杖と刀のウィストリア   作:バナナ七七

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自己満妄想注意


1.転生

「隊長…!やはり、どこにもいません!4番隊総出で捜索しているみたいですが、なんの手がかりも得られてないと…!」

「…そうかい。全く…どこに行ったんだろうね彼は」

 

慌ただしい尸魂界、その中の護廷十三隊隊舎で臨時総隊長である京楽春水がため息をつく。

 

ユーハバッハを討ってから200年の時が過ぎたある日、突如尸魂界を襲った虚と似て非なる何か。

 

怪物が降りた地点は、護廷十三隊、一番隊隊舎。次の瞬間、尸魂界から総隊長の霊圧が消失した。

 

「戦った日番谷隊長はなんて?」

 

幸い、怪物が降り立った時、いち早く駆けつけた日番谷隊長が戦闘し、死人は出ていなかった

 

「それが…強さはせいぜい最上級大虚(ヴァストローデ)くらいだと言っていたのですが…」

「さすがは日番谷隊長。頼りになるねぇ」

 

200年前ならともかく、今の日番谷冬獅郎は隊長格の中でもトップレベルの強さを誇る。隊長格でも倒すのが至難と言われている最上級大虚相手でも問題はなかった。

 

「それで?」

「は、はい。気になることがあるらしく、なんでも、霊圧を感じ取れなかったり、戦い方が異常だったりと…まるで…

 

別の世界から来たような感じと…」

 

☆☆☆

 

幼い頃、クソジジィこと兵主部一兵衛に連れられ約10年の修行、もとい、いじめを繰り返されてきた。世界というゲームの運営みたいなチートジジィが俺に課してくるものはそりゃぁもうとんでもない。その中で意味がわからない体験をいくつもしてきた。殺されたかと思ったら復活させられたり、1年間名前を蝿に変えられたり、零番隊の奴ら全員と戦わされたり。

そんなことを繰り返していると、さすがにそんじょそこらのハプニングじゃ驚きなんてしない。

 

だが、そんな俺が言おう。俺は今めちゃくちゃ驚いている。というより焦っている。

 

目が覚めてから約5分。ゆっくりと口から言葉が漏れ出た。

 

「ここ……どこ?」

 

うん。どこですか?俺は護廷十三隊隊舎にいたはずだが?見渡して目に入るのは柵に囲われた草原の中にいる子供たちと俺の姿。

 

夢?いやいや…

 

朧げながら覚えている。隊舎で漫画を読んでいた時、突如虚に似ているが、虚ではない何かが現れ、気づいた時にはここに立っていた。

 

子供の姿で

 

なぜ子供の姿かって?奇遇だな。俺も聞きたい。

 

いやそれよりもだ。俺はこの5分でボケーッとしてた訳では無い。ちゃんとこの事象について考えていた。というのも起こってしまったもんは仕方が無いので理由は後回しでまず状況整理から行っていた。

 

まず確定している事実のみを並べる

・ここは尸魂界ではない

・俺がなぜか幼少期の姿になっている

・さっきまで感じ取れていた護廷十三隊隊員達、それだけでなく他の者たちの霊圧を感じ取ることが出来ない。

そして

・斬魄刀がない

 

……

 

「………やっべぇ…」

 

静かに頭を抱える。

 

何がやばいってこれが一番やばい。斬魄刀をなくしましたなんて分かったら殺される。文字通り殺される。誰にって?

そりゃあもちろんクソジジイにだ。あの野郎、慈悲なんてもんは存在しない。

 

ここが仮に転生後の世界だとしても世界の違いなど超越して俺を殺しにきてもおかしくはない。

 

いや落ち着け。ここに来れた方法があるということは帰る方法もあるはずだ。そして幼少の姿なのもこの世界で歳をとっていけるのならそれほど問題は無い。

 

だがそれよりも今1番優先すべきは斬魄刀を見つけ出すこと。

 

つまりこれからの目的は斬魄刀を見つけ出し尸魂界に帰る方法を見つける。あわよくば、元の年齢に戻るくらいまでに見つけられたら万々歳だ。

 

そうと決まれば今からすべきことはとにかく情報収集。この世界のことを知り尽くさなければならない。

 

そう思い、10分程度の硬直状態からゆっくりと立ち上がる

 

☆☆☆

 

