ベルの娘もシステムに目覚めるのは間違っているだろうか? 作:寝心地
遺跡の中に入ったスズ達は不気味な静けさに警戒しながら先に進む
遺跡の中は淡い光に照らされ松明やランタンが無くとも進める程だった
スズ「明るい」
アルテミス「封印の光だ。これを施したのは私に類する精霊達、言わば私の最も古い眷族だ」
スズの呟きにアルテミスが答え歩いていると扉が現れる
スズ「これが封印の門」
ヴェルフ「いよいよって感じだな」
リリルカ「この奥にアンタレスが…………」
全員の目付きが鋭くなり得物に手を掛けアルテミスが前に出る
アルテミスが門に触れるとカチリと仕掛けが作動する音が聞こえ扉が開く
扉の向こうには何とも言い難い生物の中にいる様な気味の悪い光景が広がっており至る所に黒い卵があった
アスフィ「これは…………」
ヘルメス「神殿に寄生している。まさかここまでとは」
ヘルメスが呟いた瞬間、卵が孵化し扉が壁に飲み込まれ退路を塞がれる
スズ「起きろ」
スズの影から影ゴブリンが現れヴェルフの魔剣を手に突き進むが
スズ「効きが悪い?」
ヘルメス「自己進化、自己増殖、ここではそれらが急速に行われる様だ」
スズ(私の魔力も無限じゃない、早々に突破するか)
スズ「兵士を囮に先に進みます!!」
スズの言葉にゴブリン達は嫌な顔をしながら道を開きスズ達は間を突破すると今度はゴブリン達が蠍を追わせない様に立ち塞がる
何処からか鳴き声の様な物が聞こえ全員が不意に足を止めた
アスフィ「これは…………」
スズ「……………………近い」
ヘスティア「アルテミス?」
ヘスティアの声が聞こえ振り返るとアルテミスが苦しそうに胸を押さえていた
スズ「大丈夫ですか?」
アルテミス「ああ、進もう」
ヘスティア「駄目だ!!」
ヘスティアの大声に驚き全員がそちらを見る
ヘスティア「………………帰ろう、もう良いじゃないかもう帰ろうよ。僕が、僕達が何とかするよ。だから…………」
アルテミス「………………ありがとうヘスティア」
2人の会話を不審に思いながら一行は先に進むアルテミスに誘われる形で奥へ進み最新部へ辿り着く
ヘルメス「居た」
リリルカ「あれが…………」
スズ「………………アンタレス」
そこにいたのは見たこともない不気味な漆黒の化物、体は龍でありながら蠍の尻尾と鋏を持つ巨大な化物
アンタレス「GRORRRR」
アルテミス「うっ…………」
アンタレスが鳴く度にアルテミスは苦しそうに胸を押さえる
アルテミス「伐ってくれ。オリオン、あれを」
アンタレスの腹部辺りの装甲が開き中から青い宝玉が現れ全員がその宝玉から目を離せなくなる
リリルカ「嘘…………」
ヴェルフ「何でだよ…………」
その宝玉の中には目の前に居る筈のアルテミスの姿があった
ジークフリード「成る程、漸く合点がいった」
ジークフリードがスズの影から飛び出しそう呟く
スズ「ジーク?何か分かったの?」
ジークフリード「はい、私は最初そこの神から話を聞いた時あの蠍モドキが破滅の君主の力の一端を吸収したと思っておりました。しかし同時に疑問も残りました」
スズ「疑問って?」
ジークフリード「力の一端とは言えたかが蠍ごときが破滅の君主の力を受け入れきれるかと言うことです。確かに同じ名を持つ蠍に吸い寄せられるのは考えられなくもありません、ですがそれを受け入れきれるかは別の問題です。しかし逆だったとしたら全ての辻褄が合うのです」
スズ「逆?」
ジークフリード「ええ、恐らくアンタレスと言う名の蠍が神を取り込んだ事で破滅の君主の力を受け入れる準備が整ったのです。そしてその後破滅の君主の力を吸収した。これならば疑問も解消され今と同じ状況を作り出す事が出来ます」
ヘルメス「………………君の思っている通りだよスズ君。彼の言う通り全てはアルテミスがアンタレスに吸収された所から始まっている」
ヘルメスはそう言いアルテミスは何処か申し訳無さそうに顔を伏せるとアンタレスが攻撃の咆哮を上げた