ナインスルート-TS異世界転生したら人型兵器の部品扱い-   作:暁文空

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004[孤立部隊合流支援/Break the siege](後)

「アイツらは無事に撤退できたよな……?」

 因幡重工が保有する前線基地の北方、海樺島にて旧型SG三笠に搭乗している渋谷一佐はそう呟いた。自身についてきた戦闘ヘリや戦闘車両は既に敵戦力によって片手で数える程しか残っていない。出撃直後は通信を密にし、連携によって敵戦力を減らしていったのだが、数の暴力の前に少しずつ押されていった。三笠の両腕に装備されているガトリングガンの残弾数も心もとない上、メインカメラには明華企業群の最新鋭SG焔牙と焔鳥が映っている。

 焔牙にはステルス、ジャミングといった索敵能力を阻害する機能があるという事は、渋谷にもよくわかっている。因幡重工の傑作機である真迅の改装、追加兵装として開発されたものと同等の性能を持つそれは、用いられたら三笠のメインカメラには映らなくなる。そうならなかったのは、既に使用済で次回使用までのクールタイムだからか、あるいは焔牙のパイロットが三笠を見くびっているのか。

 ただ少なくとも、二機のSGを北方に足止めできたという点において、渋谷の功績はかなり大きいと言えた。仮にこの二機が南方へ撤退中の部隊に向かっていたのなら、ハーミット一人で元々南方にいたSGと、更に二機が加わるいう形になってしまえば対処は難しい。こうなると、撤退中の部隊も無事では済まない。ここに二機いるという事実は、渋谷個人にとっては厳しいが、部隊全体の事を考えればプラスだと言えた。

 そして、渋谷とその乗機三笠の終わりも近づいている。耳には『うわぁ――!』という部下の断末魔が届く。前線基地に残った部下はもういない。残るは渋谷ただ一人。眼前のSG二機が渋谷の駆る三笠へとメインカメラをゆらりと向ける。ついに終わった、と渋谷が覚悟したその瞬間だった。唐突に、マップ上に友軍信号が一つ増えると、それが一気に眼前にいる二機のSGに向けて急接近する。ライフルが連射され、弾幕が形成されると二機はそちらに意識が向く。それを見て、渋谷は咄嗟に三笠の両手に装備したガトリングガンを斉射する。二機のうち片方、焔鳥の方は完全に新手に気をとられたのか、ガトリングガンの弾丸のシャワーに身を晒し、右腕の関節部を撃ち抜かれて右前腕部が爆発して地に落ちる。もう片方の焔牙は三笠のガトリングに気づいて増援、三笠の両方から距離をとっていた。

 そして、増援――真っ黒な真迅改が明華企業群SGと渋谷の駆る三笠の間に着地する。

『終わらせませんよ』

 鈴が鳴ったかのような、戦場には似合わない声。それが、先程聞いたハーミットの声であると認識するのに数瞬の間を要した。

「お前……ハーミット! おい、撤退中の部隊は!」

『撤退部隊からのリクエストです。そちらも早く撤退して下さい』

 その言葉から、撤退中の部隊――武内たちは無事の可能性が高いと頭では理解していても、だったら最後まで撤退部隊の方についていて欲しいとも思っていた。渋谷にとって、自身の無事よりも武内たちが無事である事の方が、優先順位は上なのだから。だが、眼前にいる真迅改は乗機を庇うように敵機の前に立つ。よく見れば、その右脚部の関節からは小さい火花が出ている。どういった理由かは渋谷にはわからなかったが、これまでの戦闘で脚部関節に負担をかけているという事だけは読み取れた。そのような状態であっても、こちらを援護したいという意思だけは、彼にも受け取る事ができた。

 真迅改が左手に持っていたライフルを左背にマウントしていたシールドへと持ち替えている最中、彼女は口を開く。

『変幻自在、神出鬼没――隠者(ハーミット)ってそういうものですから』

 タロットカード、大アルカナの九番“隠者”。その正位置。その意味を彼女は口にする。今回の行為は、アルカナ機関の傭兵としては誤っている判断だろうと渋谷は感じていた。恐らくは、アルカナ機関の想定する動きではないのだろうとも。だが、それでもこうして渋谷の救援に駆け付けたハーミットに対し、彼はただただ苦笑するのみ。

 彼女の支援を不要と告げる事に限れば事は単純だ。しかしながら、実際に敵機の前に彼女が身を晒した以上、彼女に「帰ってくれ」と言ったところで、敵機がそれを見逃す訳がない。となれば、彼女の意志を尊重して手早く目の前の敵機を片付けた方が、自身の臨む結果が得られそうだという判断を彼は下した。