さて、あれからはや1週間が経った。惑星の中に突如現れたブラックホールのように怒涛に情報が流れ込んだこの1週間。1番最初に行ったのは言語の習得。何せ文字読むのすらできねーから本が読めねーの。

なのでとりあえず片手に適当にとった本、片手に辞書で言語の習得を行った。言語とは基本的にパターンがいくつか決まっており、それさえ見抜いてしまえば解読は容易い。

 

それに色々推測できることもある。

言語ってのは人類の叡智の結晶だ。当たり前のように使われているが、その奥には人類の歴史が詰まっている。

 

この世界にも孤児院があり、子供たちがいる。つまりそれはこの世界の人類がこれまでに俺たちの世界と同じような進化をしてきたということだ。言語が確立して使用されているということは絶対に習得することができるのだ。

 

まずはわかったことを頭の中で整理する。

 

・最初に、俺の存在について

俺は死神という存在だが、なんとこの世界では俺は人間として存在しているらしい。だから他の人にも見えるし触れたりもできる。

で、問題は、幼少期の姿になっているこの体のこと。これは過ごしてきたわかったことだが、俺が転生?する前にもこの体は存在しており、それまでに俺とは別の意識が存在していたらしい。で、俺が転生…?をしたことにより、その意識と俺の意識が融合して同一人物のようなことになった。前の意識の時の記憶はないが、それもこれから思い出せるのかもしれないな

 

・次に魔法の存在

魔法というのはあれだ。うん、なんというかすごいやつだ。え?わかんないって?奇遇だな、俺もだ。まぁ簡単にいうと死神でいう鬼道みたいなやつだ。

だがわかったことの中で1番重要なのはこの世界では魔力≠霊力だということ。もっと正確にいうなら、魔力と霊力は互いに素であると例えるのがいいだろう。

霊力で魔法を使うことは出来ないし、恐(・)ら(・)く(・)魔力で死神の力を使うことは出来ないが、両方で威力を打ち消し合うことが出来る。恐らくという言い回しをしたのが気になるだろうか?それは後で説明しよう。

 

・次にこの世界自体について

魔法が蔓延るこの世界はいわば閉ざされた世界であるらしい。はるか昔、天界を覆った天上の侵略者

そいつらを倒すために立ち上がった5人の魔法使い。後に至高の五杖(マギア・ヴェンデ)と呼ばれることとなり、その称号は現代でも最強の称号であるらしい。

魔法使い全員が一度は夢見る地位であるだとか。いうなれば、尸魂界でいう零番隊と似たような感じだろうか?いやでもあの地位を目指すやつとかいるんだろうか?いない気がする

 

・そして最後に、俺の力について

この世界に来てから何度も何度も試して失敗していることがある。それは

 

死神の力を使うこと。

 

正確には霊力を発揮することが出来ないのだ。先程恐らくと付け足した理由はこれにある。

この世界には魔物と呼ばれる敵が現れるらしいのだが、斬魄刀がない俺は戦闘を基本的に鬼道で行うつもりでいた。

 

一応、俺は和尚の修行の一環で護廷十三隊の総隊長を務めていたのだが、実はその時、和尚に限定解除とは別の力の封印を施されていた。それのせいで力を制限されているのだ。

 

だが、それでも基本的に使えないということはない。なのにこの世界に来てから俺の霊力が一切使うことが出来ない。しかも説明がめんどいことに、俺の中に確かに霊力は存在している。なのに、それを力として使用することができない。

 

代わりに使うことが出来るのが…魔法だ。

 

「…なんでやねん」

 

意味がわからんすぎて自分で突っ込んでしまう。

 

この世界で生まれた肉体であるためか、俺にも微量ながら魔力が存在しているらしい。それを使うことで少しだけ魔法が使える。だが、まじで少し。今の俺は平均以下のさらに下くらいの魔法使いということになるらしい

 

とりあえず今、和尚の封印の解除を試みているものの上手くいく気がしていない。解除する方法は和尚自身が解除する他にあるとすれば、同等以上の霊力を力の向きの逆ベクトルに注ぎ続けること。つまり相殺すること。だが、霊力を込める瞬間に何かに邪魔されたように微量しか送ることが出来ないため、解除にかなり時間が要される。その上、四六時中それをしなければならない骨折りのお墨付き。

 

これが今の俺の現状だ。

 

うーん…

 

「…」

 

これ俺生きて帰れるの?

 

 

 

 

 

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