ベルの娘もシステムに目覚めるのは間違っているだろうか? 作:寝心地
ジークフリード「小君主様」
ジークフリードはピンチにも関わらず悠々と敵に歩み寄っていくスズを見て己の主人であるスズの親を幻視する
種族が違う
性別が違う
なんなら元来の性格すらも違うだろう
にも関わらずここまで同じに感じるのはもう1人の存在が影響しているのだろう、金髪を長く伸ばし木刀を持ち嘗ては正義の剣と翼に誓いを立てたエルフ
ジークフリード「リュー………………様?」
牙の君主の残骸、亡霊と言っても良いそれは気持ちの高ぶりを覚えていた
長い眠りから目覚めれば、そこに主は居らず代わりに圧倒的弱者が群がっていた
亡霊(笑わせるな、虫けらども)
だからこそ皆殺しにした、上を見れば他にも同じ様な気配が無数にある
上っていけば案の定愚かな下等種が1匹残っている
ペロリと唇を濡らし獲物を見る、弱者は食われ強者の糧になる、
この世界はそういう理屈で成り立っているのだから
牙の亡霊「弱者よ、お前達に生きる資格などありはしない、狼の餌になった方が遥かに有用だろう、死ね」
ブンッ!!!!と槍が振るわれスズは紙一重で避ける、影のゴブリン達が一斉に襲いかかるがあっという間に消滅させられた、懐に入り込み持っていた槍をギリギリまで短く持ち敵の腹にねじ込もうとするが避けられ距離を取る
スズ「接近戦は無理だね」
更に距離を取り槍を握るとそれを思いっきり投擲する、亡霊は鬱陶しそうに切り捨てた
新たに槍を取り出す、再び槍を投擲する
亡霊「無駄な足掻きを………………」
再び叩き折られる
新たに取り出し投擲する
亡霊「おい」
今度は避けられる
新たに投擲する
亡霊「一体いくつ持っている⁉」
亡霊は堪忍袋の緒が切れ槍を叩き折ると接近する
ジークフリード「小君主様⁉、そろそろお逃げになった方が!!」
スズ「うん」
亡霊「逃がすと思うな!!!!」
槍が音を置き去りにする勢いで飛んでくる、槍の先はしっかりとスズに向き致命的な一撃を確信した亡霊だったがその予想に反して攻撃は当たらず気付けばスズの姿も無い
亡霊「何処だ⁉、何処に消えた⁉」
直後、ガツン!!と言う音と共に後頭部に衝撃が走り亡霊が振り返るとそこにスズの姿があった
亡霊「大人しく隠れていれば良いものを!!、今度は逃げられると思うな!!!!」
そんな叫びと共に再び先程以上のスピードでスズに槍を構え突き進むがまたも攻撃は当たらずスズの姿も無い
亡霊(何だ⁉、何が起こっている⁉)
訳も分からず再び攻撃を食らい亡霊は目を白黒させる
スズがやった事は実は簡単な事
| 影のダンジョンに入場しますか? YES/NO |
|---|
スズ(YES)
| 影のダンジョンに入場します |
|---|
影からジークフリードが顔を出し亡霊があらぬ方を見ると
ジークフリード「今です」
| 影のダンジョンを退場します |
|---|
そう、影のダンジョンの出入りを利用し瞬間移動擬きを実行したのだ
彼女の母、リューがこの戦いを見ればきっとこういうだろう
リュー『す、スズ⁉、正々堂々戦いなさい⁉』
と、そして
ジークフリードも
ジークフリード(リュー様なら絶対にしない戦い方、リュー様の姿が重なった気がするが、私の気のせいか)
と思った事をスズは知らない