ベルの娘もシステムに目覚めるのは間違っているだろうか? 作:寝心地
翌日
スズはマリウスに言われた通りラキアの城前にやってきていた
ジークフリード「小君主様、感じます」
スズ「【ゲート】?」
ジークフリード「はい、位置と造りからしてどうやら中庭辺りにあるようですね」
門番「おい、貴様、ここで何をしている?」
ジークフリードと立ち止まって話していると不審に思ったのかラキア兵が話し掛けてきた
スズ「すいません、マリウス…………様に会いたいんですけど、これを門番の人に渡せば会えるって言われたんですけど」
スズは門番に先日マリウスに貰った手紙を渡す、門番は手紙の中身を確認すると次第に青ざめていく
門番「す、少しお待ち下さい!!」
門番は敬礼しそう言うと城の中に引っ込んでいった、それから数分待っていると先程の門番が慌てて走ってきた
門番「お、お待たせしました!!、マリウス様がお会いになるそうです、ご案内します!!」
門番はそう言うとスズを城へ案内する
ジークフリード「何が書かれていたのでしょうか?」
スズ「さぁ?」
軈て門番が足を止めドアを叩く
マリウス「はい?」
門番「お客様をお連れしました」
マリウス「入って貰ってくれ」
ガチャリと門番がドアを開ける、中に入れば豪華な装飾品や絵画、下には魔物の毛皮で出来ているであろう絨毯が敷かれていた、そんな中でソファに座っている男がいた
マリウス「やぁ、いらっしゃい、昨日ぶりだね、あ、もう戻って良いよ、ありがとう」
マリウスが門番の男に言うと男は仕事に戻った
マリウス「どうぞ座ってくれ」
スズ「失礼します」
スズが反対のソファに座るとマリウスは横に立っていたメイドに茶を淹れてくるのと人払いを頼む
マリウス「さて、君には昨日も言った通りこの国を救って欲しい」
ジークフリード「小君主様のお手を煩わせるのだ、相応の報酬を用意しているのだろうな」
ジークフリードが影から飛び出しマリウスの前で形を作る、マリウスは驚きから声を上げそうになったがこれからの話の事を考え何とか堪える
マリウス「し、召喚魔法か、珍しい魔法に目覚めたね」
スズ「私のじゃ魔法じゃ無いんですけどね」
マリウス「???、兎も角、報酬に関しては問題ないこの国の宝物庫から好きな物を持っていけ、どうせこの国を壊して貰うのだ」
スズ「貴方が次の王になってまともな国にすれば良いのでは?」
マリウス「考え無かった訳ではない、だが、あのアホが主神でいる限り大した違いは無いだろう」
ジークフリード「ふん、主神など無視して好きな様に国を導けば良かろう」
マリウス「何?」
ジークフリード「小君主様のいるファミリアは主神などほぼお飾り同然だぞ」
スズ「もうジーク、ヘスティア様は立派な神だよ」
マリウス「へ、ヘスティア…………貴女はもしや【ヘスティア・ファミリア】か?」
スズ「そうですけど?」
マリウス「…………………………金髪赤目のハーフエルフ………………ソナタはもしや、【
ジークフリード「グオオオオオ!!、良く分かっているではないか、このお方こそ主君の血を引く唯一高貴なお方!!、スズ・クラネル様だ!!」
マリウス「やはりそうか!!、あのお二人の娘となれば百人力だ!!、神などろくでもない者だと思っていたが初めて神に感謝したよ」
スズ「あの」
マリウス「おっとすまない、話が反れたな、それでだ、貴女には中庭に出来た謎の穴の対処を頼みたい」
スズ「中はどうなってます?」
マリウス「それが分からないのだ、あの中に入るのは王と主神、そして僅かな近衛兵のみなのだ、それも1週間に1度決められた時のみだ、それ以外の時はかなり厳重な警備を敷いていて私でも近付けない」
スズ「マリウス様でも?」
マリウス「間違いなく王と主神の仕業だろう」
スズ「………………………………地図と詳しい兵の配置は分かりますか?」
マリウス「ああ、ここにある」
マリウスは地図を取り出すとその上にチェスの駒を置き兵の配置をスズに教える
スズ「………………………………成る程、分かりました、決行は明日の夜にします、今日やると疑われるでしょうから、申し訳ありませんがマリウス様にも作戦は教えられません」
マリウス「分かっている」(ここが城である以上、何処に目や耳があるか分からないから当然だろうな)
スズ「それじゃあ失礼します」
スズはそう言うと1度城を出ると周りを見回し始める
ジークフリード「成る程、警備は【モロク・ファミリア】以下ですな」
暫く見回った後ジークフリードは呟く、そしてジークフリードの言う通りラキアの城の警備は最悪以下と言うしか無い程だった、出入口以外に警備は殆ど無く防壁は高いがヒビや欠けだらけで場所によっては頑張れば子供でも乗り越えられそうだった、それが冒険者であるスズの手にかかれば更に簡単だ
スズ「侵入経路も警備の状態も分かった、後は明日の夜を待つだけだね」
スズはそう言うと宿に戻った
翌日の夜
スズ「そろそろ始めようかな」
スズは壁を乗り越えると自身の影に手を伸ばした
スズ「…………………………起きろ」
スズの呼び声に答える様に7匹のゴブリン十人隊長が立ち上がった