「どうせなら因幡重工(ウチ)に来い。職人肌なウチならお前にも合うだろうに」

『それも、良いかもですね……!』

 そして、真迅改は右前腕部を喪失した焔鳥へとメインブースタを吹かして接近する。それを邪魔するように焔牙が割り込み、焔鳥は渋谷の駆る三笠へと迫る。旧型でボロの来ている三笠と、右前腕部を失い攻撃手段が減っている焔鳥。これくらいでちょうどいい、と渋谷は笑みを浮かべる。無論、互角という意味ではない。右前腕部を失っているとはいえ、焔鳥は三笠と比べたら十分新型に類するSGである。元々の性能差で言えば、圧倒的に焔鳥が上である。

 だがそれでも、ブランクがあるとはいえ渋谷の経験値は間違いなくこの戦場においてもトップクラスだ。十年近くはSGに乗って前線を経験し続けている猛者中の猛者である。この災暦の世において、あらゆる人命が軽い。ひょんな事で命は失われ、些細な事で命の奪い合いが起きる。戦場であればそれはよりその傾向が強くなる。そんな戦場に十年以上立ち続けていた渋谷は、正しく戦場において異端であった。それは、前線を退いたとしても健在だ。

 ヒートブレードを構えその一振りで渋谷の駆る三笠を仕留めようとする焔鳥だが、その一振りは空振りに終わる。機体性能に優れる焔鳥が三笠に追いつけない筈はないが、一太刀浴びせるには至らない。事実、追いつかれてはいるのだが、その一太刀の度にするりとその太刀筋を読んで避けてゆく。避けながらガトリングガンを放てば、左腕に固定されたシールドで防御して足が止まる。その瞬間を見て、トリガーを引いたまま渋谷は三笠のメインブースタを吹かして接近する。

 シールドによって阻まれるガトリングガンの弾丸だが、三笠が接近してより至近距離からの攻撃になった事で、その威力が増す。また、ややバラけていた弾幕が近づいた事で命中数も増え、シールドに刻まれる弾痕がより多く、より深くなってゆく。より多く、より深い弾痕がシールドに刻まれてゆくのを見ながら、渋谷は焔鳥のヒートブレードを持つ左腕の動きを確認する。そして、左腕が振られそうというところで、後ろに跳んでそれを回避する。

「単純なヤツで助かるなァ! 俺の部下なら走り込みからやり直しだァ!」

 攻撃手段が左腕のヒートブレードしかない焔鳥と言えど、接近したらブレードを振るだけともなれば流石に動きが単調過ぎる。ブランこそあれど、長年の経験からそういった単調な動きの敵機であれば、その攻撃タイミングを読み切る事はそう難しくなかった。逆に言えば、それを読み切らなければ、いつでも一太刀で仕留められる可能性がある事を渋谷は理解していた。だからこそ、口ではこう言っているが、内心では冷や汗が止まっていない。怯え、竦みそうな身体を、必死に押さえつけながら渋谷は乗機を動かし続ける。

 

 一方、焔牙を相手とするハーミットは、真迅改の右手のライフルを連射しつつ、左腕のシールドで焔鳥のマシンガンを防いでいた。シールドとレーザーブレードが一つになっているこの装備では、防御している間はレーザーブレードが使用不可能という点が欠点であった。尤も、シールドとブレードを別々に分けた場合その分重量も増えるという点から、真迅改のメインウェポンとして想定されてつくられたのがこのシールド一体型レーザーブレードであった。

 軽量で高速戦闘を実現した機体である以上、防御性能は他の機体と比べた場合劣っているのは明白。それを多少はカバーするための装備という点で、このシールド一体型レーザーブレードの実装は真迅改では当然とも言えた。とはいえ、こうしてシールドとしての役割を果たしている間は、ブレードとして使おうにも使えないのもまた事実。右手のライフルで、少しでも焔牙の動きを鈍らせられないかと試みるが、互いに速度を出している高速戦闘という事もあって、狙いは定まらない。互いに有効な一撃を放てず、時間が過ぎてゆく。

 渋谷一佐に対して強気な発言をした以上、ここでこの焔牙を撃破できないのは流石に締まらない、と彼女は気持ちを落ち着かせながら自らの手札を確認する。

 まず、切ってしまった札としては、ダミーバルーンが挙げられる。両肩のステルス及びジャミング機器のクールタイム――文字通り、機器を冷却しないと再度の使用はできない――がまだ先というのもあるが、何よりもダミーバルーンは右前腕部に一つしか入れておらず、前線基地南方での対焔牙戦で使用済なのが一番の理由であった。ダミーバルーンは確かに、一対一の場面において大きな役割を果たす事があるが、あくまでも奇策でしかない。また、風船とはいえ収納すると結構なスペースをとる事もあって複数装備するのはあまり現実的でない。つまり、先程の戦闘で使ったダミーバルーンが最初で最後という訳だった。

