結月ゆかりは改造人間のようです   作:一般ずんだ餅

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#2 始まりの夜(前)

(うっ、まさかずん子さんがあそこまでのずんだ狂いだとは思いもしませんでした...)

東北家を後にし、弦巻マキと別れて一人家路につく結月ゆかり。東北ずん子によって大量のずんだ餅を胃袋に詰め込まれた彼女は、腹ごなしのため少し回り道をしながら家に戻ることにした。

(...今日は満月ですか...)

すでに時刻は夜の8時ごろ、夕食の用意は必要ないだろうな、などと考えていると、見覚えのある人物の顔を見かけた。

「おや、あかりさん?こんな時間にどうしたんですか?」

ゆかりがそう問いかけると、あかりと呼ばれた中学生くらいの少女は振り返り、「ゆかり先輩!お久しぶりです!自習してたらこんな時間になっちゃって...」エヘヘ

と照れ臭そうに返した。

「もう...最近は物騒な事件も多いですし、自習なら家でもできるでしょう?」

「やっぱり家だとどうしても怠けちゃうので...それにゆかりさんたちの通う高校に受かるためには、次のテストでいい点を取らないといけないんです、勉強にも精が出るってもんです!

それに、先輩こそこんな時間に制服でほっつき歩いてどうしたんですか?中学時代はいかに早く家に帰れるかをずっと考えていた帰宅部の先輩らしくもない」

と驚いたような様子を見せるこの少女は紲星あかり、現在中学3年生の15歳、ゆかりが幼少期から親しくしている数少ない存在で、第二の家族のような関係を持っている。

高校はゆかりたちの通っている、そこそこの進学校でもある市立遠句高校を志望、日夜勉強に励んでいるようだ。

「いわゆる友達付き合いってやつですよ。そうだ、最近学校はどうです?

そろそろ修学旅行でしょう?」

「そうですね、本場の粉もん、和菓子、ホテルのご飯...!関西のうまいものが私を待っています!」

「どんだけ食べるつもりですか、、、」

と2人が他愛もない会話をしていると、

突如として彼女たちのいる場所の近くで悲鳴が上がった。

「キャーーーーー!!!」

「_____!何か来る!あかりさん、伏せて!」

「はい!って、えっ______!」

「あかりさん!?」

ゆかりは咄嗟にあかりを庇うように立った。しかし、あかりが伏せた地面は唐突に割れ、その割れ目からは何本もの触手が飛び出し、彼女を締め上げて宙吊りにした。

(何が起こっているんです...?)

ゆかりが辺りを見回すと、あかりを含む数人の人物が触手に絡め取られて助けを求めていた。

「一体誰がこんな事を...!そこに誰かいるんでしょう!?あかりさん達を解放しなさい!」そうゆかりが叫ぶと、背後の地中が割れ、この事態を引き起こした元凶が姿を現した。

その姿はほぼ人間であるが、頭からは無数の触手、いや大蛇が生えていた。

よく見ると触手に見えたものの先端には顔がついており、それが大蛇であったとわかる。この蛇達を彼が操り、あかり達を拘束したのだった。

「初めまして、結月ゆかりさん。私は蛇の改造人間、蛇遣いのニシキ。貴方を連れ去りに参上しました。」

「改造...人間...?あなたは異能力者ではないと?そして、私が狙い...?一体どういうことです?」

そうゆかりが返すと、ニシキと言う怪人は

「おやおや、どうやら貴方は何も知らなかったようですね。結月ゆかりさん。

貴方も私達と同じく、他の生物の遺伝子を埋め込まれた改造人間なのですよ。

幼い頃、貴方は交通事故で足に歩くこともままならなくなるほどの重傷を負った。しかし今の貴方はこうして自分の足で立ち、歩くことができる。それは何故でしょう?」

「まさか...!」

「そう!貴方が、改造人間の試作品として、兎のDNAを埋め込まれた改造人間だからなのです!」

「私が...?改造人間...?仮にそうだったとして、私を連れ去ろうとするわけは何ですか?何故他の人たちを巻き込むんですか?」

ゆかりがそう問うと、

「それは、我々改造人間が、一般の人間に対して上位の存在として君臨する新しい社会を作るためです!

科学の発展、突如現れた異能力により、人間の社会はより便利なものになった。しかし、人間そのものの身体能力は、異能力、科学技術頼りとなってどんどん落ちてきている!我々改造人間は強力な野生生物の力を持ち、

異能力や科学技術に頼り切った人類に対し、その武力を以て上に立つことができる!

そして軟弱な人類に代わり、改造人間が世界の支配者になるのです!

そして、貴方もその一人になれる。しかし、普通にこの話をしたところで貴方は聞く耳も持たないでしょう。

そこで、」「...私の友人を人質に、そのくだらない計画への参加を強要しようとした、というところでしょうか。

逆に問います。私についてそこまで知っていたというのに、

私が騒々しい輩が苦手だということは知らなかったんですか?

「これは失礼。少々熱く語りすぎましたね。しかし、あなたの能力は」

私は、世界征服なんかに興味はない。そして私の平穏を乱そうとする人間を許すことはない。そして、貴方と私は同じ改造人間。つまり、貴方と身体能力に大きな差はない。

対等に戦うことができるはず。

よって、私の答えは一つだけ。

貴方を倒し、人質を解放して平穏な日常を守ります!」

少女と怪人の戦いが始まる。




この世界での強さ的には改造人間>異能力者>=一般人(武装なし)をイメージしてます。
異能力といっても強力な戦闘向きの能力が出ることは稀で、日常であるとちょっと役に立つレベルのものが多数です。ただし、例外に存在するわけで...
次回は初戦闘回です。ゆかりさんは蛇怪人に勝てるのか!?
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