「さて、精一杯がんばります!!」
一人の少女が雄英高校ヒーロー科一般試験を前に気合を入れている。少女の名は、
周囲が、困惑する中、飛び出す三岐。試験のSTARTとは思えない軽い開始合図、戸惑うのは無理がない。むしろ、一切迷いなしに飛び出せる、この少女の方が異常と言える。
プレゼントマイクから言葉によりようやく他の受験生たちも走り始める。しかし既に、三岐は仮想ヴィランと会敵していた。
「まず一体だ!!」
「標的ヲ発見」
三岐は拳を3pヴィランへと叩き込む。高度のAIを積んだ仮想ヴィランは、その攻撃に対し、迎撃を選択する。センサーなどで情報を精査し、自身の装甲へ有効な攻撃ではないと判断した。しかしAIの演算を上回る現象が顕著する。
「ぶっ飛べぇ!!」
拳が叩き込まれると、3pヴィランの装甲を轟音立てながら粉砕し、吹き飛ばし、仮想ヴィランの後ろにいた、2p、1pヴィランを巻き込む。
「やった!」
少女とは思えない、圧倒的なフィジカルの一撃を叩き出す。周囲に響く仮想ヴィランの壊れる音により、さらに仮想ヴィランが集結して来る。
「標的ヲ発見」「標的ヲ発見」「標的ヲ発見」「標的ヲ発見」
「あはっ!今日は絶好調なんだ。加減は出来ないよ・・・」
入試は始まったばかりだ。
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「凄いですねこの子、開始合図とともに飛び阿して、一撃で仮想ヴィランを倒しちゃいましたよ。しかも重装甲3pを」
「そうねぇ、基本的は一撃で倒してるわね」
「それだけじゃない、回避能力も高いな、奇襲への対応も見事だ視野が広いな」
「高い身体能力に、戦闘センスも抜群と」
「とても優秀だな、それに積極的に周囲への気配りもできてる。」
別室で試験の様子を見て評価を付けていく先生達。
「さて、間もなく時間だ。これからだよ。真価が問われるのは」
そして一人の鼠が、あるスイッチを入れる。この入試においてもっとも鬼門であり、ヒーロとしての進化が問われる事態を誘発するギミックが動き出す。
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試験終了まで残り二分が残っていた。
「う~ん、順調、順調」
試験用の補助道具として持ってきた金属バットを持ちながら、周囲を見渡していた三岐。その周りは残骸まみれになっていた。
「途中で数えるのめんどくさくてやめちゃったんだよねぇ。何pかな今。」
多少余裕が見え始め、独り言を漏らしながら、ゆっくりと、次の得物を探しに動き出すさなか、それは現れた。
「ん?」
ビルを倒壊させながら、出現したそれは、まるで怪獣のように受験者に向けて進みだす。
「へぇ~面白い事するじゃん」
ニヤリと笑みを零し、0pヴィランを見据える。そこへ一人声をかける者がいた。
「おい、あんた何してんだ!?逃げんぞここはあぶねぇ!!」
黒髪の少年が三岐へと声をかけたのだ。ただ棒立ちしていたため、あまりの事に放心していると思われたのだろう。
「いやいや、何で逃げんの?」
「な、なんでって、あんなのに敵うわけねぇじゃん。それにあれを倒してもpにはならねぇんだぞ」
「いや、そうじゃなくてねぇ」
「なんだよ」
「ヒーロー目指してんなら、あの程度の脅威、如何にかしなちゃでしょ」
「あっ・・・」
少年は意表を突かれた様に、口が開いて、呆然とする。そんな事に歯牙にもかけず、三岐は0pヴィランへと歩み出す。
「待ってくれ!」
「なに・・・」
「目が覚めたぜ!!サンキュ。そうだような、ヒーローなるってのに、逃げちゃ駄目だよな!!俺も、あいつを倒すぜ。頼む手伝わせてくれ!!」
「アハハ、キミ面白いねぇ。いいよ。一緒にやろうか」
少年の覚悟を三岐が受け止めた所に、声が聞こえた。
「ケロッ・・・」
「ん?」
「どうした。」
「いや、声が聞こえた気が・・・」
「アレじゃねぇか!」
少年が指さした方向に、下暦に足を取られ身動きが取れない、一人の少女が居た。そしてその背後には、0pヴィランが近づいていた。
「マズイ!!」
「時間ないね。端的に名前、と個性は?」
「え?、あ、
「私は、
「なっ!俺の方がッ!」
「適材適所だよ。彼女を守ってあげて、私は、一人で十分、いや、「「「「4人でかな」」」」
走り出した、三岐は突如4人に増え、それぞれ0pヴィランへと殺到する。
「マジかよ・・・とっ、こんな場合じゃなかった・・・・おーい大丈夫かあんた」
「ケロ、脚が挟まったみたいで」
「よし、任せろ。ハァッ!!」
切島が少女を助けてる間。三岐4人は、0pヴィランを攪乱していた。
「ほら、こっいだよ鬼さん」
「いやいや、こっちだよ」
「こっち、こっち」
「こっちですよ」
そして、一人にヘイトが向くと残りの3人で、攻撃を咥えていた。しかし、巨体の上に頑丈な装甲には、既にボロボロな金属バットではまともな、ダメージを期待できなかった。
「マズイね」
「もう少しまともな得物持ってくるんだった」
「仕方ないよ。」
「そうそう、簡単に手に入るのはこれ位だもん」
4人で愚痴りながら、0pとの周りを駆けまわる。
「どうしたらいいだ!」
「ケロッ決定打に欠けてるのね」
「えっと・・」
「
「そうか。つゆちゃん。個性は」
「私は蛙よ。蛙ぽい事ができるわ」
「なら、俺の事思いっきり、投げれるか。俺の個性は、硬化だ。もしかしたら、有効打になるかも」
「ケロっ、やってみましょう」
梅雨ちゃんと切島が作戦を立てる。切島を0pヴィラン目がけて投げつける。単純明快、脳筋戦法である。
「行くわよ切島ちゃん」
「おう、遠慮はいらねぇ!!」
「ケロォォォォ!!」
「ウォォォォォ!!」
思いのほか、いい感じに飛び出す切島。0pヴィラン頭部に目がけてすっ飛んでいくが、距離もあったため、0pヴィランに捕捉され、迎撃態勢を取られてしまう。
「くっ、マジかよ!!」
絶望を味わう中、三岐も動く。3人が、0pヴィランの片足に全力で、バットを振りおろしバランスを崩す。そして、最後の一人が、空中にいる切島へと、飛びつきその腕をつかむ。
「よくやった切島君。絶対に硬化を解くんじゃないよ」
「おう!!」
切島の腕を掴んだ三岐は、その細腕に信じられない程の力を籠め、切島を勢いよく、0pヴィランへと投げつけた。
「必殺!!
高速で射出された切島は、爆発的推進力により、0pヴィランの重装甲を貫き、胸部に風穴を開けたのだ。