 そして、残っている手札としては、シールド一体型レーザーブレードとライフルが二挺。前者は現在主にシールドとして用いる事を敵機のマシンガン連射によって強いられていて、レーザーブレードとして使う場面を作り出す為に何かを考えなくてはならない。そして、現在メインの攻撃手段となっているのが、後者のライフルだった。一挺は右手に握られ、もう片方は左背にマウントされている。

 ライフルは災暦四三年において、SGの主な武器の一つに数えられている。人間の腕と同じように様々な武器を両手で保持できるSGだが、鋼鉄の巨人というだけあって人間とは違い大きな銃火器も片手で扱える。その中で採用率の高い武器の一つにライフルが挙げられる。携行しやすい武器としては優れた弾速や貫通力、連射性能も悪くなくバランスに優れている。しかしながら、この場において戦況を一変させるような武器ではないというのもまた事実だった。

 真迅改のコックピット画面端に脚部関節への負荷を知らせるエラーメッセージが嫌でも目に入る。その事に、ハーミットは舌打ちを一つ。このまま戦闘が長引けば不利になるのは目に見えていた。南方から前線基地近辺まで移動している因幡重工の本隊が来れば数的有利を得る事ができるかもしれないという皮算用こそあれど、やはり皮算用でしかない。そもそも撤退中の部隊と本隊との合流が主目的である以上、基地北方までは本隊は来ないだろうというのがより自然な予測であった。よって、短期決戦でないと勝ちの目がないという予想にハーミットは至る。

 考え込むよりも先に、咄嗟に彼女の手が動く。右手のライフルの照準を焔牙の脚部関節へと向ける。互いに動いている状況で動いているものを撃ち抜くのは極めて難しいが、その事を無意識に理解しつつ、それでも微かに見える勝機を手繰り寄せようと実行に移す。一発、二発、三発。的が小さい事もあって、簡単には命中しない。本来の自動照準であれば胸部付近に狙いを定めるのだが、他の部位と比べて的が大きく高い命中率を期待できるからであった。逆に言えば、脚部関節を狙うというハーミットの狙いは極めて難しい事を示している。――だが、それでも彼女は止まらない。

 更に一発、二発――といった所で、微かに焔牙の脚部関節に何かが命中する。甲高い金属音が周囲に響き渡りながら弾かれて、ライフルの弾丸が地に落ちてゆく。だが、たった一発だけで何かが変わるわけもなく、相変わらずハーミットの駆る真迅改に対してマシンガンによる弾丸のシャワーを浴びせようとしている。それでも、彼女は焔牙の脚部関節へとライフルを連射するのをやめない。敵の弾幕をシールドで防ぎながら、小刻みに機体を左右に揺らしながら、少しずつ距離を詰めていく。それに対し、焔牙は距離を一定に保とうと少しずつ下がる。マシンガンの有効射程を考えれば、基本的に距離を詰めるのが自然だが、真迅改が距離を詰めてくるのならその距離を維持すれば良い、という意図のようだった。

 その判断は一般的に考えれば最適であった。少なくとも、ブレードの届かない距離を維持しつつマシンガンで攻撃し続けていれば、シールド一体型レーザーブレードを持つ真迅改の場合、シールドをマシンガンで破壊できればブレードという近距離戦闘における決定打を失う事になる。そうなれば、真迅改はこの戦闘における有効打を失う事になる。だからこそ、前に出る真迅改と後ろに下がる焔牙という構図になり得た。

 ――真迅改に乗っているのがハーミットでなければ、それで正解だっただろう。

 

 突然の警報音、突然のエラーメッセージに焔鳥の操縦者であるフェン少尉は「何?」と声を漏らした。そして、その直後に大きな音を立てて後ろ向きに転倒する。一体、何が起きたのかを理解できないまま。エラーメッセージを見てみれば、“脚部関節損傷”という事実が表示されている。

 焔牙の脚部関節が脆いという訳ではない。高速戦闘に向いた機体というだけあって、全体的に細身ではあっても、最低限の強度は確保されている。――だが、フェン少尉は知らない。ここに、真迅改と焔鳥の違いがあるという事を。明華企業群が不要と切り捨てた箇所に、真迅の強さがあったという事実を。

 確かに、焔牙は真迅をもとにそれを上回るように設計された高性能SGであるのは間違いない。真迅よりも速く動くという点において、間違いなく焔牙は真迅を上回っていた。カタログスペックの数字上では真迅に対しては全ての項目でより優秀であるという事を示してはいた。だが、ただ一点。その一点において、今回の戦闘では致命傷に至った。

 脚部関節。焔牙の脚部関節は軽量な機体という事を考えれば及第点といったものであった。それは、他の陣営の開発するものであってもそうだっただろう。だが、因幡重工の真迅は違う。他の企業からは“不要”や“過剰”と言った評価をされていた、脚部関節の頑丈さ。長時間の戦闘においても簡単には性能を落とさず、多少の被弾でも状態を落とさない。それに対し、焔牙は軽量な機体としては及第点という程度。そこへライフルの弾丸が何度も命中した上で、脚部関節に負荷のかかる高速戦闘をしていれば、脚部関節が限界を迎えるのも無理のない話であった。――尤も、フェンはその事にこうして転倒した事で漸く気づいたのだが。

