の兵士が肉塊となって地面を汚染している。結論から言えば、学生の手を借りなければならないレベルの『滅び』が顕現していたのだ。日本から遠く離れたこのイギリスにわざわざ呼ばれたくらいだ。現地の学生たちも動員され、そして壊滅している。
ひび割れた天井ごしに炎に焼かれた空を眺めながら、桜華はため息を吐いた。
巨大な触手を振り回す化物が生き残っている仲間たちを殺しているのだろう。血の匂いと絶叫が桜華を襲う。雨が降っているが、血と炎が薄まる気配はない。
自分以外はほぼ壊滅している。そもそも、勝てる想定ではないのだ。その作戦は失敗前提だった。成功する前提で建てられたものではなく、時間稼ぎでしかなかった。
封印されていた800年前の怪物。そいつを再封印するために軍は時間を欲した。間に合う兵士を無理に集めて、一夜押し留めるのが限界だった。対抗する戦力は現在、都市にはおらず封印の準備が整うまでの負け戦。だが、おそらく封印は間に合わないだろう。
「………」
桜華は来るつもりはなかった。日本の学生は本作戦は任意であり、どうせ失敗したら日本も滅びるからと手を上げた人間もいたが少数派だ。概要を聞いた時点で勝てると思っていなかったからだ。
曰く、この怪物は上位存在がその叡智を終結させて耐久力にリソースを割いた怪物。攻撃は魔法使いが一撃だけであれば耐えられなくもないレベルだが、その体に傷はつけること能わず一方的に薙ぎ倒される。多くの魔法使いが思った。今回で終わるかもしれないと。
桜華も同様に生きて帰れないだろうと感じていた。自分の生にそれほど、執着はなかったし悔いもあまりない。だけど、転生者仲間と交わしたあの約束だけが、頭の中を滑っていた。
ここだと思った。ドラマを演出するならここだ。時間制限付きの最強を世界に見せつける。桜華は自分の視界と音を『繋げた』。作戦本部とまだ息があるすべての魔法使いに。
それが桜華の魔法だった。
そして、それは現れる。
「ワハハハ!瀕死だな、諸君!だが、安心したまえー。このメリア様に任せておけ!」
戦場に場違いな声が轟いた。藍色の瞳を輝かせ、桜華を庇う少女が出現した。金色の髪をふわりと揺らし、燃え上がる闘志を手に少女は傲慢に胸を張る。
少年は冷静にそれを眺め、魔法使いたちは驚愕する。
少女の身体は細く四肢の先までスラリと伸びていた。不気味なほどに美しいまさに御伽噺の精霊のようだ。
「行くぞ!」
地面が爆ぜた。魔法使いであっても生身では決して到達できるはずがない常識外の動きだった。怪物と700mあったはずの距離がわずか2歩で潰される。剣が振り下ろされ、怪物の胴体に鮮血が舞う。
踏鞴を踏む怪物が、巨大な体を宙に浮かし後ろに下がる。くふっと小さく息を漏らして少女は、幼い子供のように無邪気に凄絶に嗤った。好戦的な笑みに怪物は怯む。
咆哮と共に怪物の触手が周囲を蹴散らしていく。少女は魔力を限界まで熾し、触手の嵐をくぐり抜け、何も考えていないような真っ直ぐな軌道で、正面から剣を突いた。
「おりゃあああああああ!!!!!!」
裂帛ながら、気の抜ける叫び声と共に怪物が宙に舞った。巨体を少女がぶん投げる光景を見れば、誰もが驚くだろう。しかし、彼に驚愕はなかった。
魅せられていた、どうしようもなく。彼女に。
少女の持つ剣の刀身が赤く輝く。そして、それは起こった。
「『
灼熱の光線が空を穿った。気が付けば、怪物は一部の肉片を残し消滅していた。
「うむうむ、やはり私はさいきょーだな!」
天真爛漫で、自由で、眩しい少女だと見ていたものは思った。
桜華は思う。転生特典で最強になった自分を現実に再現した仲間は、文字通り最強で特大の希望だと思う。人々は彼女の存在を知り、希望を抱くだろう。もしかしたらどんな『滅び』も覆せるのではないか。
ドラマの演出をするために彼女の名前と存在を隠蔽したかいがある。しかし、同時にこうも思う。
ドラマというのであればこれだけではいけないのではないかと。
この希望を潰してこそドラマは完成する。その上で、人間たちが再起すれば完璧だ。
桜華は歪んでいる。生への執着も、希望への思いもない。だが湧き上がる愉悦の感情に流される。しばらくは希望を与えよう。少女と協力して世界を救おう。そして来るべき日にそれを終わらせるのだ。