「あ……ぁ……」

 声が盛れる。メインカメラには夜空が映り、その直後には見下ろす真迅改の姿が大きく映った。頭部にある両眼にあたる二つのカメラアイがバイザー越しに赤く輝いている。少しでも抵抗しようとマシンガンを放とうとしたが、それよりも前に真迅改のライフルから放たれた弾丸がマシンガンを貫いて、焔牙の手元で小さな爆発が起きた。そして、真迅改のシールド一体型レーザーブレードからレーザー刃が展開されるのをただ見る事しかできない。

「死にたくな――」

 そう思って、緊急脱出用のレバーに手をかけて思いっきり引くも、画面上にはエラーメッセージ。焔牙の緊急脱出装置は、機体の背面からコックピット部分を射出するというもの。――背中から転倒した現状において、背面を地面で塞がれている状態においては、正常に作動する訳もなかった。胸部コックピットを目掛けて迫るレーザー刃を避ける術などフェン少尉には既になく、その身体ごとレーザー刃の高熱に焼かれて貫かれたのだった。

 

 焔牙のコックピットをレーザーブレードで貫いたハーミットは、マップ上の敵性反応を確認する。すると、その瞬間に敵性反応が一つ減ったのを見る。頭部メインカメラをそちらへ向けると、そこには左腕や右背のレールガンを喪失し所々の装甲が剥がれ落ちかけている渋谷の乗機、三笠の姿が映っていた。右手に持つガトリングガンの銃身は連続した射撃で熱されたのか、先端が赤くなっており高温状態にある事が傍目から見ても察せられた。

『どうやら……片付いた、ようだな』

 通信越しに聴こえる渋谷一佐の声に、荒い息が混ざる。ハーミットが合流する前から孤軍奮闘し、損耗した状態でSGを相手にしていると考えれば、その疲労困憊した様子は無理もなかった。なるばく早く前線基地南方に向けて移動し、撤退中の友軍や本隊との合流を急がなければならないと彼女が考えたその時、画面上のマップ端に敵性反応が増えたのを彼女は見た。

「いえ、敵増援を確認。数は……数えるのも馬鹿らしいですね」

 一つ、二つ、三つと脳内で数え始めてから、そこからいきなり二桁以上の敵性反応が映った時点で彼女は数えるのを止めた。こちら消耗したSG二機のみなのに対して、戦力の内訳はわからずとも二桁以上の敵機が迫っていると考えれば、いちいち数えるよりも何らかのアクションを起こす方が先であるという判断に至った。渋谷一佐も同様の結論に至り、『らしいな』と言って、三笠をその敵性反応の当た方へ向かわせようとする。

「何をしているんです。早く撤退を」

『お前も気づいているだろ。ここからが敵の本隊ってヤツだ。このままじゃ、南方で撤退中の奴らも危ない。無事なお前が先行して南方に迎え』

 考えなくとも、ハーミットには理解できていた。前線基地を包囲している戦力とは別に、その更に外側には本格的に基地を制圧する為の本隊がいるという事位は。だからこそ、ハーミット単機で多くの戦力を削ぐ事に成功し、こうして渋谷一佐のいる北方にまで向かう余裕があったと言えた。だが、これから前線基地へと向かってくる敵戦力は消耗していない状態というのが状況的には明らかだった。

 故に、ここでハーミットが一人で大立ち回りをした所で多勢に無勢なのは明らか。渋谷一佐を守り通すのはあまりにも厳しく、更に言えば侵攻するスピードにもよるが、最悪の場合として撤退中の部隊に追いつくという可能性すらもあり得る。その最悪のケースにだけは対処しなけらばならない。そして、機体性能として三笠は真迅改と比べるまでもなく最高速度に劣る。急いで撤退中の部隊に追いつくという行為は、真迅改が単独で向かわない限り叶わない。そうなれば、三笠に乗る渋谷一佐はここに残るという選択肢しか残されていない。

 彼女には、それは理解できている。“そうするべき”と冷静な頭はそう告げている。だが、彼女が久しく感じて来なかった気分の高まりは、他に策はないだろうか、と焦りながら思案する。しかし、焦った思考回路では思いつくものも思いつかず、そもそも冷静な思考回路の方は“諦めるしかない”と告げている。幾ら考えても、彼女には策が思いつかず、「ですが……!」と声を漏らす。

『なら、この方がいいか? 依頼だ。――あいつらを、頼む』

 ハーミットは、依頼を請け負う傭兵だ。アルカナ機関の所属であり、その依頼の取捨選択もアルカナ機関が選出しているものの、少なくとも請けた依頼については完遂するというのがハーミットの強く意識している事だった。だからこそ、こうして“依頼”という言葉を出されてしまった以上、彼女としてはそれを完遂しなければ、という認識に置き換わる。だが、それはそれとしても、彼女の中にかすかながら残っている“ルート・ゼロ”プレイヤーとしての思いが、なかなか納得できずにいる。

『なぁに。俺は“花火師”だ。デカい花火を打ち上げさせてくれ』

 渋谷一佐の二つ名である“花火師”。それを渋谷一佐は口にした。かつて戦場で大暴れし、敵機の多くを爆散させてついた二つ名。そんな彼の声は、恐怖でやや震えながらも、強く言い放たれたものだった。迷いはどこにもなく、誰になんと言われようとも、敵の増援に向かっていこうという気持ちを彼女は感じていた。

 “ルート・ゼロ”のゲーム中における渋谷一佐の強さは、平均的というものである。武器構成が両手のガトリングに背中のレールガンとわかりやすいものであり、とにかく火力で攻めるというスタイルが確立されているという事もあってか、機体性能の割には動きが良くそれなりに苦戦するプレイヤーもいるというものだった。ただし、やはり旧型機体という事もあって、ゲーム中においては上位互換となる機体はそれなりにある。そのせいもあって、高性能機で挑めば難易度が下がるというタイプのNPCであった。

 ゲーム中の強さと、ハーミットが今実際に目にしている強さはまた別物であるというのは、彼女も理解はしている。だがしかし、機体性能とう点においては、ゲーム中のものよりもより露骨になっているというのが彼女の所感であり、そう考えるなら渋谷一佐の状況というのはあまりにも厳しいと言わざるを得なかった。

 しかしながら、渋谷一佐に何を言っても彼は止まる気がない。その事だけは理解した彼女は、乗機の状態だけ再度確認する。脚部関節にエラーメッセージこそでているが、それ以外の状態については良好であるという事がコックピット内の画面で見てとれた。

「――ご武運を」

 後ろ髪引かれる思いとはこの事か、と彼女は思いながらも乗機を前線基地南方へと向けて動かす。チラリ、と渋谷一佐の駆る三笠にメインカメラを向ければ、更に北方へと向かっていく姿が映る。恐らく彼は多勢に無勢でなす術もなく撃破される。その未来が、ハーミットには明確に見えている。それがわかっていても、撤退中の部隊の事を任されたからには、今から渋谷一佐の方に向かう事は許されない。せめて、その依頼だけは完遂しなければ、と。

 

「これでアイツらは大丈夫だろう」

 渋谷一佐は、ハーミットが無事に海樺島前線基地の南方に向かっていったのをマップ上の表示で確認しつつ、乗機は北方へと向かわせる。乗機の武装で残されているのは、右手にあるガトリングガンと、左背のレールガンのみ。コックピット内の画面には、既に複数のエラーメッセージが表示されていて、警報音が鳴り響いている。各関節への負荷や装甲の損失。様々な理由のエラーを目にして、「ここまで来たら笑うしかねぇよなあ」と渋谷一佐は笑みを浮かべる。

 旧型の機体というだけでなく、かつて戦場で実際に搭乗していた愛機という事もあって経年劣化による性能低下も影響していた。定期的なメンテナンスも現行機種が優先されるという事もあり、その手の劣化は致し方のない事ではあった。そもそお、動く状態を維持できていたというだけでも、本来ならばあり得ない状況ではあった。動態保存できていたのは、どこか職人気質を感じさせる因幡重工だからこそと言える。とはいえ、そんな因幡重工であっても旧型機体のメンテナンスは大きな手間がかかる。どうしても、現在では生産していないパーツ等もある為、そういった面でも手間やコストがかかっていた。これには、渋谷一佐としてもはっきりと“迷惑をかけた”という認識はしていた。だが、それでもこの機体、三笠に拘っていたのは、単に“戦場から去るなら愛機である三笠で”という意識を渋谷一佐が持っていたからだった。

 そのような我が儘を聞いてもらえた理由としては、渋谷一佐がこれまでどれだけ因幡重工に貢献して来たかという点に尽きる。海樺島をめぐる明華企業郡との戦いにおいて、長い間前線を支え続けた勇士として渋谷一佐は称えられている。だが、それと同時に因幡重工社内の派閥争いにおいては厄介な人物とも評されていた。特定の派閥には属さず、ただ戦場で名を挙げた名パイロットにして名指揮官。仮に、自身の派閥を立ち上げようものなら、それに賛同する社員が大勢出てくるというのは、誰の目にも明らかだった。

 その結果、渋谷一佐はどれほど戦果を挙げようとも、海樺島という因幡重工本社からは離れた対明華企業郡の最前線に置かれ続けていた。その実力が評価されていたのも事実ではあるが、要は渋谷一佐に社内の実権を握られたくないという人々に追いやられたというのがより正確であった。

 だが、渋谷一佐にとって、そのような事はどうでもよかった。社内の実権などはじめから興味はない。因幡重工の一人のパイロットとして戦い続けた彼は、最前線でSGに乗って戦う事しか考えられなかった。基地の司令等と言う役割も、“できたからやった”だけであり、本質としては、今でも一人のパイロットに過ぎない。年齢もあって、身体のコンディションを整える事は難しくなった今でも、その心持は若い頃から変わらない。

 乗機の状態、身体の状態ともに劣悪。このような状態では、眼前に迫る敵機の相手をすれば一瞬にしてやられるだろう、と冷静な頭は判断していた。怯える心も同居している。今すぐ撤退したいと思う心も持ち合わせている事くらい、彼にはわかっていた。だが、それでも最期の瞬間まで戦い続けたいという意思が、渋谷一佐を突き動かす。

「最後まで付き合えよ、俺の三笠ァ!」

 敵機を捕捉して、彼はトリガーを引いた。

 

『……渋谷一佐は……?』

 海樺島前線基地の南方、撤退中の部隊になんとか追いついたハーミットへかけられた言葉。それに対し、彼女は答えるまでに僅かな間をおいた。救えたかもしれないと思ってしまうが故に、こうして一人で戻った事に対して彼女は気にしていた。因幡重工の兵士たちに何を言われてもおかしくない、そのように感じていた。だが、かといって嘘をつくのも彼女としては良くないと感じていた。

「彼は、花火を打ち上げました。それだけです」

 “花火師”という異名を持つ渋谷一佐。だからこそ、彼の事を伝えるにはこの一言で十分だった。どのような状況であれ、渋谷一佐は敵機へと向かい、どのような結末があろうとも乗機の手に持つガトリングガンを、最期の時まで撃ち続ける。そういう人間だという事は、この場にいる因幡重工の兵士たちにはよくわかっていた。

『なんで、あっちにつかないんだ……! 俺達より――』

「――彼が、あなたちだけでも助けたいと北方に居残ったのにですか?」

 

 傭兵ハーミットの言葉に、武内一尉は次の言葉を発せられなかった。渋谷一佐が撤退中の自分達だけでも無事に海樺島南部の本拠地まで帰らせたいという意図をもって、殿を務めたという事くらいは理解できていた。そして、傭兵が何と言おうともその戦場から離れる事を拒んで戦い続ける事を選んだというのも、想像に難くない。

 だが、それを理解した上で彼としては受け入れがたかった。

「くそ……っ」

 武内にとって、渋谷一佐はまさしく英雄に等しかった。常に領土、利権をめぐっての戦闘の絶えない海樺島において、因幡重工側のエースと言えば間違いなく渋谷一佐であった。長い間、明華企業郡からの攻撃を防ぎ続けた防波堤と言い換えてもいい。海樺島の前線基地にいる面々の内、新兵を除けばほぼ全員が渋谷一佐の大きい背中を見て今日まで生きて来たのだ。だからこそ、そんな存在が失われるという事実を受け止めるのは彼にとってはあまりにも苦痛だった。

 その時、マップ上に敵性反応が一つ現れてこちらに向かっているというのを、彼は目にした。その瞬間、『敵性反応。こちらで対処します』という傭兵の声が耳に届く。「あ、あぁ」とその声に返すが、その声を待たずに傭兵は敵性反応の方へと向かっていった。

 今の自分たちに、その敵戦力に対して抵抗する力は残されていない。乗機のメンテナンスをしたのは随分と前の話であり、行えたのは精々が現地改修という名のその場しのぎしかない。コックピットの画面上には多くのエラーメッセージがあり、警報音はもう聞き慣れていた。そのような状態で、果たして何ができるだろうか。

『隊長?』

 部下からの通信を耳にして、無意識に歩みを止めていた事に武内は気づく。自身の頬を自ら軽く叩きながら、「いや、問題ない。このまま撤退するぞ」と返す。これ以上の醜態を部下に見せる訳にはいかなかった。

 

 真迅改が、ブースタを吹かしながら低空を跳ぶ。それを捉えようと戦闘ヘリや戦闘車両がその銃口、砲口を真迅改へと向けるものの、それらは真迅改を捉える事はない。並外れたメインブースタの推力もあって、加速力や最高速度は平均的なSGを大きく超える。敵機からの攻撃を受けるよりも前に仕留める。そう考えながら、ハーミットは乗機を動かす。

 強襲用という用途の機体というのもあって、彼女の乗機のスピードという面については間違いなくSGの中では随分と上に該当する。その速度で戦闘車両の懐に潜り込みながら左腕――レーザーブレードのレーザー刃を展開してある――を一振り。まずは一両を撃破しながら、もう片方の手――右手に握るライフルを戦闘ヘリの方に向けて連射する。一つ、二つ、三つと放った弾丸が三機のヘリの燃料タンクを貫通し、空中で爆散する。一瞬にして四つの敵性反応を消滅させながらも、ハーミットは乗機を停止させずにそのまま駆け抜けてから、一八○度旋回しながら停止する。土埃が上がり、一瞬だけ真迅改の姿を覆い隠す。すると、その煙を突き抜けて真迅改が残った戦闘車両へと肉薄する。

「助けられると思ったか、ハーミット」

 ハーミットは乗機の左腕を振るい、レーザーブレードによって戦闘車両を撃破しながらも、通信を切って誰も聞いていない状態で独り呟く。ゲームのストーリーモード中に登場する人物、それを救出できる好機かもしれないと動いたものの、結果としてはそうならなかった。そういった展開を期待しなかったかと言えば、期待していた。既に色々な事柄を諦めて来た彼女にとって、今回の事は久々に訪れた好機だったのは間違いない。

 しかしながら、状況がそれを許さなかった。原作への介入という行為は、彼女にとってはやってみたい事の中では最上位に入るものだったが、今回の状況においてはまず間違いなく不可能であった。乗機の状態は完璧でなく、消耗済というのが一つ。もう一つがあまりにも多勢に無勢であるという事。これが前線基地からの撤退戦ではなく前線基地の防衛戦だったのなら、また少し違った展開もあったかもしれないが、現実はこの通り。兵力にはかなりの差があり、どう抗おうとも数的不利が最終的に因幡重工陣営を追い詰める。そのような状態で、消耗した友軍機を救援するというのは実績を積み上げてきたハーミットにとっても無謀と言わざるを得なかった。

 もしかしたら、助けられたかもしれない――という考えが、浮かんでは消えてゆく。消したとしても、しつこく残り続ける。冷静な頭では“無理”だとしているのに、消えていたと思い込んでいた人間らしい感情が“やってみなければわからない”と叫び続ける。ここまで混沌とした精神状態は、ハーミットには初めての経験だった。

 精神状態が劣悪で、集中力は普段よりも欠いているという自覚が彼女にはあった。だが、それでも今この瞬間においてはその程度の雑念で致命的な場面を迎えるような実力ではなかった。微かに残っている冷静な頭は、敵機の動きを確りと見極めて、その判断を受けて身体が手癖のように自然な流れで敵機を撃墜してゆく。気が付けば、撤退中の部隊に追いつけそうな敵戦力はマップ上には映っていなかった。

『――ハーミット聴こえるか』

 敵性反応が消えた事を確認した直後、通信が入った。アルカナ機関の輸送機からのものという事に気づき、「はい」と淡々と返答する。どうやら、自身と乗機を運んでいた輸送機が近くまで来ているようだという事を、この通信から彼女は察する。

『目標の達成を確認した。こちらの位置情報を送っておいた。帰投しろ』

「了解」

 そして、撤退中の部隊が海樺島南部の本隊との合流を無事に果たしたのを知った。海樺島の前線基地北方にはまだ明華企業郡の戦力がいる可能性こそあれど、その戦力で本隊とぶつかりあう事はまずない。少なくとも、現状のマップ上に敵性反応がない以上は問題がないだろうと彼女は安堵の息を一つ吐く。すると、『ところで』と声をかけられる。

『突然、前線基地北方に向かったのは何があった?』

 その問いに、彼女は眉をひそめる。冷静にあらゆる物事に対処し、無駄のない行動をしているのであれば、まず間違いなく撤退中の部隊から離れるのはあってはならない。少なくとも、撤退予定の進路からの不意打ち等があった場合には部隊は危機にさらされるためだ。無論、進路をそのまま進めば因幡重工の基地がある事を考えれば、なかなかその地点からの不意打ちという可能性は低いと言えるものの、その低い確率に対しても対処するというのが本来ハーミットに求められた動きであった。だというのに、それ以外の動きをしたという事は、命令違反をしたのと同義であるという事だ。

「……撤退中の部隊からの要請です。北方に敵機が確認された為、その排除を」

『北方に行かずとも撤退中の部隊の近くで北方を警戒すればよかったと思うが?』

「私は表向きには傭兵です。依頼主陣営の友軍からの要請には答えるべきでは?」

 アルカナ機関の保有戦力であるハーミットは、しかしながら表向きにはアルカナ機関出身の独立傭兵という肩書きである。依頼の取捨選択はアルカナ機関が用意した代理人によってされているものの、少なくとも依頼主からの要請があればそれに応えるというのは極めて自然なものである。つまり、状況的には要請があったのならば北方まで行くのが自然であるというのがハーミットの主張だった。

 僅かな間。暫くして、息を一つ吐く音が彼女の耳に届く。

『……わかった。とりあえずは帰投しろ。座標を送っておいた』

 通信士のそんな言葉に、彼女は「了解」と返す。自身の主張が通ったかと言えば、そのあたりについては微妙だろうと彼女は感じていた。ここで更なる追及等がなかったのは、単に早く帰投しようとしているだけだろうというのがハーミットの推測だった。とりあえず、息を一つ吐く。何はともあれ、今日も生還できたのだから。

 

『ハーミットの後頚部から検出された脳波について、報告があります』

 アルカナ機関にある一室では数人の職員が集まっていた。この職員は一般的な職員などではなく、少なくとも主任以上の面々のみがこの場にいた。そして、そこに通信を飛ばしてきたのは輸送用ヘリに搭乗している通信士だった。アルカナ機関の保有する強化人間が傭兵として出撃する際には必ず、一人以上の職員が輸送ヘリか輸送船に搭乗する事が定められていた。どうしてそのような事が定められているかと言えば――。

『アレは稼働限界を迎えています。そろそろ、処理が必要かと』

 ――生体部品としての稼働限界の予兆をいち早く察知して、アルカナ機関の上層部へと報告する為だった。

 アルカナ機関の最高戦力であるハーミット、その稼働限界という言葉に対しこの場にいる職員たちは大きな反応を示さない。なぜならば、強化人間にはいつかかならず稼働限界が訪れるという事は知っていたからだった。通常の人間とは異なり、初めからSGの操縦に適した身体で生み出される生体部品。そして、動かなくなるのなら新たな部品を生産すれば問題がないとも認識していた。

「所長。そろそろ、次のハーミットの準備が必要そうですね」

 一人の職員がそう言うと、所長と呼ばれた男は「生体部品製造班、準備は?」と問いかける。これに対し、「既に」という回答得た所長は、笑みを浮かべる。無論、代わりがいるからと言って、アルカナ機関の最高戦力であるハーミットの穴を埋めるのは厳しいだろうというのが、この場にいる職員たちの共通見解でもあった。少なくともハーミットは、所謂オーパーツじみた生体部品であり、今でもハーミット程の戦績を残す生体部品は未だ現れていない。

 だがしかし、そんなハーミットが仮に戦闘中に倒れ、その身体を他陣営が回収してしまうのだけはアルカナ機関にとっては避けなくてはならない事態であった。ハーミットの身体のデータは他陣営からすれば喉から手が出る程欲しい代物だろうというのは、この場にいる誰もが理解していた。アルカナ機関のこれまでの研究において、ハーミットの強さの秘密を解き明かす事はできていない。しかしながら、他陣営が回収して研究をする事で、強化人間の仕組みを理解されてしまう恐れがあった。その程度でハーミットを超える強化人間を他陣営が生産できるとは誰も思っていない。だが、だからと言ってそんなハーミットを野放しにするのもまた違う。

「“審判(ジャッジメント)”の準備は?」

「初期設定の最中です」

 所長の口にした“審判”という単語を耳にした職員達の一部から、「流石にそれは……」という明らかに動揺した声が漏れる。だがしかし、そのような事で所長は動じない。

「まさか、生体部品に情など抱いているなどとは言うまいな?」

 ここで動じるような職員は、少なからずハーミットというアルカナ機関の最高戦力という存在に大なり小なり情を抱いている人間であるというのが、所長には丸わかりであった。アルカナ機関にとって、ハーミットは確かに最高戦力かもしれないが、それ以上に単なる生体部品でしかない。これまでのハーミットの戦績はあまりにも異常であった。その為に、ハーミットらの生み出された当初を知る職員以外からは、頼れるエースパイロットという認識になりつつあるのが所長にとっては一つの誤算であった。

 ハーミットと同等の戦績を残す強化人間を確実に生産できるようになったわけではないが、ハーミットの生産された当時と比べれば生体部品の性能について個体差は大分なくなってきていた。更に性能の下限も大きく引き上げられた点を含めれば、高性能な生体部品を複数運用すれば、ハーミット単体よりも確実に戦績を積み上げられるだろうという試算が出ていた。故に、所長の頭の中では既にハーミットは不要という考えに至っていた。

 だが、仮にもアルカナ機関の最高戦力。雑に放逐してしまえば、アルカナ機関にとっての脅威になる可能性が捨てきれない。そうなると、確実にその命を奪う手段が必要となる。その為の“審判”の準備だった。

「とりあえず、審判の準備が完了するまではハーミットには稼いでもらおうか。これまで通りにね」

 無用になるその瞬間まで、ハーミットには傭兵として外貨を調達してもらう。それが所長の――アルカナ機関としての総意だった。




【TIPS】

花火師(異名)
渋谷一佐が大暴れしていた現役時代の二つ名。
……渋谷、花火師、ガトリング……後は言うまい。

次話
005[調査拠点強襲/Coming unknown]/
2025/01/31 18;00頃投稿予定
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